「よし、行こうか小猫ちゃん」
「はい」
小猫ちゃんと共に体育館に向かう。いつライザーの『女王』が襲ってきてもいいように既に赤龍帝の籠手は具現化している。
「……初めてのレーティングゲームなのに落ち着いてますね、イッセー先輩」
「え、そんなことないさ。俺だって勿論緊張してるよ。何たって初めてなんだから。まあ、でも」
「……?」
「そう見えるんだったら修行の成果だと思うよ」
「……そうですか」
あれ?なんか小猫ちゃんが落ち込んじゃったんだが……いや、こういう時にこそ励ませないとハーレム王にはほど遠いよな。
「大丈夫だって!こんな俺でも強くなれたんだ、小猫ちゃんならもっと強くなってるよ」
「……ありがとうございます。変態なのに優しいんですね」
小猫ちゃんの言葉が俺の胸に突き刺さる。
「こ、小猫ちゃん。実際そうだけど変態はやめてほしいな?」
「考えておきます。それに……決心はつきました」
小猫ちゃんが下げていた顔をあげるとそこには覚悟を決めた表情の小猫ちゃんがいた。
「さあ、イッセー先輩早く行きましょう」
「そうだな」
木場とレイも別の場所で頑張ってるんだ俺も負けてられない!
「ここまでは特に攻撃もなく来れたな」
体育館に着いた俺達は裏口から中に進んでいる。一緒にいる小猫ちゃんが周囲には罠がないのを眼で教えてくれた。まだ俺にはそういった能力はないから凄く助かってる。
「イッセー先輩、中に何人か気配がします。……恐らく数は三人か四人ほどです」
「多くても四人か……てっ、あれ?」
小猫ちゃんがそう言った時一瞬だけ白い尻尾みたいのが見えた。もう一度よく見たときにはいつもの小猫ちゃんしかいなかった。
「どうかしましたか?」
「いや……何でもないよ。気のせいだったのか?」
俺がそうやって唸ってると小猫ちゃんが「早く行きましょう」と体育館に入って行った。俺も置いてかれないようにその後を追い掛けた。
「裏口からとはいえ気をつけてください。相手は幾つものレーティングゲームを経験しています。なのでこのような戦法はあらかじめ読まれてると思います」
「まあ、裏から攻めるなんて素人でも考え付くもんな。それでも罠が無いのは……」
「……私たちごときには警戒も要らないと考えてるのでしょう」
小猫ちゃんはどこか呆れたようにそう言った。実際、俺達が何の修行もしてないならそれでも勝てたんだろうけど、そう簡単に行くと思うなよライザー。
『そのとおりだ、相棒。奴にドラゴンを舐めるとどうなるか教えてやれ』
「(おう、任せろよドライグ)」
右手のドライグにそう言ったのと同じタイミングで演壇の裏側についた。
「イッセー先輩、コートに敵が4人です。資料の情報では『兵士』が3人に『戦車』が1人のようです」
小猫ちゃんはコートにいる敵を看破するとすぐに俺に教えてくれた。
「『兵士』が三人か……小猫ちゃんは何人いける?」
「私なら全員相手にしても何とか。ただこの後の事を考えると消耗は最小限にしたいです。なのでイッセー先輩は『兵士』を相手してください」
「わかった。小猫ちゃんも気をつけて!」
『Boost!!』
赤龍帝の籠手から一回目の倍加の合図と共に俺達は演壇の裏側からコートに降りそれぞれの相手に迫った。
『ッ!!』
突然現れた俺達に相手の眷属は一瞬だけ止まったが場数の差だろうかすぐさま体勢を立て直して自分達の武器を構えてきた。小猫ちゃんの相手する『戦車』の女の子は拳を構えていた。俺の前には小柄な女の子と双子の女の子がおり小柄な子は根を、双子の方は小型のチェーンソーのスイッチをいれてそのうるさい騒音を響かせていた。
「「解体しまーす♪」」
「よっと。危ないぞ二人とも女の子がこんな物振り回しちゃ」
「「え?」」
俺は二人が振るったチェーンソーを避けて二人の手を軽く叩きチェーンソーを奪い取ってスイッチを切ってから遠くに放り投げた。正直、ゴオマさんとかの攻撃の方が怖かったからなあ。あの人的確に急所狙ってくるし、手加減してるのか死ぬほど痛いだけだし。それに比べてこの二人は攻撃の制度は大したことが無かったし恐怖感も感じなかった。
『Boost!!』
おっと、これで二回目か。念のためもう一回分くらいは倍加しとくか。
「しっ!」
背後から小柄な子が根を振るってきたがそれも軽くしゃがんでかわした。ふと、小猫ちゃんの方が気になりそちらを見てみた。
「な、何で効かないのよ!?」
「…………」
小猫ちゃんはチャイナドレスの女の子の攻撃を全て拳で弾きながらため息をついていた。多分小猫ちゃんも思ってるんだよな。
