怪獣娘×令和ウルトラマン クロスオーバーユニバース 作:特撮恐竜
巨大宇宙球体『キングスフィア』登場
精強宇宙球体『スフィアソルジャー』登場
襲来の日(前編)
とある宇宙のとあるこの地球ではかつて超常的な力を持つ災害級の生物である怪獣が人類の前から完全に姿を消してから遠い年月が流れ、怪獣の記憶は忘れ去られていた。そして長い年月が流れ怪獣の魂を継ぐ少女達が誕生した。人はそれを怪獣娘と呼ぶ。怪獣娘が現れた事により彼女達が人間社会で活動出来るよるサポートや支援を行う国際怪獣救助指導組織『GIRLS』が出来、怪獣娘が世にて活躍するようになった今の地球に新たな影が迫っていた。
ここは地球の衛星である月の表面である。そこにはかつて人類が初めて地球に降り立った証であるアメリカの国旗が立てられていた。更にそこから離れた場所にかつての宇宙船の残骸が散らばっていた。その上空を無数の大きな飛行物体が横切った。飛行物体はメカニカルというより全体的に白く丸みを帯びた双胴型のシルエットが七色に輝く生物的な飛行物体だった。その巨大な飛行物体は複数存在しておりどれもが青く輝く星である地球に向かっていた。
その頃、地球の島国である日本で1人の少年が店に煎餅を並べていた。彼の名は『明日見カズマ』。祖父が営むこの煎餅屋の手伝いをしている少年である。
「爺ちゃん、海苔煎餅並べたぞ‼︎」
「おお、すまん!ご苦労だったな、カズマ‼︎」
「おーい、カズマ‼︎」
そこに1人のセーラー服を着た褐色肌で長い髪をポニーテールにした少女がやってくる。彼女の名は『牛丸ミク』。カズマの幼馴染でカプセル怪獣『ミクラス』の魂を継ぐ怪獣娘だ。ミクはカズマに走って駆け寄ってくる。
「よぉ、ミク‼︎GIRLS帰りか?」
「うん‼︎明後日の大怪獣ファイトに向けての練習終わりだよ‼︎」
「そうか、ご苦労だったな。」
「えへへー。あっ、煎餅頂戴‼︎」
「ちゃんと金出せよ。・・・てゆうか明後日試合あるのに無駄に食べて大丈夫か?格闘技って減量とかあるんだろ?」
「大丈夫だよ‼︎全部食べる訳じゃないんだから〜‼︎それにあたし、よく動くからすぐ消費するし、全然平気‼︎」
「はいはい・・・で、何煎餅がいい?」
「海老‼︎海老煎餅食べたい‼︎」
「はい、1袋五百円な。」
「わーい‼︎」
ミクから五百円玉を受け取ったカズマは海老煎餅の袋をミクに渡す。ミクはそれを受け取るといきなり袋を開けて煎餅を食べ始める。
「ん〜‼︎やっぱカズマん家の煎餅は最高〜‼︎」
「って‼︎もう食ってんのかよ⁉︎」
「だって〜、お腹空いたんだもん〜‼︎」
「ハァ・・・しょうがねえな。」
カズマがため息をつく中、ミクは思い出したかのようにカズマに詰め寄ってくる。カズマはミクの勢いに思わず後ずさった。
「そういえばさ‼︎」
「うわあっ⁉︎・・・な、何だよ⁉︎」
「明後日の大怪獣ファイト、あたしも出るの。だから」
「分かってる。見に行くぜ。」
カズマの答えにミクは思わず笑顔を見せる。2人はこれからもこんな日常が続くだろうと思っていた。しかし、数日後には宇宙から恐ろしい脅威がやってきてこの日常が続かなくなる事も、その戦いの渦の中心に巻き込まれていく事になるとは思っていなかった。
数日後、運命の日がやってきた。この日もいつものように実家の煎餅屋を手伝っていた。煎餅を店に並べていると祖父である『明日見ダイシロウ』が話しかけてきた。
「カズマ、そろそろじゃないか?」
「ん、ああ‼︎煎餅届けてくるよ。」
