私が部室に着くと中には既にリアス・グレモリー眷属が居て妙な緊張感が漂っていました。まあ、緊張の原因はあそこにいる人なんでしょうけど。
「…………どちら様ですか?」
「初めまして桃花様。私はグレモリー家に仕えるメイドのグレイフィアと申します」
「ご丁寧にどうも。私は白百合桃花ですよ」
「はい。お嬢様より伺っておりますよ、色々と」
その瞬間銀色の髪にメイド服のグレイフィアさんが私にだけ殺気を飛ばして来ました。
「何を聞いていたのか個人的に気になりますね」
「……!平気なのですか」
グレイフィアさんは少しだけ驚いた顔をしたがすぐに元の落ち着いた表情に戻りました。正直、ダグバさんと殺し合い(拒否権無しの手加減抜き)をした私からしたらこの程度の殺気なんかは気にもなりませんよ。
「それじゃあ全員揃ったみたいだから部活をする前に話しておきたい事があるわ。実は……」
「…………何か来る」
リアス・グレモリーの話を遮る形でレイさんが呟くと突然部室に合った魔法陣が輝き始めました。その魔法陣は序所に書いてある模様が変化して行き最終的には全く別のマークに変わってしまいました。
「フェニックスの紋様……」
木場祐斗が言い終えるとタイミング良く魔法陣からチンピラみたいな服装をした金髪の見るからに不良そうな男性が炎を纏って出て来ました……。
「やあ、リアス。久しぶりだなっぶふぁ!!?」
「貴方は放火でもしにきたのですか?」
思わず
「貴様ぁ!!この俺に喧嘩を売っているのか!!!」
「喧しい、煩い、騒々しい。フェニックスだか知りませんが炎を纏って登場とか止めてくれませんか?これで校舎が燃えたら貴方はどうするのですか?普通の炎ならまだしも悪魔の炎が燃え移ったら沈下するか分からないのですよ?大体、ここが燃えたらリアスさん達が困りますよね?そんな事も分からない程鳥頭なんですか?三歩歩いたら忘れる燃えている鳥なんですか貴方はぁ?」
「グ、グヌヌヌ」
この不良があまりにもウザイので言いたいことを言うと少し唸って黙ってしまいました。
「分かったのなら……リアスさん、後は任せましたよ」
「え、ええ。貴女ってこんなに喋るのね」
「今回だけですよ」
そう言って私は不良をリアス・グレモリーに任せてしばらく傍観に徹する事にしました。
「くっ……と、所でリアス、新しく眷属が増えたみたいだな」
「……ええ、皆、一応自己紹介をしなさい」
不良は場の空気を変えるためか咳払いをしてからリアス・グレモリーに言い、リアス・グレモリーに言われて各々が自己紹介を始めた。
「り、リアス・グレモリー様の僧侶のアーシア・アルジェントです!」
「…………『妖精』、細川レイ」
「リアス・グレモリー様の兵士、兵藤一誠だ!!」
アーシアさんは緊張気味に、レイさんは嫌々そうに、一誠は大きな声で自己紹介をしました。
「ん?俺に水をぶっかけたそいつが自己紹介をしていないみたいだが……」
「彼女は私の眷属じゃないわ。……ちょっとした協力者よ」
リアス・グレモリーに言われて不良は納得したのかそれ以上私に対しては何も言ってきませんでした。
「さて、リアス。俺が今日態々人間界に来た理由は分かるよな」
「……ライザー、前から言っているけど私は貴方と結婚なんてする気は無いわ」
「つれないな「結婚!!?」あ……あ?」
不良の言葉を遮って一誠が叫びました。
「ぶ、部長。結婚ってどういうことですか!?というかこいつは誰なんですか!?」
「何だリアス、下僕に俺の事を話してなかったのか?」
それを聞くと不良は一誠を馬鹿にした様な口調でリアス・グレモリーに質問しました。
