ゲゲル愛好家達と行くハイスクールな世界   作:紋章

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 詰め込んだ結果文字数が一万文字行きました。後、試しにルピ振りを多めにしてみました。


決着をつけるそうですよ

「…………これで良しと」

 

 桃花は教会に行く道すがらメールを送信した。

 

「桃花、今のメールは?」

 

 それにレイだけが気付き小声で聞いてきた。

 

「ちょっとしたお願いのメールですよ」

「内容、聞いてもいい?」

「レイさんとは言え駄目です♪」

「……そう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 教会が見える位置まで歩いてきた五人は其処で立ち止まって作戦を確認する。

 

「本当に私の作戦でいいんですか皆さん?」

「このメンバーの中じゃ白百合さんが一番適切だと思うよ」

 

 祐斗にそう言われた桃花は周りのメンバーを一瞥してから言った。

 

「脳筋パーティー……おっと」

 

 桃花が言うのと同時、二つの拳が顔の横を掠めた。

 

「……脳筋じゃありません」

「心外……」

 

 拳を放った張本人の小猫とレイはそう言うが小猫だけは視線を逸らしていた。

 

「それじゃあ作戦を説明しますよ。まず、雑兵は私が。フリード・セルゼンは木場くんと塔城さんが、一誠とレイさんは本丸を、以上です」

「……え、それだけなのか?」

 

 一誠は作戦の内容を聞いて思わずそう聞き返した。桃花はそんな一誠に呆れた顔をしながら言った。

 

「分かりやすく言っただけですよ。何なら難しく言いましょうか?」

「え、遠慮します」

「そうしてください。では行きますか」

「おう!」

 

 

 

 

 

 

 

 五人が教会に乗り込むと其処には既に大量のはぐれ悪魔祓い(エクソシスト)と忍者の様な姿の小太刀を持った大量の異形、ダスタードが待ちかまえていた。

 

「予想通りすぎですよ?」

「桃花!」

 

 一誠を除いた他のメンバーは落ち着いてるが一誠だけは考えていた人数よりも多い事に驚き桃花に心配の声を掛けた。

 

「余裕なので一誠達は早く先に進んで下さい」

「小娘風情が言ってくれるな」

 

 はぐれ悪魔祓い(エクソシスト)の集団は今の発言を聞き殺気と共に桃花を睨んでいた。

 

「ほら、一誠。早くしないと間に合いませんよ」

「っ!分かった。ここは頼んだ!!」

 

 一誠は他の三人と一緒にはぐれ悪魔祓い(エクソシスト)の集団の横を通り過ぎて教会の奥に進んで行った。

 

「意外ですね。今の瞬間に攻撃しないなんて」

「ふん。悪魔を屠るなぞ小娘を殺してからでも十分間に合う」

「……一つだけ言ってあげますよ」

「何だ」

 

『エクスプロージョン、ナゥ』

 

 

 突然話していたはぐれ悪魔祓い(エクソシスト)の近くの人間の頭が爆ぜた。

 

「ひっ!?」

 

 話していたはぐれ悪魔祓い(エクソシスト)は突然の事に動揺したのか、人間の血を見るのに慣れてないのか腰が抜けてしまっていた。

 

「私の嫌いな事は小娘と呼ばれることですよ?」

 

 いつの間にか桃花の横に桃花の神器(セイクリッド・ギア)である本の形をした伝説との戦いの記録(レジェンダリーエピソード)が開いた状態で浮いており、その開いた場所にはドレイクと書かれていた。

 

「ついでに貴方方には実験台になって貰いますよ?」

 

 桃花は相手の意見も聞かずに指に嵌めていた指輪を取り外して別の物に付け替えた。そして腰に出現している手の形をしたベルト白い魔法使いドライバーにその指輪を翳した。

 

『テレポート、ナゥ』

 

 音声と共に桃花の近くに四角い魔法陣が現れ其処から飛蝗の様な姿をした怪物が現れた。

 

「何だ貴様は!」

「キョグギンジャンママズ・バヅー・バザ(脅威のジャンパーズ・バヅー・バだ)」

 

 バヅーがさっきまで喋っていたのとは違うはぐれ悪魔祓いの質問に答えるとタイミングを計ったかの様に教会のドアを突き破ってバイクに乗った青年が乗り込んできた。

 

「今度は何だ!」

「ゴセザキョグギンサギザザゴ・バダー・バザ(俺は脅威のライダーゴ・バダー・バだ)」

 

 青年はヘルメットを取ると独特のポーズを取りその姿を飛蝗を模したグロンギ、ゴ・バダー・バへと変化させた。

 