祖父の言葉を聞いてカズマは自転車の荷台に商品を詰めると走りだした。それと同時に眼鏡を掛けた全体的な髪色が黄色で前髪と後ろの一部が白髪の小柄な少女がやってくる。
「ダイシロウお爺さん、こんにちは‼︎」
「おお、こんにちは。」
「今日もいつもので家族分下さい‼︎」
「ははは、元気でいいな‼︎ほらよ。」
ダイシロウからお煎餅が入った袋を渡された少女は周りをキョロキョロ見渡している。
「カズマなら出掛けたよ。今日火星に向けて打ち上げられるロケットが立てられた宇宙センターの売店にうちの煎餅を届けに向かったからな。」
「本当⁉︎カズマお兄ちゃん、宇宙センターにいるんだね‼︎ありがとう、お爺さん‼︎」
少女はカズマの行方を聞くと懐から何かを取り出した。それは怪獣娘の変身を安定させる端末『ソウルライザー』だった。
「ソウルライド、『ハネジロー』‼︎」
カズマは煎餅を届け終えると自転車に乗って周りを見ていた。するとカズマの目に3人の怪獣娘が見えた。トリケラトプスなどの角竜と呼ばれる恐竜を思わせる一本角に襟巻きを備えた眠そうな印象を思わせるカプセル怪獣の怪獣娘『アギラ』に銀色のメカニカルな見た目に眼鏡を掛けた白銀のアギラと同じカプセル怪獣の魂を継ぐ怪獣娘『ウインダム』、三日月のような角にスク水のような長い尻尾の古代怪獣の怪獣娘『ゴモラ』を見るとカズマは彼女達の方に駆け出して話し掛ける。
「あの〜、怪獣娘の皆さんですよね?」
「えっ?」
「そうだよ、わたし達は怪獣娘だよー‼︎」
「警備の仕事、ご苦労様です!」
「えっ・・・うん、ありがとうございます。」
「えへへ、ありがとうね‼︎」
カズマは怪獣娘達に挨拶するとゴモラに気付く。大怪獣ファイトのファンで幼馴染に大怪獣ファイターをやっているカズマは確かめるように訊ねた。
「もしかして・・・大怪獣ファイターのゴモラさんですか⁉︎」
「おお、わたしの事知ってくれてるのね‼︎嬉しいなぁ〜‼︎そう、わたしこそゴモラの怪獣娘こと、ゴモたん‼︎」
「凄え・・・本人だぁ・・・‼︎あっ、俺大怪獣ファイトのファンなんです‼︎もし、良かったら・・・。」
「サインかね?勿論、OKだとも‼︎」
カズマの色紙にゴモラは自分のサインを描く。サインが書かれた色紙を確認したカズマは嬉しそうにお礼を述べる。
「ありがとうございます‼︎俺、大怪獣ファイトのファンな幼馴染がいて・・・それで俺も大怪獣ファイト好きになって・・・。」
「本当‼︎嬉しいな‼︎その幼馴染にもよろしく伝えておいて‼︎」
「ええ、だから、こうして会えて嬉しいです‼︎・・・実はその幼馴染、怪獣娘で・・・そいつも大怪獣ファイトのファンで・・・。」
「幼馴染に怪獣娘がいるの?それは嬉しいな〜‼︎その幼馴染ちゃんによろしくね‼︎」
「ええ‼︎それで・・・あの‼︎」
カズマは彼女達に煎餅の袋を差し出す。目の前の煎餅に食いしん坊なゴモラは思わず目を輝かせる。
「うち、実家は煎餅屋をやっていて・・・もし良かったらどうぞ‼︎今日の警備のために頑張ってくれている怪獣娘の為に半額でお安くしますから‼︎」
「わぁ〜‼︎美味しそうな煎餅‼︎じゃあ1袋いい?」
「ちょっ⁉︎ちょっとゴモたん‼︎」
煎餅を買おうとしたゴモラをアギラとウインダムが引き止める。真面目な2人はカズマに申し訳なさそうな顔で断った。
「気持ちは嬉しいですけど・・・御免、ボク達仕事中だから・・・。」
「本当にありがたいですが・・・御免なさい。そういう訳にはいかないんです。」
「そこをどうか‼︎お安くしますから‼︎」
「いえいえ‼︎そんな訳には‼︎」
