「そこまでにしてもらえませんか桃花
「……」
光が止むとそこには腕が白と金の装甲の様に変化した桃花の腕を掴んだグレイフィアの姿があった。掴まれている桃花はグレイフィアを一睨みすると神器を消し、腕の変化も解除すると周囲を見渡した。
「ぐっ……皆大丈夫?」
「僕は何とか……」
「わ、私も」
「……ちっ、何かな今のはー?表の奴気絶しちゃったんですけど」
「お、俺も大丈夫です……てっ小猫ちゃんに朱乃さん!!何してるんですか」
「「え……?」」
上から順にリアス、祐斗、レイ、アーシア、一誠、朱乃と小猫が喋った。だがリアスは部室の机に手を置いて何とか立っており、祐斗とレイは各々の剣で自分の体重を支え、一誠はその場に膝をつきアーシアは気絶して黒アーシア(前の様に極端な変化は無くツリ眼になるだけ)に変わっていた。そして朱乃と小猫の二人が最も酷く、朱乃は雷を自らに放とうとし小猫は自分の首を絞めようとしていた。
「……すみませんでした。皆さん」
その現状を見た桃花は珍しく冷や汗を流して全員に向かって頭を下げた。
ふぅ……やり過ぎましたよ。幾ら私にとって娯楽に溢れる世界を馬鹿にされたとは言えダグバさんの力はやり過ぎですよね。現に皆さん凄いぐらい緊張しちゃいましたし、塔城小猫と姫島朱乃の二人何か自殺未遂してますし。……まあ、気持ちは分かりますよ。私だってダグバさんと初めて会った時は死を選びかけましたし。……そう言えばあの不良は……
「あ……」
「ガクガクガクガクガクガク」
姿の見えない不良を探してカーテンを捲ると先程の不良がガタガタと声に出して震えていました。……うん
「情けないですね」
「は……!?う、煩い!!」
まだ不良……いえ腰抜けが何かを言おうとするとグレイフィアさんが遮るように私達の間に入ってきました。
「ライザー様。これ以上彼女を挑発する様であれば私が相手になりますが」
「っ!!い、いや。俺も最強の女王と名高いあんたとやる気は無い」
「それなら結構です。……さて、こうなる事は……流石に想定してませんでしたが」
何で一瞬こっちを見るんですかね?グレイフィアさんは咳払いを一つし話を続ける。
「今回の話し合いで決着がつかなかった場合、レーティングゲームで決着をつける様に両家の方々と魔王サーゼクス様より承っております」
「っ!!」
レーティングゲーム?確かガドルさんが言うに悪魔達が下僕同士を伴って戦うゲームですよね?でも確か……
「グレイフィア、レーティングゲームは確か成熟した悪魔だけが受けれた筈よ」
「ええ、なので今回のこれは非公式の物となります」
「そう……受けるわよ。それしかライザーとの婚約を簡単に解消出切る方法は無さそうだし
もの」
「ふふ、いいのかいリアス?」
今更カッコつけてる腰抜けですが……もうさっきの威厳なんて無いですよ?ていうかアーシアさんに至っては飽きて知恵の輪やり出してますし。
「どういう意味かしらライザー?」
「君の眷属はまだ全員揃っておらず俺の眷属に対抗出来そうなのも『雷の巫女』である君のクイーンだけじゃないか」
腰抜けはそう言うと指を鳴らしました。すると先程腰抜けが出てきた魔法陣が再度光り其処から10人以上はいる女性達が出て来ました。
「こいつらが俺の眷属達だ。まあ、一人は遅れてるそうだがな」
ふーん。しかし全員女性(しかも後一人居る)とは……一誠は何か泣き出してますし。
「り、リアス。何で其処の下僕君は泣いているのかな」
「その子の夢がハーレムなのよ。多分貴方の眷属を見て感動したんじゃないかしら」
そう言えば一誠の夢はハーレムでしたね。それを聞いた腰抜けはと言うと最初の尊大な雰囲気を取り戻していました。
「は!よく見ておきな転生悪魔君。君には一生出来ないことだろうからなあ」
腰抜けは自分の近くに居た、恐らく距離的に女王である女性に顔を近づけそのまま……
「……節操なしの種まき野郎」
接吻をしようとした所でレイさんの呟きを聞き動きを止めた。
「……何か言ったかなお嬢さん」
「別に。ただ、婚約者の前で別の女性とキスするなんて屑だなって思っただけ。これならへたれの一誠の方がマシ」
腰抜けがその言葉に反応するよりも早く根を持った小柄な少女がレイさんに接近し根を振り下ろそうとしました。
「おっと」
「っ!」
しかしその攻撃は横から割って入って来た木場祐斗の剣に防がれました。
「ライザーさん。この子を下がらして貰えないかな?」
「ほう、お前は確かリアスの騎士だったな。下がらせないと言ったらどうする?」
「……禁忌を犯してでも貴方とその眷属を再起不能にします」
木場祐斗はいつものニコニコとした表情でも戦闘時の顔でも無い、少なくとも私が始めてみる冷酷さに満ちた顔をしていました。
「っ!!」
「ライザーさん。貴方の行動に怒ってるのは何もイッセー君やレイさんだけでは無いですよ」
そう言われた腰抜けは少し驚いた顔で固まっていると一気に笑い出した。
「ふ、ふふ。成る程、これなら少しは面白くなりそうだな。だが、どうせだゲームは10日後にやろうじゃないか」
「10日後?情けのつもりかしら?」
「リアス、王ならば感情的に物事を考えるのは関心しないな」
「……なら遠慮なく。後悔させてあげるわ」
「ああ、期待しているよリアス」
そう言い眷族が先に、続いて腰抜けが転移しようとした瞬間。
「この愚兄がああああ!!!!!」
「ゴボッッ!!!??」
その魔法陣から現れた金髪をドリルみたく結び西洋風のドレスを着た少女に壁まで蹴り飛ばされました。……てっ、はい?
