魔法少女リリカルなのは~笑顔のために~ 作:sinku0004
俺がこの、リリカルなのはの世界に転生してから5年の時が過ぎた。アマテラスの言うとおり、俺の記憶は5歳になった瞬間、つまり俺の誕生日である12月25日午前0時に全て戻った。
そして前日にはこの世界での父が帰ってくる日だった。俺のこの世界での父親、鷹城 春介(たかしろ しゅんすけ)は管理局本局所属の空戦魔導師。階級は二等空佐。一ヶ月程、長期任務で家を留守にしていた。ちなみに母親である、鷹城 真夜(たかしろ まや)も管理局本局所属の空戦魔導師だ。階級は父親より一つ下の三等空佐。現在は育児休暇中だ。
両親は二人共日本人。現在、俺たちが住んでいる場所はミッドチルダ アルトセイム地方のとある山中。ここ、アルトセイムは山と森、湖に囲まれた自然豊かなところだ。
誕生日の前日12月24日、父が帰ってきたのは夜の11時。予定では昼には帰って来れるという事だったが、トラブルか何かで大幅に遅れてしまったようだ。帰ってきたとき父は一人ではなかった。一人の女性と一緒だった。その女性とは身長150cm程度、黒髪ツインテール。そう、アマテラス本人であった。
そのことにについて、母と一悶着あったようだが、父がなんとか事情を説明し、理解してもらえたようだ。
現在時刻は午前6時。母は毎朝5時には起きて、朝食の準備やその他の家事をやっている。なので俺はこの時間に毎朝一人で起きるのだが、この日は違った。
目覚めるとまず最初に、軽い吐き気と酷い頭痛に襲われた。恐らく記憶が戻った副作用かなにかだろう。 それが収まり隣を見ると、
「おはようございます♪ マスター♪」
桃色髪の美少女、アマテラスがいた。
それ自体にはなんの問題もない。問題なのは彼女の格好だ。彼女は下着姿でそこにいたのだ。
「なんで、下着姿なんだよ・・・」
俺は、アマテラスから視線を外しながらそう言った。だが、悲しいかな、どうしてもチラチラと覗いてしまう。
「私、寝るときはいつも下着なのです。あ、マスター照れてます? 可愛いですね~♪ でも、まだ5歳なのに、おませさんですね♪」
アマテラスはそう言いながら、さくさくと着替えを始める。正直、こちらとしては勘弁して欲しい。確かに、肉体年齢は今日で5歳だが、精神はもう22だ。
「何が3歳だ。精神は22だ。もう成人だぞコラ」
「ふふ、そうでしたね♪ でも、ということは記憶はちゃんと戻ったみたいですね。あ、終わりましたよ」
「ああ。お陰様でな」
着替えが終わったアマテラスへと視線を移す。アマテラスはジーンズに半袖tシャツというラフな格好だ。
ちなみに今までの俺、0~5歳になるまでの記憶はちゃんとある。まぁ、大した記憶ではないがな。でも、さすがに母親の母乳の飲んでいたという記憶はちょっと、いや、かなり恥ずかしい。
「あら、起きていたのね。ご飯できたわよ」
「うん。わかったよ。すぐに行く」
アマテラスと話しているうちに朝食を作り終えた母に呼ばれ、二人で食卓へと向かう。
食卓に着くとそこには父が座っていた。
「おはよう。二人とも」
「おはよう。お父さん」「おはようございます」
間もなくして母も席に着き、朝食が始まった。アマテラスはなんだか慣れないようだ。まぁ、昨日来たばかりだし、それに今まで立場上こういう機会はなかったのかもしれないので理解できる。
俺は俺で少し考え事をしていた。それは俺自身のことを両親に話すべきかどうか。だが話したところで理解、いや、受け入れてもらえるかどうか・・・・
この前まで字も読み書きできなかった息子が、いきなり16歳になったようなものだ。事情を説明されても簡単に受け入れてもらえるとは思えない。
「春夜は何がいい?」
「え?何が?」
どうやら思考に没頭しすぎたようだ。まったく話を聞いていなかった。
「何って、誕生日のことよ。今日、春夜、誕生日でしょ? だから、何か欲しいものとか食べたい物がないのかなって」
「ああ。ごめん。ちょっとボーっとしちゃって」
「大丈夫?どこか具合でも悪いの? さっきからあまり食べていない様だし・・・・」
ふと、皆の顔を見てみる。両親は二人とも心配そうな表情でこちらを見ていた。アマテラスは少しニヤついていた。恐らく俺がなんで悩んでいるのかわかっているのだろう。
はぁ~ なんだか悩むのが馬鹿らしいくなってきた。もうどうとにでもなれ。俺は意を決しすべてを話すことにした
「大丈夫だよ。それよりお父さん、お母さん。ちょっと話があるんだ」
それから俺は全てを話した。さすがにアマテラスのことや能力のことは言えなかった。つまり、俺が転生者であること少し前に記憶が全て戻ったことなどを話した。
正直少し怖かった。事情を知った二人が俺を拒絶するのでないかと。だがそんなのは杞憂に終わった。話を聞いた二人は最初は疑わしそうに見ていたけど、俺が転生者だと証明(文字を書いたり数式を解いたり)すると一応は信じてもらえたらしく、驚いた表情で俺を見つめていた。
「そうだったんだ・・・信じられたいけど、本当なんだね。でも、なんとなく納得しちゃった」
母がそう言った。俺はなんのことか分からずにいた。すると母はこう続けた。
「だって今日、春夜のこと見た時少し違和感あったから。なんというか大人っぽくなったかんじ?」
「・・・・ごめん」
俺はなんだか申し訳なくなり誤った。俺という存在が二人の子供を奪ってしまったかのように思えたからだ。
「ふふ。なんで春夜が謝るの?春夜は何も悪いことしてないじゃない」
「そうだぞ。たとえ前世の記憶があったとしても、春夜は俺達の息子だ」
その言葉に俺は救われたようた気がした。そのあとは父と母、そしてアマテラスに誕生日を祝ってもらい楽しい一日を過ごした。