にじさんじ決闘王   作:七倉八城

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明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

今回から決勝トーナメント編に突入です。
各ライバーの激戦をうまく書けたらと思いますので、楽しみにしていてください。


行き当たりばったりでストーリーを進めているので、皆さんの感想からアドバイスをめちゃくちゃ頂いています。

このライバーを出して欲しい、こんなデッキが合うんじゃないか?など
感想やご指摘、評価お待ちしております。
できればTwitterの方にもフォローしていただけると嬉しいです。


BATTLE.17「叶vs桜凛月」

にじさんじ決闘王

特別スタジアム

 

 スタジアムにはにじさんじライバー全員とスタッフで賑わっていた。それ以外にも他社やにじさんじライバーと交流のある個人勢のVTuberも観戦していた。スタジアムの丁度、中央に区切られるところに関係者席があり、そこにはCEOである田角と今回の大会の協力者である草壁誠一郎もいた。そして、その席の前には司会席があり、夢追翔と加賀美ハヤトが座っていた。

 司会席にいた夢追がマイクを握り、立ち上がった。

 

「皆様、本日はお集まりいただき、誠にありがとうございます! これより【にじさんじ決闘王】決勝トーナメントを開始します!」

 

 夢追の掛け声と共に会場は盛り上がった。

 

「実況は私、夢追い続けて28年。夢追翔でお送りさせていただきます。そして、解説はこの方!」

「こんにちは。加賀美インダストリアル代表取締役兼にじさんじ所属、加賀美ハヤトでございます。今回は解説として務めさせて頂きます」

「はい! ありがとうございます! ハヤト……じゃなかった。加賀美さんは選手でもあるので、自分が戦う際には別の方に解説に入っていただきます!」

「いつも通り、ハヤトでも良いでよ」

「あ、そう? ありがとう、ハヤト。では、今回の大会を企画した、いちから株式会社CEOである田角陸からご挨拶があります」

 

 田角はマイクを握ると立ち上がり、会場を見回した。

 

「本日は所属ライバー以外にも多くの方に集まっていただき、誠にありがとうございます! いちから株式会社はこの技術を使い、皆様に最高のエンターテインメントを提供することを約束します!!」

 

 わぁぁぁ。という歓喜と熱気が会場を湧きあがらせる。田角は一礼すると着席した。

 

「ありがとうございました。なお、この大会はにじさんじ公式チャンネルにてYouTube及びニコニコ生放送でライブ配信中です! 皆さん、ぜひライバーの激闘をリアルタイムでご覧ください! リアルタイムが難しい方はアーカイブにも残りますので、ゆっくりご覧ください!」

 

 夢追がカメラに向かって手を振ると、スタジアムに搭載されている巨大ディスプレイにリスナーのコメントが流れる。

 

「では、大会ルールの説明をさせて頂きます! 今回はトーナメント形式で進めさせて頂きます! 20名のライバーを公正な抽選の結果、このような表になりました!」

 

 ディスプレイにトーナメント表が映し出された。

【挿絵表示】

 

 

「今大会は四日間で行われます。一日目は一番、小さい島四つ。二日目はシードを含んだ左側の島四つ。三日目は右側の島四つ。最終日は準決勝と決勝の予定となっています! そして……優勝者には好きな企業との案件をプレゼントさせていただきます!! アニメやゲーム、PC、音楽、食べ物やお酒! なんでもありです! 皆、案件が欲しいか!!」

 

 おおおぉぉぉ!と歓声が上がる。

 

「では、さっそく大会に移りましょう! 第一試合! 叶VS桜凛月!!」

 

 ディスプレイに叶と凛月が表示された。

 

 

 

 

――――――――――――――――。

 

 

 

 

 スタジアムの端にある東側の待機スペースに叶とジョー・力一が待機していた。

 

「お? そろそろだね。大丈夫かい、叶君」

「問題ありません。僕はこんな所で負けるはずがありません」

「まぁ、そうだね。それにこのまま勝てば、もしかしたら葛葉君と戦えるかもしれないしね」

「…………」

「ごめんって、睨まないで」

 

