怪獣娘×令和ウルトラマン クロスオーバーユニバース 作:特撮恐竜
宇宙甲殻怪獣『バザンガ』登場
ファースト・ウェイブ(前編)
ここはとある宇宙のとある地球、この宇宙の地球ではかつて第一次大怪獣時代と呼ばれる人類と怪獣が激闘を繰り広げた時期があった。怪獣の強大なる力に人類は苦戦を強いられ、更に宇宙からの侵略者が幾度も襲来し、人類は何度も窮地に追い込まれた。そんな中、宇宙から宇宙の平和のために戦う巨大な宇宙人がやってきた。
『ウルトラマン』と呼ばれるその巨人は人類がピンチに陥る度に何度も現れ、これを退いてくれた。様々なウルトラマンが地球に来訪し人類と力を合わせて怪獣や侵略者達と戦った。そして長い戦いの末、人類が勝利し地球に平和が訪れた。
怪獣が確認されなくなってから長い時間が経過し、地球では怪獣の魂を宿し、怪獣の力が使える少女『怪獣娘』が確認されるようになった。怪獣娘が確認されてから世界は更に大きく変わった。彼女達の中にはその力を制御出来ず、人間社会で生きていくのが難しい者達や、破壊の化身である怪獣の力を宿しているだけに怪獣娘を化け物と呼んで恐れる人々もいた。
そうした課題を解決するため、怪獣娘が人間社会で生きていけるよう支援したり、怪獣娘専門のモデル、スポーツ選手など多くの人達の前に立つ分野を設立し、怪獣娘に対する差別意識を失くすための活動をする国際組織が世界中に設立された。それが国際怪獣救助指導組織通称『GIRLS』である。GIRLSが設立され、怪獣娘か多くの人々の前でモデルやタレントに歌手、アスリートなどの活動、災害救助の現場に彼女達が赴くようになってから怪獣娘を化け物と呼んで差別意識を抱いていた人達は大幅に減り、様々な怪獣娘が人々と社会で生活していける世界になった。
しかし、怪獣娘が確認されるようになってから新たに確認された脅威もいる。それが謎の存在『シャドウ』である。シャドウは何故か人々を襲う上に怪獣娘以外は倒す事が出来ない。よってGIRLSはシャドウを人類に厄災をもたらす存在として認識するようになり、シャドウ退治も怪獣娘の大事な活動内容となる。
街を守る為にシャドウと戦うGIRLSの怪獣娘達の姿を見た事で人々の怪獣娘に対する好感度は更に高まり、よりお互いの絆が深まった。そしてシャドウ以外、平和を脅かす者がいなくなり、人類と怪獣娘はお互いを支え合いながら平和に暮らしていた。しかし、その平和な日々は突然崩れ去る事となった。
20XX年、人類と怪獣娘が共存し『第二次大怪獣時代』と呼ばれるようになった現代の世界でとんでもない緊急事態が発生した。宇宙から突然、長年出現しなくなった怪獣が飛来したのだ。
「ゴギャアアアアアアア‼︎」
「うわあああああああああああああ‼︎」
「助けてええええええええええええ‼︎」
「どけ‼︎」
「痛⁉︎・・・痛い・・・痛いよ・・・。」
ここは夜の池袋の街、ここでエビなどの甲殻類を思わせる赤茶色の甲殻に身を包んだ鋭利な鼻先を持つ頭に2本の触覚を備えた宇宙甲殻怪獣『バザンガ』が暴れ回って大勢の人達がパニックになっている。そしてパニックの余り、小学生くらいの女の子が40くらいの中年男性に突き飛ばされた。突き飛ばされた少女は転んで足を捻ってしまい、涙を浮かべていた。そんな中、1人の高校生くらいの少年がその少女に駆け寄ってきた。
「君、大丈夫⁉︎」
「痛い・・・痛いよ・・・足が動かない。」
「足を捻ったのか・・・こんな子を突き飛ばすなんて‼︎・・・俺にしっかり捕まってて‼︎」
その少年は少女を抱えるとすぐさまその場から逃げるべく走り出す。そんな中、パニックに陥っている人達を必死に避難誘導する一本角にパーカーのような獣殻を備えた怪獣娘を見かける。少年はその怪獣娘を見ると彼女に向かって駆け出していく。
「皆さん、落ち着いて‼︎慌てないで避難して‼︎落ち着いてくださいってば‼︎」
「アキ‼︎」
後ろからアキと呼ばれたその怪獣娘は思わず振り向く。すると少年は彼女に先程助けた少女を見せる。
「ジュン⁉︎何してるの⁉︎避難してって言ったじゃん‼︎」
「悪い‼︎この子、足を怪我してたから助けて来た‼︎」
「えっ⁉︎・・・君、大丈夫?」