「(こんなに弱いもんなのか?)」
『Boost!!』
俺達がそんなふうに疑問を持っている間に赤龍帝の籠手が三回目の倍加の合図を出した。よし、そんじゃあ
「行くか!!」
『Explosion!!』
赤龍帝の籠手からのその合図と共に俺の力が三倍した状態で固定された。これで一定時間だけこの状態で戦闘をしても倍加は解けなくなった。その状態でまだ放心していた双子の女の子を突き飛ばした。
「よくも!!」
小柄な女の子の根での突きを避けそのまま手刀で根をへし折り、その勢いのままその子を突き飛ばした。
「きゃあ!」
「よし!!これで準備は完了だ!くらえ、必殺『
俺が指を鳴らすと女の子達に触れた部分に魔法陣が展開され三人の服を下着ごと弾け飛ばせた。おおっ!三人ともいいおっぱいだ!発育はまだまだだけどこれはこれで……いかん、合宿の時に見たレイナーレのを思い出しちまった。
「「「イヤァァァァ!?」」」
俺がレイナーレの裸を思い出して微妙な表情になっている間に三人とも状況を把握したのかできるだけ大事な部分を隠せるようにその場にうずくまった。
「どうだ!これが俺のなけなしの魔力で生み出した最強の技『
この台詞は桃花が考えてくれた奴だ。俺は凄く感銘を受けたんだがアーシアやレイの奴は苦笑いだったんだよな。桃花も笑ってたしなんでだ?俺がそんな事を考えていると遠くで戦っている小猫ちゃんがいつのまにか戻ってきていた。
「小猫ちゃん、どうかしたッ!?」
「見損ないました。しばらく黙ってください、というか死んでください」
俺に腹パンをうった小猫ちゃんはそれはもうゴミを見るような眼だった。い、今の名乗りは駄目だったのか。いきなり味方を殴った小猫ちゃんに動揺したのか相手の女の子達は呆然とした表情をしていた。
『イッセー、小猫。準備ができたから体育館から退避してちょうだい』
「了解です。……ゴミ屑先輩、行きますよ」
「小猫ちゃん、ゴミ屑は流石に勘弁して」
そうやって言いながらも俺達は急いで体育館の出口に走った。一番ショックが少なかったチャイナドレスの子が俺達を追ってきたけどこの距離なら俺たちの方が早い!!俺達が体育館から出ると同時に体育館に巨大な雷が落ち、体育館を消滅させた。
『ライザー。フェニックス様の『兵士』三名、『戦車』一名、戦闘不能』
審判約のグレイフィアさんの声がフィールドに響いた。よし、まずは三人!
「二人とも、お疲れ様ですわ」
「朱乃さんもお疲れ様です!」
悪魔の羽を出した朱乃さんが普段どおりの笑顔でそこには飛んでいた。部長の体育館囮作戦はこれで成功だな。
『ライザー・フェニックス様の『騎士』二名、『戦車』一名、『僧侶』一名、『騎士』二名、戦闘不能!』
「おお、木場とレイの方も終わったみたいですね」
「そのようですわね」
あっちは確かGGG作戦だっけか?……いや、今更だけどどんな作戦なんだ?木場の奴はイケメンにしては珍しく苦笑いしてたけど。
「これで後は『僧侶』と『女王』にライザー本人だけか。この勢いなら!!」
俺がそう言った直後、横で爆発が起こった。
「
俺が空を見上げるとそこにはライザーの『女王』のユーベルーナが飛んでいた。
「ふふ。獲物を狩る時は何かを達成した瞬間が一番いいもの。私達は貴方達と違って少し犠牲が出ても痛くはありませんわ。……まあ、あちらのメンバーが全員やられたのは想定外でしたがそれでも私がいれば貴方達ごときを狩るのはたやすい。どうですか勝てそうだと思った瞬間に味方をやられた気分は?最高に絶望的でしょう。今から負けた時の言い訳でも考えてはどうですか」
ユーベルーナは空中に浮かびながら嘲笑を浮かべていた。はぁ
「なあ、あんた」
「貴方は確か赤龍帝でしたか。何か?」
「長く話してるけどもう40秒ほどたったぞ」
「はい?一体、何の話を……」
『Transfer!!』
「いや、まああんたの負けだよ」
小猫ちゃんを倒したと油断したのがあんたの敗因だよ。
「していッ!!?」
上空に跳んでいた小猫ちゃんは譲渡された倍加であがったパワーをそのまま上空からユーベルーナに叩きつけた。そのままユーベルーナは何回も地面をバウンドした後光に包まれて消えた。
『……ライザー・フェニックス様の『女王』戦闘不能』
地面に着地した小猫ちゃんは満足そうな顔をしていた。また、尻尾みたいなのが見えた気がするけど気のせいなのか?
悲報、ユーベルーナフェニックスの涙を使わずに退場。まあ、是非もなしとしか言えない。
GGGはガンガン・ごりおす・ガドル式戦闘術です。次回でライザー戦は決着の予定です。