「お、田中。昨日は俺がいなくても大丈夫だったか?今日からいつも通りの授業だから心配だぞ」
またしても親友と校門で遭遇する。一年の時はかなり頼り切っていたから相当心配をかけたようだ。
「だ、い、じょ、う、ぶ……」
その心配は見事に的中。
「全然大丈夫そうに見えないぞ!?」
「昨日……教科書大量に渡されたじゃん……あと体育館に行たりさ……それで筋肉痛……」
新学期ってどうしてあんなに物を渡したがるんだろう。宅配とかで送ってくれたらいいのに。
「お前の筋肉はそこまで衰えていたのか……なんかすまん」
どうして太田が謝るんだろう。首をかしげると補足をくれた。
「一年の時にお前を甘やかしたのは俺だからな。少なからずの責任はあるんじゃないかと思ってな」
「それはさすがに考え過ぎだと思う」
「いいや、おれは今日からお前を甘やかさないと決めた!」
いつになく熱のこもった声だ。確かに、嫁いでくれたら嬉しいけど現実はそうはいかないことは僕でも分かる。
「だからな、田中」
俺もいい加減太田離れをしないといけないのかもしれない。
「まずは二階の教室まで上がろうな」
だけどいまこの瞬間、ていうかこの階段は頼りたい。
「あ、田中くん、太田くん。おはよう」
「ああ、おはよう白石」
「おはよう」
クラスの前まで来た所で、白石さんと遭遇。
「今日も担がれてるんだね……」
あはは……と困った様に笑われるのも当然だと思う。
結局太田離れをする事ができなかった俺は太田の小脇に抱えられてここまで来たのだ。否、連れてきてもらいました。
「……太田、下ろして」
「おお、筋肉痛は大丈夫か?」
「あんまり、かも」
それでもなぜか抱えられ慣れた太田の脇から降りなおければいけない。そんな気がした。
「これが、太田離れ……?」
「それは良いことだな。できれば階段を上る前に目覚めて欲しかったとは言わないでおこう」
「言ってるじゃん……」
そんなやり取りをしいてるうちに予鈴が鳴り始める。
「お、もうこんな時間か。じゃあ白石、あとは頼んだぞ」
「あ、うん! またね!」
「ありがとね、太田」
二人で太田を見送る。こっちも先生が来る前に教室に入らないといけない。
「……う、うぅ…」
「だ、大丈夫!?」
なのに筋肉痛で足がなかなか前に進んでくれない。せっかく太田が連れてきてくれたのに遅刻したら台無しじゃん。
もう担任が見える所に来ている。あー、これは遅刻かもしれない。
「ほ、ほら田中くん! 頑張って!」
見かねた白石さんが俺の手を引っ張ってくれる。
どうしたんだろう。痛くて動けなかったのに、急に足が軽くなって代わりに手がものすごく熱くなった。
他が痛くなったらその部分の痛みは忘れるってやつだろうか? さすが白石さん。
閲覧ありがとうございました。
誤字脱字あれば教えてください。ではまた。