前回から伏線を加え、少しずつストーリーが加速していきます。
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いちから事務所の最寄り駅
事務所の最寄り駅についた叶は改札を出て、待ち合わせ場所に向かった。今日は笹木咲と椎名唯華のさくゆい、叶と葛葉のクロノワでオフコラボをするため、最寄り駅で待ち合わせをしていた。
しかし……。
――――――ディスコードのグループチャット
葛葉『すまん。電車が遅延してて遅れるわ』
椎名『すいやせん……今、起きました』
叶『えぇ……了解。笹木はもう集合してる?』
葛葉と椎名が遅刻する。という連絡を受け、叶は呆れながら集合場所へ向かった。
「葛葉は仕方ないとして……椎名はなぁ……笹木から連絡ないけど、笹木は集合場所にいるのかな?」
叶は不安になりながら集合場所に向かうと、笹木が待っていた。
「あ、おはよー」
「…………」
「ディスコード見た? 葛葉と椎名は遅れるって。先にスタジオに行ってる?」
「…………」
「笹木?」
返事がない笹木の顔を覗き込むと笹木は顔を向けた。何故か笹木はデュエルディスクを付けていた。
「かなかな……デュエルしようや」
「え? デュエル?」
「せや、ただスタジオに行くのもアレやし、デュエルで暇つぶしでもしようや」
「そうだね……まぁ、いいか。デュエルしよう」
叶はデュエルディスクを構えた。
『にじさんじライバー【笹木咲】と【叶】のアプリの起動を確認。これよりデュエル配信を開始します。Twitterへの告知も完了。双方はデッキをセットしてください。』
『デュエルきた!!』『お、ゲーマーズ!!』!!『どうせ笹木が負ける』『これは出来レースだろwww』『笹木頑張れー』『叶ファイト!!!』
笹木と叶はデュエルディスクを構え、デッキをセットした。
「「
「先攻は?」
「笹木に譲るよ」
「ほら、ウチから。ウチは手札から【獰猛なる獣道】を発動」
【獰猛なる獣道】
魔法
自分フィールドにモンスターが存在しない時、発動することができる。デッキからレベル5以上の獣族モンスターと手札からレベル4以下の獣族モンスターをそれぞれ一体ずつ、効果を無効にして特殊召喚する。
「ウチはデッキからレベル6の【激おこパンダ】と手札のレベル3の【お昼寝パンダ】を特殊召喚」
【激おこパンダ】
レベル6/地属性/獣族/攻2400/守1200
○このカードが表側守備表示でフィールド上に存在する場合、このカードを破壊する。
○このカードのコントローラーは、このカードが攻撃可能な状態であれば、必ず攻撃しなければならない。
【お昼寝パンダ】
レベル3/地属性/獣族/攻400/守1600
○このカードが特殊召喚に成功した時、フィールドの獣族モンスターの数×300ポイント、ライフを回復する。
「ウチはさらに【招きパンダ】を通常召喚」
【招きパンダ】
レベル3/地属性/獣族/攻1500/守1100
○このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、フィールドの【パンダ】モンスターの数だけデッキからカードをドローし、同じ数、手札から墓地に送る。
「【招きパンダ】の効果でデッキからカードを三枚ドローし、手札からカードを三枚墓地に送るわ。墓地に送られた時、【ゾンビパンダ】の効果を発動。このカードが墓地に送られた時、このカードを特殊召喚する」
【ゾンビパンダ】
レベル3/地属性/獣族/攻1700/守0
○このカードが墓地に送られた時、このカードを特殊召喚する。この効果で特殊召喚した、このカードが墓地に送られた時、ゲームから除外される。
「ウチは四体のパンダモンスターでリンク召喚。リンク4、【ジャイアント・デスパンダ】をリンク召喚!!」
四体のパンダが光に包まれると、巨大なパンダが現れた。巨大なパンダは眼帯をつけ、枝を加えていた。