「・・・うん、最初は怖かったけど・・・今はこのお兄ちゃんが助けてくれたから平気。」
「そう・・・良かった。・・・ありがとう、ジュン。この子を助けてくれて。」
「これくらいどうって事ないさ。」
「あっ、ヨウコ‼︎」
そこに少女のお母さんと思われる女性が駆け寄ってくる。女性は娘をに駆け寄ると彼女を抱き締めた。少女の方も母親を見て安心したのか先程より柔らかい表情で抱き締め返している。
「お母さん‼︎」
「良かった・・・心配したのよ・・・無事で良かったわ。・・・娘を助けてくれてありがとうございます‼︎」
「い、いえ、ボクじゃなくてこっちのジュンが娘さんを見つけて・・・。」
「貴方が娘を・・・本当にありがとう‼︎」
「それより、早く娘さんを連れてここから逃げて下さい‼︎」
女性はジュンと呼ばれた少年から娘を受け取ると彼女を抱き抱えて走り出す。その時、バザンガの咆哮が響き渡った。
「ギョゴアアアアアアアア‼︎」
「くそ‼︎怪獣が近くに‼︎」
「どうしよう・・・まだ避難が完全に済んでないのに・・・。」
少女を見送った2人はバザンガを見て苦い表情を浮かべる。2人のうち少年の名前は『ヒルマ・ジュン』。この物語の主人公となる高校生である。そしてジュンの隣にいるアキと呼ばれた怪獣娘はウルトラセブンのカプセル怪獣の魂を継いだ怪獣娘『アギラ』又の名を『宮下アキ』である。
「かなりヤバイぜ・・・皆が大パニックだ。」
「うん・・・本物の怪獣が出ただけでここまで酷い事になるなんて・・・。」
「今日は最後の最後でとんでもなくツイてない日になっちまったな。」
ジュンの言葉にアギラが頷く。実はこの2人、今日はたまたま池袋に遊びに来たのだ。夕飯時になって夕食を食べてから帰ろうとした矢先に突然宇宙から怪獣が襲来したのだ。現場にいたアギラはGIRLSの怪獣娘として人々を守るべく変身し、避難誘導に回っていた。ジュンも避難誘導を手伝おうとしたのだがアギラに強く念を押されて避難する人に回されようとしていた。そんな中、先程の少女を見つけ、今に至る。
「まさか・・・この時代に本物の怪獣が出るなんてな・・・。」
「うん、しかもあの怪獣・・・GIRLSの記録にない新種の怪獣だからGIRLSも対応に困ってるみたい・・・。」
「アキ、やっぱ俺も避難誘導手伝うよ。絶対にアキ1人でやれる範囲じゃないって。」
「ジュン・・・でも一般人のジュンを危険に巻き込む訳には‼︎」
「そんな事言ってられる状況じゃないだろ‼︎今は1人でも人手が欲しい・・・違うか?」
「・・・・・・・・・分かった。でも無茶な事はしないでね。」
アギラはジュンの強い目に彼が一歩も引かないと悟り、彼の手伝いを受け入れる。そして2人は協力して市民の避難誘導に回り出した。
その頃、池袋サンシャインシティ通りにスク水に似た獣殻頭に三日月状の角を備えた『ゴモラ』に蛇腹状の獣殻に肥大化した豪腕の腕を備えた『レッドキング』、頭にアンテナ状の角を備えた露出の多く豊満な胸の『エレキング』に水色の髪の『ガッツ星人』と言ったアギラよりベテランの怪獣娘が到着していた。
「うわぁ・・・本当に大きい・・・。」
「これ・・・本当にわたし達だけで勝てるの・・・。」
「絶対・・・無理ね。」
「でも俺達がやらなきゃいけねえのも確かだ。このままだと被害が拡大するだけだからな。コイツを放っておいたら死者だって出かねねえ‼︎」
「それは分かるけど・・・ガッちゃん、マコちゃんとキンちゃんの方はまだ来ないの⁉︎」
「うん、まだもう少し掛かるみたい。」
「全く・・・何してるのかしら。」
「うだうだ言ってたって仕方ねえ‼︎行くぞ‼︎」
レッドキングの声を受けて彼女達は街を進撃するバザンガに向かっていく。バザンガの方は自身を阻む者がいないからか好き放題にビルを破壊しながら暴れている。その様子を見てレッドキングが憤る。
「ゴギャアアアアアアアア‼︎」
「くそ‼︎好き勝手にやりやがって‼︎」
「本当、暴れ放題してくれて・・・私のお気に入りのアニメショップまで破壊したなら許さないわよ。」
「エレ、私情で怪獣に怒りを燃やさないでよ・・・。」
「待って3人とも‼︎ピグちゃんから連絡が来た‼︎」