 軽口を叩いていた力一は叶ににらまれ、手を合わせて謝罪した。

 

「さぁ、選手入場! 東ゲートからはこの方が登場! 数々のゲームでその圧倒的なセンスとタクティクスを見せつける。今回は得意なFPSではなく、カードゲームだが、その実力は発揮できるか! ゲーマーズのスナイパー! 叶!!」

 

 東側のゲートが開いた。

 

「お。出番だね」

「まぁ、見ていてくださいよ。僕は負けませんから」

 

 そう言い残すと叶はゲートをくぐり、スタジアムの中央に向かった。

 

 

 

 

――――――――――――――――。

 

 

 

 

 西ゲートの待機スペースには凛月とルイス・キャミ―が待機していた。

 

「お姉ちゃん! いよいよだね! 頑張って!」

「うん、頑張るっちゃ!」

 

 凛月とルイスはガッツポーズをした。

 

「あ、あのー……ちょっと良いですか?」

 

 キャッキャッしている凛月とルイスの所に気まずそうにしながら葛葉がやってきた。

 

「あ、葛葉さん!」

「どうも」

「あれ? 叶さんはあっちのゲートですよ」

「い、いや……その……ッスーー。今回はりつきんTVさんを応援しに来ました」

「本当ですか!」

 

 凛月は嬉しさの余り、葛葉の手を握ってブンブン振り回す。葛葉は顔を真っ赤にしながら硬直していた。

 

「お、お姉ちゃん! 葛葉さんが!!」

「え? …………あっ」

 

 自分が手を握っていることに気が付いた凛月も葛葉と同じように顔を真っ赤にしながら硬直した。

 

「「ごめんなさい!!」」

 

 数秒、硬直していた二人は慌てて離れて頭を下げた。

 

「ウフフ……葛葉さん、ありがとうございます。もし、私が勝ち続けたら葛葉さんと当たるかもしれんね」

「ん? あー……そういえばそうっすね。なら、俺もやしきずに負けないようにしないとっすね」

「そうですね」

 

 凛月がにこやかに笑いかけると葛葉は恥ずかしそうに頬を掻いた。

 

「続いて、西ゲートからはこの方が登場! 桜第一惑星からやってきた桜のお姫様! スプラトゥーン杯ではその驚異的なプレイングで数々のライバーを倒してきた。今回の大会でもその脅威を振るえるか! ブロッサムインベーダー! 桜凛月!!」

「呼ばれましたよ」

「お姉ちゃん頑張ってね!」

「うん。二人とも行ってきます!」

 

 凛月は二人に手を振るとスタジアムの方に向かう。

 

「りつきんTVさん!」

 

 向かおうとする凛月を葛葉が呼び止める。

 

「どうしました?」

「あ、あの……その……叶は強いんで気をつけてください」

「うん、気を付けるね!」

 

 再び手を振って、駆け足でスタジアムの中央に向かった。

 その後姿を葛葉はただ見つめることしかできなかった。

 

 

 

 

――――――――――――――――。

 

 

 

 

 スタジアムの中央に叶と凛月が到着すると二人はデュエルディスクを構えた。

 

「さぁ、選手二人がスタジアムに着きました! これよりデュエルを開始します! なお、このスタジアムには特殊な演出装置があり、一部のモンスターの演出に使われます。風や熱気、冷気を感じるかと思いますがご安心ください!」

(…………演出装置。おそらく【Unknown】カードの口実ですかね)

 

 夢追の説明に隣で座っていた加賀美は考え込む。

 

「では、第一回戦、叶VS桜凛月! デュエリスト開始ぃ!」

 

「「決勝(デュエル)!!」」

 

「先攻は凛月さんに譲りますよ」

「じゃあ、いくね。私のターン! 私は手札から【おろかな埋葬】を発動! デッキから【シャドウアイ・D・ローズ】を墓地に送る。さらに手札の【ブロッサム・フェアリー】を召喚!」

 

【ブロッサム・フェアリー】

レベル3/チューナー/地属性/植物族/攻1400/守600

〇このカードが召喚に成功した時、手札のレベル4植物族モンスター一体を特殊召喚することができる。

 

