バトルチップ職人『氷川透』   作:バウ

20 / 21
ミッション17 零下の熱戦! 後編

 アイスマンの吹雪によって、一面が凍りついてしまった水道局の電脳で、水道の給水システムの復旧を目指し、グライドの持つアクセス権限を頼りに、ロックマンは1人水道局の電脳に降り立った。

 

 見慣れない電脳の景色に、周囲を見渡して異常事態を強く認識した。立ち並ぶ氷の柱の中に封印されたグライドの姿を見つけて、ロックマンの体は一拍の間静止した。

 

『グライド!?』

 

 ロックマンの声に反応するように、上空から氷柱が降り注いだ。

 

「『バリア』スロット、イン!」

 

 ロックマンが不意を点かれても、彼は一人で戦っている訳ではない。回避が間に合わないロックマンを守るために、攻撃を遮るバリアが光熱斗の手によって転送された。

 

『ありがとう、熱斗くん!』

 

「誰だ!襲ってきたのは!?」

 

 舞い上がる雪が煙のように視界を遮り、ロックマンの周りをアイスキューブが縦横無尽に飛び回っている。雪煙の中に取り込まれてしまったロックマンは、自身のバスターで辛くもアイスキューブを撃ち落とした。

 

「やるね…熱斗君」

 

 雪煙が晴れ、ロックマンを見下ろす様にして現れた小柄なナビは、険しい顔をして口を真一文字に結んでいる。

 

「ひ、氷川!?何で氷川がここに?」

 

 理解りやすく狼狽する熱斗を見て、自分の計画が上手く行っているのだと、まどいは微笑みを深くする。

 

「ちょっと事情が有ってね…悪いけど、まだ給水プログラムは復旧させる訳には行かないんだ。アイスマン!」

 

『やぁ!』

 

 アイスマンが両手を地面に叩きつけ、そこから電脳全体に霜が広がる。バトルチップ『ヒョウテンカ』は、使用後電脳空間全体を凍結させる氷エリアを作成するバトルチップだ。本来ならば戦闘フィールドを形成し、アイスマンの有利に傾ける為の物だったけど、既に電脳が凍り付いている現状で、このバトルチップは必要ない。

 

 アイスマンの解き放ったヒョウテンカは、ロックマンを足元から忍び寄り、完全にロックマンをフリーズさせた。

 

「ロックマン!」

 

 熱斗は暗闇を映し出すPETに向かって熱斗は、ここ数日で大切な相棒となったネットナビの名前を叫んだ。

 

「悪いけど、まだ給水プログラムは戻せないんだ…」

 

 

――炎山視点

 

 

「悪いけど、まだ給水プログラムは戻せないんだ…」

 

 炎山はブルース専用に組み上げられた高性能PETから、一人呟く透の声を聞いて凡その事態を把握した。

 

「先生が軽挙に犯罪に手を染める訳がないとは思っていたが…」

 

『炎山様、いかがいたしましょうか』

 

 炎山が水道局にやって来たのは、自らが師と仰ぐ透からのメールが発端だった。取引から帰る車の中、透からメールにはただ一行の座標が記されていた。緯度経度、ブルースに検索を掛けさせて見れば、その座標は透の自宅を指し示していた。

 

 目的地を透の自宅に変更して移動した。玄関の前に置かれた空の段ボールを見つけた。段ボールには『水道水ですご自由にお持ちください。』と書かれていた。段ボールの底には水が零れたのだろう、段ボールが乾いた後の歪んだ紙面が張り付いている。

 

 水不足を見据えたような行動に、今起きている水道局の異常に透が関わっている事を直ぐに察した。日頃からバトルチップの作成や、ネットバトルのトレーニングメニューの見直しなどで透の世話になっている炎山は、透の電脳へのアクセス権限を持っている。秋原町の一般的な家に付いて来る犬小屋型の防犯装置の前に立つと、PETの端子を突き刺した。

 

 犬小屋の電脳に降り立ったブルースは、そこで菱形のデータの欠片を見つけた。ブルースが解析した所、それは氷川家にはいる為の使い捨てのパスワードだった。

 

