怪獣娘×令和ウルトラマン クロスオーバーユニバース 作:特撮恐竜
円盤生物『ハングラー』登場
バザンガが新たなるウルトラマンに倒されてから3日後、ジュンは幼馴染である怪獣娘アギラの人間態である『宮下アキ』に連れられてGIRLS東京支部に訪れていた。
「なぁ、アキ・・・今からGIRLSのお偉いさんのところに向かうんだよな?」
「正確に言うとボク達の先輩の中で1番偉い人かな。・・・ピグモンさんって言うんだけど。」
「その・・・ピグモン?・・・さんが俺に一体何の用があるって訳?」
アキは分からないと言いたげに首を横に振る。その様にジュンは頭を抱えながらため息をついた。
「俺・・・一体何をしたんだろ・・・・・・避難せずにミクラスさん達助けに行った事怒られんのかな・・・。」
ジュンはもし怒られるとすれば心当たりがある理由を思い出して呟く。そして2人の姿はピグモンが待つ部屋の中に消えていった。2人が部屋に入るとそこには怪獣娘ピグモンの人間としての姿である『岡田トモミ』が座っていた。
「ああ、連れて来てくれましたか‼︎ありがとうございました〜、アギアギ。」
「いえ、ピグモンさんからの指令ですから。」
「いえいえ〜。」
トモミはアキに礼を述べると今度はジュンの顔に目を向ける。思わずジュンは緊張して背筋を真っ直ぐにして固まった。
「そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ。楽にしてください。それで貴方がバザンガに襲われて怪我をしたミクミク達の救助を手伝ってくれた民間人の方ですね。アギアギの幼馴染で同じ高校のクラスメイトの・・・ヒルマ・ジュンさんでよろしいですね。」
「は・・・はい。」
「アギアギから全ての報告を聞きました。バザンガの破壊活動に巻き込まれたミクミク、ウインウインの救助を手伝って下さったそうですね。」
「バザンガ?」
「ああ、まだ世間には知らされてませんでしたね。3日前、池袋に飛来したあの宇宙怪獣のコードネームです。」
ジュンはトモミの言葉でまだ報道されていなかった怪獣の名前に納得の表情を浮かべる。そしてトモミは再び口を開くとともにジュンに頭を下げた。
「この度はミクミク、ウインウインの救助を手伝って下さり、誠にありがとうございました‼︎もし、貴方が来ていなければ2人とも重傷を負って、今でも病院に入院・・・ううん、最悪の場合、2人とも命を落としていたかもしれません‼︎」
「あ、頭を上げて下さい‼︎俺はただ・・・俺に出来る事をしただけです‼︎」
「いえ、そういう訳にはいきません‼︎大事な仲間を助けて下さったのですから‼︎ジュンさん、本当にありがとうございました‼︎」
トモミは再びジュンに深く頭を下げる。困った表情のジュンがこういう時どうすればいいか目線でアキに訊ねるもアキも困った顔でお手上げな表情になる。そして再びトモミは頭を上げるとジュンに目線を向けて口を開く。そして彼女の口から出た言葉はジュンだけでなくアキにとっても驚く言葉だった。
「ジュンさん、ミクミク、ウインウインの救助活動の協力してくれた貴方にとても大切なお願いがあります。私達GIRLSの仲間になってくれませんか⁉︎」
「へ?・・・・・・え⁉︎」
「じ、ジュンが・・・GIRLSに⁉︎どういう事ですか⁉︎」
「3日前、再び地球に怪獣が現れた事で、私達GIRLSは怪獣対策の全てを押し付けました。」
「か、怪獣対策の全てを⁉︎な、何故GIRLSが⁉︎」
「恐らく・・・今の世界で怪獣に最も関わりがあるのは私達GIRLSだからでしょう。しかし、GIRLSに所属する怪獣娘は芸能活動や大怪獣ファイトなどのそれぞれの分野に加えて街に現れるシャドウへの対応があるのに、更に本物の怪獣への対応という新たな課題が加わりました。これから先、次々と怪獣が出現するようになるのであればこのままだと間違いなく人手不足で皆が倒れてしまいます・・・。今、GIRLSには人手が求められているのです‼︎」
トモミの説明を聞いてジュンだけでなくアキも黙り込む。彼女はトモミの言っている事は自身達にも当てはまると思い、胸に噛み締めていた。その上でアキは自身の疑問をトモミにぶつける。
「ピグモンさんの言いたい事は分かりました。けど、どうしてジュンなんですか?」
「アギアギ、貴方の幼馴染であるジュンさんは怪獣が暴れて危険な状況にも関わらず、ミクミクとウインウインの救助に協力してくれたんですよね?」