「お二人共、分かってますよね?」

 

 桃花はやって来た二人にそう言いながら指輪を交換する。

 

「当然だ。ルールはルールだからな」

「ロヂソン(勿論)」

「なら結構ですよ。二人はボソグ(○○す)以外なら自由に戦って下さい。私はボソギ(○○し)ますけどね」

 

 桃花はそう言い白い魔法使いドライバーを起動させた。

 

『シャバドゥビタッチヘーンシーン! チェンジ!ナゥ』

 

 ベルトが喧しくなる前にすぐに指輪を翳し、横から迫って来た魔法陣を潜るとその姿を金色を基調にした姿、背中には黒いマントがある仮面ライダーソーサラーに変え桃花は余裕そうに言った。

 

「お楽しみはこれからですよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうやらはぐれ悪魔祓い(エクソシスト)は入り口のメンバーだけみたいだね」

「そうだね。……待って」

 

 近くに人の気配が無いか一応の警戒をしながら進んでいた四人だったがレイの言葉で立ち止まった。

 

「レイ、どうしたんだよ?」

「あれ」

 

 レイが指差した先には嗜虐的な笑みを浮かべた白髪の男が立っていた。一誠やレイにとってはこれが二回目の会合となる相手だった。

 

「おやー?そこに居るのは俺を殴ってくれちゃったぁ愚かな悪魔君じゃぁないかぁ!!いやー感動的な再開だねぇ!!」

 

 その男、フリードは一誠に対して笑顔で接してきたがその手には柄だけの剣と銃がしっかりと握られていた。

 

「兵藤君、ここは作戦通りに僕達がやるよ。その間に君は彼女の所に」

「おう!……ただ、あいつが素直に通すかだよな」

 

 一誠は祐斗にそう返すがいつでも戦える様に赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を出現させた。

 

「ああ、そうそう。そこの悪魔君ともう一人だけは此処を素通りさせちゃおう」

「はあ?」

 

 フリードの突然の提案に一誠は思わずそんな言葉が漏れた。

 

「いやね、俺のクライアントがそうしろと煩くてさぁ!だから、通るならとっとと通ってくれないかなぁ?」

「……そうだね。兵藤君、君は先に進んだ方がいい」

「木場……」

「僕達の事は心配しなくても大丈夫。はぐれ悪魔祓い(エクソシスト)に負けるほど僕達は弱くないよ」

「そうです。だから兵藤先輩は先に」

「二人とも……。分かった、こっちは任せろ!だからそっちも任せた」

「任された」「任されました」

 

 返事を聞いた一誠とレイは先に進む……前に二人に言った。

 

「二人とも帰ったら俺のことはイッセーって呼んでくれよ!!」

 

 二人は少し微笑ましそうな表情をしたが頷いた。それを見た一誠とレイは先に進んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 二人が進んだ先には階段があり二人はそれを降りていた。

 

「一誠、このまま真っ直ぐ行った所にある扉の先に人影が三つある」

「どうしてそんな事分かるんだ?」

「企業秘密」

 

 レイの言った通り進んだ先には扉があり、一誠が開こうとした瞬間ひとりでに開いてしまった。その先にはレイナーレと仮面とローブを付けた誰か、そして謎の球体に入れられたアーシアだった。

 

「アーシアァァ!!」

 

 一誠がそう叫んだが何故かアーシアからの返事は無かった。

 

「ふふ、少し遅かったわね。もう儀式は終わった所よ」

「儀式?アーシアに何をした!!」

「一誠危ない!」

 

 一誠が一歩踏み出そうとしたのと仮面を付けた誰かが襲ってきたのは同時だった。レイは咄嗟に一誠の制服の襟を掴んで後ろに引っ張ると自分は始創の絵札(Aラウズカード)を使って醒剣ブレイラウザーを出現させその攻撃を防いだ。

 

「いきなり何するんだよレイ!!」

「守ってあげたつもりなんだけど」

 

 一誠はそう言われてから漸くレイが攻撃を防いでるのに気付いて申し訳なさそうにした。

 

「まあ、いいけど。それよりも堕天使レイナーレ、私も何をしたのか知りたいかな」

「ふん、いいわ。教えてあげる。アーシアは死んだの。今は其処の仮面がアーシアって所かしら?」

「ちょっとレイナーレ、勝手に教えないでくれるかなー?」

 

 正体をばらされた仮面の少女はやれやれと言った感じで仮面とローブを取った。

 

「んなっ!?」

「どういうこと……?」

 

