お互い想い合っているが、宙ぶらりんなまま。
しかしほんの些細なことで、大変なことになってしまいーーー!?
僕の名前は坂本龍馬。
この東京で、しがないサラリーマンをしている。
お竜さんと暮らして、初めての年末を迎えようとしていた。
休みは短く、旅行に行く程のんびりとはしていられそうに無い。
という訳でようやく仕事納めをした僕は、お竜さんと一緒に家の片付けをしていた。
「とは言っても、自分の部屋の掃除以外はあまりやることがないね。家のことは、いつもお竜さんがやってくれてるし...」
「ふふん。買い出しもゴミ出しも、こまめにしてるからな」
「はいはい、えらいえらい」
「ほら、サボるなよ。リョーマ」
「はいはい、わかってますよ」
そう言って、得意そうにしてる様を微笑ましく見つめながら掃除をした。
そうしてすっかり日も暮れてしまった。
ようやく掃除が終わったので、僕らはこたつに入ってぼんやりテレビを見ていた。
お竜さんはこたつが大のお気に入りで、初めて出した日にはここで寝ると駄々をこねたくらいだ。
「はー、極楽極楽だ」
「そうだお竜さん。日付が変わったら、神社に行こうか」
「!?この寒いのに、外に一体何しに行くんだ」
こたつに入りながら、キッとこちらを睨みつけるお竜さんを見る。
「何って...お参りして、お賽銭を投げるんだよ。屋台もあるから、きっと楽しいよ」
「屋台には、カエルはあるか?」
「うーん、どうだろうね?あるかないかは、行かないと分からないしなぁ」
「むー...寒いのは嫌だが、カエルは食いたい......」
そうして、出かけることをしぶしぶ了承したお竜さんと神社まで出かけることにした。
「こんな夜更けに人間がウジャウジャいっぱい...」
「みんな、考えることは同じだねぇ...」
「もしかして、みんなカエル焼き屋を目当てに来たんだな!?」
わくわくするお竜さんをよそに、人混みの中で外れないようにそっと手を繋ぐ。
「お竜さん、はぐれないようにね」
「まさかこんなに寒いとはな。ホッカイロ、たくさん貼ってきて良かったぞ」
出かける前のこと。
寒いのは絶対に嫌だと言うので、家にあるものをありったけ貼り付けたのだった。
「お竜さん、本当に寒がりだよね。僕も、寒いのよりは暖かい方が好きだよ」
「お竜さんはドラゴンだからな。寒いとうっかり冬眠してしまう。今も、なんかちょっと眠い」
「えっ?本当に冬眠するのかい?」
驚きながら聞き返す。
「まあ、これくらいの寒さなら平気だ」
「ふぅん。そうかい」
「だが、あんまり寒いと身体が動かなくなって死んでしまうかもしれない。だから、寒いのは嫌いなんだ」
「そう...知らなかったよ。無理言って、連れ出してたりしてごめんよ」
「いや、大丈夫だ。ハツモーデって面白かったし、リョーマの手もあったかいからな」
繋いだ手を、ぎゅうと握り返す。
「そう、かな...」
「ああ。あったかいのは、お竜さん好きだぞ」
「なら、良かったよ」
そうして、笑いながら暗い帰り道を歩く。
そう言えば、さっきお竜さんが熱心に手を合わせる姿を思い出す。
一体何をお願いしたのか、訊いてみることにした。
「...そう言えば、お竜さんは何をお願いしたんだい?」
「それは...ナイショだ」
「へえ、僕には教えてはくれないの?」
「良い女には、一つくらい秘密がないとな」
「はいはい。僕は、お給料が上がるようにお願いしたよ。あと、お休みももう少し欲しいな...なんてね。はは」
苦笑いしながら、そう答えた。
「...なあ、リョーマ」
「なんだい?」
「来年も、またこうして一緒にハツモーデに来られたら良いな」
「ああ、そうだね」
「来年こそ、カエル焼き屋台を見つけるからな。絶対」
「う、うん...カエル焼き...あるのかな?」
世界は広いから、もしかしたらあるかも知れない。
来年のことを言うと鬼が笑うと言うがーーー
僕もまた、一緒に来たいと...そう思った。
※
そうして、楽しかったお正月休みも束の間。
