魔法少女リリカルなのは~笑顔のために~ 作:sinku0004
さてあれからさらに5年が経過した。この5年間はひたすら訓練の日々だった。
アマテラスはどうやらメイド兼家庭教師としてこちらに来たらしい。主に特典であった魔法に関する知識や武器・車両に関する知識教えるということだ。その他、戦闘訓練も行うとか。そのほかには、母も育児休暇が終わり、両親は仕事で殆んど家にいない。それでも夜はなるべく早く帰ってくるし、家族と過ごす時間もしっかりととっている。だが、家事まで手が回らないので家事全般はアマテラスの仕事となっている。ただし、料理だけは俺とアマテラスの2人で行う。アマテラスだけに任せると危ないし、材料が無駄になってしまう。
ちなみにアマテラスだがこちらでは天野美希と名乗っている。どうやって父と知り合ったのかは不明だ。
訓練だが、まずは魔法中心に行われた。1年目は基礎知識とその実践。そして2年目は銃や車両に関する基礎知識と実践。3年目は今までの応用を徹底的に。4年目以降はより実戦的な訓練を。
デバイスは4年目でやっと渡された。クリスタルの色は蒼。指輪型のインテリジェントデバイス。俺はクライシスと名づけた。ちなみにこの時、3本の腕輪を渡された。アマテラス曰く、「この腕輪は1本につき1回、どんなことでも叶えてくれる。本当に困った時に使ってね」だそうだ。なんでこんなものをくれるのかと聞いたところ、「今まで楽しませくれたお礼。もちろんこれからも楽しませて貰うけどね♪あ、何でもって言ったけど、死人を生き返らせるとか世界を破壊するとか、この世界のバランスを崩す様なことは無理だから」との回答を頂いた。
クライシスの特徴はバリアジャケットの自動展開。これはクライシスがジャケット展開が必要と判断した場合、もしくは俺が展開を命じた時、状況に応じたバリアジャケットを展開する。なお、形状は俺の記憶からクライシスが自動的に選択する。
一度外で展開してみたら陸自の戦闘服だった。次に室内で展開を行ったところ黒色の戦闘服を着ていた。訓練中に展開を行ったところプロテクターやボディーアーマー等が追加される場合があった。中々便利な機能だ。
クライシスのモードは3つ。一つは強襲(アサルト)モード。M4の形状で銃剣が着剣されている。固定銃床で銃床の真ん中にクリスタルがある。次に狙撃(スナイパー)モード。L96の形状で同じく銃床にクリスタルがはめられている。この2つのモードでは共に魔力カートリッジが使用できる。通常魔力弾の発射のための魔力供給は使用者から直接供給されるため、度々リロードをする必要がないがより強力な弾丸や特殊な弾丸を発射する場合にはカートリッジを消費する必要がある。
そして最後に、魔法戦闘全力補助(マジックバトル・フルサポート)モード。文字通り魔法戦闘を全力で補助する。処理情報が多いためジャケットの展開が不可。さらに形状も待機状態と同じ指輪型。自動障壁展開、常時障壁展開、自動回復が可能となり、様々な魔法が無詠唱で使用可能。ただし、魔力消費が激しいうえ長時間使用するとデバイスが破損する。
そして俺には、古代魔法が使える。というか習得した。古代魔法とは空気中にある魔力を糧に魔法を発動させる。だけど、これは非殺傷設定ができないうえにある程度の知識、呪文の意味を理解し、構成しないと使えないことから今では使えるものはいない。ゆえに古代魔法とまで呼ばれている。らしい、あくまで知識としてアマテラス・・・美希に教えてもらったことなのであってそれが今はどういう扱いかいかはしらない。
これで俺が願った特典は殆んど達成されている。しかし、銃器や他の武器、車両をどこにあるのだろう。美希に尋ねて見たところ、別次元にあるということがわかった。行き方は簡単だった。クラシスにメモリーされている座標に転移すればいいだけだ。
さっそく行ってみたのだが、俺が望んだとおり銃器や車両がずらりと並んでいた。あれは興奮したね。「新しい玩具を与えられた子供のよう。というか子どもか♪」と後ほど美希が言っていた。ちょっと恥ずかしかったが、確かに子どもなので気にしないことにした。
ちなみにそのあと美希からタブレット端末をもらった。そこには倉庫内の武器や車両等のリストがあった。ここから選択をすれば自由に出し入れでき、さらに追加で物収納可能だという。倉庫内は時間が停止しているので燃料の劣化とかもないとか。
なんか核とか原子力潜水艦とかあるんだが・・・・・・大丈夫だよな?
