テイルズオブフィナーレ2   作:モニカルビリッジ

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第10話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠人「………はぁぁ………ぁぁぁ………。」

 

 

 

 

 

 

 悠人は呆気に取られていた。レイナならあの狼男を何とかしてくれると思ってはいたがこんなにもあっさりと狼男を倒すとは悠人も想像していなかった。それだけレイナと狼男との間に力の差があったということなのだろうが………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピクッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レイナ「………終わったわよ悠人。

 他の増援が来ない内に早くこの島を抜け出し「危ないレイナァッ!!」!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダッ………!ガッ!!

 

 

 

 

 

 

 悠人はレイナへと走り彼女の体を抱えると直ぐ様真っ二つになった狼男の体から離れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ググ………、

 

 

 

 

 

 

 すると真っ二つになった筈の狼男の()()()()()()()()()

 

 

悠人「こいつまだこんな状態で生きてるのか……!?」

 

 

レイナ「しぶといわね。

 ()()()は破壊したけど()()はそりゃ残ってるわよね。

 

 

 悠人、

 こいつには近付かないで。

 その内勝手に消えて「おおおおおおぉぉッ!!」」

 

 

 

 

 

 

 

ドンッ!!

 

 

 

 

 

 

悠人「体が半分に分かれてんだからいい加減にとっととくたばりやがれ!!

 この化け物野郎!!」

 

 

 悠人は立ち上がった狼男の下半身を渾身の力で突き飛ばした。熱で思考が麻痺しているせいか慎重な性格である筈の悠人が思いきった行動に出た。健常なままだったら悠人に勝ち目は無かったが体が半分に切り裂かれていてそれでいて下半身ならばと悠人は止めを刺しにいこうとしたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベチャ………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジュウウウウウゥゥ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠人「!!?

 ぐああああぁ!!?」

 

 

 下半身に殴りかかった直後下半身の上部から溢れる狼男の血が悠人の手にかかり激痛が走る。見ると悠人の手は火傷の痕のように爛れていた。

 

 

レイナ「馬鹿ね。

 そんなの放っておいてもよかったのに余計なことをするから。」

 

 

悠人「う………ぐぅ………!?

 

 

 

 

 

 

 ………ハァ………!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドサッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とうとう悠人の体力に限界が来た。熱で意識が絶え絶えなこのコンディションに両手が高熱で溶かされている。どんな屈強な人物でも人の身である限りはまともに立つことさえ出来なくなる。現に悠人はかろうじて意識は保ってはいるが視界はどんどん暗くなり身体中の感覚が熱に支配されもう自分が苦しんでいることすら分からなくなってきていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠人「(………俺は………………もうここで………。

 こんな………こんな場所で俺は………………。

 ………この島に何があったのか知らないままここで………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………結局あの子がどうなったのかも分かってないってのに俺は…………。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 悠人は昔のことを思い出していた。悠人が子供の時にこの保泉市で出会った女の子のことを。年は自分と同じらしく黒髪で肩まで伸ばしたあの()()()()()()のことを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スゥ………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠人「………?」

 

 

 薄暗くなる視界が少しだけ傾く。それで悠人は自分が誰かに()()をされていることに気付く。そんなことをする人物といえばこの場には一人………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レイナ「………聞こえる?

 悠人………。

 貴方このままだと本当に死ぬわよ?」

 

 

悠人「言われ……ぁくても……わぁ………てるよ………。」

 

 

 視界は既に闇に閉ざされているが聴覚だけはまだ残っていた。闇の中で悠人は微かに聞こえるレイナの声に返事をする。

 

 

レイナ「貴方は今“ヴェノム”っていう人工精霊化ウイルスに感染している状態よ。」

 

 

悠人「ヴぇ………のむ………?」

 

 

レイナ「そう。

 それに感染した生物は身体中をウイルスに侵食されてドロドロのゼリーみたいな生物に変身するの。

 そうなったらもう貴方は貴方のままじゃいられなくなるわ。

 理性を失って他の生き物達から霊力を奪って生きながらえようとする魔獣と化すの。」

 

 

悠人「………へっ………ぁじゅうか………。

 さっいの………やつみたいにあ………?」

 

 

レイナ「さっきのあの妖怪(モルモット)は別よ。

 あれは人為的に生物にヴェノムウイルスを投与してから精霊核を与えて元の生物とは別の精神を宿してるの。

 正確には記憶を消去されてるから宿主の精神ではあるんどけどね。」

 

 

悠人「………ぁんだよ………どっいにしろしんでるもどうぜんじゃえぇか………。」

 

 

レイナ「そうね………。

 このまま貴方のその症状を放置すれば貴方はヴェノムになって死ぬ。

 ここの奴等なら貴方を妖怪として生かすことは出来るけどそうなると貴方の人格や記憶は抹消されて貴方は結局死ぬ。」

 

 

悠人「………」

 

 

レイナ「………………私なら、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………私なら貴方のことを助けてあげられるわ。」

 

 

悠人「………!?」

 

 

 悠人は耳を疑った。レイナは自分を救えると言ったのだ。

 

 

レイナ「貴方はまだ完全に意識をヴェノムに奪われてはいない。

 貴方が感染したのは多分私と出会った時に妖怪の攻撃を受けた時でしょうね。

 それならまだあれからそう時間は経ってないわ。

 今ならまだ貴方を助けられるの。」

 

 

悠人「…どう………ぁってだぉ………?」

 

 

レイナ「………それはね………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャキンッ!!