【ジャイアント・デスパンダ】
リンク4/地属性/獣族/攻4200/↑↖↗→
獣族モンスター二体以上
○このカードが相手モンスターを戦闘で破壊した時、破壊したモンスターの攻撃力分、このカードの攻撃力をアップさせる。
「ウチはカードを二枚伏せて、ターンエンド。さて、かなかなのターンや」
「……僕のターン、ドロー。僕は【
【雪牙狼の狩人】
レベル4/水属性/獣戦士族/攻1700/守1200
○このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、デッキから【雪牙狼】カードを手札に加える。
○一ターンに一度、自分のフィールドの【雪牙狼】モンスターを選択し、そのモンスターと同じレベルで名前の異なる【雪牙狼】を一体、手札から特殊召喚する。
「僕は狩人の効果で【雪牙狼の近衛】を手札に加える。さらに【雪牙狼の近衛】の効果を発動」
【雪牙狼の近衛】
レベル4/水属性/獣戦士族/攻1600/守1500
○このカードが【雪牙狼】カードの効果で手札に加わった時、このカードを特殊召喚する。
「僕は【雪牙狼の近衛】を特殊召喚。さらに【雪牙狼の狩人】の効果で手札の【雪牙狼の遊撃隊】を特殊召喚」
【雪牙狼の遊撃隊】
レベル4/水属性/獣戦士族/攻1400/守1600
○このカードが特殊召喚に成功した時、相手の魔法・罠カードを一枚、破壊する。この効果に対して、相手は効果を発動することができない。
「僕は笹木のセットカードを破壊」
「くっ……まぁ、いいわ」
「僕は三体の【雪牙狼】モンスターでリンク召喚! 雪原を駆け抜けろ! リンク3、【雪牙狼の狙撃手】!!」
狼を一体丸ごと使った毛皮のマントを身にまとい、狼の頭で作ったフードで顔を隠した男が現れた。男は手に火縄銃を持っていた。
【雪牙狼の狙撃手】
リンク3/水属性/獣戦士族/攻2500/↗↘↓
水属性・獣戦士族モンスター二体以上
○このカードがリンク召喚に成功した時、相手のモンスター一体、選択し破壊する。
○一ターンに一度、墓地の【雪牙狼】モンスターをリンクマーカー先に特殊召喚する。
○このカードが相手プレイヤーに直接攻撃する時、このカードか相互リンク状態の場合、戦闘ダメージは倍になる。
「狙撃手の効果で【ジャイアント・デスパンダ】を破壊する」
「ウチはセットカード発動。【獣たちの恵み】を発動」
【獣たちの恵み】
罠
フィールドの獣族モンスターを破壊することで、破壊したモンスターの攻撃力以下になるように墓地の獣族モンスターを任意の数、特殊召喚することができる。
「ウチは【ジャイアント・デスパンダ】を破壊し、墓地の【激おこパンダ】、【お昼寝パンダ】、【招きパンダ】を特殊召喚。【お昼寝パンダ】と【招きパンダ】の効果を発動や。ライフを900ポイント回復。カードを三枚ドローして、三枚墓地に送る」
笹木LP:4000→4900
「くっ……狙撃手の効果は不発だけど、僕は【雪牙狼の狙撃手】の効果を発動! リンクマーカー先に【雪牙狼の狩人】を特殊召喚。狩人の効果で【氷結なる雪牙狼】を手札に加え、そのままは発動」
【氷結なる雪牙狼】
魔法
①と②の効果は一ターンに一度、それぞれどちらかしか発動することができない。
○墓地またはゲームから除外されている【雪牙狼】モンスターを特殊召喚する。この効果を発動したターン、自分は【雪牙狼】以外のカードを発動することができない。
○墓地のこのカードをゲームから除外することで、デッキから【雪牙狼】モンスターを手札に加える。
「僕は墓地の【雪牙狼の近衛】を特殊召喚。【雪牙狼の狩人】と【雪牙狼の近衛】でリンク召喚! リンク2、【雪牙狼の番人】を特殊召喚」
【雪牙狼の番人】
リンク2/水属性/獣戦士族/攻1800/↑↙
水属性・獣戦士族モンスター二体