「もう〜‼︎アギちゃんもダム子も固いなぁ〜‼︎2人とも頭が煎餅より固いよ〜‼︎折角お勧めしてくれてるんだからお言葉に甘えようよ‼︎」
「ゴモたん・・・でも・・・。」
「あれ?カズマ?」
その時、カズマは自分を呼ぶ声を聞いてその方向に目を向ける。そこにはカズマの幼馴染であるミクが変身したウエスタンなビキニを思わせる牛のような角を備えたカプセル怪獣の怪獣娘がいた。その怪獣娘『ミクラス』は後ろにいる水色のロングヘアーに全身がタイツを思わせる姿でナイスバディなボディラインが分かりやすい分身宇宙人の怪獣娘『ガッツ星人』と後ろに巻き髪ツインテールの黄色い蛇腹の格好によく鍛えられた太い両腕のどくろ怪獣の怪獣娘『レッドキング』がいた。2人とも今の状況がよく分からないのか顔を思わず見合わせている。その一方でカズマとミクラスは思わぬ場所で会った事に驚き合っている。
「ミク、お前何でここに⁉︎」
「アンタこそ何でここにいるのよ⁉︎」
「俺はここに煎餅を届けに・・・商品を届け終えて帰ろうとしたら・・・怪獣娘の皆さんを見かけて。」
「で、アギちゃん達をナンパしてたの?」
「ハァ⁉︎ナンパじゃねえし‼︎」
「え〜、ナンパしてるように見えたけど〜?本当に〜?」
「本当だって⁉︎つーか、何でそんなに怒ってるんだよ⁉︎」
「べ、別に怒ってなんかないし‼︎ただ、アンタがあたしの親友のアギちゃん達をナンパするのが許せなかったというか・・・。」
「まあまあ、ミクさん。その人、今日の警備をしている私達を気遣ってくれた行動だと思いますし、勘弁してあげてください。」
「うん、美味しそうな煎餅を勧めてくれたし、悪い人じゃないよ。」
親友である2人の言葉にミクラスは少し目を瞑ると笑みを浮かべる。そこにレッドキングがカズマとミクラスに話しかけて来た。
「よ、カズマ。」
「レッドキングさん‼︎お久しぶりです‼︎」
「レッド、知り合いなの⁉︎」
「ああ、ミクラスの幼馴染さ。ほら、ミクラス、一時入院した事あっただろ?」
「ああ・・・あの時か。」
少し前、ミクは人の心に取り憑いて凶暴化させる存在『シャドウミスト』に取り憑かれたシャドウガッツに襲撃され、負傷し、その時の傷が原因で入院していた。ミクが入院している間、レッドキングは何度かミクのお見舞いに来たのだがその際、ばったりとカズマと会う事になったのだ。
「あれから会って無かったけど、元気そうで何よりじゃねえか、カズマ!」
「はい‼︎いや〜、それにしてもミクがあのレッドキングさんと知り合いだったなんて思いもしませんでしたよ・・・。」
「おいおい、ミクラスが大怪獣ファイターになった時からその辺は予想しとけよな。」
「そうだよ〜、カズマ〜‼︎」
ミクラスとレッドキングがカズマと詰まる話をしている中、ゴモラ達は思わずその光景を見ることしか出来なかった。
「まさか彼の幼馴染の怪獣娘がミクちゃんなんて世界は狭いね〜。」
「ボク達も結構ミクちゃんのお見舞いに来ていたけど・・・全く気付かなかった・・・。」
「全くですね・・・。」
「話の途中で悪いけど、交代の時間だぜ。」
話し合っているアギラ達の話をレッドキングが遮る。その声を聞いたアギラ達は顔を見合わせてソウルライザーを確認する。
「そうか、もうそんな時間だっけ。」
「そうだね、お煎餅はどうしよっか?」
「あ、それなら‼︎」
カズマは懐からメモを取り出してゴモラに渡す。ゴモラはメモを見るとその内容を何となく察する。
「これって・・・。」
「うちの店の住所です‼︎もし時間が有れば来て下さい‼︎特別サービスとして安くしますから‼︎」
「本当⁉︎ありがと‼︎今度買いに行くね‼︎」