閑話休題。
現在俺は総合戦闘訓練を行っている。現在時刻は午後の2時。朝、朝食を食べたあとすぐにデバイスだけを持たされて、目隠しをされて知らない森の中に連れてこられた。美希は、「今回は魔法無効化エリア内という想定で行います夜7時までに家に帰ってきてね。デバイスは戦闘以外には使っちゃダメ。本当は武装も質量兵器だけにしたかったんだけど、それはちょっと危ないから。飛行魔法はもちろん禁止。所々トラップや妨害が入るけど、頑張ってね♪」と言って放り出された。ちなみに父と母は仕事で今日も帰りが遅い。
理不尽だ。無茶だ。とは思ったが、この訓練の有用性はわかるので、文句言わずに了承の意を伝えた。美希が去った、というか転移したのを見届けて俺は行動に移った。ちなみに今の俺の装備だが、ブーツに65式作業服(下のみ)にODのtシャツだ。
最初に俺は川を探した。それにそって移動すればどこかにでるだろうと思ったからだ。水が流れる音は聞こえていたので、川は簡単に見つかった。流れが急なうえ水深も2~3m程。今の俺くらいなら簡単に流されるな。俺は川にそって下っていった。途中、美希の言うとおりトラップがあったがどれも簡単なものだった。落とし穴やらロープを使った罠、どれも気をつけていればなんともない。対人地雷まであってびっくりしたが、たとえ実際に踏んでも爆発しなく代わりに設置型のバインドが発動された。途中、明らかに罠だとわかるようなものも。なんでバナナがこんなところにぶら下がってんだよ。明らかに罠だろ。と思いつつも引っ張ってみると、上から大量のローションが。
どんな嫌がらせだよ。というか滑ってあぶねぇ。危うく川に落ちるところだった。とりあえずローションを川の水で全て落とし、移動を続けた。1時間程度移動したところで俺は、一度休憩をとることにした。
「ふ~」
川の水をを飲み、途中採取した木の実を食べる。そうして10分程度休憩をとり、そろそろ行こうと思っていたら
「・・・けて・・・」
「ん?」
どこからか人の声が聞こえた。空耳かと思い移動を開始しようと思ったが、そこで何やら川が流れる音とはとは別な音が聞こえた。この音は・・・・誰かが溺れている?
とその時俺の前を誰かか通過した。しかも川の中。
「あぷっ・・・だれか・・・・けて・・」
「っ!」
流されていたのは金髪の少女だった。俺はすぐに行動を開始した。まず飛行魔法を使用し、少女へと接近する。
「掴まれっ!」
そこから手を伸ばす。少女も懸命にこちらに手を伸ばす。だがもう少しというところで少女は沈んでしまう。
俺は迷わず川の中に飛び込んだ。そして、少女の腕をなんとか掴み引き上げた。
「けほっけほっ」
「大丈夫か?」
「うん・・・なんとか・・・」
少女は弱々しく返事をする。無理もない。死にかけたんだ。助かったからといってすぐに元気にもなれないだろう。俺は少女を抱いて、陸に降りた。
「俺は鷹城 春夜。君は?」
「フェイト・テスタロッサ・・・です」
「そうか。じゃあフェイト、しばらく休もう。話はそれからだ」
「うん」
これが俺とフェイトの最初の出会いだった。俺はこの時、思ってもいなかった。フェイトと・・・いや、テスタロッサ家と長い付き合いになるとは。