世界を渡り歩いた少年は心からサッカーを楽しむ? 作:レイ1020
ヒロトと楽しい勝負をした数日後、予告通りイプシロンが漫遊寺中に襲撃をしに来た。漫遊寺中のグラウンドに前の様に紫色の光が現れたと思ったらその光の中から11人の選手、イプシロンが現れたんだ。
今、そのイプシロンのキャプテンとみられる選手(デザームだっけ?)が漫遊寺に交渉もとい、脅迫をしていた。僕たちはその様子を陰で見守っていた。
「さぁ!漫遊寺イレブンよ!我らイプシロンとサッカーで対決をするのだ!」
「何度言われても同じことです。私たちは無益な戦いはしません。ここはお引き取りを願います」
キャプテンさんはそう言ってるけど、向こうはそんなことお構いなしだった。その証拠に、なんの余興もなくデザームが持っていた黒いボールを仲間の一人が思いっきり蹴りつけた。・・・・・・漫遊寺中の校舎に向かって。
「っ!!何を・・・・・・」
「貴様らが戦いの応じないのであるなら・・・・・・この学校を破壊するのみ!さて、どうするのだ!」
「くっ・・・・・・なんて酷いことを・・・・・・・・・・・・いいでしょう。そこまで言うのであれば、私たちの力、見せてあげましょう!」
あ〜、やっぱりこうなるよね。わかってたけど。こうして、イプシロン対漫遊寺中の試合が始まったわけなんだけど、結果としては・・・・・・。
「嘘だろ?たった十分で・・・・・・」
円堂くんのどこか驚愕地味た声が響く。スコアボードには10対0というとんでもないスコアが刻まれていた。それも、まだ試合が始まって十分程度しか経過していないのにだ。なるほど、あの人たちもかなりやるみたいだね。・・・・・・面白そうじゃん!
「勝敗は決した!予告通りこの学校は破壊させてもらおう!」
「待てっ!!そうはさせるか!」
デザームが再びボールを校舎に向かって蹴りつけようとしたところを、円堂くんが止めに入った。それに僕たちも続き、イプシロンの前に立ちはだかる。
「ほう?雷門中か・・・・・・。ふん、何をしに来たのだ?」
「もちろん!お前達を倒すためだ!」
「愚かな・・・・・・ジェミニストームを倒したぐらいでこの私たちに勝てると思ってるのか?実にくだらんな?」
「なんだとてめぇ!!」
「落ち着け染岡っ!」
デザームのその物言いに腹を立てた染岡くんは突っ掛かりに行きそうになるが、それを風丸くんが止める。
「やってみなくちゃわかんないだろ!俺たちはこれまでもたくさんの特訓を積んだんだ!お前達にだって決して負けないさ!」
「ふん、言っても聞かぬ様だな。・・・・・・いいだろう。その勝負受けてやるとしよう」
どうやら勝負は受けてもらえる様だ。正直僕にとっては嬉しいことこの上無かった。この人達もどうやらかなりサッカーが上手いみたいだし、一度対戦してみたかったからだ。・・・・・・ヒロトみたいに楽しませてくれるといいな〜。
さて、試合の準備をしよう!
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『さぁ!間もなくエイリア学園【イプシロン】と我らが雷門中の試合が始まろうとしています!実況はこの角間がお送りします!』
角間さんだっけ?あの人って全国どこに行ってもいそうな気がする。北海道の時には触れなかったけど。・・・・・・まぁいいか!
