テイルズオブフィナーレ2   作:モニカルビリッジ

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第38話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダムス国 宮殿

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハルデン「………それで兄上はどうした?」

 

 

 

 

 

 

???「此方にございます。」

 

 

 男は兄の行方を訊かれそれに対して右手を上げる。すると男の後ろから男の部下らしき別の男が大きめのアタッシュケースを持ってくる。

 

 

 

 

 

ハルデン「?

 それは………?」

 

 

???「兄君は()()()()()()()()()。」

 

 

ハルデン「あっ、兄上がその中にだと………?」

 

 

???「はい。

 兄君を討った証拠さえあれば問題ないかと思い邪魔な部分を切り離して持ち運び出来るようにしました。

 兄君のお顔を拝見なさりますか?」

 

 

ハルデン「…いっ、いらん!

 不要だ!

 そんな気味の悪いものを見せようとするな!」

 

 

???「ですが念のために確認なされた方が善いのではありませんか?

 人違いであれば大変ですしまた本命を狩りに向かわねばなりません。」

 

 

ハルデン「ぬぅぅ!

 そっ、それなら!

 ヒッ、ヒステリア!!」

 

 

 ハルデンは側にいた彼の実の妹ヒストリアを呼び寄せる。

 

 

ヒステリア「何でしょうか御兄様。」

 

 

ハルデン「おっ、お前が確認しろ!

 本当に兄上の首がその中に入ってるのかお前が見てみてくれ!」

 

 

ヒステリア「この中にフィラルデン御兄様の首が………?」

 

 

ハルデン「連中はそう言ってる!

 もし本当にそんなものが入ってたとしても私はそんなおぞましいものを見たくはない!

 代わりにお前が見るんだ!」

 

 

ヒステリア「…分かりましたわ御兄様。」

 

 

 幼い少女は男の元へと一歩踏み出す。少女が目の前に来ると男はアタッシュケースをゆっくりと開けて中の様子を少女に見せる。

 

 

 

 

 

 

ヒステリア「………」

 

 

ハルデン「どっ、どうだヒステリア?

 本当に兄上の首があるのか………?」

 

 

ヒステリア「………」

 

 

ハルデン「ヒッ……ヒステリア………?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒステリア「………フィラルデン御兄様が………笑っておられますわ………。

 アハハハハ………こんな………こんなに優しいお顔をしていらして………。

 なんて幸せそうな笑顔なんでしょう………ウフフフフ。

 こんなフィラルデン御兄様は久々に見ますわ。

 ハルデン御兄様も此方に来てフィラルデン御兄様のお顔をご覧になってはいかがですか?

 アハハハハ………ハハハ………。」

 

 

 

 

 

 

 少女は朗らかそうに兄であるハルデンにそう言う。明らかに正常な状態ではないヒステリア。年幼いとはいえ人の生首を目の当たりにしては恐怖で思考が麻痺してしまったのだろう。彼女は凍り付いたような笑顔を張り付けてハルデンへと振り返る。

 

 

ハルデン「ヒィッ!?

 もっ、もうよい!

 そこのお前!

 ヒステリアを下がらせろ!」

 

 

部下「ハッ!」

 

 

 部下に手を引かれヒステリアが部屋を退室していく。部屋にはハルデンと男の二人だけになった。

 

 

 

 

 

 

???「宜しいので?

 姫殿下のあの御様子ではこの中身が兄上様であることが不鮮明なのではありませんか?

 やはりここは閣下自らこの中をご確認されるのが一番かと………。」

 

 

ハルデン「断ると言っておろう!

 何故そこまでして私に兄上の首を見せようとするのだ!?

 その中身が兄上であることはよく分かった!

 ヒステリアが兄上であると言ったのだ!

 疑い様がない!

 貴公等は私の指示通りに兄上を抹殺してきたのだろう!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドサッ………!