あっという間に、また仕事の日になってしまった。
会社の休み時間。
各々が休みに何をしていたかだとか、出かけた先のお土産を渡していた。
「へえ。じゃあ、沖田くんは旅行に行ってたんだ。羨ましいね」
「ーーーで、坂本さんはクリスマスもお正月も。本当に何も無かったんですか?」
「だから、僕らそういうんじゃないんだよ」
「坂本さん、それで今年も突き通すつもりなんですか?」
「いやいや、お竜さんは僕を食べに来たわけだから」
沖田くんといつものやり取りをしていると、そこに斎藤くんも来た。
「食べに来たって。それ、違う意味じゃあないの?」
「へ?」
「いや、だからさ。意味なんじゃない?」
「なんだい、違う意味って?」
「お前もさぁ。女の子と一緒に暮らしてて、やらしい気分にとかならないわけ?」
「えっ...」
そう言われ、クリスマスに見た夢を思い出す。
あの時はなんともなかったが、今思い出すと恥ずかしい。
「それは...」
「斎藤さん、セクハラですよ。それ」
「はいはい、じゃあな」
そう言って、昼食に出かける二人を見送った。
ーーー
昼食に出かけると、会社の前で立ちすくんでいる女の人が居た。
「リョーマの会社、確かにここだと思ったんだが...」
そう言って、困り果てていたようだ。
綺麗な女の人だ。どこかで見たことがあるような、ないような...。
「あの、どうかしたんですか?」
見かねて声をかけると、女性はカバンから書類ケースを取り出した。
「ええと、忘れものを届けに来たんだが」
それを見ていた斎藤さんは、すかさず声をかけようとしていた。
「お嬢さん。うちの会社に何か?」
「ああ、ここに坂本リョーマって居るか?」
「居るけど...ん?あれ、君さぁ、もしかしてお竜さんだろ?」
「なんで知ってるんだ?」
「まあ、色々と...」
これが、お竜さんか。
坂本さんから見せて貰った写真を思い出す。
「へー...君が坂本のねぇ...」
「なんだお前ら、リョーマの知り合いか?」
「まあ、そうだけど。なあ?」
「ええ、まあ」
「なら、これリョーマに渡して欲しいんだ」
「なんだ、書類?」
「ああ、頼めるか?」
「良いけどさぁ、じゃあ代わりに連絡先、教えてよ」
「さ、斎藤さん!?」
「レンラクサキって何だ?」
「スマホとか、持ってないの?」
「電話なら、リョーマが持ってるぞ」
「いや、そうじゃなくてね」
私たちが騒いでいるのが聞こえたのだろうか。
会社ね階段を降りて、坂本さんがやってきた。
「お...お竜さん?どうしたんだい?こんなとこまで」
「リョーマ!これ、忘れ物だ」
「あ、あ!ありがとう....いやぁ、すっかり忘れてたよ」
そうして、書類を受け取り安堵していた。
「どうだリョーマ、助かったか?」
「ああ、大助かりだよ。ありがとうね」
「じゃあ、お竜さん帰るからな。仕事、頑張れよ」
「ああ、気をつけてね」
そうして手を振る坂本さんと、後ろ髪を引かれるようにこちらを見ながら帰るお竜さん。
側から見たら、ただの新婚夫婦のやりとりにしか見えない。これで付き合ってないのは、無理があるのでは?そう思ってしまったのだ。
休み時間が終わる間際、斎藤さんは早速坂本さんにウザ絡みをしていた。
ーーー
お竜さんから書類を受け取ると、デスクで中身を確認した。
「ああ、助かったよ。午後に使う資料を忘れるなんて。僕も正月ボケかもなぁ」
そうしてヘラヘラと笑った。すると、斎藤くんに話しかけられた。
「お竜さんさぁ、実物の方が可愛いじゃん。弁当作ったり、忘れた書類を届けたり。お前が紹介渋る理由、ようやく分かったよ」
「え?」
驚いていると、畳み掛けるように言われた。
「彼女、お前にベタ惚れだよな?」
「いや、そんな」
「まあ、あんなに可愛いんだ。そりゃあしょうがない。それに健気だ。だから、お前だってまんざら悪い気はしない。そうだろ?」
「ちょっと待ってくれ」
「でもお前は、彼女が人間じゃないからって結婚する気にはなれない。かと言って、今更人に渡したくもない。今のまま、ずっと居られれば良い。そんなとこだろ?」