 凛月のフィールドに可愛らしい桜の妖精が現れた。

 

「【ブロッサム・フェアリー】の効果発動! 手札の【返り咲く薔薇の大輪】を特殊召喚! 私はレベル4の【返り咲く薔薇の大輪】にレベル3の【ブロッサム・フェアリー】をチューニング! シンクロ召喚! レベル7【ファンダンゴ・ブロッサム・ドラゴン】!!」

 

【ファンダンゴ・ブロッサム・ドラゴン】

レベル7/シンクロ/地属性/ドラゴン族/攻2400/守1800

チューナー+チューナー以外の植物族モンスター

〇このカードがシンクロ召喚に成功した時、発動することができる。デッキから植物族モンスターを墓地に送ることで、墓地に送ったモンスターのレベルの数×200、攻撃力をアップさせる。

〇一ターン一度、フィールドの植物族モンスターを破壊することで墓地のレベル5以上の植物族モンスターを特殊召喚する。

 

 薔薇のモンスターが四つの光となり、桜の妖精は三つの輪になった。四つの光が三つの輪に並ぶように集まると、一筋の光となり、そこからピンク色のドラゴンが現れた。ドラゴンが翼を広げると、桜でできた翼から桜が舞い散る。

 

「【ファンダンゴ・ブロッサム・ドラゴン】の効果を発動します! デッキから【椿姫ティタニアル】を墓地に送り、攻撃力を1600アップさせます!」

 

ファンダンゴ・ブロッサム・ドラゴン 攻撃力:2400→4000

 

「おぉーと! 桜凛月、いきなり大型シンクロモンスターを出したぞ! ハヤトはこの後の展開、どう思う? これで終わりかな?」

「いいえ、それはないかと思います。【ファンダンゴ・ブロッサム・ドラゴン】には大型植物族モンスターを蘇生する効果があります。ここからさらに展開していくかと……」

「さらに手札から【死者蘇生】を発動します! 墓地の【シャドウアイ・D・ローズ】を特殊召喚!」

 

【シャドウアイ・D・ローズ】

レベル7/闇属性/植物族/攻0/守1500

〇このカードが効果によって破壊され墓地へ送られた時、自分フィールド上に【D・ローズトークン】(植物族・闇・星3/攻0/守1200)を二体体特殊召喚する事ができる。

 

「桜凛月! ハヤトの読み通り、【死者蘇生】でさらに展開していく!」

「私は【ファンダンゴ・ブロッサム・ドラゴン】の効果発動します! フィールドの【シャドウアイ・D・ローズ】を破壊することで墓地の【椿姫ティタニアル】を特殊召喚します!」

「これはうまい!」

「ハヤト?」

 

 興奮気味の加賀美に夢追は若干、引き気味になりながら話を振る。

 

「レベル7の【シャドウアイ・D・ローズ】が破壊されたことで自身の効果と墓地の【返り咲く薔薇の大輪】が発動します!」

「その通り! 破壊された【シャドウアイ・D・ローズ】と墓地の【返り咲く薔薇の大輪】効果発動します! 墓地の【返り咲く薔薇の大輪】を特殊召喚! さらに【シャドウアイ・D・ローズ】の効果でフィールドに【D・ローズトーン】を二体特殊召喚!」

「おぉ! 桜凛月! 怒涛のコンボでモンスターを大量展開していく!」

「私は【返り咲く薔薇の大輪】と二体の【D・ローズトーン】でリンク召喚! リンク3【枝垂桜姫】を召喚!」

 

【枝垂桜姫】

リンク3/リンク/光属性/植物族/攻2500/↖↓↘

植物族モンスター二体以上

〇このカードがリンク召喚に成功した時、墓地の植物族モンスターを一体特殊召喚する。

〇一ターン一度、フィールドの植物族モンスターが墓地に送られた時、発動することができる。デッキから一枚ドローする。

 