 誘われている。

 

 そして試されているのだと炎山は敏感に感じ取った。わざとヒントを小出しにして一拍を置く事で、引き返すならこのタイミングだと誘惑しているのだ。炎山は日本オフィシャルに所属するネットバトラーであり、昨今のWWWが引き起こすテロリズムへの対策チームへと招集されているオフィシャルの一人だ。だからこそ師は引き返す道を用意した。

 

 ここから先に進めば、チームでのテロ対策と言うオフィシャル協会の指示を無視する事になる。自分を最年少オフィシャルとして喧伝している以上、オフィシャル資格の剥奪とはならないだろうが、チームでの活動だけでは無く個人での活動にも制限が掛かるかもしれない。

 

 炎山は迷わずパスワードを打ち込むと、玄関の扉を開いて身を潜らせた。

 

 炎山にとってオフィシャル資格など大した意味を持っていない。少なくない尊敬を抱く師が持っていたから、父の仕事を手伝うのに役立つ資格だったから求めたに過ぎない。確かに逮捕権限があるのはビジネスにおいてとても役に立つが、元より持っていない物、絶対に必要という訳ではない。オフィシャルの権限に制限が掛かるとして、そんなリスクよりも目前の事件を解決する方が優先されて当然だ。

 

 透の部屋に押し入って、机の上に置かれているカードキーと一枚のバトルチップを手に取った。

 

『炎山様?』

 

 目を閉じて記憶の海に沈んでいた意識を浮上させた炎山は、ブルースの呼び掛けに指示を出す事で応えた。

 

「行くぞブルース…浄水システムを復旧する」

 

『ハッ』

 

 

――熱斗視点

 

 

 ロックマンとの通信が途切れた熱斗は、クラスメイトのやいとが出してくれたピンク色のリムジンに乗って、水道局へ向かっていた。

 

 あの時、氷川が落としていった水道局のカードキーには何か理由があったのではないだろうか。氷川の性格を全て知っている訳では無いが、視聴覚室でバトルしている所は何度か見ていた。少なくともバトルの最中には、氷川が無駄になる行動を取ったことはない。相手のナビに対して強すぎる一撃を与えることもなければ、対戦相手のネットナビがHPギリギリで耐え切る要な詰めの甘さも無かった。

 

「熱斗!」

 

 メイルの呼び掛けが、埋没していく意識を引き戻した。不安そうな面持ちをしたメイルの顔が視界に入った。

 

「大丈夫だって、メイルちゃん!ロックマンとグライドは心配だけどさ……氷川がネットナビをデリートさせるとは思えない。なんたってオフィシャルなんだからさ!」

 

「そうよね…でも氷川君がどうしてロックマンを?」

 

「きっと何か事情があるんだよメイルちゃん。氷川の野郎オレのメイルちゃんを不安にさせやがって!」

 

「アンタのじゃないけど…問題はその事情よね。その事情ってのを解決しない限り、氷川透って天才ネットバトラーと本気の勝負をすることになりかねないわ」

 

 水道局のプログラムを停止させるのは、まりこ先生に確認するまでもなく悪い事に他ならない。オフィシャルなんて資格を持っている氷川がそんな事も分からないはずがない。

 

「水道局に到着致しました。お嬢様」

 

 車が音もなく停車すると、運転手の人がやいとちゃんに声を掛けた。やいとちゃんが返事をするのと同時に、車のドアが開け放たれ、俺達4人は水道局を睨みながら車を下りた。

 

「行くわよ!」

 

「スゴイ人だな、正面からは入れそうにないぞ」

 

「だから職員用の通路から入るの!カードキー持っているんでしょうが?!」

 

 やいとちゃんの言葉を聞いて、氷川が水道局のカードキーを落として走り去った姿を想起した。

 

 出入り口の端末にカードキーを滑らせれば、当然のように認証されて解錠。俺達4人を水道局へと招き入れた。

 

「あ、あれ見て!」

 

「げぇ、警備ロボットじゃないか!?」

 