 

 

 

 

 

悠人「!」

 

 

レイナ「今から私が言うことを心して聞きなさい悠人。

 貴方はこれから………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私のこのウンディーネの()()になりなさい。

 私の下僕になると誓うなら私が貴方の命を助けてあげるわ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 レイナは悠人の首筋にジュワ・ユーズを突き付けてそんなことを悠人に言ってきた。

 

 

 

悠人「けん………ぞく………?」

 

 

レイナ「そうよ悠人。

 本当ならもっと使えそうな駒が欲しいところだけど今は()()()()()()()()()()

 どう?

 私の衣食住を保証するのなら貴方のその苦しみを私が取り除いてあげられるけど。」

 

 

悠人「……おぁえ………はじめかぁそのつもりだったんぁじゃぇぇのか………?」

 

 

レイナ「フフ………そうね。

 私としては貴方がヴェノムに感染してなければこんな相談を持ち掛けることもなかったけれど感染しているのなら利用しない手はないわよね?」

 

 

悠人「せぃかくのぁるいおんなだなぁ………。」

 

 

レイナ「で?

 どうするの?

 眷属になるの?

 ならないの?」

 

 

悠人「………」

 

 

 悠人は考えた。悠人の答えは()()()()()()()()。ただ返事を返すだけだがレイナが何か他にも悠人を眷属に誘う理由があるのではないかと………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠人「………しぁたねぇなぁ………。

 なってやぅよ………。

 おぁえのけんぞくに………。」

 

 

レイナ「交渉成立ね。」

 

 

 悠人はレイナの眷属になる選択をする。レイナが善人なのか悪人なのかまだ判断はつかないが後者であったとしても自分は彼女の希望を呑む以外に選択肢は無かった。

 

 

 

 

 

 

レイナ「じゃあ直ぐに貴方の体を治してあげるわ。

 貴方は気を楽にしているだけでいいから。」

 

 

 

 

 

 

ブシュッ…、

 

 

 レイナは悠人の顔の前に左手を差し出し右手に持ったジュワ・ユーズで軽く親指の先を切り血を出した。

 

 

 

 

 

 

レイナ「『我が名はウンディーネ………。

 ここに我と盟約の誓いを交わさん………。

 彼の者を我が配下とし我が力を授ける………。』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポトッ………!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パァァ……!!

 

 

 

 

 

 

 レイナの血が悠人の口へと注がれる。すると悠人の体が青い光に包まれる。

 

 

悠人「………!」

 

 

 それまでどうにかなりそうだった体の熱と痛みが引いていくのを悠人は感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠人「!

 ………体が何ともない………?」

 

 

 狼男を殴ったことによって負った手の負傷が癒えていた。それだけでなく視界も正常になり熱も完全に完治していた。

 

 

 

 

 

 

 

レイナ「“契約”はここに完了したわ。」

 

 

悠人「レイナ………。」

 

 

レイナ「これからは私が貴方の()()()()よ。

 しっかりと敬いなさい?」

 

 

 レイナは満足そうに悠人を見ながらそう言う。

 

 

 

悠人「………ハァ………。

 どうしてこうなったんだが………。」

 

 

レイナ「何よ不服なの?」

 

 

悠人「そういうわけじゃねぇけどよぉ………。

 ………まぁ別にいいよもう………。」

 

 

レイナ「言っておくけど契約は貴方からは勝手に破棄出来ないからね。

 私の下僕に自分からなったんだから当然よね?

 

 

 それと契約の証しとして()()を持っておきなさい。」

 

 

 レイナは悠人にどこから取り出したのか綺麗な石を渡してくる。

 

 

悠人「これは………?」

 

 

レイナ「“アクアマリン”。

 私の下僕の証よ。」

 

 

悠人「………宝石か。

 分かったよ。」

 

 

レイナ「………いい?

 悠人。

 これから先私に何かあったらそれは貴方の責任よ?

 しっかりと私の面倒を見なさい。

 いいわね?」

 

 

悠人「へぇへぇ………。」

 

 

レイナ「気のない返事ね………。

 でもいいわ。

 代わりにもし貴方に何かあったらそれは私の責任だから。

 貴方の身は私が守るからそのためにも貴方は私に沢山御奉仕しなさい。」

 

 

悠人「俺の身をレイナが………?」

 

 

レイナ「そうよ。

 貴方にやってもらうことは色々あるわ。

 衣食住の確保なんて基本だし他にも世間のことも知りたいわ。

 色々と協力してもらうから覚悟しておいてね。」

 

 

悠人「………………ハァァァァ………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 先が思いやられるぜ………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後悠人達は港から船に乗り込みやっとのことで島を脱出した。本州へと戻った悠人はレイナを連れて自宅へと帰っていった………。

 

 

 

 

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