アークナイツ.Sidestorys Day After Day   作:Thousand.Rex

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二羽  \CEO!!/  \CEO!!/

それは、よく晴れた日の出来事だった

 

「……」

 

「……」

 

雲一つない快晴、ピクニック日和ともいえるほど気持ちのいい天気

 

「…その、なんだ」

 

「はい、なんでしょう」

 

とても素晴らしい、淀みのない日差しが降り注ぐ

この世界が石に覆われていることを感じさせないほど平和な日

暖かな日差しがすべてを優しく包みこむ、黒い鳥が思わず居眠りするほどの優しい日常

 

「えー、あー、うん、用件は」

 

「よく聞いてくれました、流石は敏腕傭兵、このロドスに無断で出入りするほどの人材、頭が回りますね」

 

「まあまて、話が突拍子に過ぎる、あと褒めてないだろ、どっちかって言うと怒ってるだろ」

 

そんな中、太陽万歳とでもいえてしまいそうな雰囲気の中

応接室は微妙な空気に満ちていた

何故か、この異常な状況を説明すればお分かりだろう

 

「いえ、貶しておりません。貶めてもおりません。けして、いちゃもんをつけている訳でもありません」

 

「いやに強調するな。絶対怒ってるだろ」

 

「大丈夫です、私はそんなあなただからこそ話をしに来たのですから」

 

「…なんだってんだ」

 

毎度おなじみ応接室のソファ、一つにストレイドが座り、その対面にはアーミヤがいる

 

アーミヤがいる

 

CEOが、なぜかいる

 

この状況、ストレイドにとってはよくはない、恐らくは立ち退き要請をしに来た

彼はそう考えている、いや、考えていた

だが入室してからいままで何も言葉を彼女は発さなかった

それが怪しくてストレイドも迂闊に動けなかった、何を考えてるのかまったくわからなくて

敵対している割には睨みもしない、なら友好的かと言えばそうでもない、彼女の表情は随分真剣だ

真面目な顔でストレイドを見ている

 

「ストレイドさん、あなたはロドスにおいてかなり不安定な立場にあります」

 

「そうだな」

 

「応接室の占拠、むやみやたらなセクハラ、不法侵入」

 

「そうだな」

 

「そして、無駄に高い信頼」

 

「最後、いらんだろ」

 

「要ります、これが一番重要なのです」

 

「なんで」

 

「わかりませんか、スケベイドさん」

 

「やべー、新しい名前が出てきた。自重しよ」

 

自重など知らないくせによく言える

 

「ナレーション、お前たまに冷たいな」

 

皆の総意を代弁しているだけにございます

 

「まあそれはいい。で、何を言いたい、キラーラビット」

 

「特段、ややこしい話ではございません」

 

「ほう」

 

「あなたのその頭脳をもってすればいとも容易く解決へと導ける問題です」

 

「うん、前フリが長い、さっさと言え」

 

「わかりました。言わせていただきます」

 

アーミヤが立ち上がり、声を張り上げて答えた

 

「私に!! 男を落とすテクニックを教えてください!!」

 

「うるせぇ、自重しろ」

 

しかしてそれは、CEOたる立場の者が口に出していい言葉ではなかった

 

「お願い、できますか」

 

「マジか、恐ろしいほどに真剣に見てくる」

 

「ええ、私は真剣に頼んでいます」

 

このCEO、ドクターにお熱なのである

どれくらいかというと、夜な夜なドクターのベッドに忍び込もうとしたり、ドクターの衣服でゲフンゲフンしたり

毎夜ドクターで妄想して〔自主規制〕したり、隙あらば発情して襲い掛かろうとしたり

 

何故CEOなどやれているのか不安なぐらいお熱である

 

「……わからんな、何故俺なんだ、その手の事はあのにゃんこ先生に教えてもらえばいいのに」

 

「ケルシー先生は賛同してくれていません」

 

「なんでだ、人の恋路に口を出すような奴には見えんが」

 

「理由はわかりません、教えてはくれませんでした」

 

「……ほう、なるほど、わかったぜ、あの二人、デキてるな」

 

「……いま、なんと」

 

「鉄仮面も男だったか、あのにゃんこと夜な夜なプロレスをしているに違いない」

 

「まさか、そんな……!」

 

「いいやきっとそうだ、毎晩お前さんが寝静まった後にベッドに誘ってにゃんにゃんしてるのさ」

 