ゴモラの言葉に3人は思わず彼女に向かって振り向く。そのまま3人はゴモラの通信に耳を傾けていた。
「どうしたの⁉︎・・・うん・・・うん・・・え⁉︎動かせる人が見つかったの⁉︎それで・・・うん・・・うん‼︎分かった‼︎」
「どうした⁉︎」
「遠隔操縦に改造したジェットビートルがあってそれを動かすって‼︎それとあの怪獣への対策も分かったらしいよ‼︎」
「本当か‼︎」
「うん、怪獣の胸部装甲の隙間・・・胸の部分に1発撃ち込めば有効的なダメージが得られるみたいだよ‼︎」
「遠距離攻撃か・・・だったら仕方ねえ。とっておきを使うか。」
「でもその作戦危険じゃない?だってその作戦怪獣にギリギリまで近づなきゃいけないんじゃないの?」
「その為にジェットビートルで誘導するって‼︎後はダム子とミクちゃんを待とう‼︎」
ゴモラが結論を決め、レッドキング達が頷いた時、空から轟音を上げてジェットビートルが飛んできた。その操縦席には誰も乗っておらず無人戦闘機に改造された事を確かに思わせる。
「来たな‼︎ジェットビートル‼︎」
「まさか・・・この時代で空を飛ぶ光景が見られるなんてね‼︎」
「それにしてもよく見つかったよね・・・遠隔操作型に改造されたのがさ。」
ガッツ星人の言葉にエレキングが頷く。この世界でも科学特捜隊やウルトラ警備隊、GUTSなどの怪獣の脅威から人類を守る為に戦う防衛チームが存在していた。当然彼らが運用していたライドメカの類も昔は多く存在していたのだが怪獣の出現が確認されなくなってから過剰防衛だと判断されライドメカの大半が解体された。残った1部は今回の時のようなもしもに備えて当時の歴史が語られる博物館の展示物として展示されていたのだ。
しかし、いざ怪獣が出現して発進しようにも怪獣が出現しなくなってから長い年月が経ち、そういう意図を備えて展示されている事が完全に忘れ去られてしまっていた。その結果、誰もこの手の類のメカを操縦出来る人がいなくなってしまい立ち往生せざるを得なくなってしまったのだ。
しかし、近年無人型戦闘機として操縦出来る様に改造していた実験台の機体がある事を思い出し、その改造が施されたサンプル機であるジェットビートルを何とか掘り起こして今に至るのだ。
そして今、池袋に到着したジェットビートルはバザンガの周りを旋回し始めた。
「あのジェットビートルでわたし達がいるところまで誘導してくれるみたい‼︎」
「それまでにミクラスとウインダムが間に合えばいいんだけど・・・。」
「それなら大丈夫。」
ガッツ星人の呟きに後ろから答えてくる声が聞こえてきた。4人が振り向くとそこには額に黄色い結晶を備えた黒い獣殻の『ゼットン』の怪獣娘がいた。突然現れたゼットンにレッドキングとゴモラが驚く。
「「うわあっ⁉︎」」
「ゼットン、来てたのね。」
「・・・ミクラスとウインダムなら大丈夫。私が近くまで連れてきた。」
「本当か⁉︎」
ゼットンはとある方向に目を向ける。全員が彼女に釣られてそちらに視線を向けるとそこにはビキニに牛を思わせる角を備えた怪獣娘『ミクラスと』と眼鏡をかけた銀色の機械的な獣殻の怪獣娘『ウインダム』がいた。ミクラスはレッドキング達に向けて手を振ってアピールしている。その時、レッドキングのソウルライザーに連絡が入った。
「こちらレッドキング‼︎」
『こちらウインダム‼︎レッドキングさん、私達も現地に着きました‼︎レッドキングさん達の姿も見えてます‼︎』
「ああ、俺達も確認済みだ。ジェットビートルが奴を引き付けてくれる。そしたら俺達も反撃開始だ‼︎」
『了解です‼︎』
ウインダムが通信を切ると同時にジェットビートルの翼に備えられたロケット弾が発射された。ロケット弾はそのままバザンガに向かっていく。そしてバザンガの体に着弾すると同時に大爆発を起こした。
「凄い大爆発だな・・・。」
「でも結構な威力じゃない?これならあの固そうな怪獣でも幾らかは・・・⁉︎」
ガッツ星人は言葉の途中で口を止める。何故なら煙の中から現れたのはジェットビートルからのロケット弾を受けても尚、平然としていたバザンガの姿だったのだから。
「ゴキャアアアアアアアア‼︎」
ブレーザー、話が進む度に出せるかどうか悩む怪獣達が増えていきますね・・・。