そう言われ、顔が引き攣ってしまった。
なんと言って良いか分からないまま口をつぐむ。
「なあ、言い返さないってのは図星?」
「いや。なんで...なんで、そんなにお竜さんにこだわるんだい?」
「俺、今彼女居ないし。寂しいんだよね。夜とかさー、人恋しいわけよ」
「いや、齊藤くんならモテるだろうに。他に、彼女に出来る女の子ならいくらでも居るだろう?」
「なに、やっぱり俺に取られるのが嫌なわけ?」
「取るも何も、お竜さんは僕の所有物じゃない。もうやめないか?こんな話」
「お前さぁ、最初っから紹介する気なんか一ミリも無いだろ?」
そう言われ、ムキになってしまった。
「いや、そんなことないさ。選ぶのはお竜さんだ。ただ、」
「なら?」
「君に渡す位なら、僕が」
そこまで、言いかけた時だった。
「はいはいはい、そこまで!二人とも、仕事しましょーね!?沖田さん、残業は嫌ですよ!?」
沖田くんに仲裁に入られ、ハッと我に帰ったのだ。
ーーー
その足で沖田ちゃんに休憩室に連れ込まれると、お小言を言われた。
「はあ...もう。ああいうの、本当やめてくださいね?ただでさえ、うちはブラック会社だーなんて言われてるのに。本気で雰囲気悪くしないで下さいよ」
「沖田ちゃん、何か文句あるわけ?」
「齊藤さん、何で坂本さんを煽ってんですか。らしくないですよ」
「だってさあ、面白いじゃん」
「はい?」
「あーあ、せっかくあの坂本がキレるとこ見れそうだったのに。沖田ちゃんのせいで見らんなかった」
「確かに...坂本さんが鈍いにも程がありますけど、ああいうやり方は良くないですよ。せっかく幸せそうなのに...二人がうまくいかなくなったら、齊藤さんのせいですよ!?」
そうして、プンプンと怒る沖田ちゃんを宥める。
「沖田ちゃんさぁ、もしかして俺にヤキモチ焼いてくれてんの?」
「何言ってんですか、違いますよ」
「真顔で言うなよ。傷ついたなぁ...」
「とにかく、もう余計なことしないで下さいね」
「ありゃあ、周りがハッパかけないとダメだと思うけどね」
「素直に応援してあげればいいのに...」
「応援ねぇ。これでダメならこれまででしょ」
そう言って捨て台詞を吐くと、持ち場に戻った。
ーーー
仕事が終わり帰る途中、沖田くんから電話があった。
「坂本さん、坂本さん」
「沖田くん、どうかしたかい?」
「さっきは、その...うちの齊藤さんが変なこと言ってすいませんね」
「いや、平気だよ。彼は昔からあんな感じだろ?全然気にしてないよ」
「本当に?」
「本当に」
しばらく、無言が続く。
「あの、坂本さん」
「...何?」
「坂本さん、気づいてないかもしれないから言いますけど」
「うん」
「お竜さんが来てから、坂本さん嬉しそうですよ」
「...そう、かな」
「坂本さん、あんまり自分の気持ちに嘘つくと、せっかくの幸せも逃げちゃいますよ?」
「幸せ?」
「あ、もう切りますね。電車来たので」
「あ、ああ...じゃあ、また」
そうして家に着くと、お竜さんが出迎えてくれた。
「リョーマ、おかえり」
「あ、ああ。ただいま」
「どうかしたのか?」
「...いや、なんでもないよ」
「リョーマ。今日はお前の好きなカレーだ。しかもな、シーフードカレーだからな」
「ああ、ありがとう。嬉しいよ」
食卓につき、食事をする。
齊藤くんや沖田くんに言われたことが頭にチラつき、思わずため息を漏らしてしまう。
「...リョーマ、どっか悪いのか?」
「いいや。そんなこと、ないよ」
「そうか?いつもなら、カレーおかわりするのに」
「...ちょっと、食欲無くて」
「美味しくなかったか?」
「いいや」
「何か、あったのか?」
「いいや、別に」
「お前が元気無いと、お竜さん心配だ」
「僕だって、そういう日はあるよ...」
頭の中がぐるぐるする。
恋愛感情じゃないならば、人に渡したって平気な筈だ。
だというのに、嫌なのか?
