レイナ「………あら?
どうしたのその子?
悠人の知り合いの子?」
下着セットを手にレイナは高橋を見てそう質問してくる。
悠人「レッ、レイナ………今出てきたら「先輩!!」」
グイッ!
レイナが悠人に話し掛けた途端高橋が悠人に迫り襟首を掴んで引き寄せてくる。
高橋「どういうことですか先輩!?
いっ、一体誰なんですかこの人!?
先輩とどういう御関係なんですか!?」
悠人「おっ、落ち着け高橋………!
ちょっと一旦手を離して「これが落ち着いていられますか!?」」
高橋「まさか本当にナンパしたんですか!?
そして成功しちゃったんですか!?
そうでなきゃ先輩がこんな綺麗な人と親しげに名前を呼びあったりなんてしませんよね!?
しかも下着を一緒に選びに来る仲だなんて………もう既にそういう関係だったりするんですか!?」
悠人「いやこいつとはそんな仲じゃ「じゃあどういう仲なんですか!?」おいここ店の中だからそんなに大声で「質問に答えてください!!」」
高橋「美咲先輩はどうするんですか!?
悠人先輩には美咲先輩がいるじゃないですか!?
二股ですか!?
二股してるんですか!?
美咲先輩だけじゃ飽きたらず悠人先輩は他の女の人にも手を出したんですか!?
どうしてこんなことするんですか!?
美咲先輩が可愛そうじゃないですか!?」
悠人「おっ、おい!
そんな人聞きの悪いことを叫ぶんじゃ………。」
「え?
二股………?」
「あんな綺麗な彼女がいるのに二股してるの………?」
「やだぁ………。」
「最低ね………。」
高橋が大声で問い詰めてきたせいで周りの客達がそれを聞き悠人に蔑むような視線を送ってくる。二股という事実はないが何故か自分がどうしようもなく悪いことをしている気分になってきた。
悠人「あっ、あのなぁ?
何度も言ってるように美咲とはだからそういう関係じゃないって言ってるだろ?
俺とあいつは別に恋人でもなんでもねぇよ。
あいつとはただの小学生の時からの腐れ縁で「遊びの関係ってことですか!?」」
ザワザワザワザワ………、
「あの悠人って男の人美咲って
「何それ………。
屑じゃん………。」
「女の敵よね。」
「どうしてそんなのが生きてるのかしら。」
「死ねばいいのに。」
「消えてほしいわぁ………。」
高橋が喋る度に悠人の周りの客からの印象が悪くなっていく。友人である美咲の名前が大抵は男性ではなく女性に付けられることが多い名前であることも加算して誤解が加速していく。
レイナ「悠人………貴方恋人がいたの?」
悠人「いねぇよ!
お前も勘違いするな!」
高橋「いますよ!
この人には保斗橋美咲っていう将来を誓いあった人がいるんです!
どこの何方かは知りませんが貴女はこの人に騙されてるんですよ!
悠人先輩には美咲先輩という相手がいるので諦めて下さい!」
レイナ「………?
この子こう言ってるけど?」
悠人「妄言だ!
お前も真に受けるなよ!
俺にはそんな相手いないからな!」
高橋「妄言じゃありませんから!
この人学校じゃいつも美咲先輩とこっちが恥ずかしくなるくらいいちゃいちゃしてますからね!
この人の言うことなんか信じちゃいけません!」
悠人「いちゃいちゃなんてしてねぇって言ってんだろいい加減にしろよ!
俺も美咲も男は好きじゃないっていつも言ってるよな!?
どうしてそんなに俺と美咲をくっつけたがるんだ!?
お前の妄想にリアルで人を巻き込むんじゃない!」
レイナ「男………?」
「え………?」
「どういう意味かしら?」
「何でいきなり男が好きじゃないなんて言い出したの………?」
高橋「いい加減にするのは先輩ですよ!
この人
先輩は男が大好きな
そんな人と一緒にいても女の人が傷付くだけですからこの人には一切近付かないで下さい!!」
休日の人が大勢集まるデパートのレディースコーナーの真ん中で高橋が悠人をゲイだと言い放つ。先程まででもただでさえ最悪の二股男というレッテルを張り付けられていた状態に更に上乗せして汚名が付け加えられる。
“フェザーズ池袋店にて二股のゲイが現る”この時代そんな記事がすぐにネット上にあげられてしまう。今後はこの池袋には立ち入ろうとすれば直ぐにゲイ男がまた来たと噂が立つことだろう。
店員「あの………御客様………。
大変申し訳ありませんが他の御客様の御迷惑になりますので………。」
レイナの後ろにいた店員が悠人達が騒がしくしていたため出てきて注意してくる。その間悠人から若干距離を取っているように悠人は感じた。
悠人「………すっ、すんません………。」
レイナ「………それでこれなんどけどどっちがいいかしら………?」
悠人「………もうどっちでもいいよ。
なんなら両方共でいいから。」
レイナ「いいの?」
悠人「あぁ………、
もうさっさと買ってきてくれ。
そんでここを出よう………。」
悠人は肩を落としながらレイナに目的の品を購入させて店を後にした………。