クロガネシティの石屋さん   作:G大佐

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新しい商法

 トバリデパート。トバリシティの名物とも言える建物で、トレーナーに欠かせない道具から食材、家具など豊富な品揃えを誇っている。

 アンバーとマナは探検セットを購入するためにデパートを訪れていたのだが、折角だからとジュエリーコーナーに寄り道していた。

 

「わぁ、綺麗……」

「腕利きの人が加工したんだろうなぁ。宝石の輝きを失っていない」

 

 赤い宝石のペンダントを見て感想を述べる2人。同じような宝石はアンバーの店でも取り扱っているが、流石に加工する技術も設備も無い。そのため原石のまま売られている。

 

「これは……ハートのウロコ?」

「へぇ、これもアクセサリーに加工できるんだなぁ」

「ふーむ……」

「マナさん?」

 

 ふと、顎に手を当てて考えるマナ。アクセサリーに何か思うところがあるのだろうかと、アンバーは疑問に思う。

 

「アンバーさん。確か、お店の方でもハートのウロコとかありましたよね?」

「あるよ? まぁ土の汚れとか落とす為に、 軽く洗浄してるけど」

 

 化石や原石を扱うクロガネストーンショップだが、流石に土埃がついたまま出品しない。壊れないように丁寧に洗浄して綺麗にしてから商品棚に並べている。

 そして、これは不思議なことなのだが、シンオウ地下通路からはハートのウロコ等も出土する。ラブカスと言うポケモンから手に入る事があるアイテムが、なぜ地層から出てくるのか。これはアンバーも未だに判っていない。

 

「アンバーさん……。もしよろしければ、私にアクセサリーの加工をさせてくれませんか?」

「……へ!? マナさん、加工出来るの!?」

「手先は器用な方なので。まぁ、このお店のような物じゃなくて、簡単な物ですけど……」

 

 まさかの新しい商法である。アンバーは少し考えた。

 

(どのくらい器用かによるけど、試してみる価値はあるかもな……。来てくれたマダムの中には、アクセサリーならもっと嬉しいって声もあったし……)

 

 だからと言って、すぐ採用という訳にもいかない。仮に彼女の腕が客に通用せず売れないならば、心苦しいが販売を諦めなければならなくなる。売れないものを売り続けても意味が無いため、その時は心を鬼にしなければならない。

 

「それじゃあ、一週間……は少し厳しいか。二週間お試しでやってみて、お客さんから好評だったら本格的にって感じで良いかな?」

「っ! はい! ありがとうございます!」

 

 喜ぶマナに、ボールの中にいるブニャットやゴルバット、ドータクンも嬉しそうに揺れた。

 

 

 

 

 

 トバリシティには、ギンガトバリビルと呼ばれる建物がある。かつては『新世界の創造』のために活動していたギンガ団の本拠地だったが、アカギが不在となり多くの団員が抜けた今は、宇宙研究センターとなっている。

 

「どうだ?」

「申し訳ありませんサターン様。行動記録が全て削除されており、足取りが……」

「くっ……!」

 

 苦々しい顔になった青髪の男、名はサターン。マーズ、ジュピターと並ぶギンガ団幹部だった男である。アカギが行方不明となった今は、自らの組織を『ギンガ宇宙研究センター』と名を変え、行く宛の無い下っぱたちを纏めあげている。事実上センターのトップとなっていた。

 センター内は現在、慌ただしい状況にあった。幹部の中でも下の立場にあった男が、複数の下っぱ達を連れて突如行方を眩ましたのだ。彼の厄介な所が、アカギに忠誠を誓って居ないと言うこと。詰めが甘い部分もあり勝手に消えているだろうと思い、放置していたのが仇となった。

 

「どこへ行ったんだ、プルート……!」

 

 サターンはその老人の名を呟いた。




忙しい時期になり始めるので、更新は遅くなると思いますが、どうぞ次回をお待ちください。
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