 其処に行ったのはアーシアが着ていた修道服が白くなった物を着てツリ目のアーシアに似た少女だった。

 

「一応自己紹介しとこうかな。私は聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)。簡単に言えば白い方の中に有った神器(セイクリッド・ギア)。まあ白い方と区別するんだったら黒アーシアとでも呼んでよ」

「そんな事あるもんか!!」

「残念ながら本当の事よ。私も聞かされて驚いていた所なのだから」

 

 一誠が驚きで目を見開いて言った言葉にレイナーレは肩を竦めて言い返した。

 

「何でそんな事になったの?」

 

 この中では唯一原作を知っているレイは思わずそう聞いた。

 

「いいよ、教えてあげる」

 

 黒アーシアはそう言いレイから距離を取ると語りだした。

 

「昔の白い方は聖女様なんて呼ばれていてね、本人も誇らしげだったよ。『こんな私でも誰かの助けになれるんです』ってね。それから少しして事件は起きた。白い方は一年程前にある悪魔を(神器)の力で助けた。でも、本来治療の力が効くのは神の加護を受けた人間だけで悪魔を治療する事は出来なかった。そして、それを知った教会の司祭達はアーシアを魔女だと言って教会から追放した」

 

 呟き続ける黒アーシアだったがその目には確かな怒りがあり、いつの間にかアーシアの事も白い方ではなくアーシアと呼ぶようになっていた。

 

「その後一年間アーシアは各地を回って行った。毎日神様への祈りも欠かさずにね。そうすればいつかは主からの救いがあると思ってね。……でも、いくら祈ろうとアーシアに救いは無かったよ。何処の教会も口を揃えては『魔女』だ?『異端』だ?……ふざけんな。それでもアーシアはずっと神様への祈りも教会を巡ることも止めなかった。ただ時たま私に向かって話しかけてくるようになった。全く、当時の私はまだ意志も何もないのに笑っちゃうわよね」

 

 そう言った黒アーシアだったがその顔は笑うというよりも悲しそうだった。

 

「……そんな日々が半年は過ぎた後だったかな?アーシアはある町で同じシスター達に……まあ所謂暴行にあったよ」

「なっ、アーシアが!?」

「黙って聞いてなさい!!」

「は、はい!!」

 

 口を挟んできた一誠を黙らすと黒アーシアは一息ついてから、話を続けた。

 

「その時よ、初めて私が意識を得たのもアーシアの体を動かせるようになったのも」

「……(神器(セイクリッド・ギア)は持ち主の思いに答えるとは言うけどこんな事があるんだ)」

 

 レイは心の中で神器の不思議さを改めて実感していた。

 

「アーシアの体を動かせるようになった私はそのシスター達を再起不能にしてからその町の教会を滅ぼしたわ。それ以来私の姿の時を教会は堕ちた聖女って事で黒聖女なんて呼ばれてたわ、そしてアーシアとも会話が出来るようになった。アーシアが言うにはそれからの半年間は幸せだったそうよ」

「でも……幸せは長く続かなかった。既にアーシアの心は限界だったのよ。だからアーシアは次に行く国でひっそりと死のうと考えて日本に来たわ」

「アーシアが……死のうとしてた!!?」

「貴方は……止めなかったの?」

 

 黒アーシアの行った発言に一誠は驚きレイは警戒しながら黒アーシアに質問した。

 

「止めなかったよ。アーシアが決めたなら神器(セイクリッド・ギア)の私は従うしか無いからね。まあ、途中で其処のレイナーレに会って予定は少し変わったけどね。……ああ、変わったといえば其処の赤龍帝に一つ教えておくよ」

「何だよ?」

 

 今聞いた事を整理するので一杯一杯なのか、怒りを覚えたのか怒り気味に返事をした。

 

「アーシアはね、あんたに会って死ぬ事を嫌がったよ」

「なっ、じゃあお前達は嫌がるアーシアから無理矢理神器(セイクリッド・ギア)を奪ったってのか!!?」

「その通りよ」

 

 レイナーレはそう言いながら手に光の槍を出現させた。

 

「もう話し合いは終わったわね黒聖女?」

「いや、まだ一つ」

「……早くしなさい」

 

 レイナーレは不機嫌そうに言うと成り行きを見守り始めた。

 

「それじゃあ最後に、アーシアはまだ生きてるよ」

「「「なっ!?」」」

 

 今回の発言に一誠とレイは今までの前提条件を覆すような発言に、レイナーレはネタバラシをした事に対してではあるが全員驚いた。

 

