世界を渡り歩いた少年は心からサッカーを楽しむ? 作:レイ1020
「勝てない?・・・・・・具体的にどこがだ?」
俺は空田の言っている意味を知るためさらに追求した。
「簡単な話だよ。みんなにはスピードが足りてない。今の練習だってそう。士郎の動きにみんなは全然ついていけてなかったでしょ?」
「・・・・・・確かにな。独りよがりとはいえ、あいつのスピードは俺たちの誰よりも速かった」
「みんなにはあれくらいのスピードを付けてもらわないと、多分だけどエイリア学園には勝てないと思う・・・・・・」
信憑性はなかったがどこか説得力のある空田の言葉に俺はどこか納得してしまっていた。
「僕も、本当ならもっと速くてみんなの力を引き出せるようなパスを出してあげたいんだけど、今のみんなだとあれで限界なんだよ」
「・・・・・・あれでもまだ全力じゃ無いということか?」
「全然。ちょっとでも力を出すとみんなとの連携が崩れちゃいそうだから、なるべくみんなが取りやすく、それでいて扱いやすいボールを出しているつもりだよ」
俺はその言葉に息をのんだ。空田は大したことのないように言っているが、先ほどのプレイだけでも俺からしたら十分すぎると言わざるを得ない物だったからだ。まだチームに入って初日だというのにすでに俺たちのプレイスタイルや癖などを見切って動きを合わせている。それは誰しもができる事ではない。・・・・・・だが、その時俺は一つの懸念に至った。
「空田、お前は先の試合で途中から全くドリブルをしなくなったが・・・・・・なぜだ?」
そう。こいつは初めだけは少しだがドリブルで持ち上がってシュートを決めていたんだ。だが、その後は全くそのようなプレイは見せず、パスだけに専念していた。俺にはそれがどうにも不自然に感じたため、今こうして聞いているんだ。
「ん?だって、それだと僕の一人プレイになっちゃう気がするし、チームの輪を乱しちゃうかもしれないでしょ?それにまだチームに入って初日だし、あんまりしゃしゃるのもどうかなって思ったから控えてたんだよ」
「・・・・・・」
俺はなにも言い返すことができなかった。空田の言い方を変えるとつまり、ドリブルを選択する時は吹雪同様、誰も自分についてくることができなくなるためにそれをやめ、パスで俺たちに貢献しよう・・・・・・そういうことなのだろう。本人にはそのようなつもりはないように見えるが、俺からしたらそう見えた。
「鬼道くん?」
「あ、ああ・・・・・・すまない。少し考え事をしていた」
「そっか。鬼道くん。もし僕のプレイで改善して欲しいとこがあったら言ってね?なるべく変えるようにするから」
「改善・・・・・・」
空田はそういうが、そんな物・・・・・・空田にはありさえしなかった。少なくともまだ全力を出してない空田よりも俺は劣っている。そんな俺が空田に意見など述べてもいいのだろうか・・・・・・だが、あえて言うならば・・・・・・。
「・・・・・・そうだな。はっきり言って仕舞えば俺は吹雪よりもお前のことを高く評価している。だからこそ、今後も俺たちのために力を貸してくれ・・・・・・」
「改善っていうか・・・・・・お願いみたいの来ちゃったけど・・・・・・うん!任せて!絶対にみんなの力になるから!」
空田は笑顔でこちらに手を差し伸べて来て、俺は静かにその手を取り、硬く握った・・・・・・。空田・・・・・・お前とは長い付き合いになりそうだ。
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視点 海
練習の後、士郎が雷門中のみんなのスピードを上げる特訓をするということで、僕たちはなぜかスノーボードをやる事になったんだけどその理由はすぐにわかった。これは速さに慣れるためのものだったんだ。この練習はただスノーボードで滑るだけでなく、高台の上から雪玉を落としてもらい、それをうまく交わしながら滑るという何とも面白みのある練習だったんだ。これにより足の力をつけ、反射神経も鍛えられる事によって相手のスピードにもついていけることとなり、自身のスピードもつけることが出来るという一石二鳥な練習になった。僕もみんなも最初はとても苦戦したけど、次第に慣れていき全部とまではいかないけどいくらかはまともに滑れるようになっていた。
「うわぁぁーーー!!!」
「・・・・・・ちっ。やってられるか・・・・・・」
・・・・・・約2名を除いて。この2人・・・・・・円堂くんと染岡くんには後で僕から助言を出しておき、二人は次第に成果を出し始めた。・・・・・・染岡くんの説得には骨が折れたなぁ・・・・・・。
それから2日、僕たちはエイリア学園当日まで練習に明け暮れていた。みんな僕や士郎の動きについて行けるようになっていって、僕も士郎も以前に比べたら格段にやりやすくなっていた。途中、士郎と染岡くんがエースの座をかけて勝負なんかしてたけど、そこは・・・・・・まぁいいや。とにかくその勝負なんかでも染岡くんは士郎に互角以上に渡り合ってたし、実力の伸びが著しかった。他のみんなもそう。鬼道くんを中心としたパスワークと臨機応変な戦術によって巧みな攻めや守りを展開できるようにもなって選手一人ひとりに自信がついていることが見ていてわかった。これならきっと勝てる!・・・・・・そんなふうに思っていた時だった。
エイリア学園が白恋中に来たのは・・・・・・。
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「白恋中の者達よ!我々とサッカーで応じよ!さもなければ・・・・・・この学校を破壊させてもらう!」
白恋中のグラウンド内に突如として現れた人たちがそう言い放つと、白恋のみんなや生徒達はブルブルと震えていた。・・・・・・大丈夫。そんなこと絶対にさせないからさ。
「待ってたぞ!エイリア学園!」
「・・・・・・貴様、円堂守・・・・・・そして雷門中?・・・・・・ふっ、愚かな・・・・・・2度も我らに敗れてなお我らには向かうか?」
「この前までの俺たちだと思うなよ!今日こそお前達を倒して見せる!」
「・・・・・・人間とはどこまでも愚かなのだな・・・・・・地球にはこんな言葉がある。『二度あることは三度ある!』貴様達は今日も負ける運命にあるのだ!」
何か緑色の髪の人が何か言ってるけど・・・・・・へ〜?彼らが宇宙人なのかな?一見人間にしか見えないけど?
「言ってなよ。そんなこと言えないくらいに今日は、僕たちのサッカーで君たちを叩きのめしてあげるからさ・・・・・・」
「うん!士郎の言う通り、今日は悪いことする君たちを懲らしめてやるからね!」
「口の減らぬ者たちだ・・・・・・。いいだろう。二度とそのような口が聞けぬよう・・・・・・徹底的に叩きのめしてやろう!」
さて・・・・・・いよいよ宇宙人との対決だ!