「そういえばグムンさん」
「何ですか桃花様」
「あの人に私の居場所って教えてあります?」
「いえ、教えてませんが」
「それって誰かと遭遇しませんかね」
「……あっ」
「……(き、気まずい)」
俺が修行を終えて帰っている時に会った奴、確か零王って言ってたな。そいつを案内している最中なんだが……ずっと笑っているだけなのに嫌な感じがするんだよなあ。
「ねえ」
「は、はい!」
俺は突然の声掛けに驚いて敬語で返事をしてしまった。零王はクスクスと笑ってから話出した。
「ふふ、そんなに緊張しなくて良いよ。ちょっと聞きたいことがあってね」
「は、はあ」
唐突な零王の言葉に少し戸惑ってしまい曖昧な言葉を返してしまった。
「桃花……白百合桃花をどう思う?」
「はあ?」
今度は純粋に質問の意味が分からなかった。何で突然桃花の名前が出て来るんだよ。
「僕は彼女の従兄弟でね。どうしてるか気になったんだ」
「何だそういうことか。つっても桃花の奴をどう思ってるかなんてなぁ」
実際、あいつと俺の関係なんて昔からの知り合いってだけだよな。会話するようになったのも最近だし。うん
「ただの友達だよ」
「それは良かった」
「良かった?」
友達が居て良かったってことか?つっても桃花の奴は意外と人気だから友達もたくさんいると思うんだけどな。
俺の表情を見て零王は何かに気付いたのか手を横に振った。
「ああ、こっちの事情だよ。君の考えているような事は思ってないよ」
「そうか。まあ、俺もそんなに詳しくないしどうせだったら桃花に直接聞けよな」
「そうさせて貰うよ。ちょうどついたみたいだしね」
零王がそう言うので前を見てみると部長の別荘が見えていた。
「じゃあ、僕はここで。兵藤一誠君、強くなりなよ。折角力を持ったんだからね」
「おう!てっ、あれ?」
いつの間にか零王がいなくなっていて周囲を見てみてもそれらしい人影は見つからなかった。
「まさか幽霊!?……嫌、足はあったし違うよな。それにしても俺名前言ったか?
……まあいいか。部長たちも待ってるかもしれないし早く戻らないとな!」
「全く、ダグバさんには困ったものですよ。いきなり赤龍帝と接触するなんて」
「仕方ない。ダグバはそういう奴だ」
ゴオマさんの言う事は分かりますけどもう少し時と場所を考えて欲しいものですよ。私はリアス・グレモリーに宛がわれた部屋の中で文句を言いながらダグバさんが部屋に来るのを待っていました。
「そう言えばガドルさん。ガミオさんは何処に行きました?」
「知らん。そう言う雑務はグムンに聞け」
いや、居ないから聞いてるんですけど。はあ、皆さんその辺の融通がきかないんですよね。
「所で皆さん修行初日の感想はどうですか?」
「「「弱すぎる」」」
「ですよねー。……まっ、気持ちは分かりますけど」
そう言いながら私は昼間の姫島朱乃との修行を思い出す。強くなろうと思う意思は感じましたが一向に堕天使の力は使おうとしない。ガドルさんやゴオマさんの様に力を温存しているわけでも無く使う気が無い。なのに強くなりたいとか
「世の中なめ過ぎですよ」
私はそう言って今日の修行の合間に取った彼女の苦しんでいる写真を一枚も残さず燃やした。こんな奴の写真は私のアルバムには要りませんね。
「すまないな、遅れた」
「桃花、ちゃんと場所はさっきに言っておいてね」
丁度その時、部屋のドアを開けて二人の王が入って来た。一方は威風堂々ともう片方はあくまでも自然体にも関わらず見るものを萎縮させる雰囲気を纏っていました。
「構いませんよガミオさん。後、ダグバさん。そう言うなら携帯の一つは持ってください」
「気が向いたらね」
