反骨の赤メッシュがでろっでろに甘えてくるんだけど   作:コロリエル

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どうも、なんでまたランキング載ってるんすかホント。心臓止まりそうになるから、ホントやめて(いいぞもっとやれ)。

という訳で、アンケート回その二。二人の告白シーンです。



『いつも通り』と赤メッシュ

 

「さぁて、二人の告白のシチュエーションを洗いざらい吐いて貰おうかしら!」

「蘭、諦めてくれ。こうなったお袋は止められん」

「二人とも、何言ってるの!?」

 

 

 

 蘭が我が家に泊まり初めて、早三日。最近は蘭の親父さんからの電話が一日に三回は来る生活だ。ちなみに、蘭は着信拒否してるらしい。

 で、今。学校から帰る途中に蘭を拾い、二人で帰ってきた所で、お袋に拘束。

 

 二人して手首を後ろで一括りにされ、背中合わせに身体をぐるぐる巻き。早すぎて何が起きたか分からなかった。どこで手に入れたんだよそのスキル。

 

 

 

「亮はいいの!? 自分の告白の時のシチュエーション話しても!」

「良かないけどさ……目的のためなら親父すら半殺しにしても良いって言い切れる奴だぜ? 抵抗するだけ無駄だよ」

 

 

 

 好きなアニメはカードキャ〇ターさくら、最近の趣味は深夜の百合アニメ鑑賞、大好物は恋愛漫画という、最早ただのモンスターな俺のお袋。

 実の息子の恋人とのイチャコラなど、堪能したいに決まってる。オマケに相手は、昔からよぉく知ってて散々可愛がってきた蘭。むしろ、今まで聞かれなかったことが不思議なくらいだ。

 

 なんで俺の両親はどっちもやべーんだよ。おかしいだろほんと。

 

 

 

「……蘭ちゃん。あなたは亮の奥さんになる気なのよね?」

「おっ!? …………まぁ、そうですけど」

「なんで俺らの肉親はこんなに応援してくれるんだよ」

 

 

 

 割とマジでありがたい話だけど、本気でプレッシャーヤバい。別れるなんてことに(まず有り得ない話だが)なったとしたら、多分俺、この街で俺と蘭を知る全ての人間から殺される。

 蘭の顔は背中合わせなので見れないが、恐らく顔を赤くしているのだろう。最近このネタで弄られるのにちょっと慣れたと豪語してたが、全然そんなこと無さそうだ。可愛いヤツめ。

 

 

 

「つまり、私と蘭ちゃんは、家族になるの。家族よ? 家族。他人なんかじゃなく家族。あなたは私の可愛い可愛い娘になるのよ? 隠し事なんて、そんなの無しにしましょうよ」

「……お義母様……」

「おい。俺の彼女洗脳すんな」

 

 

 

 大体、息子達にだって家族にすら内緒にしたい秘密が山ほどあるんだ。隠させてやれよ。

 この前だってこの両親、俺の部屋の机の上に学生モノのエロ本置くというしょーもないイタズラしてくれた。なんで俺が制服好きって知ってんだよ。そんで若干蘭の面影があるのをチョイスすんじゃねぇよ。すぐ捨てたわ。

 

 大体蘭。お前は親父さんに隠し事いっぱいだろ。なんでそれで納得するんだよ。

 

 

 

「じゃあ、話してくれるよね?」

「はい、お義母様! あれは……中三の冬でした……」

「……まぁ、どーせこうなるって分かってたけどさぁ……」

 

 

 

 女子二人に呆れながら、俺達が恋人という関係になった日のことを思い返す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──半年前──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……過去一で緊張している自信がある。

 

 受験の時よりも、授業中にみんなの前で発表する時よりも。今までの短い人生で、これほどまでに緊張したことはまず無いと言いきれるほどの震えが俺を襲う。

 

 日が少しずつ長くなってきたとは言え、すっかり暗くなった午後六時。俺は近所の公園のブランコに座っていた。三年ぶりくらいに乗った気がする。

 

 夕方頃まで聞こえる子供の遊び声はもう無く、遠くを走る車の音がたまに聞こえる程度。

 

 

 

「……さみぃなぁ」

「……一回家に帰れば良かったじゃん」

 

 

 

 独り言で済ませるはずだった愚痴は、俺の待ち人に拾われてしまった。

 顔を上げると、若干……いや、かなり真剣な面持ちで俺を見下ろす蘭。

 

 素っ気ない態度。いつも通り。

 

 三年前のクリスマスにプレゼントしたマフラー。いつも通り。

 

 漂う雰囲気。いつも通り……じゃない。

 

 

 

 登場人物は何一人として変わっていない放課後。しかし、とてもじゃないけど、いつもみたいな中身のない会話は出来そうにない。

 蘭も、俺も。全然『いつも通り』なんかじゃ無かった。

 

 

 

「いやぁ……帰ったら色んなものが鈍りそうでさ。ほら、思い立ったが吉日って言うじゃん」

「……そう」

 

 

 

 素っ気なく返事したかと思うと、空いていた隣のブランコに腰掛ける蘭。ギィ、と軋む音が聞こえてくる。

 

 ……心臓の音が、聞こえる。周りの音が、遠くなる。

 

 喉が震える。手が震える。

 

 俺が感じているのは、ハッキリとした『恐怖』。目が眩むし、呼吸が速くなる。誤魔化しきれない感情の起伏に、完全に振り回されていた。

 