「この儀式は本当はレイナーレに(神器)を移植する様なものだったけどレイナーレはそれと同じ様な物を貰ってね、私が無くても良かった。けど保険でもう一個の手段として手に入れようと儀式場を適当に作って私とアーシアを分離させたのよ。ま、その性でレイナーレが気絶とかしたら儀式の基点となるアーシアを包んだ結界は崩壊、私は強制的にアーシアの体に戻る。そんだけ雑な結界だからかな、私が戻ればまだアーシアは生き返るよ。……まあ、後三十分が限界かな」

「黒聖女、何故そんな事を説明したのかしら?」

 

 レイナーレは余程怒っているのか光の槍を黒アーシアに向けながら言った。

 

「余興だよ、余興。私だって少しは遊びたいしね。第一、貴女が負けなければ良いでしょ?」

「それもそうね」

 

 レイナーレは再度一誠達の方を向き、光の槍を地面に突き刺した。

 

「なら全力でやりなさい」

「分かってるよ。そんじゃあ……暴れて行こうかッ!!!!」

 

 レイナーレと黒アーシアはそれぞれのホロスコープススイッチを取り出しスイッチを押し、アクエリアス・ゾディアーツとジェミニ・ゾディアーツへと変身した。

 

「ッ。赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)!!」

 

 一誠も赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を構えた。

 

「一誠、黒いアーシアさんの方は私が引き受けるからあっちの堕天使は任せたよ」

「おう!!」

 

 二人はそう言いあってから自分の相手に向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「戦う前に一ついいかな」

「何かなー?」

「本当は貴女も今回の事は納得してないんじゃないかな?」

 

 レイはブレイラウザーを一度消してから黒アーシアに質問をした。

 

「さあねー。私はただ一度言った事を曲げるのは嫌いなだけだよ」

 

 その質問に黒アーシアは含みのあるような言葉を返した。

 

「そう。何となく貴女の考えてる事は分かったよ。だったら私はここで貴女をちゃんと抑えないと」

「あんたに出来んのかなー?」

 

 黒アーシアは嗜虐的な笑みを浮かべながら挑発的な言葉を発っした。

 

「まだ、今の私には無理。だから……今回は嫌だけど裏技を使うよ」

「裏技?」

始創の絵札(Aラウズカード)、キングマークスペード、コンバート」

 

 レイがその言葉を発し終えると糸が切れた人形の様にレイは下を向いた。

 

「何なのかな今の言葉は!!!」

 

 自分の知らない事が起きてイラついた黒アーシアはレイに向かってイーダスを数枚投げつけ体に当たる直前で爆発させた。

 

「……全く、煩いなぁ」

「ん?」

 

 爆風の中から聞こえてきた声は確かにレイの物だったが声の雰囲気がさっきまでのクールや静かな物から無邪気な感じに変わって聞こえてきた。

 

「あんた?僕にカードを投げてきたのは」

「そうだけど……あんた誰?それにどうやって私の爆発を防いだ」

 

 爆風が晴れて出てきたレイの目は日本人特有の黒色から翡翠のような緑色に変わっており、その体には目立った傷も無く爆発をくらって無いのが分かる。

 

「さあ?教える訳ないじゃん。馬鹿じゃないの?あっ、でも僕の名前だけは教えてあげるよ。キングだよ」

「……あんたも蝙蝠野郎並みに私を怒らせるなあ。だから死んでよ!!!!」

 

 言葉を言い終えるよりも早く黒アーシアは駆け出しキングと名乗りだしたレイに向かって踵落としを落とそうとした。

 

「ッ!何それ」

 

 しかし、キングに当たる瞬間、突然現れた盾に阻まれて思わず距離を取ってから聞いてしまった。

 

「だから言う訳ないじゃん。馬鹿じゃないの?」

 

 キングは馬鹿にするように言いながらその姿を変化させた。その姿は金色のコーカサスオオカブトを模した外郭をしたコーカサスビートルアンデッドだった。

 

「……!あんたも怪人だったんだ。それなら納得……する訳ないわよ!!!」

 

 黒アーシアは激昂したまま両手にそれぞれリュンケウスとイーダスを持った。

 

「僕のやる事は時間稼ぎだからね。無駄な事を好きなだけすれば?」

 

 キングはそう言って無防備に挑発するかのように両手を広げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほらほら、さっきまでの威勢はどうしたのかしら!!」

「くそっ!!」

 

 一誠はレイナーレが放つ光の槍をかわしながら赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)のカウントを進めていた。

 

「全く、演技とはいえこんな奴の恋人をしてたなんてね」

「……初めての彼女だった」

 

