池袋
悠人「着いたぞここだ。」
レイナ「ここは………。」
悠人「御察しの通りここはフェザード社が運営しているデパートだ。
一回にはスーパーや衣類店、飲食店があって二回には本屋や雑貨品、生活用品が売ってる。
ここの二階の方でお前が買いたい物が売ってるみたいだから今日はここで買うぞ。」
レイナ「…私にフェザード社が取り扱ってる物を使わせる気なの?」
悠人「そんな細かいことは気にするなよ。
本当だったらフェザード社とかは関係無いところに買いに行くつもりだったんだがあそこは今近付けば警察に捕まっちまう。
お前があんな騒ぎを起こしたせいだからな。」
レイナ「………」
悠人「安心しろよ。
ここにあるのはあの島とは別で普通の物を売ってるだけだ。
怪しい物は何もない。
下着なんかにそんなもん付けてたら一発で世界中から信用を無くす。
フェザード社がそんな馬鹿な真似したりなんかするかよ。」
レイナ「………私がフェザード社の商品を買うことになるなんてね。
不愉快だわ。」
レイナは不服そうにしていたが自分が起こした騒ぎでここに来らざるを得なくなってしまったのでそれ以上文句を言うことはなかった。
悠人「そう思うんならさっさと買う物買ってここから出ようぜ。
俺もフェザード社なんなの店になんか来たくなかったんだ。
あんなもん見せられた後じゃな。」
悠人はレイナが不快な顔をしてる中涼しげな顔でデパートの中へと入っていく。入り口前で二人組が立ち止まって険しい顔をしてても変に注目を集めるだけだからだ。レイナも重い足取りながら悠人の後に付いていく。
…………………………………………………………
レイナ「………皆騙されてるのよ。
フェザード社なんかがまともな物なんか作ったりする筈無いわ。
きっとここに売ってる物の中にも組織が人から情報を引き出すための小細工が仕掛けりてたりして……。」
悠人「まだ言ってるのかお前?
だからそんなもん無いって。
フェザード社も
ここはその表だ。
ここにあるもんで怪しいもんなんて一つもねぇよ。」
デパートに入ってからも疑いの目を周囲に向けて放つレイナに悠人は呆れながらも再度ここが安全な場所であることを説明する。
悠人「言っとくがな。
フェザード社がある国ではフェザード社の信用と信頼は高い。
それだけフェザード社がこれまで誠実に社会に貢献してきたってことなんだ。
こんな何の変鉄もないデパートで怪しい実験とかそんなことはしてねぇよ。」
レイナ「でももしもってこともあるでしょ?」
悠人「無いって!
どんだけお前フェザード社を疑ってるんだよ。」
二階へと続くエスカレーターに乗りながらもレイナは警戒を解こうとはしなかった。そんなレイナと一緒にいると自分まで視線を浴びるような感じがして悠人は早く買い物を終わらせたい気持ちでいっぱいだった。
悠人「ほらついたぞ。」
レイナ「!」
レイナと話をしている内にとうとう女性用の下着物売り場まで到着した。
悠人「………じゃあ俺はあそこのベンチで待っとくから好きなもんを買ってこい。」
レイナ「?
悠人は一緒に中に入らないの?」
悠人「入らない。
ってか入れない。
周り見てみろよ。
男の俺がこんなところにいるから他の客達がこっち見てんだろうが。」
レイナ「………?」
悠人に言われ振り替えって店内の客達の様子を伺うレイナ。店内にいるのは女性の店員と客だけで男性である悠人が店の入り口に立っているだけでも視線は向けてこないが重苦しい空気を感じる。
レイナ「………私と一緒なら大丈夫じゃなかったの?」
悠人「扱ってるのが普通の衣服とかだったらそこまで不審がられたりはしなかったよ。
けど流石にこういった人目に触れない下着なんかが売ってるところはカップルでも自重するだろ。
俺が一緒にいてやれるのはここまでだ。」
レイナ「…私どういうのを買えばいいのか分からないんだけど?」
悠人「それだったらあそこに店員がいるだろ?