 

 

 ──『いつも通り』。

 

 

 

 蘭が何よりも誰よりも大事にするもの。幼なじみとのそれを守るために、『Afterglow』というバンドまで結成するほど。

 

 これから俺がするのは、そんな『いつも通り』をぶち壊す行為。

 はっきり言って、めちゃくちゃ怖い。蘭に拒絶される可能性だって十二分にあるし、どう転ぼうがその先にあるのは、『いつも通り』なんかじゃない日々。

 

 彼女の大切なものを傷付ける。これほど怖いことは無い。それだけ、俺は彼女の事が大好きだし、それ以上に彼女の事が大切で大切で仕方ない。彼女の幸せが、俺の幸せだと言いきれる自信もある。

 

 

 

 けど、だけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『私達に気を使って成り立つ『いつも通り』なんか、そんなの嫌だよ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 誰よりも頑張り屋で、誰よりも優しい女の子の叫び声が耳に残っている。俺達を思って流してくれた涙を覚えている。

 あそこまで言われて、想われて、応援されて。

 もう、動かない訳にはいかない。うだうだ逃げる事なんて、理由をつけて後回しになんて、もう出来ない。

 

 進まなければ、歩かなければ、何も変わらない。

 

 

 

 これに関しては、『いつも通り』じゃダメなんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──新しい日々をつなぐのは、新しい君と僕なのさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……なぁ、蘭。俺とお前のこの関係をさ……『男女の幼馴染』から変えたいんだけど、良いよな?」

「……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一言一言事に、身体全体を襲いかかる恐怖が際限無しに増えていく。細く細く息を吸う。覚悟を決めたのなら、もう突っ走るしかない。

 

 

 

 

 

 

 ──心の声をつなぐのが、これ程怖いモノだとは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すっげぇ悩んだんだぜ? 『いつも通り』じゃ無くなるんじゃないかだとか、この関係が終わるのは怖ぇとか……でもさ、それじゃあダメなんだ……何より、お前が俺に会う度に、寂しそうな顔をするのを見るのがさ……もう耐えられねぇんだ」

 

 

 

 

 大事な話は顔を見て。俺は立ち上がり、ブランコに座る蘭の目線に合わせようにしゃがみ、彼女の顔を覗き込む。

 

 最初は、驚愕に、段々理解が追い付いてきて、溢れ出た感情が雫に変わる。

 

 

 

 

 涙を綺麗だと感じたのは、これが初めてだった。

 

 

 

 

「そ、れって……」

「……待たせてごめんな、蘭。知ってたのに、知らないフリして……結局、俺が、怖かっただけだ。でも……もう、逃げない」

 

 

 

 着けていた手袋を外して、素手で彼女の顔を包む。流れ出る涙を指で拭ってやり、未だに涙がこぼれ続ける目を見て。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──新しい日々を作るのは、いじらしい程の愛なのさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……美竹 蘭さん。あなたの事が、大好きです……結婚を前提に、お付き合い、してくれませんか?」

「…………う、ん…………うん…………うんっ! あたしも……亮の事が、すき……好き………好き! 大好きっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 大好きな人と気持ちを確かめるように抱き締め合うのが、これ程幸せなことなのだと、初めて知った。

 

 大好きな人の体温が、これ程気持ちいいのだと、初めて知った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──世界はそれを愛と呼ぶんだぜ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 昔親父が歌っていた歌の意味を、俺は今、漸く理解した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃーその流れでファーストキスの感想を」

「いい加減にしやがれこの恋愛厨!!」

「きっきききききききき…………きゅう」

 

 

 

 感傷に浸る間もなく、さらに踏み込んだ内容を聞いてこようとするお袋。

 背中から感じる蘭の体温がえげつない。多分、もう限界ギリギリだ。と言うか、たった今、聞こえちゃダメな声が聞こえてきた。どうやら、洗脳は解けたらしい。意識が飛んだら、そりゃあ解ける。

 

 

 

「大体、そろそろ塾の時間だろ。さっさと行けやこら」

「あら本当。じゃ、私は出かけるからねー。あ、ちゃんと爪切った? お父さんは美竹さん家に行ってるらしいから、気にする必要は無いわよ? 私もちょっと迂回して帰るから!」

「いいからさっさと行けやゴルァ!!」

「はいはい。あ、ご飯は作ってるから、温めて食べなさいね? それじゃ、行ってきまーす」

 

 

 

 イタズラっぽく笑いながら、お袋は荷物を持って出かけて行った。

 漸く開放されたことに、安堵ため息を一つ。

 柄でもないが、やはりかなり恥ずかしかった。いつか覚えとけよホント。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……待て、これどうやって解けばいいんだ?」

 

 

 

 未だ拘束されたままの身体に気付き、途方に暮れてしまったのはまた別の話。

 

 

 

 

 

 




ご閲覧ありがとうございます。ちなみに、亮のお袋さんの趣味は、自分のお袋を参考にしました。高校生の息子とゆ〇キャンやカードキャプターさ〇らやけもの〇レンズ見てキャッキャ言ってます。怖ぇ。

感想、評価、お気に入り登録等して頂けると、トビます。


2月7日追記

今更ガイドラインの件知りました(えぇ……)。

暫くは更新を様子見しつつ、自作を見直していきたいと思います。その間は公開のまま、何かあればすぐさま対応したいと思います。
それでは、また次回。
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