「【枝垂桜姫】の効果で墓地の【シャドウアイ・D・ローズ】を復活! 私はカードを一枚伏せて、ターンエンド」

「桜凛月。怒涛の展開を終え、盤面を固めました。ハヤト、この陣形をどう思う?」

「そうですね……伏せカード次第にはなりますが、凛月さんのフィールドには【椿姫ティタニアル】が存在します。フィールドの植物族モンスターをリリースすることで、フィールドのカードを対象にするカード効果を無効にできる強力な効果を持っています。さらに【椿姫ティタニアル】にはターン一制限がないので、リリースできれば何回でも無効にできます」

「なるほど……さらにフィールドには攻撃力4000の【ファンダンゴ・ブロッサム・ドラゴン】がいるから下手にモンスターを出すと返り討ちに合いそうだね」

「そうですね。攻守共にしっかりとした布陣です。さすが決勝トーナメントに進出した実力ですね」

「へぇ……面白い。これを覆せば僕の強さがさらに証明される」

 

 叶は不利な盤面でありながら笑みを浮かべていた。

 

「…………僕のターン、ドロー。僕は手札から永続魔法【炎舞-「天キ」-】を発動。デッキから【雪牙狼(せつがろう)の狩人】を手札に加え、そのまま召喚。狩人の効果でデッキから【雪牙狼の近衛】を手札に加える。そして、手札に加えた【雪牙狼の近衛】の効果発動。自身を特殊召喚。狩人のもう一つの効果を発動したいけど、【椿姫ティタニアル】に止められちゃうからね。僕は手札の【雪牙狼の偵察隊】を特殊召喚」

 

【雪牙狼の偵察隊】

レベル4/水属性/獣戦士族/攻600/守2000

〇フィールドに【雪牙狼】モンスターが二体以上存在する時、手札のこのカードを特殊召喚する。

 

「叶の方は慎重にモンスターを展開していく!」

「そうですね……下手に展開して、途中で【椿姫ティタニアル】に止められて中途半端な盤面になるのは避けたいですからね」

「さらに僕は永続魔法【凍てつく雪牙狼】を発動」

 

【凍てつく雪牙狼】

永続魔法

〇一ターン一度、【雪牙狼】リンクモンスターがリンク召喚に成功した時、相手モンスターを一体選択し、そのモンスター破壊する。

〇墓地のこのカードをゲームから除外することで墓地の【雪牙狼】モンスター一体を手札に加える。

 

「ここかな! 私はリバースカード【桜吹雪の扇子】を発動!」

 

【桜吹雪の扇子】

〇フィールドの植物族モンスター一体を破壊することでデッキから二枚ドローする。

 

「【桜吹雪の扇子】の効果で【シャドウアイ・D・ローズ】を破壊して二枚ドロー!」

「おぉっと! 桜凛月、ここでドローソースを発動!」

「いいえ、それだけではありません! 【シャドウアイ・D・ローズ】が破壊されたので、また先ほどのコンボが発動します!」

「破壊された【シャドウアイ・D・ローズ】、墓地の【返り咲く薔薇の大輪】、そしてフィールドの【枝垂桜姫】の効果発動です! 【枝垂桜姫】の効果で一枚ドロー! そして、墓地の【返り咲く薔薇の大輪】を特殊召喚! 【シャドウアイ・D・ローズ】の効果で【D・ローズトーン】二体を特殊召喚!」

「桜凛月止まらない! 相手ターンにも関わらずモンスター三体出しつつ、三枚ドロー。圧倒的なアドバンテージを取っていく!!」

「さらに植物族モンスターが増えたことにより、【椿姫ティタニアル】の効果に必要な素材も補充できました! これは強い!」

「さぁ、叶はこの盤面をどうする!?」

 

「モンスターが増えたか……なら、作戦変更だな。僕は【雪牙狼の狩人】【雪牙狼の近衛】【雪牙狼の偵察隊】の三体でリンク召喚! リンク3【雪牙狼の参謀】」

 

【雪牙狼の参謀】

リンク3/リンク/水属性/獣戦士族/攻1000/↑↓→

【雪牙狼】モンスター二体以上

〇このカードがリンク召喚に成功した時、発動することができる。手札の【雪牙狼】モンスター二体を墓地に送ることで、デッキから二枚ドローする。

〇一ターン一度、フィールドの【雪牙狼】カードを墓地に送ることで、発動することができる。デッキから【雪牙狼】モンスター一体を特殊召喚する。

 

