クロガネシティの石屋さん   作:G大佐

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私の好きなポケモンの一匹に、メガヤンマが居ます。古代のトンボ「メガネウラ」にそっくりなフォルムに惹かれたんです。
今回は、明らかにゲームでもアニメでも出てないシーンですので、ご了承ください。


追跡、メガヤンマ!(前編)

 シンオウ地下通路。シンオウ地方全体に広がる広大な地下通路で、その地層には宝石や化石、遺物などが眠っている。

 

「こいつは……たまげたなぁ…………」

 

 ヘルメットを被り、ピッケルとハンマーを使って化石を掘り当てたアンバー。だが彼は、目の前にある巨大な化石を前に呆然としていた。

 

「ガーブ、ガブガブ~♪ ……ガブッ!?」

 

 他のところで宝石を掘っていたガバイトが上機嫌で戻ってきたが、自分の主人の前にある化石を見て驚いた。

 

 目の前には、巨大なトンボの化石が眠っていたのである。

 

 

 

 

 クロガネ博物館。ここでは、発見された化石の展示や石炭の解説などが行われている。

 また、化石からポケモンを復元する装置も所有しており、ポケモントレーナーの中には古代のポケモンの入手を目的として訪れる者もいる。

 

「しかし、これは今までにない新発見ですねー」

「うむ。姿形は、ヤンヤンマの進化形であるメガヤンマに似ておるがの」

(何で俺、ここに居るんだろう……)

 

 博物館の奥にある研究スペース。そこにあるポケモン復元装置の側には、3人の男がいた。

 1人は、博物館で化石の復元を担当する研究員。もう1人はポケモン研究者のナナカマド博士。そして発見者のアンバーである。

 

「まさか、かのナナカマド博士も立ち会うとは……」

「新種かも知れないポケモンの化石と聞いて、年甲斐もなくワクワクしてな。大急ぎでここまで来たのだよ」

「それでは、復元しまーす!」

 

 研究員が復元装置のレバーを引く。トンボの化石は大きなポッドのようなものに包まれ、光で見えなくなっていく。復元されるまでの間、3人は話し合うことにした。

 

「ナナカマド博士。先ほどあの化石を『メガヤンマに似ている』と仰ってましたよねー?」

「そうだ。メガヤンマは、『げんしのちから』と言う技を覚えた瞬間に、ヤンヤンマから進化したと報告されておるな」

「つまり、俺が見つけたあの化石が仮にメガヤンマだとすると、その進化前であるヤンヤンマも、どこかで化石になってる可能性があるのでしょうか?」

「うーむ……。ジーランスやカブトと言った、大昔のポケモンが生きていたと言う例もある。『現代で生きているポケモンが、実は大昔も生きていた』と言う可能性も捨てきれんな」

「だとしたら、ですよ? 大昔の空はプテラやメガヤンマ、もしくはヤンヤンマが飛んでいたと言うことでしょうかー!? ロマン溢れる話ですねー!」

 

 そうして話し合っている内に、復元完了のランプが点いた。3人は緊張しながら、ポッドが開くのを待つ。

 

「……………………」

 

 プシューと言う音と共に姿を現したのは、深緑色の体と大きな赤い複眼、そして4枚の羽。間違いなくメガヤンマである。

 

「メガヤンマだ……!」

「何と……!」

 

 メガヤンマはゆっくりと顔を上げ、3人を見つめる。そして――

 

「ビィィィィィィィ!!」

 

「ぐわぁぁぁぁ!?」

「な、何ですかこれはー!?」

「まさか、『むしのさざめき』か!?」

 

 あまりの音量に、3人は耳を押さえてうずくまる。それを見たメガヤンマは好機と捉えた。

 

「ヤンマッ!」

 

 そのまま飛びながら壁へ突っ込んでいった。ポケモンの耐久力は中々のもので、例え虫であろうとも建物の壁を壊してしまう程だ。メガヤンマは博物館の壁を壊し、外へ出ていってしまう。

 

「いかん! 外へ行ってしまった!」

「俺が追いかけます!」

「アンバーさーん! これ、モンスターボール! 使ってくださーい!」

 

 研究員が空のモンスターボールを投げ渡し、アンバーはそれを片手でキャッチする。

 

「うおおおお! 待てぇぇぇ!!」

 

 博物館の外に停めてあった自転車にまたがると、全速力でメガヤンマを追いかけた。

 




技を覚えて進化するポケモンなのに化石から甦るのはおかしいと思うかもしれません。
ですが、劇場版ポケットモンスター『ミュウと波導の勇者ルカリオ』では、世界のはじまりの樹と呼ばれる場所で、化石ポケモンが登場するシーンがあるんです。私の記憶違いでなければ、そこではヤンヤンマも飛んでいたような気がします。だとしたら、ヤンヤンマやメガヤンマが生きた化石でもおかしくないと思い、このような話にしました。
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