不思議な生き物と出会った翌日。パソコンのビデオ通話機能を使って、ナナカマド博士に相談することにした。先のメガヤンマの件で、博士の連絡先を手に入れていたのである。
『おや、アンバー君。何かあったのかね?』
「おはようございます、博士。実は初めて見るポケモンが家に現れまして……」
『現れた? 手に入れたではなく?』
「はい。ほら、おいで」
近くでカイリキーと遊んでいた例の生き物が、下の石を揺らしながらやって来た。
『む!? そ、そのポケモンは……!』
「ご存知なのですか?」
『うむ。そのポケモンの名はミカルゲ。ふういんポケモンとも言われておる』
「封印……」
『昔、悪さをして何者かが封印したと言う話が残っておるらしい。他にも108個の魂が集まって生まれたとも……。だが、未だに目撃例は少なく、所有者もシンオウでは君を含めて3人しかおらん』
「その2人は、どんな人なんです?」
『1人は君も知っておる、チャンピオンのシロナ君。もう1人は儂が図鑑制作の協力を頼んだ子供じゃよ。だが……君のミカルゲは2人とは違うのぉ』
ナナカマド博士は、自分が見たミカルゲは紫色の体に緑色の目と口だと言う。
だが、アンバーのミカルゲは青色で、黄色い目と口をしていた。
『ごく稀に見られると言う色違いか、もしくは集まった魂によって色が異なるのか……。不思議なポケモンじゃわい』
「先ほど、悪さをして封印されたと言ってましたけど……」
自分のもとを離れたミカルゲを見る。
「リッキ!」
「ミカァ~♪ ミカル~♪」
カイリキーに高い高いされて、無邪気に喜んでいた。
「……なんと言うか、悪さをしていたように見えないんですが。会ったときも俺たちに驚いて、棚から落ちて泣いてましたし」
『うむむ……。謎が深まるの……』
だが、アンバーやマナのポケモン達と仲は良く、人間の2人にも怖がらなくなっていた。段々と雰囲気に慣れてきたのだろう。
「あのミカルゲは、俺のところに居させます」
『分かった。何かあったら、すぐに連絡してくれ』
こうして、博士との話が終わった。相変わらず楽しそうに遊ぶミカルゲに、アンバーは思わず笑みがこぼれた。
お昼。昼休憩と言うことで休んでいたアンバーは、空のモンスターボールを取り出す。
「ミカルゲ、おいで」
「ミカ?」
呼ばれて素直にやって来るミカルゲ。到着すると、アンバーのことをじっと見つめた。
「お前、俺のポケモンになるか?」
「ミカッ! ミカル~!」
顔のような渦のような物をグルグルと回転させて喜んでいる。アンバーに懐いたようだ。
「よし、なら一度だけ、このボールに入ってくれるかい?」
「ミッ!」
ミカルゲがコクリと頷くと、アンバーはメガヤンマにやった時と同じように軽くモンスターボールを当てた。三回ボールが揺れてパチンと閉まると、アンバーは再びミカルゲを出す。
「出ておいで、ミカルゲ!」
「ユラァー!」
鳴き声を上げたあと、再びアンバーに向き直る。
「これから宜しくな、ミカルゲ」
「ミカッ!」
ミカルゲの色違いとは別の色違い……少しややこしいかもです。
読んでいただき、ありがとうございます。次回もお待ちください。