「え・・・は、はい。」
「再び怪獣が現れ、怪獣対策で人手が不足してくる可能性が高い中、勇敢で正義感が強い人物がGIRLSに求められています。そんな中、アギアギの報告を聞いて真っ先にミクミクとウインウインの救助を手伝ってくれたアギアギの幼馴染さんの事を聞いて正に今、GIRLSが求めている人物だと思い、ここに連れて来て貰ったのです。」
アキはその話を聞いて思わず幼馴染の方を見る。一方でジュンはトモミの話を聞いて大分困惑していた。
「お、俺・・・普通の人間ですよ。アキ達怪獣娘でもないのにGIRLSに入れるものなんですか?」
「それについては大丈夫です。GIRLSには普通の人間も多く働いています。少ないですが男性職員も働いています。ですからジュンさん、私達に力を貸してくれませんか?私達にはジュンさんのような人が必要なのです。」
「・・・俺が・・・GIRLSに・・・ですか・・・。」
「勿論、強制とは言いません‼︎考える時間は与えますし、何なら体験入隊期間を設けます‼︎どうでしょうか⁉︎」
「・・・少し考える時間を下さい。必ず答えを持ってきます‼︎」
ジュンは真剣な表情でトモミに言い放つ。トモミの方もジュンから出た言葉が拒否の言葉ではなかった事から思わず安心して一息つく。そして2人のやりとりを見守っていたアキも緊張が解けて一息ついた。そして一息ついたトモミは再び口を開く。
「ひとまず、検討を考えてくれてありがとうございます。これから先、怪獣だけでなくあのウルトラマンに関する調査も進めなければいけない状況ですからね・・・。」
「あのウルトラマンって・・・・・・もしかしてバザンガと同じ日に現れたあの・・・。」
「はい、正体不明のウルトラマンです。」
「そもそもの話、あの巨人ってウルトラマンなんですか?自分の元の怪獣の事を勉強するにあたってウルトラマンの事にも学びましたけど・・・。」
アキの質問にトモミは自身のパソコンを開いて過去のウルトラマンの記録と共にブレーザーの映像を映し出す。その映像を見たジュンも集中するように映像に目を向けていた。
「確かに・・・見た目も・・・野生児のような戦い方も・・・これまで現れたウルトラマンとは全く異なりますが・・・見た目からしてウルトラマンの可能性が高いと思います。ウルトラマンの特徴的な目に加えて・・・胸にはカラータイマーのような水晶を備えていました。私達だけでなく、GIRLS上層部や各政府の要人達もあの巨人はこれまでに現れた事がない新種のウルトラマンではないかと考えています。」
「確かに・・・これまで現れてきたウルトラマンと同じ特徴は持っていますね・・・。」
トモミの説明を聞いて納得したアキの横に立つジュンの脳裏に眩い銀河のビジョンが浮かび上がる。その時、ジュンは思わず無意識に呟いた。
「ブレーザー・・・。」
「え?」
「ジュン?今、何て言ったの?」
「ん?・・・ああ・・・・・・あのウルトラマンの名前が思い浮かんだんだ。」
「え?何で・・・?」
アキの疑問にジュン自身も分からないと言いたげに首を横に振る。そしてジュンは2人の顔を見ながら思わず口を開いていた。
「今まで現れたウルトラマンってジャックとかエースとか色々と名前があったと思うんですが・・・あのウルトラマンってそういうの付けられてます?」
「い、いえ・・・確認されたばかりという事もあって・・・まだ正式な名称は・・・。」
「あの・・・まだ民間人の俺が付けるのもおこがましいと思うかもしれませんが・・・ウルトラマンブレーザーってのはどうですかね?眩い光の中からやってきた・・・遠い銀河のブレーザー・・・ウルトラマンブレーザー・・・。」
「ウルトラマン・・・ブレーザー・・・・・・いいですね‼︎悪くありません‼︎」
「うん、ボクもその名がしっくり来る・・・。」
「本当ですか⁉︎」
「ええ、ジュンさんの名案を採用します‼︎あのウルトラマンのコードネームはウルトラマンブレーザーです‼︎」
ジュンは自身の名付けた名前が採用されるとアキと顔を向き合う。そして嬉しさのあまり、お互い笑顔で頷いて手を合わせてハイタッチした。
その日の夜、遠くに漁に出ていた漁船は漁を終えて帰路についていた。船の中では漁師達が漁の成果を話題にしつつ、雑談をしていた。
「今日は今の時期にしては微妙だったな〜。」
「そうだな・・・この時期なら鯵が良く取れるってのにその鯵も妙に少なかったなー。」