「ああ……ああああああ…………」

 

「いやはや喜ばしいことじゃないか、子供相手に盛るよりも健全だ、理性が足りなそうな面してたから結構心配して……悪い、言い過ぎた、戻って来いキラーラビット」

 

「ほあぁぁぁぁ……ふぁぁぁぁぁ……!!」

 

CEO、オーバーヒート中、ラジエーターの性能が足りていない、熱殺できそう

いや、足りてないのは処理能力か、顔を真っ赤にし鼻血が出ている、何を想像しているのか

 

「ふへ……ぐへへへへぇ」

 

「……お前は盗られたくないのか盗られていいのかどっちなんだ」

 

「NTR……いいかもしれない……」

 

「誰か鎮静剤持ってきてくれ。エロい人が大変なことになってる」

 

流石のストレイドもこんな規格外相手にしたくはない

だがこの場に助けは来ない、近くに人はいない、現実とは無情である

 

「はっ!? 私は一体何を?」

 

「思い出すな、せめて部屋に戻ってから思いふけってくれ。頼む」

 

とりあえず正気に戻ったアーミヤを確認し相談に戻る

 

「で、具体的にどうしたい」

 

「ドクターから私に覆いかぶさってくれるようなシチュエーションになる方法はないですか」

 

「お前が襲った方が早いと思う」

 

「まさか、私のような純情な少女にそんなことが出来るとお思いで?」

 

「……純情、卑しいの間違いだろう」

 

ある意味ストレイドを超えるポテンシャルは持っている、その割には変に疎いが

 

「そもそも俺に聞くなよ、俺はあくまで誘い方を知ってるだけで誘わせる方法など知ってはいない」

 

「そうなんですか?」

 

「そうだよ、そもそも同意の上でなければやらん、無理やりは駄目だ、無理やりは」

 

「意外ですね、色んな人に手を出して回ってるのに……」

 

「その言い方、誤解されるからやめろ」

 

「正解だと思いますが」

 

正解です

 

「まったく、いいか。俺は紳士だ、変態の類ではない」

 

「このまえ、メランサさんがしっぽを触られたと」

 

「けして破廉恥な事をしている訳ではない」

 

「このまえ、アンセルさんが胸を触られたと言ってました」

 

「あの顔で男とか、信じられないだろ」

 

「このまえ、ジェシカさんがお尻を撫でまわされたと言っていました」

 

「ジェシカはなー、大きくなったら美人になるよなー」

 

「先ほど、リスカムさんが被害報告をきいてバチバチしてました」

 

「さて、アドバイスをしてやろう、心して聞くといい」

 

「はい」

 

ストレイドは姿勢を正し、アーミヤは座りなおす

二人して真面目な顔で話し出す、片方は野望の為、もう片方は保身の為

 

「いいか、まずはお前が女だと奴に意識させろ」

 

「というと」

 

「そうだな、効果的なのは裸になることだが……お前さんには早い」

 

「……やはり、胸ですか」

 

「気にするな、別の方法はある。まずは接触だ」

 

「接触、ボディタッチですか」

 

「そうだ、日常において常に奴に触る機会を見つけるんだ。書類を渡すとき然り、奴が物を落としたときに率先して拾いに行ってわざと指を触らせる」

 

「それ、なんだか中学生のしがない妄想みたいなんですが」

 

「そうだな、だが効果的だ。いいか、重要なのは近くにいると思わせることだ」

 

「近く……つまり、恋愛対象が近くいると気づかせろと」

 

「そう、そしてその内奴はドギマギし始める、そうなったら次のステップだ」

 

「次……はっ!(ピーーーー)ですね!?」

 

「飛躍するな、それは最後だ、最後の仕上げだ」

 

「む、恋愛。奥深いですね」

 

「……恋愛?」

 

これは恋愛相談だったらしい、どう聞いても襲う算段を立てているだけなのだが

だがこの不可思議な空気にも慣れたのかスルーして続ける

 

「まあいい、そしたらだ。そっと寄りかかるんだ」

 

「どうやって?」

 

「別に、口実などなんでもいい。疲れたとか、眠くなったとか、最悪肌寒くなったとかでもいい。

 あいつと触れてる面積を増やすんだ」

 

「なるほど、そうしてさらに意識を高めさせると」

 

「いい理解力だ、お飾りの王ではないらしい」

 

