今回は、キリを良くするために短めなお話です。
ハードマウンテンからクロガネシティ帰ってきたアンバー達だったが、予想以上に疲労し、アンバーの事についての詳しい話は、その日はお預けとなった。
ベッドで横になっているマナは、まさか自分が此処に帰ってこられるとは思わなかった。
『俺は、店員としてのマナさんを知ってるから。それに、普段からポケモンやお客さんを大切にしてる人を、追い出すなんて事はしないよ』
本当に帰ってきて良いのかと聞いた時に、アンバーはそのように返した。
救われたような気持ちだった。過去ではなく今の自分を見てくれている。それが嬉しかった。
だからこそ、アンバーが言っていた「隠していたこと」とは何なのか。それが気になって仕方がなかった。
「みんなー! ご飯だぞー!」
アンバーがそう言って、ボールからポケモン達を放つ。そこには、新たな仲間が加わっていた。
「グラ!」
「サイドンおはよう! ゆっくり眠れたか?」
「グルル!」
「そうかそうか! お前の分もちゃんと出すから、他の子たちのご飯盗るなよ?」
ハードマウンテンで共闘した、サイドンである。ギンガ団をミカルゲの『おそろしいかお』で気絶させたあと、捕まえられていたポケモン達を元の場所へ帰してやった。その後、麓に降りようとしたのだが、サイドンが着いてきたのだ。
助けられた恩を感じていたらしく、そのまま彼はアンバーの手持ちになった。いわゆる『友情ゲット』である。
ブニャット達にポケモンフーズを与えながらも、その様子を見ていたマナ。今のアンバーは、バトルの時に見せた獰猛な顔とは180度違う、穏やかな顔だった。
ツツジ戦の時、そして今回のハードマウンテンでのバトル。どう見ても只のトレーナーとは思えなかった。まるで、ギンガ団にいた頃にアジトに乗り込んできた“あの子供”のような……。そのような気がしてならなかった。
今日は休業日。ポケモン達にご飯を与えた後に、アンバーが自身のことを教えてくれるとのことだった。
リビングにて、向かい合うように座るアンバーとマナ。アンバーは困ったようにポリポリと頬を指で掻いている。
「さて、どこから話すべきか……」
聞かれることは分かってる。「どうしてそこまで強いのか」、「何で強いのに自営業をしているのか」。彼の過去を知っている人物は僅かだ。
「……最初は、石屋をやるなんてことは考えて無かったのさ」
ポツリと話し始めた。その顔はどこか後悔しているような、そのような顔だ。
「昔の俺が目指していたのは、ジムリーダー。だから、かつてはジムリーダー候補生だったんだ」
そうして、彼の昔話が始まった。
ドサイドン、カッコいいけれど通信交換する友達が居なくて進化させることが出来なかった思い出が……。なので小説の中でアンバーの手持ちにサイドンを加えました!
さて、次回はアンバーの過去が明らかになります。