 レイナーレの呟きに一誠はゆっくりと言葉を言った。

 

「ええ、知っていたわよ。あなたを殺す為に過去の経歴は色々調べたもの」

「俺なんかを好きになってくれた人に楽しんで貰おうと思って馬鹿なりにプランだって立てた」

「そうね。ほんと、馬鹿で当たり前すぎて退屈だったわ」

「……あの告白の時の表情もデートの時の表情も全部演技だったんだよな夕麻ちゃん」

 

 呟きの中で一誠はかつてレイナーレが名乗った偽りの名前を呟いた。

 

「当たり前じゃない!折角だし教えてあげるわ!あなたを夕暮れに殺そうと思った時に一緒に考えたのよ?あなたの死に苦しむ表情も楽しみにしながらね!!アハハハ!!!」

 

 レイナーレのその言葉に一誠の怒りが爆発した。

 

「レイナーレェェェ!!!!」

「アハハハ!!!悪魔になった糞餓鬼が私の名前を呼ばないでくれるかしら!!!」

「お前だけは、お前だけは絶対に許せねぇ!!!」

 

『Explosion!!』

 

 一誠の言葉と共に赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)が音声を鳴らした。

 

『気合を入れているところ悪いが待てイッセー』

「あっ、誰だよ?てっここは……」

 

 一誠は気付けば以前夢に出てきた周りが炎に囲まれた空間に立っていた。

 

『久しいなイッセー、嫌相棒』

「ドライグ!何で俺は此処に……嫌そんな事よりもレイナーレの奴はッ!?」

『少しは此方の話も聞こうとして欲しい物だな。先に行っておくが此処にいる間は外の時間は特に動かん』

「そう言う事なら……分かった」

 

 ドライグの今の発言に一誠は渋々と言った感じでドライグの話を聞く体制に入った。

 

『お前ではあの堕天使に勝つ事は不可能だ、諦めろ』

「ッ!!何でだよ!?」

『大前提で教えておくか。奴は大概の傷ならば瞬時に肩にある二つの水瓶の水で回復が可能だ。故に奴を倒すならば一撃で奴の全身を消滅させるのが有効だが……今のお前の実力じゃ無理だ』

「そんな事関係あるか!!!」

『……何?』

 

 これまで無表情だったドライグの表情が少しだけ動いた。

 

「勝てないからって諦めるなんて俺はしたくない!何よりも俺はあいつにだけは一発殴らないと気が済まないんだよ!!」

『ふん、賞賛も無いのによく言えた「ごちゃごちゃ言ってないで俺に力を貸しやがれドラゴン!!!」な。……何?』

「俺の力じゃ無理でもドラゴン、お前の力ならどうなんだ赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)ドライグ!!!」

『フハハハ!!』

 

 一誠が叫んだ直後何処からか笑い声が聞こえてきた。

 

「な、何だ!?」

『まさか貴様が手伝うつもりか?』

『ドライグ、これだけの啖呵をきったんだ小僧に力を貸そうが構わんだろう。何より俺はこの小僧が気に入った!』

「その声……あの時も話しかけてきたドラゴンか!」

 

 声は一誠の言葉に力強く返した。

 

『そうだ!兵藤一誠、貴様には俺の力の一端をくれてやろう。それがあれば少しは勝機もあろう』

「ちょ、ちょっと待てよ!!お前は一体何なんだ!!」

『ふん、この戦いを生き残れたら少しは教えてやる。だから勝ってみせろ兵藤一誠!!』

 

 声が言葉を終えたと同時に一誠の意識は元の場所に戻って行った。

 

「死になさい!!」

「……はっ!?」

 

 戻るとレイナーレの振るう鞭、ネクタルが迫って来ていた。それを一誠は間一髪でかわすとレイナーレと距離を取った。

 

「ていうか力ってどう使うかまだ聞いてないぞ、おい!!」

『煩い奴だ。ほら、籠手についている宝玉に触れながら念じろ。それで準備が整う』

「お、おう!」

 

 一誠は恐る恐る宝玉に触れて念じた。

 

『Infinity Dragon element timer!!!!』

 

「何だこれ?」

 

 籠手から今までとは違う声で音声が鳴り、それと同時に籠手の宝玉はふちが四色に分かれた時計のような形に変わり籠手の側面に手のひらの様な物がついていた。

 

『それは四元素の宝玉(エレメント・タイマー)、俺の持つ力の一部を具現化させたものだ』

「成る程な。で、使い方は?」

『一度しか言わんから良く聞いておけ。最初にそれについている針を赤い部分に合わせろ』

「こ、こうか?」

 