「【雪牙狼の参謀】の効果で手札の【雪牙狼の遊撃隊】と【雪牙狼の特攻隊】を墓地に送り、二枚ドローする」

「さぁ、叶は有効札を引けたか!」

「僕はカードを三枚伏せ、ターンエンド」

「ここは守りに徹したか?」

「そうですね。下手に展開して【椿姫ティタニアル】に止められるよりは守りに入った方が良いかと思いますが……」

(……しかし、叶さんには【Unknown】カードがあります……できれば凛月さんには叶さんを倒して貰いたいですが……)

「よし、このまま押し込めば! 私のターン、ドロー! 私は【枝垂桜姫】【返り咲く薔薇の大輪】と二体の【D・ローズトーン】でリンク召喚! リンク4【凛天使クイーン・オブ・ブロッサム】!!」

 

【凛天使クイーン・オブ・ブロッサム】

リンク4/リンク/地属性/植物族/攻2400/←↙↘→

植物族モンスター三体以上

〇このカードがリンク召喚に成功した時、デッキから植物族モンスター一体を墓地に送り、発動することができる。相手モンスター一体を選択し、そのモンスターの攻撃力を墓地の送ったモンスターの攻撃力分ダウンさせる。

〇一ターン一度、相手フィールドの攻撃力が一番低いモンスター一体を破壊する。この効果は相手のターンにも発動することができる。

 

「【凛天使クイーン・オブ・ブロッサム】の効果でデッキから【桜姫タレイア】を墓地に送り、【雪牙狼の参謀】の攻撃力をダウンさせます!」

 

雪牙狼の参謀 攻撃力:1000→0

 

「そして、凛天使クイーン・オブ・ブロッサム】のもう一つの効果を発動します! 【雪牙狼の参謀】を破壊します!」

「…………通すよ」

「さらに私は【桜の聖騎士】を召喚!」

 

【桜の聖騎士】

レベル4/地属性/植物族/攻1800/守200

〇このカードが召喚に成功したターンに発動することができる。デッキから植物族モンスター一体を墓地に送る。

〇このカードが相手モンスターを破壊したターンのエンドフェイズ時に発動することができる。このカードをリリースすることで墓地の植物族モンスター一体を特殊召喚する。

 

「【桜の聖騎士】の効果でデッキから【姫葵マリーナ】を墓地に送ります。そして、【ファンダンゴ・ブロッサム・ドラゴン】の効果発動! 【桜の聖騎士】を破壊することで墓地の【桜姫タレイア】を特殊召喚します! さらに手札から【花咲く姫君の輝き】を発動します」

 

【花咲く姫君の輝き】

魔法

〇自分フィールドの植物族モンスター一体を選択して発動。そのモンスターと同じレベルで属性の異なる植物族モンスター一体を墓地から特殊召喚する。

 

「私はフィールドの【桜姫タレイア】を選択し、墓地から【姫葵マリーナ】を特殊召喚! そして【桜姫タレイア】はフィールドの植物族モンスター一体つき、攻撃力を100アップさせます」

 

桜姫タレイア 攻撃力:2800→3300

 

「これはすごい! 桜凛月のフィールドに上級植物族モンスターが勢揃いだ!」

「攻撃力4000の【ファンダンゴ・ブロッサム・ドラゴン】。相手モンスターを除去する【凛天使クイーン・オブ・ブロッサム】と【姫葵マリーナ】。カードを対象にした効果を無効にする【椿姫ティタニアル】。さらに【桜姫タレイア】によって凛月さんの植物族モンスターは効果では破壊されなくなりました。これは難攻不落の城が完成しました……ッ!」

「これが私のモンスターだっちゃ! バトル! 【ファンダンゴ・ブロッサム・ドラゴン】で叶さんにダイレクト!!」

「これが通れば叶のライフは一気に消し飛ぶぞ!」

 

 ファンダンゴ・ブロッサム・ドラゴンが咆哮を上げ、翼を大きく広げた。翼を羽ばたかせ、突風を発生させる。突風は舞い散る桜を巻き込み、叶に襲い掛かる。

 