こんなことで王の素質を問うべきではない

 

「そうして奴がお前を見るようになったなら、今度は見せるんだ」

 

「……肌をですか」

 

「ああ、いままで布越しに触れていたものを見せつけろ。その価値をわからせろ」

 

「はい」

 

「そうなれば奴も歯止めが利かなくなるはずだ。目の前に劣情をぶつけられるものがあると、理解するはずだ」

 

二人、真剣に話している、内容は酷いものだというに

 

「いいか、キラーラビット」

 

「はい」

 

「ここまでくれば、何をすべきかわかるな」

 

「はい」

 

「頭には叩き込んだな」

 

「はい」

 

「道は示した。後は歩み方を間違えなければいい」

 

「恐れるな、そう言いたいんですね」

 

「そうだ、アーミヤ。お前なら行けるはずだ」

 

「ええ、行きます、私はいってみせます」

 

「そうだ、それでいい。その先に望むものがあるはずだ」

 

「正妻ですね、わかります」

 

「……うん、そうだな」

 

「何か問題でも」

 

問題しかない

 

「……まあ、なんだ、とりあえずはこれでいいだろう」

 

「はい、ご鞭撻ありがとうございます」

 

「何、先立ちとしての領分を果たしたまでの事。これ以上言うことはない、後はお前次第だ」

 

「わかっています、私はやります、あの人と既成事実を作ってみせます」

 

「よし、その意気だ、健闘を祈る」

 

「はい! ありがとうございます!」

 

二人は立ち上がり固い握手を交わす、これがもっとまともな内容ならいい話だったのに

だがまあ、これはある意味制裁されるべき悪行なわけで

 

「っ!?」

 

「誰だっ!」

 

制裁する側が、見逃している訳がなく

 

「そこまでです!」

 

「ちっ……リスカムか」

 

「あ……あなたは!?」

 

野望とは、潰えるものである

 

応接室の扉を開き姿を見せた二つの人影

片方はリスカム、そしてはもう片方は

 

「あとにゃんこ先せ「マスクド・ケルシー!!」……誰?」

 

どこかで見た白衣を纏った金髪の美女

その顔にはウサギを模ったお面、表面には、こう書かれている

 

I kill you

 

その殺意は真っ当な相手に向けられていた

 

聞きなれない名を聞いたことに戸惑ったストレイドにリスカムが近づく

拳を構え一直線に向かって行く

 

「リスカム、そんな動きじゃ捕らえられんぞ」

 

「ええ、わかっています」

 

それに反応して避けようとしたストレイドにもう一つ、影が猛追する

 

「なっ! 速い――!」

 

「さすがのあなたも避けられないでしょう」

 

リスカムと同時に動いたのはマスクド・ケルシー

ストレイドの逃げ場を断つように左右から肉薄し

 

「「はぁっ!!」」

 

「アストラッ!!」

 

二人同時に拳を入れる

リスカムブロー、ケルシーパンチ

この二つを同時に受けて生き延びた者は、存在しない

ストレイドが崩れ落ちる、それを確認したマスクド・ケルシーはさらに動く

 

「へ?」

 

標的はアーミヤ、正確には、先ほど叩き込まれた知識

 

素早くアーミヤの後ろに回る

 

「へぶっ!?」

 

そして恐ろしく速い手刀を繰り出す、アーミヤが力なく倒れる

それを優しく受け止める

 

「ミッションコンプリート。ご協力ありがとうございます」

 

「(フルフル)」

 

大したことはない、そういうように首を振りマスクド・ケルシーはアーミヤを連れて去っていった

 

「さて、この男、どうしてくれましょう」

 

残ったのは、沈黙した傭兵、それを見下ろすリスカム

 

ここに第一回ドクター陥落作戦は幕を閉じた




私の小説のCEOは他に類を見ない気がする、いや、どこもこんな感じだろうか

勿論これはオリジナルとは別物です、こんなヒロインいてたまるか
二次小説で、あっちの話とは分けたアフター、ということで大目に見てもらえればと
まああっちにもいるんですがね、ボケてみたかっただけなんですよ、あれもこれも

ホントはやまねこにぶち込むべきなんですがね、こっちでいいや、ということでこっちにあります

もっとこう、健全なネタは出てきてくれないのか・・・
シリアスに頭使い過ぎておバカになったのでしょうか、一度休むべきか
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