 一誠は言われた言葉の通りに時計の針を赤い部分に合わせた。

 

『Set up』

 

『それでいい。後は側面の手の親指を押し込めば使える。但しそれで使えるのは順に火、水、風、土の四属性だけだ。しかも今のお前の体力では……一つの属性が最長で三十秒、合計二分が限界だ』

「そうかよッ!!」

 

『Frametime start!!!!』

 

 一誠が親指を押し込んだ瞬間タイマーが進み出し音声が鳴った。

 

「さっきからごちゃごちゃと煩い奴ね!!」

 

 レイナーレは突然変化した宝玉に特に驚く事も無くネクタルを振るった。

 

「おりゃ!!」

 

 振るわれたネクタルを一誠は火に包まれ出した自分の手で掴み取った。

 

「何ッ!?」

「うぉぉぉぉぉ!!!!」

 

 一誠は両手を使ってネクタルを強引に焼き切るとその勢いのままレイナーレに向かって走り出した。

 

「くっ!!」

「逃がすかよッ!!!」

 

 レイナーレは体制を立て直すためか羽を生やして空に逃げようとしたが一誠は進むタイマーが青い部分に辿り着く所で親指を再び押し込んだ。

 

『Watertime!!』

 

 一誠の両手を包んでいた火が消えると今度は水がその手を包んだ。そして一誠はその手の水を後ろに向かって激流の様に放出してレイナーレの元に強引に辿り着いた。

 

「……!?」

「おりゃぁぁ!!」

 

 一誠は気合と共にレイナーレを殴り飛ばした。

 

「ぐっ、無駄な事をしないで欲しいわね!!!」

 

 レイナーレは顔を憤怒で歪めながら今の攻撃で受けた傷をアクエリアスの能力で治した。

 

 

「っ!!(やっぱりあの水瓶をどうにかしないと駄目かよ!!!)だったら!!」

 

 そう言って一誠は緑の部分に辿り着いたタイマーの親指を再度押し込んだ。

 

『Hurricanetime!!』

 

「こいつでどうだ!!」

 

 一誠は今度は風の力を纏った拳を突き出した。

 

「ふん、何度も同じ手はくらわないわよ!!」

 

 レイナーレはその攻撃を回避した。が、

 

「何ですって!?」

「よし!もう一回だ!!」

 

 避けたかに見えた一誠の攻撃だったがかわしたのは拳だけで、風の一撃はかわしきれていなかった。その驚いてる隙に一誠は残ったもう一つの水瓶も破壊した。

 

「悪魔風情が調子に乗ってんじゃないわよッ!!!!」

 

 レイナーレは思った以上の失態に完全にキレ、光の槍を両手に持つと一誠に襲い掛かった。

 

「うっせえ!!この堕天使悪魔!!!」

 

『Landtime!!』

 

 一誠も気合を入れなおすと最後の黄色の部分に辿り着いたタイマーの親指を押し込んだ。しかし、今度の力は今までの様に手に何かが纏われる様子が無かった。

 

「……あれ?」

『ああ、言い忘れていたな。ランドの力は肉体が硬くなるのが主にだ』

「先に言えよそれ!!」

 

 一誠はレイナーレの攻撃をかわしながら声の主に文句を言った。

 

「一人で喋って気持ち悪いわね!!」

「好きでやってるんじゃねえよ!!!」

 

 一誠はそう叫ぶと後ろに跳んでレイナーレと少しの距離を取った。

 

「……(おい、ドラゴン。一つ聞きたいことがある)」

『ふん……何だ?』

 

 一誠は声の主に思いついた事を聞いた。

 

『フハハハ!!!!随分と馬鹿なことを考えるな貴様は』

「……(やれるのか、やれないのか。どっちだ)」

『三発だ。それ以上は不可能だろうな』

「三発もありゃ十分だ!!」

 

 一誠は脳内会議を終えると突然レイナーレに向かって走り出した。

 

「正気かしら?」

 

 レイナーレはその馬鹿な行動に嗜虐的な笑みを浮かべながら光の槍を投擲した。

 

「グッ!!……まだまだ!!!」

「何ですって!!?」

 

 てっきりかわすだろうと予見して光の槍を用意していたレイナーレだったが一誠はかわそうともせずに右手を盾にした。光の槍は役目を終えて消滅したが一誠の右手には穴が開いており其処から血も出ていた。

 

「く、くるな!!」

 

 その狂った行動にレイナーレは恐怖を覚え必死に光の槍を大量に投擲し出した。

 

