それからどしたの。
「じゃじゃーーーん。まさかの時の華子のハレンチ裁判〜〜〜!」
何度となく見たことのある華子の代名詞衣装。
魔女裁判の服を着た華子が裁判長のハンマーを机に振り下ろす。
勢い余ってメキッという音が机から響くが誰も何も言わない。いや、言えない。
何せ今回はあそ研始まって以来の大事件、オリヴィアによる淑女同盟の裏切り問題による裁判だ。
華子はもちろん、顧問の樋口先生まで裁判官席にどっしりと座っている。
男性恐怖症が直っておらず逆に拗らせつつある香純だけが座り心地悪そうに裁判官席に座っている。
検事席には新聞部。当然弁護人席は空席だ。
傍聴席にも生徒会長を始めとした生徒会メンバー、クラスの面々などが座り、動向を注視しているがその視線はずいぶんと剣呑だ。
特に生徒会長の視線は人の1人や2人くらいは殺せそうな勢いだ。
淑女同盟を裏切るということはそれだけ重いことなのだ。
ーーちなみにしれっと彼氏持ちの女子たちまでがいるのはお目溢しとしてもらおう。
水に落ちた犬もとい、「同盟を裏切りし者オリヴィア」が馬脚を表すのは早く、至極当然の事でもあった。
オリヴィアが通っている塾は学区内の塾だ。
学区内には多くの塾があるとは言え、通っていたのは大手系列の塾。当然同じ学校の知り合いもまた通っているのだ。
いかにオリヴィアが細心の注意を払ったとしてもバレる時はバレる。
隣クラスの女子に見られてあっという間に噂は拡散した。
一度広まった噂は鎮火が難しい。
それもお騒がせ同好会(仮)のあそ研、そして帰国子女で学年でも上位に位置する美少女であるオリヴィアの恋愛話である。
一瞬にして燃え広がった噂は、新聞部の耳にも入り調査の手が入った。
そして噂が事実であり、オリヴィアの淑女同盟裏切り行為の数々が白日の元に晒され今日に至る。
新聞部が調べ上げた情報をさも自分が調べたかのように罪状を列挙する華子。
ーー視線で地球を滅ぼせそうな目付きをしている。
オリヴィアは既に過去の楽しかった思い出に浸りながら現実逃避をしていた。諦めたのだった。
「以上のことから被告人には丸坊主の刑がふさわしいと私は判断します。被告、何か申し開きは?」
華子は慈悲深い表情でオリヴィアに向きなおる。その視線は全く温度が無かった。
オリヴィアは一度深く深呼吸し、華子に向き直った。
「この裁判で不当に裁かれたって私には彼氏がい「死刑!!」」
後日、華子たちは校舎の器物損壊等々の問題行為で反省文を提出し、顧問の樋口先生は懲戒処分で厳重注意を受けた。
オリヴィアは1週間塾を休んだ。