魔法少女リリカルなのは~笑顔のために~   作:sinku0004

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プロローグ2

side アマテラス

 

「よく寝てるな~」

 

ベットで寝ている彼の顔を覗き込む。先ほど助けてくれた彼だ。

 

髪の色は日本人特有の黒色。顔も整っている。中の上ってところかな。

 

私はあの程度のことで死ぬことはないが痛覚がないわけではない。あんなトラックに跳ねられたらかなり痛い。だから助けてくれた彼にはとても感謝している。まぁ死ぬとは思ってなかったけど。

 

現在ここに居る彼は普通なら魂のみで肉体はないのだけど、特別に用意した。話すのに肉体がなかったら不便だよね。

 

「それにしても男のくせに可愛い寝顔」

 

ツンツン

 

と私は彼の頬を突く

 

「ふわぁ。なんだか私も眠くなってきちゃった」

 

彼が目覚めるにはまだかかりそうだし私も少しくらい寝てもいいよね。私は彼の隣に横になる。

 

「お休み~」

 

そうして私の意識は暗闇に溶けていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんでだか隣が騒がしい。布の擦れる音や一人言なのかなにかブツブツと言っているのが聞こえる。

 

「ぅん・・・・」

 

私は重たい目蓋を持ち上げ、身体を起こす。そして隣を見ると見知らぬ男がいた。

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

誰だっけ、この男。私は寝起きの頭を回転させる。 ああ、思い出した。私を助けてくれた男だ。

 

「・・・・おはようございます」

 

「あ、ああ。おはよう」

 

「「・・・・・」」

 

そしてまた沈黙。なんだか気まずい。何か話題はないのかと思い私はとりあえず謝ることにした。

 

「あの・・・・ごめんなさい!」

 

「え? あ、もしかして事故のこと?」

 

「はい・・・」

 

「それは君が謝ることじゃない。あれは事故で俺が助けたくて助けただけだ。君に非はない」

 

優しいな、彼は。 私はそう思った。いくら自分から助けたと言っても彼が死ぬ原因を作ったのは私だ。少しくらい怒ってもいいはずだ

 

「ですが・・・」

 

「それよりもこの状況どうなってるの?俺、死んだはずだよね?」

 

「それは今から説明します」

 

そうして私は説明を始めた。彼が何故ここにいるのか、私自身について、これからどうなるのかetc。

 

「まとめると、君は神で俺が死んだあと俺の魂はここに転送され、俺が起きるまで待っていた君は眠くなって一緒に寝た。で俺はこれから君を助けたお礼に転生する。あってるか?」

 

「はい。大体は」

 

それから彼は、顎に手を当て考えるような仕草を見せる。どうやら今私が言ったことの真偽を考えているようだ。きっと信じられないだろう。あたりまえだ。普通ならすぐに嘘だと思うはず。少なくとも私が逆の立場ならば信じないし、逆に自分を騙そうとしていると警戒する。まぁ本当に騙そうとしているならばこんな馬鹿げた手口はないんだけど。もし信じてくれなかったどうしようという不安に駆られたが、その時はどうにかして信じさせよう。

 

「信じられないが、恐らく嘘ではないのだろう」

 

「え? 信じてくれるんですか!?」

 

「だからそう言っているじゃないか」

 

予想外にも彼はあさっりと信じてくれた。まだ半信半疑ではあるようだが、信じてくれたのはありがたい。

 

「ところで神の君が何であんなところにいたの?まさか人間と同じ世界に住んでいる訳ではないだろ?」

 

「・・・それ私以外の神に言っちゃダメですよ。私があそこにいたのは映画を見た帰りだったからです。神にだって娯楽は必要です」

 

もし彼が他の神に「人間と同じ世界に住んでいるのか?」なんて聞こうものならその場で蒸発させられてもおかしくはない。それくらい失礼なことなのだ

 

「本題に戻ろう。転生って元いた世界にはできないのか?」

 

それから私は記憶の引き継ぎに関してや、転生についてなどの説明を始めた。

 

彼が転生する世界は恐らくリリカルなのはの世界だろう。その他で私の管理している世界は自分でいうのもなんだがろくなのがない。まぁ管理といっても基本見ているだけなんだけどね。たまに異単分子的なのがあるけど大体は世界補正でなんとかなるし、私が介入するのは極希だ。

 

「他の世界は無理なのか?」

 

「無理ではないですが、私の管理している世界は限られていますから。他の世界だと

 

・アンパンマン

 

・ドラえもん

 

になりますね」

 

私が、そう言うと彼は少し苦い顔をした。まぁ・・・なんとなくわかるかな。アンパンマンの世界はほとんど人じゃないし。今まで通りの平穏な日常を求めるのならばドラえもんの世界だけど、あそこ地味にフラグあるのよね・・・・ まぁフラグがある点はなのはの世界も同じだけど。

 

結局彼は、なのはの世界を選択した。そして話は転生特典の話になった。

 

特典として彼が希望したのは以下の四つだった。

 

・魔法に関する様々な知識

 

・様々な才能を持つ体

 

・現在、実用化されている銃や手榴弾、ロケットランチャーなどの個人で使用できる兵器全て(弾薬含め)

 

・機動戦闘車1台、装輪装甲車2台、高機動車2台、10式戦車2台

 

・上記を保管できる倉庫

 

・各武器の扱い方や各車両の操縦方法などの基礎的な知識

 

兵器系のものは珍しいような気もするけど一般的にチートと言われるものだろう。だが彼の場合はまだいい。他の神から聞いた話だが転生する際ほとんどの男はハーレムを望み、容姿の設定やニコポ、ナデポなどをつけたがるらしい。まぁ彼ももしかしたらこれから言うのかもしれないけど。とりあえず私は彼に大丈夫だということを伝えた。 もし彼が後から容姿設定やニコポ、ナデポを望むなら叶えてあげるつもりだけど。

 

結果的に彼は追加での特典希望はしなかった。

 

そして最後に、デバイスと転生後の説明をしていよいよ送り出すという時になって彼はこんな事を言い出した。

 

「なぁ。アマテラス。君も一緒に行かないか?」

 

「え?」

 

私は自分でも情けないと思うような声を上げてしまった。それほどまでに彼、鷹城春夜の発言は私を驚かせた。面白いというか怖い者知らずな人だ。仮にも神である私に。しかも、神であると知った上であの様なことを言うなど。もしあのようなことを私以外の神に言えば、それこそ本当にその場で蒸発もしくは灰塵にされても不思議はない。それほどまでに今、彼は神である私を侮辱している。しかも本人は自覚がない。本当に面白い。私はそんな彼を少し苛めてみたくなった。

 

「・・・・・もしかしてナンパですか?」

 

「なっ!? そんなつもりは・・・・」

 

「クスッ」

 

「笑うことないだろ・・・」

 

「ふふ。すみません。可笑しかったもので」

 

「でもまぁ無理「いいですよ」え?」

 

「もともと貴方が死んだのは私のせいですし、貴方がそう望むなら私は構いません」

 

「本当にいいのか?」

 

「はい。ですが今一緒に行くわけにはいきません。記憶がないのでは意味ないでしょう?」

 

「なるほど。じゃあ5年後か?」

 

「はい。5年後です」

 

「わかった。じゃ先に逝っている」

 

明らかに「いく」という字が違うのだが、そこを指摘する頃には彼は既に扉の奥へと歩を進めていた。

 

まったく、本当に面白い人。さて、私も色々と準備しなきゃね。

 

side  了

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