 デカオの叫んだ声に反応した警備ロボットが、登録されていない不審人物を捕縛しようと、頭部の緊急電燈パトカーの様に発光させながら恐ろしい速度で追いかけて来る。

 

「デカオのバカァ!!」

 

「ゴ、ゴメン!」

 

 細い通路に反響する警報が鳴り響く中、扉を見つけて駆け入った。

 

「はーはー」

 

「なんとか逃げられたわね」

 

「まだ外にいるけどね…」

 

「カードキーがなかったら、捕まってたぜ」

 

 部屋の中は日常的に使われていないのか、薄暗くて少し埃っぽい。

 

「君たちは?」

 

 後ろから突然声を掛けられたメイルちゃんとデカオの肩が、ビクリと震えながら上下した。

 

「あ、アナタは?」

 

「私は…この水道局の技術主任をしている氷川だ」

 

 物陰の奥から、縄で縛られたおじさんがゆっくりと近付く。

 

「あのー、もしかしてB組の氷川くんの?」

 

「氷川透の父親です。君たちは透の友達かな?」

 

 縄を解いて自由になった氷川のお父さんが、氷川の落としたカードキーを使って、警備ロボットに俺達をゲストとして登録してくれた。これで水道局の警備ロボットに追われずに、自由に水道局で行動できるようになった。

 

「そうか…透が。WWWに脅迫されていたのは、私だけではないということか」

 

 氷川のお父さんの話では、氷川を人質に取られてWWWの要求通りに給水プログラムを停止させてしまったらしい。ただ蛇口を閉める給水プログラムは兎も角、汚染された水を浄化する浄水プログラムを停止せる訳にはいかなくて、指示を拒否したら縛られて閉じ込められたみたい。

 

「アイスマンをオペレート出来るのは、私と透だけだからね」

 

「じぁあ氷川のヤツ!?」

 

「お父さんを守るために、プログラムを停止させているの?」

 

「クソ、WWWめ!」

 

「まずいわ…透くんってオフィシャルなのよ。いくら脅されたからって、犯罪者の片棒なんて担いだら……」

 

 やいとちゃんが顔を青くして、震えている。

 

「そうよ!逮捕権限を持っているオフィシャルが、WWWに協力したなんて話。ニュースにでもなったら、折角形になった日本オフィシャルが…」

 

「見直し、つまりオフィシャルセンターが解散になるかも知れないな」

 

「ええぇ!!」

 

「まずいじゃねぇか、ただでさえWWW対策にナビもオペレーターも足りないって時によ」

 

 そんな中で氷川のお父さんが腕に巻いている時計から、アラームの音が話を遮った。

 

「不味いな…プログラムの停止から20時間が経過した。透が浄水プログラムを止めていたとしたら、バクテリアが死滅するまで後どれくらいの猶予があるのか…」

 

「バクテリア?」

 

「もー、授業でやったでしょ!バクテリアの力で水を綺麗にしてるって、忘れたの?」

 

 メイルちゃんにそう言われて、デカオと顔を見合わせた。

 

「ヤバいじゃん!」

 

「数年前に工事をして新しい管理システムに切り替わったんだが、まだ古い設備は取り壊されていない。オフィシャルの事も気になるかも知れないが、人手がいる手を貸して欲しい」

 

「任せてくれ!」

 

「俺も手伝うよ!」

 

「それなら私たちが透くんの所に行きます!」

 

 ロックマンは心配だけど、氷川ならロックマンをデリートさせたりしない。ロックマンは強いし、日暮さんの時に学校を走り回って見つけたHPメモリでタフになってる。簡単にやられたりなんかしない。

 

―――透視点

 

 ビー、ビー、ビー。浄水プログラムの異常を知らせる警報が管理室に響き渡る。この警報はバクテリアの食事となる汚染水が長時間与えられていない事を知らせる緊急警報だ。このまま放置すれば浄水タンクのバクテリアが死滅し、日本全国が水不足で干上がってしまう。

 

「クッ、浄水タンクのバクテリアが!」

 

「ふふふ、これで日本も終わりかしらねカラードマン?」

 

