バトルロワイアルVR   作:伊勢村誠三

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アンラッキー連鎖

【エリアC-4 キラ対策室内 1日目 日の出前】

 

「ここが地図にあったキラ対策室かぁ…部屋と言いつつ建物丸一個だけど。」

 

南雲と別れた志村新八はそのまま真っ直ぐここに向かって来たのだ。

目的の有無に関わらずランドマークに集まろうとする人間は多い筈。

その考え自体に間違いはない。

実際南雲の様な例を除き、現在多くのプレイヤーがマップに記された建物に集まっているのだ。

彼の見立ては間違いない。

そして彼は戦いに対する心得や耐性がある程度ある人間だった。

入り口の傘立てにあった傘を取り中に入って行く。

ただし構えはするがすぐにでも降ろせるように。

彼は殺し合いに乗ってもいないし、乗る気もないのだ。

 

「あのすいません!」

 

だからこそ目の前に深緑色のコートを着たオールバックの男が来た瞬間に武器を下ろして近付いた。

 

「アンタ、科学は得意か?」

 

「え?」

 

「俺は今この腕輪を外せる人間を探しててな。

なんでもいいから役に立ちそうな知識や道具を持ってないか?」

 

「うーん。ごめん。完全に専門外なんだ。

支給品も何故かサングラス2つとかいうふざけた内容だっし。

眼鏡が本体とかいじられれる事はあるけどサングラスはニアミスだなって…」

 

「あーもういいよ。お前が役に立たない事はわかったからさ!」

 

フォラスが新八に殴りかかる。

監視カメラ越しに一目見た時から冴えない感じで多少強い程度だろうと当たりをつけていただけに行動は迷いなく早かった。

咄嗟にバックステップを取り射程外に出た新八だがフォラスは殴りかかったのとは反対の手に持ったドングリロックシードを弾き、腰に装着していた戦極ドライバーにセット。

出現した鋼の木の実をオーバーヘッドキックで蹴りつける。

また転がって避ける新八。

そして余裕充分と判断したフォラスは走りながらブレード型のスイッチを下ろす。

 

「変身!」

 

<ドングリアームズ!ネバーギブアップ!>

 

フォラスの姿が銀と黒の鎧に包まれる。

古代の西洋鎧を思わせる姿はグリーンドールズの旗印にしてトルキア共和国がアンダーグラウンドシティにおける狡猾の代名詞、アーマードライダープロトグリドン。

 

「な、なにその鎧!?」

 

「なんだっていいだろ?これから死ぬんだからな!」

 

専用武器のハンマー、ドンカチを新八に振るう。

グリドン、と聞けば多くの者があまり強くない印象を受けるかも知れないが、その考えは誤りだ。

グリドンもプロトグリドンも周りの敵よりワンランク劣るアーマーと武器で戦い抜き生き残った歴戦の猛者。

加えてアンダーグラウンドシティという地獄を最後の三チームになるまでグリーンドールズのリーダーとして生き抜き彼は間違いなく巣のスペックの低さをものともしないぐらいには強い。

 

故に天人や過激派攘夷志士などと戦い一般人出身でありながら『万事屋銀ちゃん』をやれている彼であっても苦戦は免れなかった。

だが

 

(おかしい…グリドンのパワーが落ちてる?)

 

ドンカチは振るう度に上がる筈なのに、どうもパワーの上昇が緩やかな上に上限が低い気がしたのだ。

それだけに止まらずアーマーはいつもより重く感じるし動きも鈍い。

 

(どうやら何か細工をされたみたいだな。)

 

ならどの程度細工されたかも知るためにこいつを一先ず殺してみよう。

そう思いプロトグリドンはカッティングブレードを三回下ろす。

 

<カモン!ドングリスパーキング!>

 

ドンカチからドングリ型のエネルギーが飛ばされる。

 

 

「だぁああ!なんだ今の!?そっち鎧にハンマーに遠距離有とか至れり尽くせりすぎだろ!?

大して僕にはサングラスとかさしかないってゴミゲーすぎだろ!?さっさと死ねってか!!?」

 

叫びながらも連射されるエネルギーを避けながら走る新八。

意外と動けることに驚きながらもどんどん新八との距離を詰めていくグリドン。

 

「しまった!行き止まり!」

 

「さーて、追いかけっこはもうおしまいだ。」

 

「あ、アンタなんでこんなことするのさ?

まさかあの女の口約束信じたのか?」

 

「願いがどうこうって?

別に。けどちょっと賢ければ気付く事さ。

神には逆らえない。

そしてここから逃げるには腕輪さえ外せればいい。

だったら賢くない役立たずはさっさと処分して使えるやつを上手に使うのが利口ってもんでしょ?」

 

「何がだよ。」

 

「あ?」

 

「そんなひん曲がったクソ根性で生きてくことが利口?

