同じものを指しているのに呼び方が違うもの。
その典型例を書いてみました。
これ書いてる最中にカーラジオでこの話題出てきたときは若干ビビったけど…
重桜
レッドアクシズ勢力の1つ。
個人よりも和を尊ぶことで有名な陣営でもある。
しかし、今回は何処かおかしい
指揮官は退屈しのぎに重桜寮に向かっていると
何やら調理室から話し声が聞こえてくる。
指揮官は調理室の扉の隙間からのぞくと、中には千代田、金剛、比叡、榛名、加古がいた。
何かを話し合っているようだ。
「これは今川焼でしょ?」
「大判焼きでしょう?」
「回転焼きと聞いてますわ?」
「太鼓饅頭では?」
「御座候じゃないんですか?」
非常に厄介な話じゃないかと指揮官は感じた。
かつて、ユニオンで起きたコーラ論争を思い出す。
例のユニオンでのコーラ論争は「シビルウォー オブ コーラ」として何故か記録されている。
ユニオンとしては今後の戒めとして活用するそうだ。
なんの戒めなのかはわからないが…
それを思い出した指揮官は、触らぬ神に祟りなしと考えその場を離れようとすると、
「指揮官様~♥️こんなところで奇遇ですわ~」
聞きなれた愛のある声色が聞こえた。
重桜の空母であり、陣営の取り纏め役の1人。
そして、この基地の古参の1人でもある赤城だ。
指揮官にとっては最悪のタイミングで声をかけられてしまった。
調理室を除いてる様子をバッチリと赤城にみられてしまったのだ
「調理室に何か御用事かしら?」
「いや、たまたま通りかかったら中から声が聞こえてな。気になって少し覗いてみただけだ」
指揮官はおずおずと話す。早くこの場から離れたくてしかたがないのだ
「おおよそ、今日のおやつの献立について話しているんでしょう。よかったら指揮官様もお1ついかがですか?」
「いや、別にお菓子を貰いに来たわけじゃないから…」
「遠慮なさらなくていいですのよ。数は十分にありますわ」
「いや、お腹も空いてないから…」
「では、お茶だけでもどうですか?」
赤城はなんとしてでも指揮官と共に過ごそうとしてくる
そんな風な問答をしてるうちに、調理室から榛名が指揮官達の方へ来た。
「指揮官と赤城さん?こんなところで何してるの?」
「あら、榛名。たまたまいらっしゃった指揮官様をお茶に誘ってたのよ。お菓子も十分にあるでしょ?」
「そうだったんだ。もちろん十分に数はあるわよ」
「榛名もそう言ってますし。遠慮なさらずに指揮官様、さあ行きましょう」
「そこまで言われるとな…わかった」
ここまで言われてしまうと断れない。
しぶしぶ嫌な予感がするお茶の誘いに乗ることにした。
「ささ、指揮官様入ってくださいな」
「そんな急かさなくてもいいだろ」
赤城に手を引かれ指揮官は調理室へと入る。
調理室にいた千代田と金剛、比叡、加古の4人は皿に置かれた丸い小麦の焼き菓子の周りを取り囲んでいた。
「指揮官と赤城さんか」
千代田があまり興味無さそうに言う
「指揮官が此方に来るなんて珍しいですわね」
「本当ですわ。何か重桜寮に用事でもありました?」
金剛と比叡は少し疑問を感じていることを質問する
「フラフラしてただけだ。偶然会った赤城にお茶の誘いを受けてな。何やら、お菓子について話し合ってるんだって?」
指揮官は警戒心を抱きつつも聞いてみた。
千代田は少し悩ましげな表情で応えた
「今日のおやつは今川焼きなんですが…」
「ですから、大判焼きでしょう?」
「比叡、回転焼きですわ」
「金剛姉さん、比叡さん。コレは太鼓饅頭ですよ」
「御座候ですよ、戦艦の皆様」
「御座候って何ですか?」
「確かに、御座候は初めて聞きましたわ…」
「え?」
どうやらお菓子の名称で少し揉めていたようだ。
指揮官はそれぞれが違う名称を言うお菓子について違和感を感じていた。指揮官の知っているお菓子の名称と違うのだ。
話し合っている彼女等についつい聞いてしまった。
「これはおやきだろう?」
「「「え?」」」
赤城を含めた重桜のKAN-SEN6人は驚いた
「指揮官様?このお菓子はご存知なのですか?」
赤城は恐る恐るで尋ねる
指揮官は不思議なことでもないように答える
「ご存知も何も軍の同期から一回ご馳走になったことがあるよ」
「中身は何が入ってるかもご存知ですの?」
金剛も赤城に続き尋ねる
「もちろんだ。普通はあんこが入っているだろう?カスタードクリームやチョコクリームが入ってることも多いね」
それを聞いた千代田、比叡、金剛、榛名は同意する
「今川焼きと同じです」
「大判焼きも同じですわ」
「回転焼きもそうね」
「太鼓饅頭もそうだな」
加古だけは少し驚いている
「御座候はあんこだけなので少し違いますね」
指揮官は不思議そうな表情で
「おやきのことなんだが…」
