ゲゲル愛好家達と行くハイスクールな世界   作:紋章

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 あけおめ、ことよろです!
 早めに更新できたので良かったです。今年の抱負は早めの投稿です


折れなかった赤い龍と折れた不死鳥ですよ

「小猫ちゃんお疲れ様ですわ」

 

「……油断していてくれたので簡単でした。爆発も直撃はしていないので」

 

 そう言って小猫ちゃんは服についた煤を払い落とし、朱乃さんは空から降りてきて俺達の横に立った

 

「これで残るは『王』だけですわね」

 

「はい。部長の指示はどうなってますか?」

 

「一旦引くように言われてますわ。相手はフェニックス、眷属のようには行きませんからね」

 

「ここまで来たら無傷で勝ちたいですもんね」

 

 俺達が移動しようとした瞬間、新校舎の方から突風が吹いてきた。

 

「まさか俺の眷属が誰一人勝てないとはな。……リアスを舐めていたのか、あの生意気な人間を舐めていたか」

 

「ッ!?ライザー!!」

 

 突風と共に現れたライザーは背中の羽を消すと地面に立ち俺達のほうに歩いてきた。こいつ、部室で会ったときと顔つきが全然違いやがる。

 

「赤龍帝のガキか。それに雷の巫女に小娘、よくこの面子で勝てたもんだな。素直に賞賛してやろうか?」

 

「随分と余裕そうだなライザー、お前の眷属は全員倒したぞ」

 

 俺がそう言うとライザーは肩を竦めて手を掲げた。

 

「ああ。お前達を倒すだけなら俺一人で十分だ、それはそうと死んどけやグレモリー眷属」

 

「ッ!イッセー先輩!!」

 

「小猫ちゃん!?」

 

 ライザーが手を振るうと同時に小猫ちゃんが俺を横に突き飛ばした。受身を取って小猫ちゃん達の方を見ると二人はどこにも立っていなかった。

 

『リアス・グレモリー様の『戦車』一名、『女王』戦闘不能』

 

「ちっ、赤龍帝のガキは逃したか。仲間に感謝するんだな赤龍帝」

 

「二人に何しやがった!!」

 

「ただの攻撃だ。まあ、俺がかつて受けたものを再現したもんだが完成度はまだまだだな。あれは死ぬまで相手を燃やす業火だった。が、それでもお前達を殺すには十分だがな」

 

「ッ。小猫ちゃん……(ドライグ! 禁手化(バランス・ブレイク)はすぐできるのか!?)」

 

『可能ではないな。一分だ、それだけあれば準備は完了する』

 

「(一分もかよ!!)くそっ!!」

 

 俺はライザーのいる方向と反対方向に走り出した。

 

「おいおい。折角『王』自ら来てやったんだ。勝手に帰るなよ」

 

 ライザーが手を振るうと俺を囲むように周囲に炎の壁が出来上がった。

 

「こんな事もできるのかよ!!」

 

「当たり前だ。お前みたいな転生悪魔と違って俺は最上級悪魔だぞ?この程度できなくてどうする」

 

 ライザーは苦笑しながらそう言った。その態度に少しだけ頭にきた。

 

「転生悪魔がそんなに悪いかよ!!」

 

「……別に?どうやら勘違いしてるようだが言っとくぞ」

 

「がっ!!」

 

 ライザーが俺の腹に拳を叩き込んできた。くそ、今のままじゃ全然見切れねえ。

 

「俺が嫌いなのは弱い奴だ。……自分に力があるくせに現状に甘んじて堕落する奴も、苦手な分野に手を出さずに得意な事だけをやろうとする奴もなあ!!」

 

「ぐあっ!!」

 

 ッ。こいつ抵抗できないからって好き放題殴りやがって……

 

「そういうてめぇはそうじゃねえのかよ!!」

 

 俺の放った拳はライザーにやすやす止められ逆に殴り飛ばされた。

 

「……黙れ。お前に俺の何がわかる。何の覚悟もない、背負うべき義務もない、守るべき物もない。赤龍帝としての責務も果たせないお前が俺に説教なんざたれるな!!」

 