あー、持つ気ありませんねダグバさん。まあ、これで揃いましたね。
「では、リアス・グレモリー達が食事を取っている間に話しましょうか。私達の今後についてを」
そう言って私は自分の心を『一誠達に修行をつけてやる優しい友人』の桃花から『グロンギに寄り添う転生者』の桃花にシフトさせた。
「取り合えず僕は最終日に赤龍帝を死なない限界まで
「ええ、ダグバさん。赤龍帝は貴重なサンプルですから殺さないで下さいね。それにガドルさんの獲物ですし」
私がそう言うとガドルさんは鼻を鳴らし私達の間に入り言った。
「勘違いするな桃花。赤龍帝が弱ければ獲物にはなりえん。現状のあれは獲物の価値すらない」
「まあ、そうですね。将来性ならともかく今の一誠は弱いですからね。さてと、他の皆さんはつらいと思いますが修行の続きをお願いしますね?ちゃんと報酬は用意してあるので」
私がそう言うとガメゴさん、ゴオマさんの二人は楽しみだと言って部屋から出て行きました。
「それよりも桃花。件の焼き鳥はどうする気だ?」
ガミオさんが備え付けられている椅子に座り何処から持ってきたか分からないワインのグラスを揺らしながら聞いて来ました。
「そうですね。一誠の頑張り次第ですね。どうせ殺せない奴とか私達的に興味ないですし?」
「違いない」
そう言ってガミオさんはワインを口に入れました。
私の名前はレイナーレ。元堕天使のグロンギよ。何で堕天使がグロンギになってるかって?知らないわよ。あの白百合桃花、じゃなくて桃花様にでも聞いて欲しいわ。……何でか私が呼び捨てすると他のグロンギが殺そうとしてくるのよね。特にビランとか言うのなんか私のお気に入りの服を切り裂いてくれたしね。ま、その後で桃花様が罰を与えてたけどね。でも、口を塞いでの魚の血抜きって罰なの?
「んっ、はあぁ。悪魔の温泉って意外と気持ちいいのね」
そうそう今私はグレモリーの保有する温泉に入っているのよ。堕天使でこんな事したのなんて私が始めてなんじゃないかしら?私がそう考えていると浴場のドアが開いた。グレモリーの人間かと少し警戒していると聞こえてきたのは私にとって聞きたくない声1位の馬鹿の声だった。
「へー、こんなに広い風呂なんて初めて見るなー」
「イッセーくん、まずは体を洗ってからだよ」
「そんぐらい分かってるての!てっ、誰か先に入っていたのか?」
「え?……ッ!!」
兵藤一誠に言われて気付いたのか隣のイケメンは即座に剣を構えた。こんな所に剣を持ってきてる訳ないし創作系の神器かしら?それと兵藤一誠は漸く気付いたのか驚いた顔をしていた。その間抜けな顔を見てると私の溜飲も下がるわ。
「何でここにいるんだ、レイナーレ!!」
「喚くな糞餓鬼。桃花様がいるんだから私が居ても可笑しくないだろう」
「「と、桃花様??」」
私の発言がそんなに可笑しかったのか二人とも笑える顔で固まっていた。イケメンでも何でもいいわけじゃないわね。
「そ、今はあの人のメイドよ。全く納得はしてないけどね。後、人の裸を何時までも見るな」
私はそう言って光の槍を生成、そのまま上空で爆発させ閃光をばら撒いた。二人の眼が見えていない間に動き背後に立った辺りで桃花様に言われた事を思い出した。
「そうそう。兵藤一誠、ごめんなさいね。流石にあの騙し方は酷いらしいから謝っておくわ」
「はっ?」
私は兵藤一誠の返事を聞かずにその場から移動し脱衣所で軽く服を着て、宛がわれた桃花の部屋に行った。……け、決して逃げた訳じゃないわよ!!
因みにレイナーレが謝ろうと思ったのは一部のグロンギにまでえぐいと言われたからです。
それとこの作品ではガミオさんとダグバさんの設定が少し独自です。これの投稿と一緒にタグを増やしておきます。