バトルチップ職人『氷川透』   作:バウ

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セキュリティ突破、ヒグレヤで学ぶバトルチップ経済やあアニメ『ロックマンエグゼ』を参考にしております。いろいろと手を加えているのを念頭にいれてくだしあ。


ミッション1 機材を揃えろ!

 ロックマンエグゼは、その名が示す通り同会社のロックマンシリーズから多大な影響を受けた大人気データアクションRPGだ。記憶の中の僕がDASH3を嘆いているが、これまでのロックマンとの大きな違いは、ロックマンが現実の世界ではなく、電脳と呼ばれるネットワーク世界で冒険を繰り広げる所だろう。

 

 ネットワーク世界での冒険を支えるのが、バトルチップと呼ばれる武器と戦闘データを凝縮した外部情報記憶装置件プログラムの実行命令だ。解り易く例えるなら、RPGの装備をすると特定の魔法が使えるようになるちょっと強めの武器だ。持っていれば何時でも装備できるし、装備していても必ず魔法を使う必要もない。同時に装備できる数に限りがあるのも、装備を素材に新しい装備を生み出せるのもよく似ている。

 

 バトルチップの制作にするにしても最低限必要な機材という物がある。まずはチップデータを管理するパソコン、バトルチップを使用するPET(パーソナルターミナル)とネットナビ。PETとパソコンを繋いでPETのアップグレードなどの作業をする専用接続器。そして最も忘れがちなバトルチップ作成をサポートするソフト、データが入力されていない空のバトルチップ。

 

 父さんには現段階で考えている最終的にやりたい事を正直に話した。昨日は光博士の逮捕報道で水道局にも人が押し寄せて帰りが遅くなっていたから、話をしたのは朝の事だ。

 

「ずっと家に居るのは退屈だもんな…」

 

 三歳児に混沌としたネット社会デビューさせるのは心配だったみたいだけれど、家を留守にしがちな父はもしもの時にアイスマンが家にいなければ、家にウイルスが侵入しても透が対処出来ないこと。自身が水道局の主任であり、テロリストが水道局の情報を狙った場合に自宅へのサイバー攻撃を受ける可能性があったことから、ネットナビを持たせる事にしたのだった。

 

 父さんの休みに日に合わせて必要な物を買いにデンサンタウンまでやって来た。

 

「透。デンサンタウンには色んな店があるから、買い物をするのには便利なんだ。でも面白そうだからって変な店に入るんじゃないぞ?」

 

「う、うん」

 

 信号機一つ見ても電脳世界の匂いを強く感じる。こんな信号機を作るからカラードマンにジャックされるんだよな。

 

「パソコンなら良いのを揃えような。直ぐに性能が上がったのが発売されるんだろうけど、メモリーが多いのにしよう」

 

 ロックマンエグゼの世界では、パソコンの容量はあとから増設するか別の家電の電脳にでもデータを移せば良いのでその辺りは便利だ。僕はバトルチップを制作したいから容量はあるだけ有難いけど、父さんが言っているのはパソコンの頭の速さについてだ。

 

「うん…でもやっぱり高いね。一番安いのでも5万ゼニーか」

 

 ロックマンエグゼの通貨と言えばゼニーだが、ロックマンエグゼに登場する全ての通貨がゼニーで統一されている。当然ネットマネーもゼニーなので、ウイルスバスティングで稼いだお金でゲームを買ったり、ジュースを買ったりできる。PETは稼げるお財布携帯なのだ。ちなみにウイルスバスティングでご飯を食べているプロの駆除業者だっていて、依頼料とウイルスバスティングで国からの報酬でお得に稼いでいる。

 

 強力なウイルスは存在するだけで社会の脅威であり、それを倒してくれる一般のネットバトラーに感謝を示す報酬がPETに送金される仕組みだ。ウイルスの残骸からチップデータを生成できるのは分かるけど、どうしてゼニーが得られるのか僕はこの世界に来て初めて知った。

 

「…これが一番性能が良いみたいだな。これにしよう」

 

「…あ」

 

 父さんが迷わず45万ゼニーもするデスクトップパソコンを購入する。

 

「透…新型PETが三日前から発売されているみたいだぞ。しかも今なら、バトルチップが3枚も付いてくるそうだ」

 

「え、本当!」

 

 バトルチップを作りたいと父に持ちかけた時、父が反対しなかった理由の一つがバトルチップの値段だった。

 

 この世界は現実に近いアニメ版を沿って進行していると僕は考えている。なぜ光熱斗は同じバトルチップばかり使用していたのだろうか、それは他のバトルチップを持っていなかったから。ではなぜ他のバトルチップを持っていなかったのかを考えてみれば、バトルチップ自体が希少か高価だったからとしか考えられない。

 

 アイスマンにバトルチップの価格を調べて貰って驚いた。一番安いバトルチップで、1000ゼニーもしたのだ。ゲームの初期フォルダのバトルチップを揃えようと思ったら、7万ゼニーはかかる計算になる。エリアスチールが物凄く高いのだ。

 

 アニメ版熱斗君のおこづかいが月に約800ゼニーを貰っている事を考えると、最初のショットガン、ソード、エリアスチール、ワイドソードは物凄くおこづかいを貯めたのだろう。エリアスチールはパパからプレゼントされたのだとしても子供にとってバトルチップは高価な物なのだ。

 

 バトルチップにはグレードがあるが、今回PETのオマケに貰えるバトルチップは、一番グレードの低いスタンダードクラスのバトルチップだ。

 

「う~ん、三枚かぁ…」

 

 新型PET(アニメで一般使用されているPET)の購入を早々と決めた僕たちは、オマケで貰えるというバトルチップを前に頭を悩ませている。欲しいバトルチップはウイルスバスティングでお金を貯めて後から買っても良いのだけれど、これからバトルチップを制作する上で参考に欲しいバトルチップが幾つかあるのだ。自分でオマケのバトルチップが選べてしまえる分、どうしても悩んでしまう。

 

「何を唸っているんだ?」

 

「…エリアスチールとリカバリー10は欲しいんだ…でも攻撃用バトルチップで悩んでて」

 

 エリアスチールが貰えるなら選ばない理由はないと直ぐに求めた。リカバリーは回復系のバトルチップを作る時に絶対に必要になる参考チップだ。頑張ればロールみたいなナビチップも作れるのだろう。

 

「攻撃用か…ソード、キャノン、ミニボム、ショットガンか」

 

「本心としてはソードが欲しいんだ。でも市販型ネットナビはバトルチップがないと攻撃できないから…」

 

「確かに、ソード一本でウイルスと戦うのは市販のナビには難しいか…」

 

 父さんに強請ればソードもキャノンも買ってもらえるだろう。でもナビが欲しいと父さんに相談した時に、僕から言い出した約束事が足を引っ張る。

 

「…ソードにするよ」

 

「良いのか?」

 

「約束したもんね。バトルチップは全部自分で集めるって…」

 

 父さんは「仕方ないな」と困った様な微笑みを浮かべた。

 

「後はネットナビのカスタムパーツだな。どんなナビにするんだ?」

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