 ライザーは全身に纏っている炎を足に集中させるとそれを俺の腹に何度も何度も抉りこんできた。ライザーの事なんて俺は知らない。けど、こいつの気持ちは知っている。俺が禁手(バランス・ブレイカー)に至ったときに感じたものと同じだ。こいつも何か守りたいものがあるんだろうな。だからこそ

 

「何!?」

 

「こんなとこで寝てなんかいられないんだよ!!」

 

『Welsh Dragon Balance Breaker!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おや、ここで禁手(バランス・ブレイカー)になりますか。とはいえ、これ以上時間を延ばしても良いこともありませんですね」

 

 私、白百合桃花はサーゼクスに用意された個室でイッセーとライザー・フェニックスの戦いを見物していました。

 

「しかしですよ。腰抜けだと思っていましたがやるときはやるようで歓心しましたよ。けっして謝罪をする気はありませんが敬意は払うべきでしょうか?」

 

「…………!」

 

「ああ、見つけられましたか。ふーむ、この戦いの決着も気になりますが本来の目的を果たしに行くとしますか」

 

 私は壁にかけておいた薙刀を持ち数人の方々と共に部屋を退出しました。イッセー、勝って私達のいる所まで来てくださいよ?これでも私もダグバさんも期待しているのですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何だ、それは!?」

 

「赤龍帝の籠手の禁手(バランス・ブレイカー)、赤龍帝の鎧だ!!」

 

 俺は全身に赤いドラゴンを模した鎧を纏ってライザーの前に立っている。そのまま背中のブースターから魔力を放出しライザーに突撃した。

 

「ぐがっ!?くそっ、離れろ!!」

 

 ブースターで勢いのついた拳がライザーの顔に突き刺さりライザーは苦悶の声をあげた。続けて放とうとした反対の拳はライザーの放った炎によってその勢いを殺されてしまった。

 

「逃がすかッ!!」

 

「ガキがッ!いい加減しつこいんだよ!!」

 

 ライザーが距離をとるためにさっきまでよりも大き目の炎を放ったがその炎を浴びながら俺はライザーに接近した。

 

「俺がガキならてめぇもガキだろうが!!」

 

 俺が殴る、

 

「黙れ!!」

 

 ライザーが殴る。俺も負けじと殴る。いつしかライザーは後ろに逃げようとせずに真っ向から俺と殴り合っていた。こいつなら俺から距離をとるのなんて簡単な事のはずだ。それでもこいつは逃げずに俺と殴り合っていた。会ったときからいけすかないホストみたいな姿が今ではそこらの不良と変わらないぐらいボロボロだった。それなのに俺には最初のときよりもこいつが生き生きしているように見えた。

 

「俺は二度と負けん!!他でもない貴様みたいな自分に甘い悪魔には!!」

 

「俺が甘いなんてのは他でもない俺が一番わかっているんだよッ!!それでもどうにかあがいてんだ!それをお前に邪魔されてたまるか!!お前みたいに自分に嘘をついている奴に!!」

 

 いつしか周囲を覆っていた炎は消え去りライザーの纏っていた炎も少ししか残ってはいなかった。俺の方も被害は散々だ。折角の鎧も何度も壊されたせいで回復が間に合わずに左の籠手と背中のブースターは消え去り胴体の付近の鎧もひびが入っていた。

 

「はぁ、はぁ、はぁ。赤龍帝、貴様の名前はなんだ?」

 

 息も絶え絶えなライザーがそんな質問をしてきた。

 

「はぁ、はぁ、はぁ、俺の名前は兵藤一誠、今代の赤龍帝でリアス・グレモリーの唯一の『兵士』だ!!」

 

 俺の答えにライザーは今までに見たことがないくらい楽しそうに笑った。

 

「ハハ、そうか。俺はライザー・フェニックス、炎と風を司る悪魔フェニックスの一人!お前を倒す『王』の名だ!!」

 

 そう言ってライザーは再び全身に炎を纏って手を掲げた。

 

「ッ!!(ドライグ!あの技は何度も連発はできないんじゃないのかよ!!)」

 

『奴のあの発言は本当だろう。ならばあれにはさっきほどの威力はないだろうな。それでもかなりの威力は秘めているだろうがな』

 

「(なら……てっのはどうだ?)」

 