 女が上機嫌で自分のナビに話しかけると、返ってきたのは喜色の声ではなく、助けを求める声だった。

 

『まどい〜お、オフィシャルが!!』

 

「うっそう!?」

 

 慌ててバトルチップを転送するまどいを尻目に、炎山とブルースの到着を悟った。

 

「アイスマン、グライドとロックマンを解凍して!」

 

「あ、コラ!」

 

 女が手を離せないのを見て、アイスマンに指示を飛ばす。後はロックマンとグライドに事情を伝えれば、この事件は解決できる。

 

『と、透君!見たことのないウイルスが!?』

 

「なんだって!?」

 

 予想外の事態に慌ててモニターを睨みつける。

 

「こんなタイミングになるなんて思いもしなかったけど、裏切りに備えてオネーさんお手製のウイルスを仕込んでおいたのよ。まぁ、この間の水族館の余りを改造した程度だけどね♪」

 

 画面いっぱいにクラゲの触手がウネリを上げた。

 

「名付けてジェリースペシャルって所かしら…カラードマン、帰るわよ」

 

「いつの間にウイルスを…」

 

「君のお父さんが給水プログラムをフリーズさせている間にね。最大限の目的は果たせたし、このままオフィシャルに逮捕される訳にはいかないからね。ばぁーい!」

 

 言いたいことを言い終えた女は、振り返ることなく走り去って行く。

 

「アイスマン、『アイスキューブ』スロットイン!」

 

 迫りくる触手がアイスマン達を捉えようと迫る中、透に因って転送されたアイスキューブが防壁となって3体のナビを守った。

 

『あれはジェリー!?でも昨日のヤツより大きい!』

 

 ロックマンがアイスキューブに隠れながらロックバスターを放つも、撃ち抜かれた触手は直ぐに再生してしまう。

 

『エレキソードが使えたら…!』

 

 ロックマンとアイスマンが、それぞれの手段で迫りくる触手を迎撃するも、一時凌ぎが精々でダメージらしいダメージを与えられない。

 

『透くん!何かバトルチップはないの?!』

 

「連れてこられる時に没収されると思って置いてきた。隠し持っていたバトルチップは、今のアイスキューブで最後だ!」

 

『わ、ワタシはバトルチップがなければ、戦えません!』

 

 如何に最高級ハイエンドナビといえども、その用途は執事であり、戦闘には主人の指示(バトルチップ)が必須となる。

 

「透くん、お父さんは無事よ!」

 

「早くシステムを復活させなさいよ!」

 

『やいと様!』

 

 息を切らせた様子で駆け入ってきた綾小路さんと桜井さんが、分かりやすく現状を知らせてくれた。

 

「ちょうど良い所に、綾小路さん。グライドにバトルチップを!」

 

「えっ、グライド!?」

 

『やいと様、急ぎバトルチップを転送してください。このままでは、ロックマンが危険です!』

 

 慌ててPETを取り出し、モニターの端子にプラグを差し込んでいる。

 

「と、取り敢えず『ハイキャノン』よ!」

 

「アイスマン、氷の柱だ!」

 

『ハァー!』

 

 アイスマンが地面に手を押し当て、10数本の氷の柱を生成してグライドが姿を遮る壁を作った。

 

「透くん、何が起きているの!?」

 

「WWWの置き土産だ!」

 

「浄水プログラムは、大丈夫なの?!」

 

「別のオフィシャルに任せてあるから心配しないで!」

 

 計測モニターから流れる警報は鳴り止まない。全部で30個ある浄水タンクは、5つのタンクにつき一つの浄水プログラムで管理されている。カラードマンに多少の足止めをされた様だが、用意しておいた解凍プログラムを使えば、浄水プログラムは迅速に稼働を再開する。

 

「うん?」

 

 モニターを確認すると古いバルブが開放されて、浄水タンクに汚水が供給され始めている。

 

「過剰供給…いや、浄水プログラムなら管理できるか……むしろ緊急開放は適切な…父さんか」

 

「あ、そうだった透くんのお父さんが古い設備を使うって!」

 

