クロガネシティの石屋さん   作:G大佐

22 / 26
お待たせしました。今回はアンバーによる蹂躙です。オリジナル技が少し出ますので、ご注意ください。


蹂躙

 ハードマウンテンに眠る伝説のポケモン『ヒードラン』を目覚めさせ、その力を金儲けに利用しようと企むプルート。目撃者を排除するために下っぱ達に攻撃を命令するが、アンバーは何と、3体のポケモンに1人で指示を出し始めた。

 

「ガバイトは『きりさく』攻撃、ハガネールは『ラスターカノン』、カイリキーは『きあいパンチ』だ!」

 

 その瞬間、ガバイトは下っぱのイワークを切りつけ、ハガネールはマグマッグに砲弾を撃ち込み、カイリキーは別の下っぱが出したゴローンを一発で倒した。どのポケモンに攻撃するかと言う指示もなく、各自で判断している。しかも、攻撃で吹っ飛んだ所に積み重ねるように他のポケモンを飛ばすことで、追加ダメージも与えていた。

 

「な、何をしておる! たかがトレーナー1人だぞ! 数で押し込めば限界が来る! とっとと片付けんか!」

 

 プルートが慌てて下っぱ達に命令するが、当の下っぱたちは慌てて攻撃を指示したり、酷い者はマグカルゴに『かえんほうしゃ』を指示して仲間のポケモンごと燃やしかけるという有り様だった。

 

(あいつらのポケモン、傷ついてる個体が多いな……。ハードマウンテンで捕まえたのか? 腰に着けてるモンスターボールを見るに、捕獲用のポケモンは居たようだが、捕まえた時にかなりダメージを負って戦闘に出せないって所か)

 

 瞬時に判断したアンバーは、攻撃の手を緩めない。

 

「ガバイト、ハガネール。合体技だ! 『りゅうのいぶき』と『ラスターカノン』を合わせるんだ!」

「ガブ!」

「ネェル!」

 

 先にハガネールが『ラスターカノン』を放ち、少し遅れてガバイトが『りゅうのいぶき』を放つ。銀色の砲弾に紫とも取れるような不思議な色のブレスが纏われることで、鋼タイプとドラゴンタイプ両方のタイプを持つ技となった。名付けるならば、『ドラゴンカノン』と言ったところだろう。

 貫通力の高い砲弾が、射線上にいる下っぱ達のポケモンを次々と吹き飛ばし、着弾した瞬間にドラゴンエネルギーで大爆発を起こす。

 

「く、くそ! イワーク、2体まとめて締め付けろ!」

「イワァァァ!」

 

 1人の下っぱがイワークに指示を出すが、それに待ったを掛けたのは、意外なポケモンだった。

 

「グラァ!」

「サイドン!? お前……!」

「グルル……!」

「……そうか! よし! そのまま投げ飛ばせ!」

 

 何と、先ほどまで弱っていた筈のサイドンが動き出し、イワークを角で突き刺して持ち上げたのだ。それに驚くアンバーだったが、彼の目を見て、「自分も戦いたい」という気持ちを感じ取った。

 投げ飛ばすように指示を受けたサイドンは、持ち前の怪力でイワークを投げ飛ばした。その先にいたのは、拳を構えてニヤリと笑うカイリキー。

 

「『インファイト』!」

 

 マシンガンのように高速で打ち出される拳。イワークは瞬く間に体力を削られ、ついに地に伏した。

 

「マ、マグカルゴ! 『かえんほうしゃ』だ!」

「ガバイト、カバーしろ! そのまま『りゅうのいぶき』!」

 

 マグカルゴによる火炎放射がハガネールに向かって放たれるが、庇うようにガバイトが立ち塞がると、腕を交差して炎を防いだ。そのまま振り払うとお返しにと強力なブレスを食らわせる。

 

「ゴローニャ、『いわなだれ』!」

「カイリキー、『インファイト』で岩を落とせ!! サイドンはゴローニャに向かって『とっしん』!」

 

 ツツジ戦の時のように、カイリキー降り注ぐ岩を拳のラッシュで破壊する。そして技を発動するために動けないゴローニャをサイドンが勢いよく突っ込んだ。

 

「な、何なんだよアイツ!? 3体どころか4体に指示出してるぞ!?」

「お、おい! 他にポケモン持ってる奴居ないか!?」

「殆どやられちまったよ! 捕獲用のポケモンたちは戦力にならねぇ!」

 

 数で圧倒的優位に立っていた下っぱ達も、まさか全滅させられるとは思わずパニックになる。

 

「や、やってられるかよぉ!」

「に、逃げろぉ!」

「金なんてどうでもいい!」

「何をしておる貴様ら! 逃げるな! おい!」

「逃がすかよ!」

 

 尻尾を巻いて逃げようとする下っぱを、必死で呼び止めようとするプルート。

 しかし、アンバーはそんな彼らに慈悲を与えなかった。常に持ち歩いている『あなぬけのヒモ』を使い、まるで西部劇のカウボーイのように次々と投げ縄で彼らを捕まえていく。ついにプルートも捕らえられ、一ヶ所に集められた。

 

「さて、と。ミカルゲ」

「ミカ!」

「“あの顔”を頼むぜ」

「ミッ!」

 

 そしてミカルゲがぐるぐる巻きにされたプルート達の前に立ち―――

 

 

 

「「「「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから暫くして、彼らは「ハードマウンテンに不審者が居る」と通報を受けて駆け付けた国際警察によって逮捕された。縛られていたプルートたちは、まるで“恐ろしい何か”を見たかのような顔で気絶しており、その頭には「私たちはギンガ団です。捕まえてください☆」と書かれた紙が貼り付けられていた。

 

「しかし、これは誰がやったんだ……?」

 

 コードネーム『ハンサム』は、激しいバトルがあったと思われる地帯を見渡すが、あるのはモンスターボールの破片のみだった。

 

 後にボールに埋め込まれているチップを確認した所、ハードマウンテンに生息するポケモンたちが捕獲されていた事が判明した。ギンガ団を捕まえた人間は、彼らを縛った後に、ボールを壊して元の場所に戻したのだろう。

 

 その後の事情聴取でプルートは、「ギンガ団幹部のマーズを連れた男にやられた」と証言したのだが、調査員が調べてもマーズに関する情報は得られず、信じてもらえないまま牢屋に入れられたのだった。

 




オリジナル技紹介
『ドラゴンカノン』 タイプ:ドラゴン&鋼
ラスターカノンによる砲弾に、りゅうのいぶきを纏わせて威力を上げた合体技。相手を吹き飛ばすだけでなく、砲弾が着弾すれば大爆発を起こすおまけ付き。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。