 

 

 

 

 

 

 ハルデンは椅子の背もたれに体を預け右腕で顔を覆いながら天を仰ぐ。

 

 

ハルデン「………ハァ………、

 兄上は死んだのだな………。」

 

 

???「はい。

 我が軍の兵士によって。」

 

 

ハルデン「…兄上もイブリスだのと世迷い事に現を抜かさなければこうなることもなかったろうに………。

 それで父上と母上の暗殺などを謀ったりなどするからこうなったのだ………。」

 

 

???「心中御察しします。

 

 

 

 

 

 

 ………それで例の件につきましては………。」

 

 

ハルデン「………好きにするがよい。

 内乱も自国の力で解決出来ぬ我が国が何か言える立場ではない。

 我が国ダムスも貴公等の取り組みに協力するとしよう。」

 

 

???「では私は調停の成立を上に報告して参ります。」

 

 

ハルデン「………あぁ。」

 

 

 男はハルデンを残してその場を後にする。部屋を出ると部屋の中からハルデンの嘆くような一人言が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部下「よう。

 仕事は片付いたようだな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 部屋を出て直ぐに先程ヒステリアを連れ出した部下の男が話し掛けてきた。

 

 

 

 

 

 

???「あぁ。

 予定通りだな。」

 

 

部下「上の連中も人使いが荒いよなぁ。

 いくら俺達がアジア管轄だからっていってこんなガキの喧嘩の仲裁をしなくちゃいけないなんてな。」

 

 

???「別にいいんじゃないか?

 どうせ俺もお前も暇してたんだし。」

 

 

部下「けどよぉ()()()()()

 わざわざ第三師団である俺達が出向くよりかは第四師団の連中を出向かした方が近かったんじゃねぇか?

 これじゃあ帰りの便で帰る時間が退屈しそうだぜ。」

 

 

ベルナクス「ウィン。

 これは俺が前から決めていたことだ。

 今更文句なんか言ってもどうにもならないだろ。」

 

 

ウィン「そりゃそうなんだが………。」

 

 

ベルナクス「つべこべ言わずにさっさと帰るぞ。

 引き継ぎは第一師団の連中がやってくれるさ。

 政治に関しては奴等の仕事だからな。

 俺達の仕事は終わった。

 もうここですることは何もない。」

 

 

ウィン「そうか。

 そんじゃあモスクワに帰るとするか。

 ジョンとも酒を飲みに行く約束だしな。」

 

 

ベルナクス「!

 ………いやジョンは今モスクワにはいないよ。」

 

 

ウィン「何?」

 

 

ベルナクス「あいつは今頃日本にいる筈だよ。」

 

 

ウィン「は?

 日本?

 何でだよ?」

 

 

 ウィンという男が上司風の男ベルナクスに聞き返す。するとベルナクスは懐から一枚の紙を取り出した。

 

 

ベルナクス「これだよ。」

 

 

ウィン「これ………?

 ………!

 

 

 

 

 

 

 これは………!?」

 

 

ベルナクス「あぁ、

 どうやら今社内はお祭り騒ぎのようだ。

 まさか()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()………。」

 

 

ウィン「おい、

 そんなのんびりしてていいのかよ?

 これ早いもの勝ちって書いてるじゃねぇか。」

 

 

ベルナクス「そう焦ることもないだろ。

 早いもの勝ちとは書いてるけど早く行ったからってこいつが手に入るとは限らないだろ?

 獲物が日本にいるとはいえ日本のどこにいるのかは分かってないんだ。

 幸い日本は俺達の管轄区域だ。

 他の師団の奴等には手出ししようがないしターゲットも日本から出る手段なんてないだろ。」

 

 

ウィン「そりゃそうだが………。」

 

 

ベルナクス「フフフフフ………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ()()()()()()か………。

 ボス達が持つ精霊と同等の力………。

 こいつを手に出来れば俺達はどこまで上にのしあがれるんだろうなぁ………。

 彼女に会うのが今からとても楽しみだよ………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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