魔法少女リリカルなのは~笑顔のために~   作:sinku0004

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第十話

開始の合図を聞いた瞬間、後ろに引いていた右足に魔力を集中、爆発させ瞬時に相手との距離を詰める。___《瞬動》と春夜は呼んでいる。

 

「っ!」

 

春夜の姿が振れた。認識すると同時に杖と障壁どちらでも防御できるよう身構える。この場合において、取りうる戦術は大きく2つ。先手必勝か様子見。どちらの場合でも距離を開けるも詰めるも本人次第だ。どちらにせよ動いたということは、攻撃する可能性が高い。振れの方向から接近だと予測できる。接近からの攻撃___打撃、刺突、斬打撃のいずれか。

 

ガギィン

 

周囲に金属同士がぶつかる音が響く。

 

春夜は突進の勢いをそのまま強襲モードのクライシスでリニスの胸部目掛けて突き、それをリニスが杖で防いだ。

 

鍔迫り合いの状態で二人は油断することなく、相手の動向を注視する。

 

「いきなりですか」

 

「リニス相手に距離を開けるのは得策じゃないと思ってね。まだまだ行くよ!」

 

右手を銃床から握把へと移し、クライシスを僅かに引いて銃口を下げ、射線上にリニスを捉えて引き金を引く。

 

バババッ

 

銃口からフルオートで魔力弾が放たれる。

 

(どうやら前者だったようですね)

 

そんなことを考えながらリニスは障壁を展開。そのまま後方へ姿勢を倒し、射撃の勢いを利用してバク転の要領で銃口を蹴り上げ後退。そののまま二回転三回転と繰り返し、距離を開けつつ数発の魔力弾を発射する。

 

放たれた魔力弾は確実に目標を捉える。春夜は初弾を障壁で防ぎ、2発目以降は右に転がり回避。

 

そのまま膝撃ちの姿勢になり再度発砲。

 

バババッ バババッ

 

6発の魔力弾がリニスへと直進する。

 

リニスは最初の3発を障壁で防ぎ、続く3発を難なく回避。

 

「確かにその速さは脅威ですけど、そんなに素直だと回避は容易です」

 

「それは・・・どうかなっ!」

 

その時、1発の魔力弾が背後からリニスを襲った。それは先程回避したはずの魔力弾だった。春夜はその中に1発だけ誘導弾を混じらせていたのだ。

 

回避直後の隙をついた死角からの攻撃。回避も防御も不可能だ。命中を確信しつつ結果を見守る。

 

「っ・・・なんで・・・」

 

しかし、リニスは無傷であった。

 

魔力弾は確かに命中した。リニスは回避も防御

していなかった。それどころか攻撃されたことに気づいてさえいない。だが無傷である。その結果に驚く春夜。

 

「・・・よんでいたのか?」

 

「ふふっ。そんなに驚かないでください。確かに今のは良い手でした。油断していたら今のでやられていたでしょう」

 

「どういうことだ?」

 

「簡単なことですよ。よく言うでしょ? 《かもしれない運転》を心掛けなさいって。春夜なら死角からの攻撃を狙って来るのではないかとね。どうやら搦め手がお好きなようですから。なので予め障壁を展開して置きました」

 

「はは・・・そういうことか・・・・さすがリニス」

 

「戦闘の基本です。相手の行動をできるだけ多く予測し、それに対応する策を立てる。どんな人間でも想定外のことが起きれば数秒は動きを止めます。戦闘中にはその数秒が命取りになる場合もありますから」

 

「なるほど。確かにその通りだ」

 

春夜は先の攻撃は当たると確信していた。それ故に動きを止め思考を停止してしまった。例え一瞬であったとしても、これが実戦なら命を落としていてもおかしくはない。この様な場合、当たらなかった場合を想定し、次善の策を考えるべきだ。

 

「それでは次はこちらからいきます」

 

リニスは春夜へと右手を向ける。すると春夜の手足は黄色の環に拘束される。

 

「なっ!」

 

「さて、この状態で防げますかね?」

 

杖の先端を春夜へと向ける。

チャージは既に始まっていた。黄色い光が先端へと収束。段々と大きくなっていく。そして数秒でチャージが完了し、球状の部分は黄色の輝きを溢れさせ発動する時を今か今かと待っている。

 

「それでは頑張ってください♪」

 

そして黄色の魔力が放たれた。

 

「っ!」

 

春夜はなんとか、左手の拘束を解き、全力で障壁を展開。一枚では足りないと判断し、二枚三枚と重ねて展開。計五枚の多重障壁となった

 

砲撃は一枚の障壁を軽々突破。続く二枚目も突破され、三枚目でようやく勢いが衰え、四枚目で止まった。だが、砲撃はまだ続いている。このままでは時期に破られる。

 

(クライシス、障壁の維持は俺のみで行う。バインドの破壊とリニスの背後への転移は可能か?)

 

『多少時間はかかりますが可能です』

 

(やってくれ。転移は準備でき次第すぐに)

 

『了解』

 

クライシスによる補助がなくなり、障壁の強度が一瞬落ちる。砲撃の侵食が進み障壁は破壊寸前だ。

 

「うっ・・・」

 

そして、程なくして四枚目が破壊され、障壁は最後の一枚となる。

 

それとほぼ同時に、手足を拘束していた黄色の環が解かれた。

 

(よし。頼むぞクライシス。もう長くは保たない)

 

『・・・・』

 

返事はなかった。

それに気にすることなく、右手も前にだし、両手で障壁の維持に集中する。

 

どれくらいの時間がたったのか。春夜にはわからなかった。実際にはほんの数秒だったがそれが春夜には10分にも20分にも感じられた。

 

やがて最後の障壁にも亀裂が現れ始め、全損も時間の問題となった。

 

(これまでか・・・・)

 

障壁は亀裂だらけ。もうすぐに破壊されるだろう。

今の春夜は身体強化に回していた魔力も全て障壁に注ぎ込んでいる。その上、クライシスによる補助もない。威力は弱まったとはいえ、そんな彼を戦闘不能にするのには十分だ。

 

諦めて腕を下ろそうとしたその寸前____

 

『座標特定終了。術式展開・・・・完了。転移準備完了。転移します。』

 

クライシスの言葉と同時に障壁は消失。

 

春夜は光の濁流に飲み込まれた。

 




お久しぶりです。
戦闘描写難しい・・・・・

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