クロガネシティの石屋さん   作:G大佐

13 / 26
お待たせしました、ツツジ戦もこの話で終了です。


vsツツジ!(Final)

 お互い2体のポケモンが倒れ、残るは1体。アンバーとツツジのバトルは、いよいよ最終ラウンドへ突入した。2人は同時にモンスターボールを投げる。

 

「お願いします、ボスゴドラ!」

「いっくぜぇ、ハガネール!」

「ゴオォォォォォ!!」

「ネェェェェェル!!」

 

 どちらも巨体を誇る鋼タイプ。ボールから出て咆哮を上げると、どちらも睨みあった。

 

「ハガネール、『ラスターカノン』!」

「ボスゴドラ、『きあいパンチ』で打ち消して!」

 

 ハガネールが銀色の光線を放ち、ボスゴドラは一瞬パワーを溜めると、その拳を勢いよく突き出した。直線だった光線は分かれ、ボスゴドラの周りの地面に着弾するだけで終わる。

 

「ネルッ!?」

「おいおい、俺のハガネールの『ラスターカノン』は結構自慢の威力だぞ? 何つーパワーだ……」

「最初の戦いでアンバーさんのカイリキーがやった、『インファイト』で迎撃する方法……。そちらを真似させていただきました」

「こりゃ仕返しされたなぁ。だが、これはどうだ! 『アイアンテール』!」

「ネェェルァ!」

 

 尻尾を硬くさせ、ボスゴドラの足を狙う。

 

「グウウッ!」

「そのまま『しめつける』攻撃!」

「ネェル!」

「グウッ! ゴ、ドォ……!」

 

 長い体を活かしてボスゴドラの体に巻き付くハガネール。ギチギチと締め付ける音が聞こえてくる。だがツツジまやられっぱなしではない。どのように締め付けられていたのか気付いた彼女は、とんでもない指示をする。

 

「(腕が締め付けられていない……ならば!)ボスゴドラ、相手の顔を掴んで投げ飛ばして!」

「ゴォッ!」

「ッ!?」

 

 ハガネールの巨大な頭を掴み、自分の体をグルグルと回転させながら遠心力で徐々に引き剥がしていく。そして遂にハンマー投げのような状態でハガネールの体がピーンと伸びると、そのまま勢いよく投げ飛ばした。

 

「ハガネール!」

「ガッ、ネェル!」

「……そうだな。まだ終わっていない!」

 

 ハガネールの目がアンバーの瞳を見据える。彼の意思を悟ったアンバーは不敵な笑みを浮かべた。

 

「例の“アレ”行くぞ! まずは『てっぺき』だ!」

「さっきのガバイトのように何かするつもりですか。ボスゴドラ、近付くのは危険です! 『ラスターカノン』!」

「ゴアァァァァ!!」

 

 ボスゴドラの口から鋼の光線が放たれ、直撃する。土煙で見えなくなったが、すぐに晴れた。ハガネールは無傷のままボスゴドラを睨んでいる。

 

「そんな!? 直撃の筈……!」

「まだだ。もう少しいけるよな?」

「何をする気か分かりませんが……! 『ストーンエッジ』!」

 

 ボスゴドラが拳を地面に打ち付けると、尖った岩が次々と隆起してハガネールに迫り来る。

 

「危ない!」

 

 観客席にいたマナが思わず叫んだ。そのままハガネールは突き上げられ……なかった。

 

「攻撃を堪えた!?」

「よぉし! 一発デカイのぶちかますかぁ!」

 

 その瞬間、観客たちは顔を青ざめた。

 

「おいおいおいおい!」

「アンバーのやつ、“アレ”をするつもりかよ!?」

「急いで耳を塞げー!!」

 

 マナは訳が分からないまま耳を塞ぐが、一部の観客は地面に身を伏せている。一方ツツジも、観客の慌てようを不審に思った。

 

「あのハガネール、一体何を……?」

「今だハガネール!」

 

 そして、その技を叫んだ。

 

「『だいほうこう』!!」

 

 その瞬間――――

 

「ネェェェェェェェェル!!」

 

 ジム全体が揺れた。

 

 

 

 

 耳がキンキンする。ツツジは何とか頭を振り払って現状を確認する。

 

「い、今のは一体……」

「ゴ、ド、ラアァアァアァ~……」

「こ、混乱してる!?」

 

 『だいほうこう』。それは、漢字で書いて『大咆哮』の名のように、息を大きく吸い込んで吼える技だ。その威力は凄まじく、ダブルバトルならば味方も巻き込んでしまう程である。そして爆音による攻撃を受けた相手は、その音量に混乱してしまうのだ。

 

「そのまま仕掛ける! ハガネール、『アイアンヘッド』!」

「ネェェル!」

「ボスゴドラ、落ち着いて! 相手が来てる!」

「ゴド!」

 

 ふらつく体を何とか押さえ、頭を振り払うことで混乱状態から解けたボスゴドラ。ツツジも続けて指示を出した。

 

「爆音のお礼です! 『メタルバースト』!!」

「しまったぁ!?」

 

 ボスゴドラの体が鈍く輝き、強いエネルギーがハガネールを襲った。あまりの威力に吹き飛ばされる。

 

「ネェェ……ルゥ」

 

 体をふらつかせながら立ち上がったものの、そのまま目を回して地に伏せてしまった。

 

「ハガネール、戦闘不能! ボスゴドラの勝利! よって勝者、ツツジ!」

 

 ヒョウタの声がバトル終了を告げ、観客席からは歓声が上がった。まさにスタンディングオベーションだ。

 

「うおおおお!」

「よくやった嬢ちゃーん!」

「アンバーもジムリーダー相手にすげえぞー!!」

 

「お疲れさん、ハガネール。よく頑張ったな」

 

 アンバーは優しく微笑みながらハガネールをボールに戻すと、ツツジと向かい合う。

 

「久しぶりだったよ。こんなに燃える戦いしたのは」

「私も、ハガネールの『だいほうこう』とかガバイトのダンスタイムなど、見たことない技を見させて頂いて……。本当にありがとうございました」

 

 頭を下げてお礼を言うと、あるものを取り出す。

 

「それは……」

「ジムチャレンジャーが私に勝利した時に渡すことになっている、ストーンバッジです」

「俺は負けたんだけどなぁ」

「いいえ。私、ヒョウタさんだけでなくアンバーさんとも戦えて良かったです。これは私から出来る精一杯の感謝の気持ちです」

「……分かった。ありがとう」

 

 バッジを受け取ったアンバーは、そのまま右手を差し出す。その意味を理解したツツジは笑って握り返した。2人が握手した瞬間、拍手はより一層大きくなった。

 

 




オリジナル技『だいほうこう』
タイプ:ノーマル 特殊技
数ターンの間、攻撃を堪えつつ息を吸って爆音を響かせる技。相手はダメージ&混乱状態になる。
味方も巻き込む技なので、ダブルバトルでは使えない。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。