反骨の赤メッシュがでろっでろに甘えてくるんだけど 作:コロリエル
忙しさ極まってた上に、捻出した時間を全てオリジナル作品書くために使ったため、暫く書けてませんでした。てへ。
言い訳も程々にしておいて、今年も何卒よろしくお願いいたします。
一つだけはっきりさせておきたいことがあるが、俺は蘭のことが本当に大好きだ。それに関しては胸を張って高らかに宣言することができる。
暇があればでろっでろに甘やかしたいし、甘えられたいし、(自主規制)したいしその(自主規制)で(自主規制)してほしいし、もっと二人で(自主規制)したい。
しかし、人間誰だって譲れないものがある。蘭がいつも通りを譲れないのと同じように、俺にだって譲れないものがある。
これに関しては、例え蘭相手であっても譲れない。ましてや、頂点に狂い咲く人達になど以ての外。
「……あなたのことは、個人的に気に入っていたの……それも、今日までのようね」
「えぇ……俺も、あなたなら理解してくれると思っていたんですけどね……」
「そうね。私も……あなたなら、理解してくれると思っていたわ。それも、思い違いだったようね」
毎度お馴染み、CiRCLE前のカフェテリア。
普段なら心地いい雰囲気のはずのその場所は、とある一席が醸し出す殺気や邪気のせいで重たい雰囲気に包まれていた。いやまあ俺達の事なんですけども。
俺の目の前に座る、腰まで伸ばした銀髪の少女……実力派ガールズバンド『Roselia』のボーカル、湊 友希那さんは、角砂糖をいくつも入れたコーヒーカップを優雅に持ち上げながら、俺の顔を冷ややかに見つめてくる。
彼女が持つ近寄りがたい雰囲気も相まって、非常に威圧感を感じてやまない。しかし、ここで怖気てしまっては男が廃る。
ぐっと息を飲み、腹に力を入れて目の前の彼女をキッと睨む。一つ年上の先輩であっても、ここは譲れない。
「……本当は、無意味な論争だってことは理解しているんです。だけど……どうしても、譲れない。譲る訳にはいかないんです」
「……そう。そこに関しては同意するわ。私も……これは譲れない、譲る訳にはいかないのよ」
湊さんだって、譲れない。俺だって、譲れない。
ならもう、戦争だろうが・・・!
頭の中で、やけに顎の長いギャンブル中毒者の顔が浮かんだ気がした。
「絶対、わんこ……犬のほうが可愛いです!」
「にゃーんちゃ……猫のほうが可愛いわ」
俺たちは至って真面目だ。
単純な話である。俺は犬派、彼女は猫派。
たったそれだけ。されど重大。
人類は古代より犬派猫派の論争を繰り広げてきたと、古事記にも書いてある。本当に正しい使い方をされている『古事記にも書いてある』を、いつか聞いてみたいものだ。
ぐぬぬぬぬ、と二人で睨み合う。机の上のコーヒーカップが、触れている訳でもないのにカタカタ揺れる。
「分かってないですね湊さん! わんこの従順な姿勢! 撫でてあげれば嬉しそうにもっとと頭を差し出す素直さ! しっぽを振って近寄ってくる可愛さ! 猫にはない良さです! 犬の方が可愛い!」
「分かってないのは葉加瀬君の方よ。にゃーんちゃんの素直じゃない態度。餌やおもちゃで誘っても、中々寄ってこない態度。かと思えば急に甘えてくる気まぐれさ。もっともっと振り回して欲しいわ」
二人して阿呆。二人して脳みそが溶けきっている。好きなものに対して必死になるのは、当たり前だから許して欲しい。
お前は何を言っているのだと言われてしまえばそれまでだが、どうかスルーして欲しい。話が進まない。いや、勝手に進めるのだが。
一回落ち着くために、コーヒーひと口。うん、つぐが淹れたコーヒーの方が美味いと失礼なことを考える。わ
「じゃあそうね……葉加瀬くん。あなたは美竹さんとお付き合いしているのよね?」
「話の繋がりが見えませんが、まぁそうですね」
突如として振られた恋人の話。特段隠している訳でもないので素直に首肯するが、やはり解せないのは解せない。
犬猫論争に蘭が関係するとは思えないし、大人しく話を聞く。この人は怒らせたりすると、割と面倒なのだ。
「美竹さんは、どちらかというと猫っぽいわよね?」
「蘭はネコってタチじゃないでしょう? まぁ、俺に対しては間違いなくネコですけどね」
「……ボケのつもりかしら?」
「あ、分かったんですね」
「色々な意味でややこしいからやめて頂戴」
「はいはい」
傍目から見たら、俺は百合の間に挟まる男なのだろうか、とぼんやり考える。今の小ボケが通じたそこの貴方。俺は違いますよ? 百合の間には挟まってないですよ?