○一ターンに一度、相手のカードを一枚、手札に戻す。このカードが相互リンク状態の時、手札ではなくゲームから除外する。
「【雪牙狼の番人】の効果で【激おこパンダ】をゲームから除外! バトル! 【雪牙狼の狙撃手】で【お昼寝パンダ】に攻撃。さらに【雪牙狼の番人】で【招きパンダ】に攻撃」
叶の二体のモンスターによって、二匹のパンダが破壊された。
「僕はカードを一枚伏せてターンエンド」
「ウチのターン、ドロー…………なぁ、かなかな……」
「ん?」
笹木がカードを引いた瞬間、雰囲気が急変した。
「ウチはいつも不幸だの、不憫だの言われ…………どんなに努力をしても実ってこぉへんかった」
「ど、どうしたの? いきない」
「だけど、それも今日で終わりや!! ウチはこのカードでウチ自身を! 世界を変える!! ウチは手札から魔法カード【
笹木がカードをデュエルディスクにセットした。すると笹木のデュエルディスクから警告音が響き渡った。
『エラー。エラー。不正なプログラムを検出しました。不正なプログラムを検出しました。今すぐにプログラムの消去を――――――プログラムを強制インストール。―――――――プログラムのインストール完了。プログラム【Unknown】を起動します。』
『あれ?』『ん?』『ぐるぐる』『配信切れた?』『真っ暗』『枠落ちた?』『真っ暗』
警告音が鳴り止むと同時に笹木と叶の周辺に何かが包み込んだ。叶はその何かを感じ取った。まるで世界に隔離されたような、世界と自分がズレたような感覚を。
「……笹木、今、何をしたの?」
「ふふふふっ……さぁ、かなかな! デュエルを楽しもうや!! 【UnknownCode-リンク・オーバー-】の効果で墓地のモンスターを任意の数だけ除外することで、除外した数と同じ数のリンクマーカーの【Unknown】リンクモンスター1体をリンク召喚する! ウチは墓地のモンスター5体をゲームから除外!! こいやぁ! リンク召喚! 氷獄の魔龍よ、その魔眼に秘めた力を解き放ち、絶対零度の世界を作りだせ! 降臨せよ、【
【UnknownCode-リンク・オーバー-】
魔法
『UnknownCode-リンク・オーバー-』は一ターンに一度しか発動することができない。
○自分の墓地のモンスターを任意の数だけ除外して発動できる。除外した数と同じ数のリンクマーカーの【Unknown】リンクモンスター1体をリンク召喚扱いでEXデッキから特殊召喚する。
○この効果で特殊召喚したモンスターは以下の効果を得る。相手のカード効果を受けない。
【魔眼の氷極龍】
リンク5/水属性/ドラゴン族/攻3800/←↙↓↘→
名前の異なる効果モンスター5体
このカード名はルール上【Unknown】カードしても扱う。
○このカードがリンク召喚に成功した時、フィールドのモンスター全てをゲームから除外する。この効果の発動に対して魔法・罠・効果モンスターの効果は発動できない。
○一ターンに一度、墓地のリンクモンスターをゲームから除外することで発動することができる。ゲームから除外したリンクモンスターのリンクマーカーと同じ数、このターン攻撃することができる。
デュエルフィールドの気温が急激に下がると、笹木の正面に黒い雷が落ちた。その衝撃で氷が空気中に大量に生成されていくと、その氷は黒い雷と交わり、次第に龍の姿に変わっていった。龍は赤黒い眼で叶を睨みつけると咆哮を上げる。その咆哮で吹雪が巻き起こり、笹木と叶のデュエルフィールドが凍り付いた。周辺の自動販売機やごみ箱なども凍り付いた。
「くっ!? 何だ、この冷気は!? ……冷気? っ!?」
叶は足元の凍り付いた地面に触った。触れた手には確かに冷たさを感じ、地面は完全に凍っていた。
(凍っている? このデュエルディスクは3D機能を使ってデュエルを立体的に写す機械のはず……デュエルがそのまま現実に影響するなんて、ありえない……!)