「はあ...」
「やっぱりどこか悪いなら、病院に」
「いや。だから、大丈夫だよ」
「本当か?でも、なんか具合悪そうだぞ」
そう言われ、口を開く。
「実は会社の同僚が、お竜さんを紹介して欲しいって...」
「ショーカイって?」
「会って、お互いを知るっていうのかな」
「なんで、そんなことするんだ」
「お竜さんのこと、気になるみたいなんだよ。今日、可愛いって言ってたし...」
僕たちは、一緒に暮らしてるだけだ。
別に何でもない筈だ。
でも、なんでだろう。
このまま、お竜さんを取られて良いのか?
いや、取られるも何も...そもそも僕のものじゃないし。
でも、どうしてだろう。
なんでこんなに、胸が苦しいんだろう。
分からない。
「...だから、どうかな?今度、会ってみる?」
「リョーマは、それでいいのか?」
「なんで、僕に聞くんだい?」
「お竜さんが他の男と仲良くなっても、リョーマは良いのか?」
「え?」
「リョーマは、何も思わないのか?」
そう言われ、思わず固まってしまう。
「別に。それは...お竜さんの自由だよ。なんでそんなこと、僕が気にするんだい?」
「じゃあリョーマは、お竜さんが居なくなっても気にしないのか?」
「ええと...その、」
そう言われ、少しだけたじろいでしまう。
お竜さんが、居なくなる。
確かに、もう一緒には暮らせないだろう。
そうしたら、もうこうしてご飯を食べられない。話もできない。
それは、少し寂しい。
きっと寂しいに決まってる。
「僕は...お竜さんが幸せならどっちでも」
そうだ。それで良い筈だ。
別に、だってーーー。
「僕たち、ただの同居人だろう?別に、何も困らないよ」
「...本当に?」
「ああ!別に...だから、僕のことなら気にしないで良いからさ。ここから出て行くなら止めはしないし、お竜さんの好きにしたら良いんじゃないかな」
いつものように、ヘラヘラと笑いながら言った。言ってしまった。
「出て行くって...お竜さん、ジャマなのか?」
「いや、そうじゃないよ。ただ、いつまでも僕に縛りつけても悪いし。だから、」
「なあ、リョーマ。お竜さんには、リョーマしか居ないんだ」
「...お竜さん?」
「でも、リョーマはお竜さんが居なくても大丈夫なんだな...」
そう言った時のお竜さんの顔を、僕は一生忘れないだろう。
すごく、悲しそうだった。
泣きそうだったのかも知れない。
あんなに悲しそうな顔を、見たことがなかった。
心がずきりとした。
違う。そんな顔をさせたかったわけじゃない。
お竜さんを、傷つけたかったわけじゃないんだ。
お竜さんの幸せは、お竜さんに決める権利がある。
いつまでも、僕に縛りつけてはおけない。
だからって、これで良いのか?
だって、本当は、僕はーーー。
「...ごめん、まだ仕事あるから。もう部屋に行くよ。ごちそうさま」
そう言って、足早にリビングから立ち去った。
ーーー最悪だ。
心にもないことを言って、ひどく傷つけてしまった。
さっき見た、泣きそうな顔を思い出す。
心が、痛い。ぎゅうと締め付けられる。
だけど、今はどう言ったら良いか分からない。
どう接したら良いか、もう分からない。
何も、分からない。分からないんだ。
僕は、お竜さんとどうなりたいんだ?