と、思わず口に出す。
顎に手を当て考えていた赤城は大体事態を把握できたらしく、手をパンっと一回叩いた。
指揮官を含めた6人は赤城に注目を寄せる
「5人はこのお菓子の名称で話し合ってたのね?」
元々調理室にいた5人は同時に頷く
赤城は話を続ける
「それに加えて指揮官様の知っている名称とも違うということですわね」
「その通りだ」
それを聞き赤城は腕を組み少し悩ましげに続ける
「このお菓子について私が知ってる名前は今川焼きですわ。でも、大判焼き、回転焼きも聞いたことがあります。ですが、太鼓饅頭、御座候、おやきについては知りませんわ」
千代田、金剛、比叡は少し安堵するが、指揮官と比叡、加古は驚いている。赤城は話を続ける
「しかも、私が知ってるおやきは指揮官様の言ってるこのお菓子とは全然違うものですわ」
「え!?」
指揮官は驚く
「私の知ってるおやきとも違いますわ」
「私もです」
「私も」
「おやきではないよね」
「ええ」
先程、揉めていた5人も赤城に同意する。
指揮官は困惑するしかなかった。
「私の同僚はコレをおやきと言っていたぞ?皆の知ってるおやきはどんなのなんだ?」
指揮官は自分の認識と異なる<おやき>の存在が気になり尋ねる
「中身はアンコもありますが、野沢菜が入っているのが有名ですわ。あと外の色合いも白くて、焼き目がついているものですわね」
赤城は形を思い出しながら話す。
指揮官はその<おやき>は知らなかった。
「野沢菜とかが入っているのか?それではおやつではなく、食事の1品みたいじゃないか」
「そのイメージでしたわ。まさか指揮官様が今川焼きのことをおやきとおっしゃるとは思ってなかったので」
赤城も頭を抱える。金剛はふと尋ねる。
「結局、このお菓子の名称は正式にはなんですの?」
そうだった、と全員思った。
元はこのお菓子の名前で揉めていたのだ。
全員が全員違う名前を上げたために結論には至ってない。
「お悩みのようですわね」
全員が廊下の扉の方へ目を向ける。
そこには重桜の中でもかなり見識が深いことで知られる天城が立っていた。
「天城姉様…」
「あら、赤城もお手上げなんて余程なのね。どのような悩みかしら?」
「それは…」
赤城は天城に事の発端から説明をした。
天城は聞いたあと微笑みながら話し始めた。
「お菓子の名前の事で指揮官と赤城も一緒になって真剣に悩んでいたのね。私としてはとても嬉しいわ」
「このお菓子の名前については色々説があるの。その一つに重桜で昔、今川橋という所で売られていたことがきっかけで今川焼きという名称が付いたという説があるわね」
「ちなみに、大判焼きは今川焼きよりも少し大きなものを作った際につけられた。回転焼きは生地を回転させて焼くからとも言われてるわ。太鼓饅頭はその形が太鼓に似てるからつけられたとされるわ。」
ほーっと4人が感心してると加古は尋ねる
「では、御座候は?」
「それは今川焼を作ってる会社名がそのお菓子の名前になったのよ」
「元は同じ名前だったのが変化したのですね」
「そのようね。そのお店の逸品が元の名前よりも有名になるパターンね。」
「では、おやきは?」
指揮官も気になって聞いてしまった
他の人たちのおやきと認識が違っただけあって余計由来が気になったのだ
天城は悩むことなくすらすらと答え始めた
「おやきは重桜の蝦夷方面で呼ばれる今川焼の呼び方ですわ。どうしておやきと呼ばれるようになったのかは不明ですが。」
まさかの由来不明と言われて指揮官は驚いた。
「では、赤城達の言うおやきとは何だ?」
「それは重桜の信州地方で有名な料理ですわ。実際に存在もしますわ。蝦夷以外の場所ではおやきのことは信州の料理のことを指すことが多いですわ。」
全員驚いた。どちらのおやきも存在したことにだ。
天城は全員を見ながらニコニコしている
「さて、悩みごとは解決したかしら?頭を使った分甘いものが丁度欲しくなってきたでしょうし、皆で食べましょ?時間も良い時間ですわ」
天城の登場により今川焼きの名称問題は一端の終結を迎えた。
なお、この後の指揮官を交えたおやつの時間で誰が指揮官の隣に座るかで一悶着あったことはまた別の話である…
今回は短めでした(当社比)
最初「お好み焼き」について書こうと思ったけど、あれは危険牌なのでやめました。
書いてたらユニオンのヤツよりもエグいことになってた…
ちなみに筆者は今川焼で小さい頃から慣れ親しんでました。
オススメの食べ方は
レンジで温めた後にオーブントースターで表面をカリっとさせる
というやり方です。
やったことない人はやってみてね。
さて、この呼び方の配役については赤城、天城以外は意味があるんですが…
考えてみてね。
感想くれると嬉しい(ラフィー感)