「おら愚兄!!百歩譲ってリアス様に挨拶に行くのは分かりますがそれでその態度は何事ですか!!」
「ち、違うんだレイヴェル!!これには訳が「問答無用ですわ!!」ゴフッ!!!」
ええーと、突然現れた少女は腰抜けに対して馬乗りになるとその顔に拳を叩き落しながら説教をし始めました。それを見た眷族の皆さんも驚愕の顔のまま固まってしまいました。
「ぐ、グレイフィアさん、あちらの女性は?」
「彼女はレイヴェル・フェニックス。ライザー様の妹君になられます」
「成る程。……それであの行動は?」
「それは……私にも分かりかねます」
私とグレイフィアさんが会話をしているといち早く再起動した一誠が声を掛けて行きました。
「あ、あのー」
「何ですの!!私は今忙しいので後にして下さいな!!」
「え、あ、はい!」
「てっ……ああ!!も、申し訳ありませんでした!!!」
一誠への対応でようやく状況を思い出したのか馬乗りフェニックスさんは腰抜けの上からどいて……あ、最後に蹴り入れましたね、服装を正すと改めて話し出しました。
「改めまして私、この愚兄の妹をしておりますレイヴェル・フェニックスですわ。以後、お見知りおきを」
そう言って頭を下げると私達の反応を待たずに腰抜けを起こすと魔法陣まで歩いて行き
「私もレーティングゲーム、楽しみにしてますわ」
そう言って今度こそ腰抜けと共に転移して行きました。
「……と言う訳です」
外は既に暗くっているにも関わらず部屋の電気がついてない部屋で桃花は今日のライザー・フェニックスの来坊について話していた。
「ふむ……つまらんな」
「全くだ」
それを聞いたバルバとガリマの女性グロンギは簡単に切り捨てた。
「だが、強い奴に恐怖を覚えることは大切だと思うがな」
「貴様が言うと説得力が違うなゴオマ」
一方、かつては弱かったゴオマはライザーに同情の念を覚え、ガドルはそんなゴオマに呆れた声で言った。
「で、我等はどう動く気なのだ桃花よ」
このメンバーの中でも異質なオーラを纏った金色のメッシュが入った赤い髪に野獣のような顔つきと眼光、黒地のコートのガミオが桃花に問うた。
「グレモリー眷属の魔改造を目的として動きます。それに際し何人かのグロンギの皆さんに着いて来て欲しいです。それからザジオさんに早急に私専用の武器を作成して貰わねば」
「グロンギに関してはお前の頼みなら大体聞くだろう。だが……武器はいるのか?」
ガミオは武器の必要性がわからないのか不思議そうに聞いた。
「ええ。まずタイタンソードやドラゴンロッドと言った武器はあくまで模造品で”私の”とは言いづらいですよ。次に神器に関しては武器ですが威力調整が大変で特訓には不向きなんですよ」
桃花の神器、伝説との戦いの記録はそれこそショッカー戦闘員からン・ダグバ・ゼバまでと言った風に最小から最大までと豊富ではあるが微調整をするとなると体力の消費が激しいのである。
「なので武器は必要なのですよ?」
「そういう理由であるのであればこれ以上我からは何も無い」
ガミオはそう言うと残りのメンバーに視線を向けた。残りのメンバーも特に無いのか視線に対して頷いた。そんな時、ふと携帯の音が鳴り出した。
「おや、電話ですか」
電話の音源は桃花のポケットで、桃花は携帯を取り出し相手を確認すると楽しそうに通話ボタンを押した。
「どうもお久しぶりですね。冥界旅行はどうでした?え、ベルトに不備が出たんですか?分かりました、帰ってきたらザジオさんに治させますね。というか貴方を相手にそんな事出来るとか相手は誰ですか?は?……いやいや、相手も二ヶ月は動けないだろうとか聞いてないですからね」
桃花が出すには珍しい楽しげな雰囲気に気圧されるグロンギの面々だったがゴオマが何とか桃花に声を掛けた。
「桃花……相手は誰だ?」
「え?うーん……特訓の最終関門にして絶大なトラウマ製造機ですよ♪」
桃花はウィンクをしながらそう答えた。
期待に答えてライザーを爆発させても良かったんですがシナリオ上止めました。そもそも自分はライザーのキャラ意外と好きですし。
さて最後の電話の相手が誰か分かったとしても黙っておいてくださいね。