今までずっと、そうじゃないと思ってた。
だけど、もし誰かに取られたらーーー
それが、こんなにも嫌だなんて。
布団の中で丸くなると、目を瞑った。
寝て起きたら、何か変わるかもしれない。
さっきのお竜さんの悲しそうな顔が、目に焼き付いて離れなかった。
ーーーーー
ーーー夢を見ていた。
二人で、当てのない旅をしている夢だ。
お竜さんと僕は身も心もボロボロで、ひどく疲れ切ってる。
「お竜さんごめんよ。大変な目に遭わせて」
「...リョーマ、リョーマ」
「なんだい、お竜さん?」
「お竜さん、ちっとも辛くなんかないからな」
「...お竜さん?」
「お前と一緒に居られれば、お竜さんはどこだって幸せなんだ...」
そうして、傷んだ身体を撫でてくれる。
お竜さんだって、もうボロボロだ。
それなのに、いつだって優しい。
どうして、君がそんなに慈しんでくれるのか。
僕は、未だに分からないままでいる。
ただ漠然と、僕と出会ったせいだとは理解している。
(僕が、助けなければ。或いはーーー)
どうあっても、お竜さんは僕と居ると不幸になる。それは、絶対に変わらない運命なんだろう。
ならば、いっそーーー。
夢は、そこで覚めてしまった。
虫の知らせというやつだろうか。
嫌な予感がして、慌てて起き上がった。
ーーー
時計を見ると、随分寝ていたようだ。
「...ダメだ.お竜さんにちゃんと謝ろう。まだ起きてるかな?」
そう思いリビングに向かうと、家の中に気配が無いことに気付く。
「...お竜さん、お竜さん?居るかい?」
声をかけるが、何の返事がない。
「お竜さん?」
もう一度声をかけるが、反応はない。
「お竜さん?お竜さん?」
慌てて家中を探すが、姿が見えない。
トイレ、お風呂、どこにもいない。
意を決して、お竜さんの部屋に入る。
やはり、居ない。嫌な予感がする。
テーブルに置かれた、小さなメモを見つけた。
「今まで世話になった、ありがとう」
それだけ書かれた、小さなメモ用紙を手にした。
取るものもとりあえず、慌てて外に出た。
あたりは真っ暗で、空気は冷たい。
「お竜さん、まさか」
寒い。痛い。耳が、ちぎれそうだ。
人間にだってこんなに寒いんだ。
お竜さんには、もっと寒い筈だ。
(あんまり寒いと、死んでしまうかもしれないな)
そう言われたのを思い出し、背中がぞわりとする。
家の近所を、焦りながら探す。
よく行くスーパー。散歩に来た公園。
だが見つからず、途方に暮れる。
「お竜さん...どこなんだ?」
どこかで倒れてしまっていやしないか。
不安なまま、手当たり次第探した。
でも、見つからない。全然居ない。
寒さで手足は悴み、頭も朦朧としてくる。
(僕が、あんなことを言ったから...)
行く場所だって無い。
知り合いだって居ない。
どこに行ったというのか?
一緒に暮らしていたのに、まるで見当がつかない。
(お竜さん...早く、見つけないと)
どこか、暗がりで倒れていないか。
行き交う人にも尋ねる。見つからない。
途方にくれて、ガードレールに寄りかかる。
(どうしよう、どうしたら...)
もしも君を見つけたら、ずっと言えなかった言葉を言うよ。
だからお願いだよ、お竜さん。
どうか、無事で居て欲しいーーー。
そう思いながら、はあとため息を吐いた。
つづく!
場面が切り替わって、少し読みにくいかもしれません。
文章を書くのって難しいですね〜(⌒-⌒; )
残り二話を予定していますが、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます!
二人が幸せになれるように、最後までがんばります!( ^∀^)