 桜井さんの言葉に頷きで返し、PETを通してアイスマンの様子を確認する。

 

「聞こえてたアイスマン、浄水プログラムは心配ない。後はそのウイルスを倒すだけだ!」

 

『うん、パパさんも無事なら戦うだけだ!』

 

 管理室の電脳の中、巨大なジェリーが暴れ回り氷の破片が飛び散る。WWWによって改造を施されたらしいウイルスは本来のツナミ攻撃を奪われ、触手による物理的な攻撃に終始していた。

 

『くっ、切りがない!』

 

『バトルチップさえ使えたら、何か手を打てるかも知れないのに!』

 

 グライド、ロックマン、アイスマンの中でバトルチップを使えるのは、綾小路やいとがオペレートするグライドだけなのだが、戦闘用の調整を受けていないグライドでは、変則的なバトルチップに代用できず、ソード系やキャノン系などの汎用性の高いバトルチップしかまともに運用できない。そのために綾小路やいとは、普段から使用できない不要なバトルチップを持ち歩くことはない。今回はそれが祟って、グライドが危険に晒されしまっている。

 

『危なくなったら2人はプラグアウトして!』

 

『ロックマン!?』

 

『確かに僕たちはプラグアウト出来るですぅ。でも君は…』

 

 オペレーターがいるアイスマンやグライドは、プラグアウトをしてPETの中に避難する事ができる。しかし、それにはオペレーター不在のロックマンを置いて行かなくてはならない。

 

「待たせたなロックマン!」

 

『熱斗くん!』

 

 ロックマンの頭部が一瞬輝き、PETの接続を読み込んだロックマンの表情が明るくなる。

 

「うっげ、またクラゲウイルス!」

 

『熱斗くん、早くエレキソードを!!』

 

「慌てるなって、まずは攻撃用バトルチップ『ワイドシュート』スロットイン!」

 

 ロックマンのロックバスターが、キオルシンを模した形状に変化すると巨大なジェリーに向かって飛んでいった。

 

「このバトルチップ!?」

 

「そうさ、いつか氷川に貰ったバトルチップだ!」

 

『うおおお!』

 

 追突するロックマンを迎え撃とうと伸ばした触手は、ワイドシュートから放たれる両サイドへの斬撃によって切り飛ばされてデータの残骸に変わる。

 

「今だ!」

 

「おっしゃ!『エレキソード』スロット、イン!!」

 

 ロックマンがジェリーに触れられそうな程に近付いたタイミングを見計らって、熱斗がロックマンエレキソードを託す。ダッシュアタックの速度をそのままに、電気を帯びた剣に変化した左腕を深々とジェリーに突き刺した。

 

『ハアァァアァァ!!』

 

 雷が落ちる様な轟音が鳴り響き、黒煙と共にジェリーの体が消滅した。

 

「ウイルスのデリート確認。…アイスマン、システムの復旧を始めるよ」

 

『ハイです!』

 

 すっかり鳴り止んでしまった警報に気づき、炎山に託した浄水タンクのプログラムが正常に戻ったのを確認して安堵する。カラードマンの強化に備えて、ブルース用にバトルチップを送ったけど必要なかったかも知れない。

 

「透!」

 

「父さん…無事で良かっ」

 

 言葉を遮るように抱きしめられる。

 

 父さんの体温を感じて、みんな生き残れた事実を噛みしめる。

 

「氷川…」

 

「ふふふ、そっとしておいてあげましょう」

 

「そーよ、ねグライド?」

 

『はい、やいと様』

 

 管理室の扉の外で白い髪が揺れる。

 

「…ふん、帰るぞブルース」

 

 師から受け取った1枚のバトルチップ『チェインマイン』を片手で弄びながら踵を返した。

 

『はい、炎山様』

 

 水道局のシステムは程なく復旧が完了し、駆け付けた警察に因ってWWWに協力したとして身柄を拘束されることとなった。




今回の採用バトルチップ

・ロックマン『ワイドシュート』作 藤五郎鰯
・アイスマン『ヒョウテンカ』作 ↑同
・ブルース『チェインマイン』作 「兎」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。