あの店員に聞いてお勧めとか聞いて選べばいいんだよ。
あっちも仕事だから何でも答えてくれるぞ。
なんなら聞いてもいないことまで言ってくるからその時はてきとうにスルーしとけ。」
レイナ「…そうなのね。
分かったわ。
行ってくる。」
悠人がそう指示するとレイナは店の中へと入っていき店員に話し掛ける。店員は営業スマイルを万勉に浮かべてレイナに接客をし始める。店の外から店員がレイナに色々と下着を宛がってるのを確認して悠人は近くにあったベンチに腰掛ける。
悠人「………特に問題は無さそうだな。
あとはあいつが買い物を終わらせてとっとと帰れば「先輩?」」
高橋「悠人………先輩ですよね?」
悠人「………高…橋………。」
悠人に声をかけてきたのは高橋慧子だった。知り合いに遭遇するのを避けるために目黒区から池袋まで足を運んだというのにまさかの知り合いと遭遇してしまう悠人。
悠人「………どうしてお前がここにいるんだ………。」
高橋「どうしてって私の家この近くですしこのフェザーズは大学が休みの日はよく来るんですよ。
ここ色々ありますから。」
悠人「家が近く………。」
寮の学生達ばかりを警戒して自宅から大学に通う学生に目を向けることを失念していた悠人。大学に通う方法は何も寮だけではない。自宅が近い者は自宅から通えるのだ。そうした学生がこうして都内のどこにでも現れる可能性は十分にあった。
悠人「(………それでも都内はかなり広いんだぞ!?
そんな中で大学のそれも同じ同好会の会員に会うとかどんだけの低確率だと)「ところで先輩。」」
高橋「先輩はこんなところで何をしてるんですか?
この辺り一角は殆どレディースファッションを扱ってるお店ですよ?」
悠人「そっ、それはその………。」
このような場所での言い訳がしにくかったからこそ知人が来ないと思われる場所を探して来たというのに高橋は今悠人が聞かれたくないことを平然を訊いてくる。予期せぬ遭遇に悠人は何か良い言い訳を探すが中々咄嗟には思いつかなかった。
高橋「………ひょっとしてですけど先輩何か変なことでも考えてるんじゃないですか?
男の人が一人でこんなところにいるのなんて普通に不自然ですし………。」
悠人「あ!?
そっ、そうだったのか!?
そりゃ気が付かなかったわ!
ちょっと探し物してたらこんなところに来ちまってたんだな!
ハハハ………。」
高橋「ハハハって………。
なんか先輩わざとらしいですよ?
何か隠してません?」
悠人「え!?
何のことだ!?
俺が何を隠すことがあるってんだ!?
別に何も隠したりなんかしてねぇよ!」
高橋「なら何でそんなに焦ってるんですか?
何かやましいことでもない限りそんなに焦ったりはしないと思いますけど。」
悠人「ぐっ………!」
予想外の高橋の登場と勘の鋭さに追い詰められる悠人。こういう時自分に演技力があればと心の中で嘆くが時既に遅し。
高橋「ねぇ先輩。
本当のことを言ってくださいよ。
どうしてこんなところにいるんですか?
何で女性の下着を売ってるお店の前に先輩はいたんですか?
………まさかこんなところでナンパとかでもしようとしてたんじゃ………だとしたら………。」
悠人「こんなところでナンパなんかするか!?
下心丸出し過ぎて俺でも引くレベルだわ!
別に俺がここで何してようと勝手だろ!?
お前も今日はここに一人でショッピングに来てるわけだろ!
だったら俺に構ってないで一人で回って「悠人。」」
レイナ「お店の人にこっちかこっちのを勧められたんだけど私じゃどっちがいいのか決められないの。
貴方どっちがいいか選んでくれない?」
最悪のタイミングでレイナが店から出てきて悠人と高橋に二着の