悠人「おいレイナ!
何やってるんだよお前は!?」
レイナ「何?
何をそんなに怒ってるの?」
悠人「怒りもするだろ!
もう少しでお前ここに刑事が来るところだったんだぞ!?」
レイナ「あら何で?」
悠人「お前さっきここから下の様子覗いてただろ!?
それ見られてたんだからな!」
レイナ「別にいいじゃない。
あの人達帰ったんだから。」
悠人「もうちょっと危機感持てよ!
俺とお前の関係説明するの大変なんだぞ!
お前みたいなパッと見外国人がどうして俺と一緒に住んでるのかとか訊かれたりしたらどうするんだよ!」
レイナ「
悠人「は?日系アメリカ人?
日系?」
レイナ「前に説明しなかったかしら?
私がエルフの父とこの地球の人間との間に生まれたハーフエルフだって。
悠人「え………?
お前の母親って日本人なのか?」
レイナ「私の顔立ちから想像出来なかったかしら?
これでも日本人寄りの顔をしてると思うのだけど。」
悠人「……言われてみればどことなく日本人の面影があるような………。」
レイナ「私のことは親戚の従姉妹とでも説明すればいいんじゃないかしら?
フェザード社がある国は殆どの国が国と国の垣根が無いんでしょ?
外国人との国際交流が盛んな現代なら国際結婚してハーフが生まれたって不思議じゃないわ。
貴方も今後は私が従姉妹で上京しに来てるってことにすればいいと思うわ。
そのぐらいの言い分けは思い付きなさいよ。」
悠人「………」
刑事達に見付かる危険を犯したことを問い詰めに来たのだが軽く流されてしまった。悠人はレイナが見付かってはいけないことばかり考えていたがレイナは見付かった際のこともちゃんと考えていたようだ。
悠人「………だけどその耳は………。」
レイナ「耳………?」
レイナの見てくれは髪の色素からして外国の血が混じっているとは誰でも思うことだろう。だが耳を指摘されれば一体どこの国の血なのか深く問い詰められることとなるだろう。やはりレイナは人の目に触れさせるべきじゃないと悠人は思ったが………、
レイナ「………こんなものはここにあったこれでどうとでもなるんじゃないかしら?」
レイナは徐に部屋の叔父のクローゼットを物色し始めてそこからあるものを取り出した。
悠人「それは………。」
レイナ「こんなふうに帽子を被っていればそんなに私の耳が目立つこともないでしょ?
誰か人が来た時にもし私がその人と会いそうになったらこれを被っていればそんなに変に思われることもないんじゃないかしら?」
レイナはクローゼットに閉まってあった叔父の
レイナ「悠人が大学に行っている間暇だったからこの家にある物を見て回ってたの。
見た感じはそんなに物が無さそうに見えて意外と色んな物があるわよねこの家。
整理整頓がしっかりしてあるからそう見えるのしら。
また私の着れそうな服を見付けたら頂いておくわね。」
悠人「お前勝手に人んちの中漁るなよ………。」
レイナがこの家に来た当初はレイナは白衣一枚を羽織ってただけなので今は悠人の持っていた男用の服を着させている。レイナとは身長や体格差もあったことから後でレイナ用に合わせて採寸を調節したので着るものには困っていない筈だが………。
悠人「………!」
レイナ「そういえば家の中を調べている時に押し入れの奥からこんな
レイナが箱を悠人に見せると悠人はこれまでのレイナに対して見せていた呆れ顔から一変して表情が消えて真顔になる。だが悠人の口調は明らかに低く怒気を放っている。レイナは悠人の声で自分が禁忌に触れてしまったと気付く。
悠人「………お前がこの家で何しようが俺は構わない。
ずっと家の中にいる分は暇にもなるだろうし退屈だろうとそう思って俺はお前にPCの使い方を教えたんだ。
PCを使ってフェザード社のことを調べても気分転換に動物の動画で癒しを求めたっていい。
服が欲しいなら俺のでも叔父さんのでも好きにしろ。
言ってくれれば寸法は俺が調節してやる。
だけどその箱には触るな。
その箱は俺にとってはとても大事な物が入ってるんだ。
お前は今後一切その箱関わるな。
もしそれをまた開けようとしてるところを見付けたら俺は
いいな?」
レイナに人が底冷えするほどの冷たい眼差しを向けて悠人はそう宣告する。ヴェノムが完治していないにも関わらずレイナを追い出すと言うことは悠人はその箱が悠人にとって自身の命がどうなろうとも守りたい大切なものなのだろう。
レイナ「………そうね。
分かったわ。
私も今追い出されるのは困るしこの箱はどこか私の目の届かない場所にでも置いておいてもらえるかしら。」
悠人「当然そのつもりだ。」
悠人はレイナから箱を受け取り一人部屋を後にする。
レイナ「(………何だったのかしら………。
鍵がかかってたから中は見てないけどそんなに重要な物があの箱に入ってたのかしら………。)」