遠いお空が繋がっている下で、小さな茅葺き屋根のお家が一つありました。そこに住んでいるのは女の子が一人。慎ましく一人で暮らしておりました。
ある日、用事を行なうため、女の子は芝を刈りに行き、それが終われば川へ洗濯に行きました。大きなタライの中で衣服を洗っていきます。
しばらくすると、ドンブラコットンキャンディドンブラコットンキャンディエイエイオーと、桃色の船が川上からやって来ました。
愛「ちーっす!! 洗濯してるんだねー」
女の子は大きな声に驚きました。
愛「ごめんごめん! 驚かせちゃった」
璃奈「平気。これ、なにしてるの?」
女の子は指を刺して聞きました。
愛「あーこれ? 船だよ船! 偉大なる冒険ってやつ!」
璃奈「ぼうけん?」
愛「そっ! なんか、釘職人をさー このまま続けていくのもいいかなぁって思ってたんだけど、ある"航海日誌"を読んじゃって、もう行くしかないっしょ!? って感じで家飛び出して来ちゃった」
璃奈「フラーク・エマ・カリンの?」
愛「なになに!? 知ってんじゃん!」
璃奈「この町では学童書として有名」
愛「ってか、それなら話は早いね、一緒に行こうよ! 絶対楽しいからさ!」
璃奈「唐突すぎる」
愛「世界を変えるのはいつだって突然の好奇心だぁーー!!」
愛と名乗ったその子は船から飛び出し、女の子の元へ来たら、その手を引き、また船へと戻った。
璃奈「乗せられてしまった」
愛「それじゃこのまま流されていこうよ!」
女の子は確かに流されるのも良いかもと思い、実際に波に流されながら船の行く末を見守りました。
実際に海に出ると、果てしなく続く水平線に、女の子は蹴落とされました。
彼方「浮き雲の彼方ちゃんですぞ。ぽかぽか浮かぶのが我が宿命〜」
いったいどこまで見えはしないのかなんて考えていると、雲さんが話しかけてきました。
愛「ちーす!」
彼方「下界の言葉だね〜 ちーす!」
璃奈「どうして浮いてるの?」
彼方「心に羽が生えているからさ〜」
雲さんは少し本気で答えました。
璃奈「どうやったら生えるの?」
これには少し困ってしまった雲さんは、
彼方「鬼ヶ島の宝石だと思う〜」
と、適当な嘘をつきました。
いっこうは進路を決めました。
鬼ヶ島に目前まで迫りましたが、海流が邪魔をしており進めません。二人はとりあえず近くにあった島に上陸しました。
璃奈「森だね」
辺りは動物達がひしめく深い深い森でした。
愛「いっくぞー!」
しばらく道なき場所を進むと一軒家がありました。女の子は愛さんに何だろうと伝えようと思った時には「ごめんくださーい!」とドアをノックしていました。
果林「あら、いらっしゃい。こんな森の中まで、来客なんて珍しい。どうぞあがって」
璃奈「ありがとうございます」
テーブル席に案内され、コーヒーが出ました。
愛「世界中の場所を見てみたくってさー どんだけ広いんだって感じだよね。果てがはてな? みたいな、あははは!」
果林「活気があって良いわね、昔を思い出しちゃう」
璃奈「果林さんってあの航海日誌の作者?」
果林「あら、勘がいいのね。そうよ」
愛「うっそーー!!??」
果林「本当に懐かしい。色々なことが鮮明に」
璃奈「色々聞きたい」
愛「待って待って。航海日誌に書いてあること以外聞いちゃダメだぞ、例えば宝のありかとか世界の果てとか、そういうの」
璃奈「分かった。でも、鬼ヶ島に上陸する方法は聞いていい?」
愛「それは……良しとする!」
果林「それね、時空の海流が邪魔してるのよ」
璃奈「時空の海流?」
果林「そ」
璃奈「教えてください」
果林「いいわよ」
愛「やったやった! それでそれで?」
果林「そうね」
璃奈「ふむ」
果林「……」
璃奈「わくわく」
愛「ドキドキ」
果林「……」
璃奈「?」
果林「……」
エマ「ただいま〜」
果林「あらエマちょうどいいわ。時空の海流について教えてあげて?」
エマ「え? 時空の? あ! お客さん?」
愛「お邪魔してまーす!」
エマ「いらっしゃいませ〜」
璃奈「そっか。フラークは二人の名前の組み合わせなんだ」
果林「ええ、そうよ」
愛「うむ……なるほど、そっか!」
エマ「航海の仕方だよね〜 ちょっと待ってね、紙に書いてあげるよ」