「僕はその程度じゃやられないよ! リバースカード【雪牙狼の雪隠れ】を発動! これにより、このターン自分が受ける戦闘ダメージは0になる!!」

「くっ!!」

「叶! 桜凛月の攻撃をカード一枚で防いだ!!」

「【雪牙狼の雪隠れ】はフィールドの【雪牙狼】モンスターが離れた時に発動できる鉄壁の罠カード。これにより凛月さんはいくらモンスターで攻撃しても意味がありません」

「…………私はこれでターンエンド」

「さぁ、盤面は揃ったぞ…………ピンチになればなるほど、僕の強さが証明される」

 

 叶が笑みを浮かべると右目に漆黒の炎が灯った。右目が燃え上がると、それと比例するように右手にも漆黒の炎が灯った。

 

「おぉっと! 叶の右目と右手が燃えだした!」

「あれは!?」

「ハヤト! あれを知っているのか!?」

「あれは特定のライバーにしか使うことのできないデステニードロー! そのドローは勝利へ導くカードを引き寄せる力があります!」

(そんなッ! 【Unknown】カード所有者側でも使える方がいたのか!!)

「真のライバー(デュエリスト)は勝利へ導くカードは己の力で引き当てる!! ダークネスドロー!! 僕は手札から【UnknownCode(アンノウン・コード)-リンク・オーバー-】を発動!!」

 

 叶がカードをデュエルディスクにセットした。するとデュエルディスクから警告音が響き渡った。

 

『エラー。エラー。不正なプログラムを検出しました。不正なプログラムを検出しました。今すぐにプログラムの消去を――――――プログラムを強制インストール。―――――――プログラムのインストール完了。プログラム【Unknown】を起動します。』

  

 警告音が鳴り止むと同時にスタジアム全体を特殊な空間が包み込んだ。

 

「な、なんだ! フィールドが何か別の空間に包み込まれた!」

(夢追さんは【Unknown】カードを存じていない!? ということは【Unknown】カード所有者側の人間ではないのか……しかし、ここでリンク・オーバー……嫌な感じがします)

 

「僕は【UnknownCode-リンク・オーバー-】の効果で墓地のモンスターを5体をゲームから除外することで、リンク召喚! 氷獄の魔龍よ、その魔眼に秘めた力を解き放ち、絶対零度の世界を作りだせ! 降臨せよ、【魔眼の氷極龍(イーヴィルアイズ・コキュートス・ドラゴン)】!!」

 

 デュエルフィールドの気温が急激に下がると、叶の正面に黒い雷が落ちた。その衝撃で空気中に大量の氷が生成されていくと、その氷は黒い雷と交わり、次第に龍の姿に変わっていった。龍は赤黒い眼で凛月の【ファンダンゴ・ブロッサム・ドラゴン】を睨みつけると咆哮を上げる。その咆哮で吹雪が巻き起こり、スタジアム全体を凍り付かせた。突然の冷気に会場の観客は戸惑う。

 

「み、皆さん! 安心してください! これが最初に言った演出装置によるパフォーマンスです!」

「な、何……あのドラゴン……」

 

 

 

 

――――――――――――――――。

 

 

 

 

東側の控室。

 

 フィールドで咆哮を上げる【魔眼の氷極龍】を見た力一は顔を手で隠した。そして気味の悪い笑え声を漏らしながら笑みを浮かべていた。

 

「クククッ…………いいぞ、叶君。その力を全世界に見せ付けてやれ!!」

 

 

 

 

――――――――――――――――。

 

 

 

 

西側の控室。

 

「さ、寒い……」

「ルイスさん! 危険です! 控室の中に避難してください」

 

 冷気で身体が冷えたルイスは身体をさすりながら葛葉の指示通り、控室の中に避難した。

 

「葛葉さん! お姉ちゃんは大丈夫なんですか!?」

「それは分らないです……俺は様子を見に行ってくるので、ルイスさんはここにいてください!」

 

 葛葉は控室を飛び出し、東側のゲート付近まで走る。

 