「笹木! デュエルを中断しよう! 何かマズイ気がする!!」
「かなかなぁ……楽しくなってきたのはこれからやぁ! ウチは【魔眼の氷極龍】の効果を発動! かなかなのモンスターを全てゲームから除外する! 【
魔眼の氷極龍が咆哮を上げ、翼を大きく羽ばたかせると黒い嵐が巻き起こり、辺り一面を氷漬けにし、粉砕させていく。黒い嵐は叶のモンスターを包み込み、一瞬にして氷漬けにし、粉々に粉砕させた。
「くっ! 僕のモンスターが!!」
「さらに【魔眼の氷極龍】のもう一つの効果! 【ジャイアント・デスパンダ】をゲームから除外することで【ジャイアント・デスパンダ】のリンクマーカーの数だけ攻撃することができる! つまり【魔眼の氷極龍】は4回攻撃が可能や!!」
「っ!! 笹木!!」
叶が名前を呼ぶが、叶の声は笹木に届かない。笹木は完全に何かにとりつかれたように瞳に生気を感じられなかった。
「バトルや! 【魔眼の氷極龍】でかなかなに攻撃!! 【
魔眼の氷極龍の口が大きく開き、口に黒い雷が蓄積されていく。溜まりきった雷を魔眼の氷極龍が放つと、ブレスのように雷が叶に襲い掛かる。
「僕は伏せカード【雪牙狼の雪隠れ】を発動!!」
【雪牙狼の雪隠れ】
罠
自分のフィールド【雪牙狼】モンスターがフィールドを離れたターンのバトルフェイズ時に発動することができる。このターン、自分は戦闘ダメージを受けない。
「これにより、【魔眼の氷極龍】の攻撃を防ぐ」
「くっ……ずいぶん、しぶといやないかい。ウチはこれでターンエンド! さぁ、悪あがきしてみぃ!!」
「…………僕のターン、ドロー。【魔眼の氷極龍】は倒せないが……僕は二枚目の【氷結なる雪牙狼】を発動! ゲームから除外されている【雪牙狼の狙撃手】を特殊召喚!! 狙撃手の効果で狩人を特殊召喚! 狩人の効果で【雪牙狼の一撃】を手札に加える。僕は【雪牙狼の狩人】一体でリンク召喚! リンク1、【雪牙狼の暗殺者】!」
【雪牙狼の暗殺者】
リンク1/水属性/獣戦士族/攻1200/↑
○このカードが相互リンク状態でバトルする時、バトルをする相手モンスターをダメージステップ前に破壊する。
魔龍の前に一人の狙撃手が現れた。魔龍は狙撃手をその赤黒い眼で威圧するが、迎え撃つ狙撃手は淡々と体を伏せ、銃を構える。
「僕は手札から【雪牙狼の一撃】を発動!!」
【雪牙狼の一撃】
魔法
フィールドの【雪牙狼】モンスターを一体、選択し、そのモンスターはこのターン、相手プレイヤーに直接攻撃することができる。この効果を発動したターン、自分は選択したモンスターでしか攻撃することができない。
「僕は【雪牙狼の狙撃手】を選択! これにより狙撃手はこのターン、相手に直接攻撃することができる! 【魔眼の氷極龍】を倒すことは無理でも……相手のライフを削れば!!」
「しまった!?」
「笹木!! 目を覚ませ!! バトル! 僕は【雪牙狼の狙撃手】で笹木に攻撃! 【雪牙狼の狙撃手】の効果で戦闘ダメージは倍になる!! 喰らえ!!」
狙撃手が銃を放つと、弾丸は魔龍の目の前で霞のように消え、次の瞬間、弾丸が笹木の体を貫いた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
笹木LP:4900→0
笹木のライフが0になった瞬間、鏡が割れるような音が鳴ったと同時に叶が感じていた違和感が消え去った。魔眼の氷極龍と凍り付いていたフィールドも消え去っていた。
『デュエル終了。勝者、叶。笹木咲の星を叶へ転送します。』
『お?枠が戻った』『デュエル終わってね?』『これは放送事故では?』『何があったんだ?』
「笹木!!」
「うーーーん……」
叶が駆け寄ると笹木は気絶していた。叶は安堵の息を漏らすと佐々木を近くのベンチで寝かせた。
「これで大丈夫……しかし、あの魔法カードとモンスターは何だったんだだろ?」
叶は佐々木のデュエルディスクに手を触れた。
ドクンッ……。
「っ!?」
叶の体に衝撃が走る。何かしらの感情が湧き出てくるような感じだった。苦しみ出した叶はいつの間にか先ほどの二枚の怪しいカード、【UnknownCode-リンク・オーバー-】と【魔眼の氷極龍】を握りしめていた。
「な、なんだ!? 思考が…………あ、頭が割れるように痛い……う、うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ここで叶の意識は途切れた。
オリカ紹介
【パンダデッキ】
パンダを中心にしたデッキ
可愛らしいパンダから気持ち悪いパンダまで盛りだくさん。
獣族専用のサポートカードで展開していき、大型リンクモンスターで攻める。
【雪牙狼(せつがろう)】
狼と猟師や狙撃手など、ハンターをモチーフにしたデッキ
水属性・獣戦士族と中々、サポートカードも少ないがリンクモンスターを複数出し、相互リンクで強力な効果を発揮する。
【Unknown】
加賀美と黛が追っているカード。
その正体は不明であるが、そのカードの持ち主は何か異変が起きてしまう。
立体映像のはずが現実に影響を与えてしまっている危険なカード