「うぉぉぉ!!!」

 

 一誠は放たれる光の槍の内かわせそうにない物だけを右手で強引に防御しながらレイナーレにどんどん迫って行った。そしてその時が来た。

 

「レイナーレェェェェ!!!」

「い、嫌よ!!私がこんな下級悪魔風情に負けるなんてありえないわ!!!!」

 

 拳の届く距離まで辿り着いた一誠は左の拳を握りしめ、レイナーレは光の槍を全力で振るった。

 

「ドラゴン!!」

 

『Wall!!』

 

 一誠がそう叫ぶと籠手から音声が鳴り、突然地面が盛り上がり壁の様に光の槍を阻んだ。

 

「ぶっ飛べぇぇぇ!!!」

「ひぃぃ!!!!」

 

 壁の横から出てきた一誠はレイナーレに向かって握り締めた拳を全力で放った。一誠の一撃をくらったレイナーレはすごい勢いで壁まで吹き飛んだ。

 その際にアクエリアスへの変身は解除されており、壁に出来たクレータみたいな跡の元で気絶していた。

 

「お、終わったのか?」

 

『Endtime』

 

 一誠の呟きと共に四元素の宝玉(エレメント・タイマー)は解除され、赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)による力の倍化も解除された。その際に一誠は疲労からなのかその場に倒れてしまった。

 

「いてて……」

「大丈夫かい?」

 

 自力で立ち上がろうとする一誠に誰かの手が差し伸べられた。

 

「おう……てっ木場!?」

「うん、僕だよ」

 

 そこに居たのはフリードと戦っている筈の祐斗だった。

 

「フリードの奴は!?」

「落ち着いてよイッセー君。説明するよりも先に君の治療を先にするよ」

「だったら適役が此処にいる」

「レイ!それに……アーシア!?」

「イッセーさん!今すぐ治療します!!」

 

 続けてレイと球体に入っていた筈のアーシアがやって来て一誠に向かって聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)の光で治療を始めた。

 

「あの黒いアーシアさんはちゃんとアーシアさんの方に戻ったよ一誠。そのお陰でアーシアさんもしっかりと蘇ったよ」

「それからあのはぐれ悪魔祓い(エクソシスト)は部長達が来たのと同じ位の時に何処かに逃げられたから多分生きてるよ」

「そっか……部長?」

 

 アーシアの治療を受けながら話を聞いていた一誠だったが祐斗の言葉に反応した。

 

「ふふ、貴方なら倒せるとは思っていたけど上出来よイッセー」

「ぶ、部長!!」

 

 入り口の方から魔法陣でやって来たリアスと朱乃がゆっくりと一誠の近くまで歩いてきた。

 

「良くやったわね、イッセー。流石は私の眷属ね」

「あ、ありがとうございます。……怒らないんですか?」

「……?何か怒る所があったかしらね祐斗」

「別に無かったと思いますよ。イッセー君はちゃんと部長の命令に従ってましたよ」

「そうよね。と言う訳よイッセー。今回の貴方はしっかりとやってくれたわ」

「ぶ、部長!!」

 

 馬鹿な一誠でもリアス達の優しさが分かったのか感動の涙を流していた。

 

「それじゃあ私の仕事をしましょうかしらね」

「部長、持って来ました」

 

 リアスが表情を慈悲の感じられる物から冷酷な物に変えると小猫がレイナーレを引きずって持ってきた。

 

「ご苦労様、小猫。それじゃあ朱乃お願いするわ」

「はい」

 

 朱乃は空中に魔力で水を作るとそれをレイナーレの顔面にぶつけた。それで眼が覚めたのかぼんやりとした眼でリアスを見た。

 

「御機嫌よう、堕ちた天使レイナーレ」

「その紅髪……そうかグレモリーの人間ね」

 

 レイナーレは何処か諦めた様な眼でリアスを見ていた。

 

「私の事を知ってるなら話が早いわね。リアス・グレモリーよ」

「……それで私を殺しに来たのかしら?」

「その前に質問よ。……貴女の仲間の堕天使三名の行方に心当たりは?」

「質問の意図が分からないわね?」

 

 レイナーレはその質問の意図が分からないのか疑問の声を出した。

 

「私と朱乃は此処に来る前に貴女の仲間がいるらしき場所に行ったわ。そしたら其処には三名の姿は無く代わりに堕天使の羽が大量に落ちていたわ……貴女笑ってるのかしら?」

 

 リアスの話を静かに聞いていたレイナーレだったがその顔に不意に笑みが浮かんでいた。

 