「叶の野郎! くそッ…りつきんTVさん!!」

 

 

 

 

――――――――――――――――。

 

 

 

 

「さ、寒い……? あのモンスターの冷気が直接感じられるの?」

「【魔眼の氷極龍】の効果を発動! 凛月のモンスターを全てゲームから除外する! 全てを凍らせ! 【絶対零度の氷獄嵐(アブソリュート・インフェルノ)】!!」

 

 魔眼の氷極龍が咆哮を上げ、翼を大きく羽ばたかせると黒い嵐が巻き起こり、辺り一面を氷漬けにし、粉砕させていく。黒い嵐よって凛月のモンスターは次々、凍り付き破壊されていく。ファンダンゴ・ブロッサム・ドラゴンは抵抗するように咆哮を上げ、魔眼の氷極龍に襲い掛かる。しかし、黒い嵐によってファンダンゴ・ブロッサム・ドラゴンの肉体は徐々に凍っていき、魔眼の氷極龍の目の前で完全に凍り付いた。

 魔眼の氷極龍は凍り付いたファンダンゴ・ブロッサム・ドラゴンを尻尾で薙ぎ払い、粉砕した。

 

「こ、これは……私たちは夢を見ているのでしょうか……先ほどまで圧倒的な盤面だった桜凛月のフィールドは叶の一体のモンスターによって全滅した」

「ファンダンゴ・ブロッサム・ドラゴン!? それに私のモンスターが……」

 

 あっという間にモンスターが全滅した凛月は焦りを見せていた。

 

「さらに【魔眼の氷極龍】のもう一つの効果! 墓地の【雪牙狼の参謀】をゲームから除外することでリンクマーカーの数だけ攻撃することができる! これにより【魔眼の氷極龍】は三回攻撃が可能!」

「そ、そんな……」

「バトル! 【魔眼の氷極龍】で凛月さんにダイレクトアタック!」

「全体除去からの連撃! 桜凛月、一気にピンチになってしまった!」

「ま、まだです! 私は手札から【クリンボ】の効果を発動します! 私を守って、【クリンボ】!!」

『クリ! クリィ! クリンボ!』

 

【クリンボ】

レベル1/闇属性/悪魔族/攻300/守200

〇相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。

〇墓地のこのカードを除外して発動できる。このターン、相手モンスターの攻撃を一度だけ無効にする。

 

 凛月のピンチに小さなクリンボが現れた。

 クリンボはクリボーにそっくりでピンク色の毛並みに頭に桜の花びらが付いていた。

 

「クリンボで二回は攻撃を防げます! 一回はダメージを受けちゃいますが…………次のターンで挽回できれば!」

「いいや、君に次のターンはないよ。僕はリバースカード【氷獄牢】を発動」

 

【氷獄牢】

永続罠

〇フィールドのモンスター一体を選択して発動。対象のモンスターは攻撃表示になり、攻撃力が0になる。また、このカードの対象になったモンスターは戦闘では破壊されず、表示形式を変更することができない。

 

「【氷獄牢】の効果で【クリンボ】を選択! これにより【クリンボ】は攻撃表示になり、攻撃力は0となる」

 

クリンボ 攻撃力:300→0

 

 【氷獄牢】のカードから猛烈な冷気がクリンボに向かって吹き荒れる。クリンボは全体が凍ってしまって身動きが取れなかった。

 

『……クリィ……』

「そ、そんな…………」

「さらに【氷獄牢】の効果で【クリンボ】は戦闘では破壊されない。この意味が分かるかい?」

「…………あ、あぁ」

 

 戦意喪失してしまった凛月は瞳に涙を浮かべながら、座り込んでしまった。

 

「あーあ、戦意喪失しちゃったか。骨があると思ったんだけど、所詮ここまでか…………もういいや。バトル、【魔眼の氷極龍】で【クリンボ】に攻撃力。【永遠の氷獄雷(エターナル・インフェルノ)】!!」

『クリィィ!!』

 