「スターティングメンバーを発表するわ」
監督から発表されたスタメンは・・・・・・
FW 染岡 吹雪 MF 一ノ瀬 塔子 鬼道 僕 DF 風丸 栗松 壁山 土門 GK 円堂
こんな感じかな。スタメンを聞いたみんなはそれぞれピッチに出ていくけど、その時音無さんが監督の元に詰め寄った。
「監督!今回の試合、木暮くんを出してくれませんか!?お願いします!」
「はぁ!?何言ってんだお前!?」
「・・・・・・どうしてかしら?」
「彼は、今は未熟でどうしようもない悪い子なんですけど、いつかはきっとこの雷門イレブンに必要な存在になる様な気がするんです。彼は練習こそ参加していませんでしたが、コートを走り回るスタミナとボールコントロールはすごいものを持ってるんです!監督もそれはわかっていますよね?」
「それは確かにそうだけど・・・・・・」
木暮くんを出すことにどうも踏み切れない監督。というかそれはもっともだと思う。これは遊びではなくて日本の未来がかかってる大事な試合。そんな中に木暮くんを出してもいいのか・・・・・・と言ったところだろうね。
「僕はいいと思いますよ?木暮くんとも一緒にやってみたかったんで」
「空田くん・・・・・・」
「空田さん・・・・・・」
「大丈夫ですよ。何かあれば僕がフォローしますんで。木暮くんを出してあげてください」
「・・・・・・わかったわ。木暮くん。ユニフォームを着なさい・・・・・・」
「お、おい!俺はまだ出るなんて・・・・・・」
「ここでいいところを見せれば漫遊寺中のみんなも木暮くんのことを見直すかもしれないのよ?ここは出て!」
「・・・・・・」
木暮くんはいまだに納得できない顔をしているけど、結局出ることになった。その後、木暮くんは栗松くんの代わりとして出ることになり、ピッチに出た。
「・・・・・・というか、今回はスタメンで出してくれるんですね?」
「ええ。出し惜しみをしている相手ではなさそうだから・・・・・・」
「そうですか。じゃあ、がんばってきますね!」
それだけ言い、僕もピッチへと出る。かたやイプシロンの方は僕たちをみて何やらニヤつきながら何か言ってるみたいだけど、遠かったから何を言ってるかまでは聞き取れなかった。
「聞けい!!雷門イレブンよ!!貴様達はセカンドチームとはいえ、ジェミニストームを倒したという経歴を持つ者達だ!そのことに敬意を表し、この試合”三分”で決着とさせようではないか!!」
「・・・・・・なんで勝手に決めてるんだ?」
「ああいう奴本当に嫌いだな・・・・・・」
「だったらこっちも三分で片付けちゃおうか!」
なんとも、悲しいな〜。彼らとは三分しか試合できないんだ・・・・・・。試合前だというのに少しテンションが下がってしまう僕を差し置いて、僕たちボールで試合開始のホイッスルが鳴り響いた。
「さぁ!みんな行くぞ!!」
円堂くんの掛け声と共に、みんなが前線に駆け上がっていく。あがるスピードも以前に比べてかなり速くなっていることは明らかだったけど、イプシロンはそれに問題なく対応していた。
「やっぱりジェミニストームよりもかなり速いな。それ!鬼道!!」
風丸くんから鬼道くんへとパスが渡る。そこから前線のFWへと縦パスを入れるのが普段の形なんだけど、今回ばかりはそうはいかなかった。それは、FWの二人、染岡くんと士郎が完璧にマークされていて、とてもパスを出せる状態では無かったからだ。
「くっ・・・・・・空田!」
「・・・・・・っと。仕方ないね。それ!一哉!」
「ナイスパス!行くぞ!【スピニングシュート】!!」
一哉のシュートがイプシロンゴールに襲いかかる。だけど、キーパーのデザームは余裕の笑みを崩さない。
「くだらんシュートだ。・・・・・・ふんっ!」
「なっ!?打ち返して・・・・・・!」
キャッチするのかなって思ってたけど、そうではなくそのままシュートを蹴り返してきた。多分だけどこっちのゴールまで届くほどの威力は持ってる。このまま見送っても円堂くんならキャッチできるだろうけど、いいよね?僕はそっとシュートの直線上に立った。
「返すよ。それっ!」
「っ!ほう?面白い!!」
僕も同じ様にしてシュートを撃ち返すと、デザームは今度こそキャッチの態勢に入った。
「くっ(なんだ?このたぎる様な・・・・・・)・・・・・・・・・・・・ぐわっ!!」
「あれ?入った?」
一度僕のシュートをキャッチしたかの様に見えたけど、そのままデザームはシュートの威力に負けて、ボールごとゴールに押し込まれてしまう。
『ご、ゴーーール!!!試合開始わずか三十秒!雷門中、空田海のゴールで先制です!!』
「・・・・・・なんだ?意外と大した事ないのか?」
「いや・・・・・・そんなわけはない。少しだけ見てみたが、奴らのスピードや組織プレイは俺たちのはるか上を言っている。そして、あのデザームという選手・・・・・・かなりやる」
「・・・・・・海だからってとこかな?」
「・・・・・・そうだな」
一哉や鬼道くんが何やら僕をみて何か言ってる。・・・・・・でも、意外と簡単に得点できたね。もうちょっと難しいのかなって思ってたけど・・・・・・。
「ナイスシュート空田!!みんなー!この調子でガンガン行くぞー!!」
「「「おおっ!!!!」」」
僕の得点を皮切りに、みんなが勢いづくのがわかる。イプシロン、君たちには僕たちのサッカーを存分に見せてあげるよ!