「ふふ、そう言う事。リアス・グレモリー、どうやら私はこんな所で死なせて貰えないそうよ」

「何ですって?」

 

 リアスは笑っているレイナーレを黙らせようとしたがその瞬間背後から声が聞こえてきた。

 

『エクスプロージョン、ナゥ』

 

「っ!」

「ぶ、部長!?」

「大丈夫よイッセー」

 

 それと共にリアスとレイナーレの間に爆発が発生した。リアスにダメージは無かったが爆風でレイナーレの姿は見えなくなってしまった。

 

「……っ!!誰だ!!」

 

 唯一、メンバー内で祐斗だけが上空に居た誰かの存在に気付いた。そして全員がその祐斗の言葉で上を見ると何かがレイナーレを抱えて自分達の背後に着地したのが確認できた。

 

「その装飾品……あのガドルってのと良く似てるわね」

 

 全員が後ろを向くと其処にはレイナーレを抱えたバヅー、バイクに乗ったバダー人間体、軍服を着たガドル人間体、そして仮面ライダーソーサラーが立っていた。

 

「その通りですよリアスさん」

「そう……そう言う事ね」

 

 ソーサラー、桃花は変身を解除して全員に一例してからそう言った。

 

「桃花!何でお前がそっちにいるんだよ!!」

「違いますよ一誠。最初から私はこっち側ですよ」

「じゃあ俺達を騙してたのか、レイナーレみたいに!!」

 

 一誠は怒りを隠す事も無く桃花に食い掛かった。

 

「別に騙してませんよ?私は貴方の友達ですしこれからもそのつもりですよ?」

「……は?」

「難しく考える必要は無いんですよ、私は貴方の味方であり敵だとね。リアスさんもこれで納得してくれましたか?」

 

 声を掛けられたリアスは難しそうな顔をしてから言葉を発した。

 

「……そうね、私の眷属と町に危害を加えないなら多少は多めに見るわ」

「ありがとうございます」

「ただしレイナーレをどうするかも教えなさい」

「……それは無理ですよ?(いや、メイド兼奴隷とか言えないですよ?)」

 

 桃花はこれ以上の追求を受けるのが嫌だったのか指輪を白い魔法使いドライバーに翳した。

 

「では、皆さん。またいつか会いましょう」

 

『テレポート、ナゥ』

 

 音声が鳴ると桃花達の姿は消えてしまった。

 

「転移されたみたいね……朱乃追跡は出来そう?」

「試してはみましたけど無理でしたわ」

「分かったわ。それじゃあ皆帰るわよ。勿論、アーシアさんもね。イッセー、ちゃんとエスコートするのよ」

 

 リアスはそう言うと他の眷族とレイを連れて先に外に向かって歩き出した。

 

「イッセーさん。その……ありがとうございました!!」

「いいんだよアーシア。お礼を言いたいのはこっちなんだし……じゃ、じゃあ帰ろうかアーシア」

 

 一誠はそう言うとアーシアに手を差し出した。

 

「は、はい!!」

 

 その手をアーシアは嬉しそうに掴んだ。その内側で聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)の意識は苦笑していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで良かったのかヴァルゴ」

「ああ、キャンサーが手に入ればいいとあのお方は言っていたからな」

 

 教会から少し離れた場所で男女が話していた。

 

「そうか……しかし赤龍帝があそこまで強いとはな」

「何だ、気になるのか?まあ、流石に貴様も赤龍帝気になるか」

 

 女に言われた男は眼鏡を指で上げるとどうでもよさ気に答えた。

 

「いずれ倒す存在のことを観察するのは当然だ。……では、そろそろ戻らせてもらうぞ」

「ああ。精精正体がばれないようにするんだな」

「ふ、愚問だな」

 

 二人はそれぞれ夜の街に消えていった。




 前回それなりに好評だったので今回も考えてみました。
今回のお題

HSDD及び仮面ライダーで爆発技or似たような技を持ってるメンバーで組んでみた。

『兵士』
兵藤一誠(ドレスブレイク)メ・ギイガ・ギ(体液)スパイダードーパント(リア柔爆発能力)
『騎士』
ガタック(自爆)
『戦車』
ヘラクレス(神器)
『僧侶』
ジェミニ・ゾディアーツ(イーダスとリュンケウス)
『女王』
ユーベルーナ(ボムクイーン)
『王』
ダークキバ(レジェンドルがを滅ぼした自爆技)

 一部可笑しいのがいるのは使用です。
 次回で漸く一巻の内容が終われる……今年中には投稿するのでお楽しみに。
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