『……フハハ!!おもしろいぞ兵藤一誠!貴様にその覚悟があるならば俺はそれに答えるまでよ』

 

 俺はドライグとの会話を終えると目の前の敵を改めて見た。ライザー・フェニックス、俺にとっての目標をある意味成功させている実力者。本来の俺なら絶対勝てない相手だ。それでも一つだけ勝ってる部分があるなら……

 

「さあ、兵藤一誠!!俺に勝ちたいのならばこの一撃を耐えて見せろよ!!」

 

 ライザーの放った一撃は俺の体を直撃し赤龍帝の鎧ごと俺の体を燃やした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(ああ……こいつも駄目だったのか)」

 

 俺は目の前で業火に焼かれ鎧を消滅させ、赤龍帝の籠手だけを装備して倒れている兵頭一誠の姿を一瞥した。俺の残る魔力を全てつぎ込んだ炎は奴の鎧を完全に燃やし尽くしたのだろう。代償としてしばらくは動けんが問題なかろう。こいつよりも強い奴はリアスの眷属にはいなかった。それはリアスを含めてもだ。

 

「(こいつならあるいはと期待したが……)」

 

 俺がまだ小さいときにフェニックスの家に怪物が侵入した。その白い怪物は俺達と同じ言葉を喋り俺達よりも高度な炎を操った。まだ幼く治癒力の低かったレイヴェルはその炎によって背中に今でも消えない火傷をつけたままだ。そして俺も奴に何度も何度も何度も殺された。もしも俺が慢心せずにレイヴェルを守っていれば?そう考えた日から上級悪魔では忌避されている修行にも取り組んだ。だが、気付けば俺は一人になっていた。

 当然だ、上級悪魔にとって修行とは下のものがするものだ。それをすれば嫌われるのも当然だろう。だが、連中はそんな俺に勝つ事はなかった。それからだ、レイヴェルを守ると考えながら行動が逆のことをしだしたのは。

 

「俺は……ただ対等な関係で同等の相手と戦いたかったんだがな」

 

「なら、俺がその最初の相手だぞ。ライザー!!」

 

「何だとッ!!?」

 

 兵藤一誠が何故まだ立っている!?体の怪我は俺の攻撃をくらった事を如実に表している。だというのに何故お前は立っている!!

 

「そんなに不思議な事かよ?確かに体中が悲鳴をあげているよ。今すぐにでも倒れそうだっての」

 

「ならば何故立っていられる!!」

 

 そうだ。俺がお前と同じ立場なら俺は……

 

「そんなもん決まってるだろ、俺の方が我慢強いんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な……に?」

 

 ライザーは子供のような理解ができないといった表情になっていた。

 

「俺がお前に勝ってる部分は我慢だけだ。自分で言うのもなんだがお前は凄いよライザー・フェニックス。俺にはお前の生き方はできない。……だからお前にも俺と同じ生き方はできない」

 

 俺は右手の赤龍帝の籠手の感触を確かめるように拳を握った。攻撃をくらう直前に鎧のパワーは全部籠手に移せたみたいだな。

 

「ああ……そうか。そんな簡単な事か、まさかそんな簡単なことにも気付けないほど磨耗していたとはな」

 

 ライザーは自嘲気味にそう言うと俺の方を向いた。

 

「兵藤一誠、次は俺達が勝つ。それまでお前は負けるな」

 

「どうかな。俺の師匠みたいな人たちは厳しいからな」

 

 俺の答えにライザーは呆れたように笑った。

 次の瞬間、俺達は同時に走り出し互いの顔に拳を放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ライザー・フェニックス様、投了。ゲーム終了です。リアス・グレモリー様の勝利です』

 

 こうして俺達はライザー。フェニックスに勝利した。




 ライザーは桃花の実力を見抜いていたり何やかんや強キャラです。環境のせいで腐ってしまいましたね。もしも、ライザーに対等な友がいたらこのグレモリー眷属でも勝てるかは不明です。また、ライザーはドラゴン恐怖症にはさせません。克服の話はおもしろいですがこの作品ではさせません。別のものに恐怖してますが。



 白い怪物については次話で判明します。急いで書くので予想をしてお待ちください
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