テイルズオブフィナーレ2   作:モニカルビリッジ

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第11話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───悠人達が本州に戻ってきて一週間後の月曜日。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京工業大学 七日目

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よう悠人!

 久し振りだな!

 一週間も大学休んで何してたんだよ?」

 

 

 

 

 

 

悠人「別に………。

 ちょっと用事があっただけだ。

 “美咲”こそこの一週間全然見かけなかったがどこにいたんだ?」

 

 

美咲「俺は普通に大学に来て講義に出てたぞ?

 もしかしてお前大学には来てたのか?」

 

 

悠人「いや?

 来てなかったけど?」

 

 

美咲「じゃあ俺と会うわけねぇだろ!

 何でそんなこと訊くんだよ!」

 

 

悠人「ハハハ………!」

 

 

 今悠人と話をしているのは悠人と同じく東京工業大学に通う同期の“”保斗橋美咲(ほとばしみさき)だ。彼とは悠人が東京へ強制的に引っ越してきた時期からの仲で小学から中学、高校そして現在の大学までずっと一緒だった。偶然にもその間のクラスも全て同じで何かと彼とは馬があうので悠人は美咲のことを親友のように思っていた。

 

 

 

 

 

 

美咲「それで何で悠人は一週間も大学に来なかったんだ?」

 

 

悠人「それは………。」

 

 

 保泉市でのことは他人に言えることではなかった。悠人にとってもまだレイナとのことを整理出来たわけではなく人に話すには問題が多すぎた。

 

 

 

 

 

 

 なので悠人は………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠人「………叔父さんの()()()()でさ………。

 ちょっと親戚の人達と会ってたんだ………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 美咲に四十九日と嘘を伝えることにした。

 

 

 

 

 

 

 

美咲「あ………あぁ………悪い……。

 ちょっと俺聞いちゃいけないこと訊いちまったみたいだな………。」

 

 

悠人「いいさ別に。

 俺とお前の仲なんだ。

 お前にならこのくらいのことは話せるさ。」

 

 

美咲「悠人………。」

 

 

 悠人は親族以外で唯一心を開いて話が出来る友人だった。とは言っても実際には美咲に嘘の話をしてしまったことに悠人は罪悪感を感じていた。

 

 

美咲「………まぁお前もなんか忙しいみたいだな………。

 もし気が向いたらまた飯でも食いに行こうぜ?

 そんときは奢ってやるからよ。」

 

 

悠人「別に奢らなくてもいいって。

 普通に割り勘でいいよ。

 ………また今度時間が空いた時にな。」

 

 

美咲「おう。

 そんじゃあ講義受けにでも行くか。」

 

 

悠人「あぁ。」

 

 

 悠人と美咲は次の講義がある部屋へと移動した。この日は普通に講義を受け普通に大学を後にした………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……………………………………………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠人宅

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レイナ「遅いわよ悠人。

 今何時だと思ってるの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 悠人が自宅へと帰り付くと家でレイナが御立腹な様子で悠人の帰りを待っていた。

 

 

 

 

 

 

悠人「………十九時だと思われますが………。」

 

 

レイナ「大学が終わるのは十七時だったんでしょ?

 この二時間の開きは何なの?

 何で帰りがこんなに遅くなるのかしら?

 どこかで道草食ってたんじゃないでしょうね?

 御主人様を放っておいて。」

 

 

悠人「無茶苦茶なこと言うなよ………。

 こっから大学まで一時間は掛かるんだぞ?

 それにお前の飯だって作らないといけないから材料の買い出しもついでにしてたんだよ。

 それでこの時間なんだから寧ろ順当な時間だろ。」

 

 

レイナ「いいえ遅いわね。

 遅すぎるのよ。

 そんなもの五分で終わらせなさいよ。

 そうしたら十八時には家に帰り着いて食事の仕度を始めて今頃食事にありつけてる筈でしょ?

 今から始めたんじゃ二十時になっちゃうじゃない。」

 

 

悠人「お前が()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が食いたいって言ったんじゃないか!?

 今の季節を何だと思ってるんだ!?

 夏だぞ!?

 冷やし中華以外を見付けるのに苦労したわ!」

 

 

レイナ「そんな苦労私が気にかけるとでも?

 いいから早くご飯作ってよ。

 私を餓死させる気なの?」

 

 

悠人「このぉ………!?(居候の分際で……!!)」

 

 

 最初に会った時は聡明でクールな女性かと思ったが存外レイナは子供っぽかった。悠人に無茶な我が儘ばかりを言いこの一週間悠人を困らせ続けていた。

 

 

レイナ「何?

 口答えするの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 もう私の()()()()()()()()()()()?」

 

 

 レイナは勝ち誇ったように悠人にそう宣告する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠人「なっ……!?

 そりゃ卑怯だろ!?」

 

 

レイナ「卑怯もなにも御主人様の命令は絶対よ。

 貴方は私に逆らったりせずに私の言う通りにすればいいのよ。

 

 

 

 

 

 

 良いからさっさと口を動かさずに手を動かしてちょうだい。

 さ、早く。」

 

 

 そう言うとレイナは居間のソファーで寛いでテレビを見始めた。もうこれ以上悠人と文句の言い合いを続ける気はないようだ。

 

 

 

 

 

 

悠人「くっ……!(このクソニートが偉そうに!!)」

 

 

 悠人は内心レイナへの不満がたっぷりとあった。一週間前にレイナを島から連れ出してからというもの悠人はレイナへの気苦労が絶えなかった。船で本州に戻ってきてから深夜を待ち人目につかない道をバイクで走行し家まで戻ってきた。

 

 

 そこまでは良かったがレイナが突然………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レイナ『そろそろね………。』

 

 

悠人『ん?

 何がだ………………んぅっ!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 レイナと同化している精霊ウンディーネはまだ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 なのでレイナによって治療されたと思っていた悠人の中のヴェノムウイルスはレイナの力が足りずにまだ悠人の体の中で燻っている。悠人の中のヴェノムウイルスを除去するにはレイナが完全にウンディーネと同化し精霊の力を引き出した状態でレイナの血を飲まなければいけないようだ。それまで悠人は定期的にレイナの血を飲み一時的にヴェノムウイルスを抑え続ける生活を強いられることとなった。もしレイナの血の供給が途絶えれば悠人の中のヴェノムウイルスが暴走を始め悠人を無差別に人を襲うモンスターへと姿を変えてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レイナ「悠人~?

 まだ出来ないの~?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悠人「そんな直ぐに出来るか!

 まだあと三十分は掛かるっての!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レイナ「ふぁぁ………ご飯まだかしら………。」

 

 

 

 

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