悠人「ハァ…!ハァ………ッ!
何なんだよこの状況は……!?」
悠人は建物の中を一心不乱に走っていた。
異形の怪物「クアアォォォッ!!!」
悠人の背後からは異形と化した加藤と服部が追いかけてきていた。悠人は
悠人「………っ!こんな展開になるなんて全然聞いてねぇぞ!
いつから日本はこんな映画みたいなのがいる国になったんだ!!」
悠人は走りながら逐一後ろを振り返り追ってきているのが怪物であることを確かめる。見付かって追われるにしてもただの人間だと思っていた悠人はこれが現実の今まさに起こっている状況だということに嘆いた。
異形の怪物「オオオオオオッ!!」
悠人「とにかく一旦ここを出ないと!!
出口はどこだ!!?」
悠人は出口を探して建物の中を駆け回る。幸いにも探索からそう時間は経っていないので悠人が今いるここは一階だ。一階になら外へと出入り出来る玄関や窓などが沢山………。
異形の怪物「ギィオオオアッ!!!」
悠人「!?」
悠人が玄関と思われる出口に向かうとそこには追ってくる加藤と服部とは別の怪物が待ち構えていた。怪物へと変身したのは加藤達だけではなかった。
異形の怪物「フシュゥゥゥゥ!!」
悠人「おいおい………、
さっきまでここにいたのは普通の人間だっただろ………。
何で………。」
恐らく加藤達が最初に異形の姿へと変身した際にあげた咆哮を聞きつけて他の職員達も悠人の存在に気付き変身したのだろう。悠人は出入り口を塞がれてまた建物の中を駆けずり回ることとなった。
異形の怪物『ゴオアアアアアッ!!!』
悠人「………!
クソッ!!」
ひたすら建物の中を走っていると至るところから怪物の叫び声が聞こえてくる。ふと目にした窓からは外にも怪物達がこの建物へと集まってきていた。
悠人「(こういう時はどこに逃げればいいんだ……!?
上階か!?
上から怪物達の動きを見てどこか安全な場所を………!?)」「キィオオオオオ!!」
悠人が上の階に逃げようと思った瞬間上の階から怪物達の咆哮が聞こえてきた。
悠人「(………上は無理だな。
上にも大勢の化け物達がいるようだ。
この階にも化け物達が集まってきてやがる。
………上が駄目なら下に行くしかないか。
逃げ場はないが一度あの化け物達の目を振り切らないと。)」
走りながら目に飛び込んできた上下に続く階段を悠人は下に向かって降りていく。後ろから聞こえてくる怪物達の足音はどんどん増えていっていた。
悠人「(どうにか………!
どうにかここから脱出しないと……!)」
悠人の頭の中はここへ来た目的も忘れて脱出することだけで一杯だった。悠人は無我夢中で走り続ける。怪物達が徘徊する建物の中を………。
……………………………………………………………………
異形の怪物「ボオオオオオッ!!!」
悠人「(………なんとか振り切ったか………。)」
悠人を追ってきた怪物達の声は聞こえてくるがそれが真っ直ぐ自分へと近付いてくる気配はない。怪物達は悠人のことを見失っていた。
悠人「(それにしても何なんだここは………?
とうしてあんな化け物達が………。)」
怪物達の追跡を振り切ったことで悠人は冷静になった。冷静になり怪物達のことについて考えていた。
悠人「(………ここは………ただの研究施設じゃないな。
あんな化け物を作り出してるのか………。
人間をあんな化け物に………。)」
悠人の記憶には加藤も服部もあのような怪物であった記憶はない。ここ十年でこの保泉市に何かが起こり保泉市に住んでいた彼等は捕らわれてあのような怪物へと変身するモンスターへと変えられてしまったのだ。
悠人「(………この分だと他の保泉市の町人は全員あんな化け物に変えられてるんだろうなぁ………。
………ここにいた親父も………。
俺も捕まったらあんなふうになるのか………?)」
捕まった際の我が身の運命を思うと悠人は冷や汗が止まらなかった。加藤達が問答無用で襲い掛かってきたことから怪物になれば姿は元のままでも中身はまったくの別物になるだろう。そして自分の姿をした“何かが”ここの保泉市の町人達のように………、
悠人「………」
悠人は落ち着いてどうのようにここから脱出するか作戦を練った。普段は絶対にお目にかかることのない怪物が徘徊はしているが建物自体は人が活動するための造りをしている。
悠人「(…普通に通路に出れば化け物達に遭遇する。
奴等がどれだけの力を持っているのか知らないがまず生身の人間が勝てるような相手じゃない。
ましてや俺は今化け物の相手が出来るような武器も何も持っていない。
真正面からじゃ突破は無理だな。
………そうなると
悠人は頭上の通気孔を見上げる。通気孔の大きさはぱっと見でも人一人がやっと入れるといったところだ。なんとか悠人が入り込めそうな広さはあるその通気孔から悠人は階層を上がって一階に出て外に脱出する計画を立てる。
異形の怪物「ゴオアアアアアッ!!!」
悠人「(…今一階に戻ったとしてもまだ化け物達がいるだろう。
どうにかして上にいる奴等も下の階に誘き出せないか………。
そうすれば手薄になった一階から堂々と外に出ることが出来る。
このフロアのどこかで
化け物達の様子を伺いながら悠人は通路を観察する。すると階段とは真逆の行き止まりに非常ベルがあった。
悠人「(ビンゴだ。
あのベルを鳴らせばこの階に警報が鳴り響く。
そしたら上の階からも化け物達が一気に押し寄せてくるな。
その隙に俺は………。)」
ヒュッ!!
頭の中で簡単にシミュレートをした悠人は持っていた
そして、
ジリリリリリリリリリリリリリリリリリ!!!!!
異形の怪物「「「「「「「「「「グガアアアアアアアッッッ!!!!」」」」」」」」」」
悠人の狙い通りに怪物達が悠人のいる地下にまで大量に降りてきた。