アギラ達は談笑しながらその場から離れていく。カズマ達は彼女達の背中を見送るとミクが話しかけて来た。
「で?カズマはこれからどうすんの?」
「ん?・・・そうだな・・・煎餅は届けたんだし、ここで暫く時間を潰そうかなと思う。アレが発進するのも見たいし。」
カズマが指差した先には本日、火星に向けて発射されるロケットが設置されていた。
「そっか・・・カズマも気になるんだ。」
「そりゃあ勿論な。ミク達怪獣娘が警備までやってるんだからGIRLSも期待しているんだろ。気にならない訳ねえよ。それじゃあ、俺、そろそろ行くから。」
「そっか。」
「レッドキングさん、また今度会えたらよろしくお願いします‼︎」
「おうよ‼︎」
「ああ、それと‼︎」
カズマは手に持った煎餅の袋をミクラスとレッドキングに差し出す。ミクラスはそれを受け取った。
「これは?」
「俺からの差し入れ‼︎レッドキングさんと一緒に食べてくれ‼︎」
「いいのか?」
「構いませんよ。怪獣娘の皆さん、いつも頑張っているじゃないですか!これくらいさせて下さいよ‼︎」
「えへへ、それじゃあ遠慮なく貰うよ‼︎」
「おう、ありがとな‼︎頂いていくぜ。」
カズマはミクラスとレッドキングに煎餅を渡すとその場から離れる。2人はカズマの後ろ姿を見ながら話し合っていた。
「カズマ、相変わらずいい奴だな。」
「はい‼︎勉強苦手なあたしのために自分の時間を削って勉強を見てくれたりシャドウミストに取り憑かれて入院した時には毎日お見舞いに来てくれたり・・・。昔から優しくて・・・目の前の事には全力で取り組む・・・そんな奴なんスよ・・・。」
「成る程なぁ・・・ミクラス、お前、アイツの事好きなんじゃねえか?」
ミクラスはレッドキングの言葉を聞いて彼女に顔を向けると顔を真っ赤にする。そして彼女は全力で顔を赤くしながら否定した。
「ちちちちちがちがちが・・・違うっス‼︎カズマに対してそんな事思った事ないっスよ‼︎」
「けど、お前・・・さっきアギラ達がアイツと話していた時、カズマがナンパしたと思って怒ってたじゃねえか。それって嫉妬してたからじゃねえのか〜?」
「な・・・何言ってんスか⁉︎あたし、嫉妬なんてしていないっスよ・・・‼︎」
「もしかしてお前・・・。」
「何スか?」
(・・・もしかしたらまだ無自覚なのか・・・だったら俺がとやかく言っても無駄かな・・・。)
レッドキングがミクラスの様子に物思いにふけているとミクラスが空を見上げていた。元気な後輩が何かに唖然としている姿に思わず訊ねる。
「おい、どうした?」
「先輩、アレって・・・。」
ミクラスの声に釣られてレッドキングも空を見上げるとワームホールのような空に空いた穴から巨大な双胴体の物体が姿を見せていた。ワームホールから全身を現したそれは先程月を通過した巨大な飛行物体の姿を現した。その場にいた大抵の人々が思わず空に現れた未知の存在に恐れをなしている。警備に当たっていた怪獣娘達は何があってもいいように警戒する。
するとそのその飛行物体から緑色に発光した小型の飛行物体が生み出される。そして小型の方は緑色の光線を放ち町を襲撃する。小型の方から放たれた光線に焼かれて町が焼かれて燃え上がり、大勢の人間が悲鳴を挙げて逃げ惑う。巨大宇宙球体『キングスフィア』から放たれた精強浮遊球体『スフィアソルジャー』が町を襲撃した事でたちまち今までの日常が奪われ、周りが恐怖に包まれた。これが宇宙浮遊物体『スフィア』と怪獣娘の戦いの始まりだった。
主人公の名前はダイナの主人公アスカの父親のアスカ・カズマから取りました。