賢い?馬鹿言うな!違うだろ!

戦う方法分かってんなら全員ぶら下げて引きずって行く方法も考えろよ!

それが出来ないなら人を頼れよ!

そのために仲間や万事屋が有るんだろ!」

 

新八は知っている。だらしなくグータラでいい加減で見限ろうかと何度も思いながらもついて行ってしまう大将を、尊敬できる大人を。

眼鏡が本体とからかわれ突っ込み以外能無しと馬鹿にされ戦力的には当てにされないこともしばしば。

けど彼の元居た環境は間違いなく恵まれていた。

 

「お前が言ってるのは結局なに?

強い奴は強いから頑張んなきゃいけない的な?

ざっけんなぁ!」

 

ドンカチそれはそれは乱暴な力で振り下ろされる。

壁に亀裂を造る勢いで激しく激突した。

血を流しながら倒れた新八にさらにドンカチを振り下ろす。

 

「他人を信じろ!?大人に頼れ!?

馬鹿言え!そんなん出来ないに決まってるからこうなってんだろうがぁ!」

 

アンダーグラウンドシティは文字通り地下だ。

光も滅多に差し込まず、おこぼれのような物資を奪い合って殺し合って生きて来た。

飢えのあまりに泥水を啜って病気になって死んだ奴がいた。

寒さに震える兄妹に毛布を譲って凍死した奴がいた。

何かの事故で火が起きて、消化に使える水なんかなくて焼け死んだ奴がいた。

そのすべては故郷の両相を焼き払い子供たちを追いやった大人の仕業だった。

 

大人に見せられたのが反面教師にすべきだらしない姿と真っ直ぐな背中だったか死んでいく仲間と声だけであざ笑ってると分かる蔑視だったか。

決定的差は同じ年頃の青少年を真反対の道に進ませていた。

 

時に命懸けでありながら面白おかしすぎる日常と裏切りと血を地で洗う事を繰り返す日常。

志村新八の死はそれが決裂という形で現れただけだった。

 

「はぁー……クッソ!」

 

グシャグシャにつぶれた新八の死体をもう一度蹴り飛ばし変身解除。

フォラスは冬優子の待つ部屋まで戻った。

 

「…ごめん、今戻った。」

 

フォラスは当初の予定通り仕方なく殺した感を出しながら部屋に戻る。

冬優子はまあ予想通り怯えていた。

これでいい。そこから逆らわなくなれば、とそう思って近付くが

 

「ッ!」

 

冬優子のデリンジャーが火を吹く。

真後ろに倒れたフォラスの額には綺麗な円が出来ている。

 

(あ、ああ…どうしようどうしようやっちゃったやっちゃった!

こんなの、こんなの見られたら!こんなの見られたら!)

 

次は自分がフォラスに殺されるんじゃないか?

その恐怖が彼女に引き金を引かせてしまった。

この結末もまたただ真反対の方向にいたもの同士の決裂でしかない。

不運にも自分が上と思い込み堅実に動き小細工を弄そうとした者と、幸か不幸か牙を隠すだけの知恵とビギナーズラックで上手くいってしまった者。

 

「いや!ふゆは、ふゆはこんなつもりじゃ!」

 

幸か不幸か今の彼女に凶器を処分する余裕も死体を片付ける余裕も無かった。

 

志村新八@銀魂

フォラス@小説 仮面ライダー鎧武外伝

 

              死亡 残り49人




【エリアC-4 キラ対策室内 1日目 深夜】

名前:黛冬優子@アイドルマスターシャイニーカラーズ
状態:身体は健康、パニック
   フォラスを殺した事によるストレス(大)
装備:なし
道具:CCM@ダンボール戦機シリーズ
   ライオンのぬいぐるみ@Fate/stay night
思考
基本、?????????
1、あさひ達を探す?
2、兎に角ここから逃げたい。
備考
※一度アイドルを辞める以前からの参戦で、この極限状態で死ぬことよりボロが出る事を恐れています。
※ レミントンデリンジャー(1/2)@現実がC-4 キラ対策室内に残されています。
※ CCM@ダンボール戦機シリーズ、戦極ドライバー(プロトグリドン)@小説 仮面ライダー鎧武外伝、ドングリロックシード@小説 仮面ライダー鎧武外伝がC-4 キラ対策室内に残されています。
※志村新八@銀魂の死体と共にCCM@ダンボール戦機シリーズ、長谷川さんの本体@銀魂、サングラス@ターミネーター2が残されています。
破損してるかは不明です。
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