「話す必要が無かったからよ。……イッセー、この男はライザー・フェニックス。フェニックス家の三男よ」
「そんでもってリアスの婚約者だな」
「はっ!?」「婚約者ぁぁ!!?」
イッセーも今の言葉に驚きの声をあげていましたが私も驚きですよ。
「まさか、リアスさんの趣味が不良悪魔だったとは……」
「好きで婚約してるわけじゃないわよ!!!」
私の呟きを聞き取ったリアス・グレモリーが嫌そうな顔で叫びました。
その後にリアス・グレモリーからの説明がありそれを簡略化するとこの婚約はリアス・グレモリーが好きで結んだ物では無く不良の家とリアス・グレモリーの家の現当主、二人の親が結んだ物でリアス・グレモリーはその時からこの婚約に反対していたそうだ。
更に言えばリアス・グレモリーが大学を卒業するまでは自由だという話なのに最近になって周囲の人間達が急かして来るそうですよ。
「兎に角ライザー!私は貴方と結婚する気なんてこれっぽっちも無いわ!!」
「それは前にも聞いたさ。だがな、リアス。お前のところの御家事情だって悠長にしてるわけにはいかないだろう?」
「そんな事は貴方に言われなくても分かってるわ!大体、婿養子なら私が自分で選ぶわ。その相手は断じて貴方ではないわ!!」
「そうか……その相手というのは当然純潔悪魔なんだろうな?」
「え?」
ここに来て不良は先程までのおちゃらけた雰囲気から真面目な雰囲気になるとリアス・グレモリーに対して問いかけた。
「別に君が他の純潔悪魔を婿として迎えるのであれば純潔悪魔の血筋は守られ君の父君やサーゼクス様も安心されるだろう。だが……な。君が純潔では無い悪魔、例えば転生悪魔を婿に迎えたとしよう。そうなれば我がフェニックス家は『たかが転生悪魔風情にグレモリー家当主を掠め取られた哀れな悪魔』と罵られてしまう。……俺もお家の看板を背負ってここに来たわけだ。その名前に”また”泥を塗る事なぞ俺には出来ない。なぁ、リアス。どうなんだ?」
「そ、それは……」
リアス・グレモリーが言い淀んでいると不良はまたおちゃらけた雰囲気に戻り愚痴りだす。
「そもそも俺は転生悪魔が嫌いだ。特に人間の転生悪魔なんて見るのも嫌だね。そんな奴等の故郷に来るのなんて本当に嫌だった。そうまでしてここに来たのに君がついて来ないのなら……此処に居る君の下僕を燃やしてでも連れ帰るぞ」
そう言って不良は再び炎を出現させるとイッセー達を一睨みしました。はぁ、またですか。
「大体、この世界の炎と風は汚い」
……は?こいつは何を言っているんだ?
「炎と風を司る悪魔としては許しがたいんだよ!」
「ごぶっ!!?」
ライザーがその言葉を言った瞬間、桃花はライザーの腹部に蹴りを入れ壁に叩き付けた。
「なっ、桃花!?」
その行動にイッセーは声を出して驚き他のメンバーも等しく驚愕の表情をしていた。そして、蹴った本人である桃花はライザーを上から見下ろしていた。
「下等な悪魔風情がこの世界の炎を、風を、判断するな。何よりも司る?……だったらこれを耐えてみてくださいよ……」
気がつけば桃花の周りを
「エピソード……○・○○○・○○」
桃花の言葉と共に周囲を眩しい光が包んだ。
嘘予告始まるよ!
やめて!究極の闇の力で燃やされたらいくら不死身のフェニックスでも精神が焼き殺されちゃう!
お願い死なないでライザー!あんたがここで死んだらリアスさんとの婚約はどうするのよ?ライフはまだ残ってる。これを耐えれば、究極の闇に勝てるんだから!
次回「ライザー死す」
うん、仮に焼却に耐えても勝てる可能性無いね。