 魔眼の氷極龍の口が大きく開き、口に黒い雷が蓄積されていく。溜まりきった雷を魔眼の氷極龍が放つと、ブレスのように雷がクリンボに襲い掛かる。

 雷撃を受けたクリンボは本来なら破壊されるが、【氷獄牢】によって氷漬けされたクリンボは破壊されることを許されなかった。

 クリンボはボロボロになりながら凛月を守ろうとする。

 

『ク……クリィ……』

「きゃあぁぁ!!」

 

桜凛月LP:4000→1500

 

「クリンボ!? お願い、叶さん! 私の負けです!! これ以上、【クリンボ】を傷つけないで!」

「何を言っているんだ? モンスターはただの道具だろ? 【魔眼の氷極龍】、二撃目だ。【クリンボ】に攻撃力。【永遠の氷獄雷】」

 

 魔眼の氷極龍は再び、口に黒い雷が蓄積されていく。溜まりきった雷をクリンボに放つ。

 雷撃を喰らったクリンボは悲鳴を上げる。

 

『クリィィ!!』

「きゃあぁぁぁぁぁ!!」

 

桜凛月LP:1500→0

 

 攻撃の衝撃で凛月は身を屈める。

 デュエルは叶の勝利で決まったが、モンスター達は消えなかった。

 

「【魔眼の氷極龍】、三撃目だ」

「っ!? なんで!! デュエルは終わったのに!!」

「弱者にはそれ相応の罰を受けてもらうよ。そこの雑魚モンスターと一緒に氷獄の雷撃を受けるが良い。【魔眼の氷極龍】で【クリンボ】に攻撃。【永遠の雷撃】」

(あぁぁ……クリンボ、ごめんね。痛い思いさせちゃって。…………葛葉さん、約束守れなくて、ごめんなさい)

 

 魔眼の氷極龍は再び、口に黒い雷が蓄積されていく。溜まりきった雷をクリンボに放つ。

 

「きゃあぁぁ!」

 

 凛月は思わず、目をつぶってしまった。

 魔眼の氷極龍の攻撃の衝撃が来ると思った凛月は身体を硬直させるが、一向に衝撃が襲ってこず、それに誰かに抱きかかえられた感触がした。

 

「…………あれ?」

 

 不思議に思った凛月はおそるおそる目を開けるとそこには葛葉がいた。

 葛葉はいつものラフは格好ではなく、正装になっていた。正装の葛葉は何かバリアのようなものを展開され、雷撃の衝撃を防いでいた。

 

「く、葛葉君? ごめんね……約束、守れなかった」

「…………りつきんTVさん。あとは俺がやりますので、今はゆっくり休んでください」

 

 葛葉の言葉を聞くと凛月は眠るように気絶した。

 雷撃の衝撃を防ぎ切った葛葉は優しく凛月を地面に寝かせた。

 

「葛葉……何のようだい? 僕の邪魔をしないでくれないか?」

「…………叶」

 

 静かに叶の名を呼んだ葛葉は叶の方を向き、睨んだ。

 

「叶ぇぇぇぇぇ!!」

 

 雄たけびのように叫んだ葛葉の周辺に真っ赤な霧が発生した。

 真っ赤な霧は葛葉の足元に漂う。

 

「うるさいな……」

「もう、お前を友して救おうとはしない。俺の…………いや、我が名『アレクサンドル・ラグーザ』の名にかけて、貴様を倒す!!」

 

 葛葉の宣言に叶は目を点としていたが、次第に身体を振るわせて笑い始める。

 

「クククッ……あはははは!! いいね! さすが葛葉だ! いいよ、僕を殺すつもりで掛かってきなよ! まぁ、葛葉が勝ち上がったらだけどね」

 

 デュエルディスをしまうと叶は手を振ってスタジアムを去った。

 

「…………はっ! え、えーと! 第一回戦、勝者、叶! スタッフは凛月さんの救護を! えー、えーと第二回戦は20分後に開始されます。第二回戦は加賀美ハヤトVS奈羅花!! 両者は準備をお願いします!」

 




オリカ紹介
【植物族デッキ】
○ファンダンゴ・ブロッサム・ドラゴン
凛月のエースモンスター。攻撃力上昇と上級植物族モンスターを復活させることができる。

にじさんじ決闘王トーナメント表
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