詳しくは『百合 ネコ タチ』で、検索検索。
「でも……蘭は間違いなく犬ですよ? ちょっと撫でたらしっぽを振って喜びますし、もっとって甘えてきますし、なんなら暇さえあれば隣に来ますよ?」
「……それ、今更かもしれないけれど、聞いても大丈夫なのかしら?」
「…………今更でしょう?」
本当は良くない。蘭に散々言い聞かされてる。
やはり俺の弱点は蘭だ。彼女が絡むとどこまでも強くなれる気がするが、その分余計なボロが出てしまう。
蘭は俺やAfterglowの面々以外が居る場では、きちんと反骨の赤メッシュしている。 俺と蘭が恋人同士であるということは周知の事実だし、蘭が俺にでろっでろに甘えている様子を写した動画や写真は既に出回っている。
……が、蘭は未だにプライドやら羞恥心やらが邪魔して素直になれていない。当たり前と言えば当たり前だが。
「……私から見れば、美竹さんは間違いなく猫なのよね……素直ではないし、気まぐれでデレるし、威嚇するし」
「……うーん、そう言われるとそうなんですよね……」
いつの間にやら、話は『犬と猫どちらが可愛いか』から、『蘭が犬なのか猫なのか』に置き換わっていたが、この時の俺たちは全く気にしていなかった。
うーん、と腕を組み悩む美男美女。自分で言うな、と脳内一人ノリツッコミという高等テクニック。虚しくなんかないもん。
「……そうね、では、こう考えたらどうかしら? 『美竹さんが犬耳と猫耳付けた場合、どちらが似合うか』」
「犬」
即答。
蘭は絶対、ぜっっっったい犬耳の方が似合う。垂れた茶色の耳とか付けたら絶対俺襲うもん。
誰かそんな感じの写真かイラスト頂戴。俺は絵心ないから無理だ。
描いてくれたものには感謝の言葉を届けよう。
「……あっでも待って、猫耳も捨てがたい……なんならバニーも狐も……へへへへへっ……」
「……男の人って、みんなこんな感じなのかしら」
「俺がこうなるのは蘭にだけですから安心して下さい」
他の男共の沽券に関わる勘違いをしている女子高出身の女の子。その誤解は俺が解いておいたので安心して妄想に励んでくれ、世の男子諸君。我々は基本的には股間と脳みそが直列だからな。
あっ、彼女恋人妻子持ちはその相手だけにしときなさい。話がややこしくなるから。
個人的見解且つ余談だが、浮気不倫N〇R系作品が好きな人の気持ちがわからない。以前そんな感じの作品を見て、蘭が居るのに裏切る俺、もしくは蘭に裏切られた俺を想像して、蘭の前で吐くほど泣いたのは秘密だ。
「……なら、美竹さんで実際に試してみたらどうかしら? リサや燐子に頼めば、それらのコスプレグッズは多分持っているでしょうし」
「ナイスアイデア湊さん!」
なんかとんでもないセリフを聞いた気がするが、あえてスルーしておこう。何故持ってる、何に使ってる、どこで買った。
しかし、これは正しく僥倖。これで蘭が何が似合うのか、その真理に辿り着くことが出来る。ジャングルの奥地へ向かう必要は無さそうだ。
「お待たせ亮……って、湊さんと一緒だったんだ」
そして、それこそナイスタイミングでやってきたネコ……じゃない、恋人。
俺は席をガタリと立ち、バッと後ろを向く。これからバンド練習だろうか、ギターケースを背負って物珍しそうに俺たちを見ている蘭。確かに、俺と湊さんと言う組み合わせは珍しいだろう。
俺はそんな蘭に返事の一つも返さず、その小さく白い両手を取り、胸の前でしかと握りしめる。そのまま告白した時のような本気のトーンで蘭に語りかける。
「蘭! 俺のために猫耳と犬耳着けてくれ!」
「……うわぁ」
「私は関係無いわ」
めっちゃ引かれた。結構ダメージ食らった俺を横目に、湊さんは我関せずと言った感じで、甘ったるいであろうコーヒーを口にしていた。
それでもキチンと全種類着けてくれる蘭ちゃん。スキ、ダイスキ、セカイイチアナタガスキ。
Roseliaの皆さん、ご協力ありがとうございました。結論から言うと、蘭は何着けても可愛いです。対戦ありがとうございました。
ご閲覧ありがとうございます。ちなみに自分は猫派です。異教徒は燃やす。
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それでは、また次回。