「勘弁して欲しいぜ。ただでさえ不漁気味で収入が少ないってのにこのままじゃ生活出来なくなっちまうぜ。」
不満げに語る漁師達の前で船を操縦していた操縦手は遠くに灯りを見つける。その光を灯台と思った運転手は後ろで雑談していた漁師達に声を掛ける。
「兄貴達、灯りが見えました。間もなく到着しますぜ‼︎」
「もうか?」
「今日は随分と早いな・・・もう少し掛かると思っていたが。」
漁師達は思ったより早い帰港に疑問を抱きながら下船に向けて備え始める。若い運転手も見えた灯りの方向に船を進めていく。しかし、灯りに近付く途中で漁師の1人が運転手を制止した。
「待て‼︎あの灯り・・・灯台じゃねえぞ‼︎」
「え⁉︎」
「俺達の港の灯台にしちゃ灯りが明るすぎる‼︎今すぐにでも引き返せ‼︎」
漁師の言葉に運転手は思わず舵を切る。すると先程から見えている灯りが突然動き出した。そして灯りの下から鋭い牙が生えた大きな口が船に向かっていく。
「ま、マズイ・・・追い付かれる‼︎」
「もっとスピード上げろ‼︎」
「む、無理です‼︎船が引っ張られて行きます‼︎」
船が吸い寄せられ、思うように動かなくなり漁師達はパニックに陥る。そして彼らの船は後ろから迫る大口を開けた何かに追い付かれてしまう。
『うわああああああああああああああああああああああ⁉︎』
そして彼らが乗った船は大きな口の中に飲み込まれる。そして大きな口が閉じられ、彼らが乗った船は完全に口の中に来てていく。。そして月の光で口の主が写し出された。その頭には灯台に見せかけていた光を照らす触覚を備えており、まるでチョウチンアンコウを思わせる丸っこい姿をしていた。かつてとあるウルトラマンによって破壊された悪魔の惑星と呼ばれるブラックスターの円盤生物の生き残りであるハングラーは食事を終えるとすぐに海の中に潜っていった。
その日の翌日、ジュンは学校を終えるとそのままアキと一緒にGIRLS東京支部に向かう。そしてGIRLS東京支部の前に立つとアキは昨日の事を思い出しながらジュンに向かって訊ねた。
「それで・・・答えは決めたの?」
「いや・・・まだ・・・。」
「決まって無かったの?」
首を傾げるアキに思わずジュンは頷く。そしてアキの横で前を向きながら口を開いた。
「幾ら普通の人間もいるからって・・・何の力も無い普通の高校生である俺がGIRLSに入って・・・本当に上手くやっていけるか自信が無いんだよ。だって・・・GIRLSって今じゃ世界中に支部がある国際機関だろ?そんなところに・・・普通の高校生である俺が入って大丈夫なのかって思っちゃうんだよ・・・。」
「それを言ったらボク達だって変身しなきゃ普通の高校生なんだよ。でも、試験を受けてGIRLSの正式な一員になって・・・こうして活動出来ている。だから、決して難しく考える事なんてないよ。」
「アキ・・・。でも、ただの人間である俺が入って・・・お前ら怪獣娘達のために出来る事なんてあるのかよ?」
「何言ってるの?バザンガが現れたあの夜、ジュンはボクに意地でも付いてきてミクちゃんとウインちゃんの救出を手伝ってくれたんだよ。あの時、近くにいた他の先輩怪獣娘だってあそこから最低でも10分は掛かる位置にいたんだ。そこにジュンが来てくれたから2人を助ける事が出来たんだよ。」
「アキ・・・。」
「ジュン、ボクはどっちに転ぼうともジュンの気持ちを応援するよ。」
アキの言葉を聞いたジュンは目の前の幼馴染がこれまで以上に頼りに見え、彼女から目を離さずにいられなかった。その時、後ろからミクとレイカがやってくる。
「あっ、おーい‼︎アギちゃーん‼︎」
「あら、貴方は確か・・・3日前に池袋で会った‼︎」
「ミクちゃんにウインちゃん‼︎」
「2人はあの時の‼︎・・・その怪我とか大丈夫か?」
「平気平気‼︎あたし達怪獣娘は回復力も高いんだし心配無用だよ‼︎」
「寧ろ私達からすれば貴方の方が心配でした。その後、怪我したとかは?」
「ああ、俺も大丈夫だ。何ともない。」
「そっかー、良かった〜‼︎それで・・・どうしてアギちゃんと一緒にGIRLSに向かってるの?」
「ああ、それは・・・。」
ジュンとアキは2人に全てを説明する。説明を聞いた2人は納得の表情になっていた。
「成る程ね〜、君がGIRLSにか〜‼︎」
「ああ、まあな・・・。2人は俺がGIRLSに入るのは・・・どう思う?」
「あたしは賛成だよ‼︎あの時命を助けてくれたんだもん‼︎」
「そうですね・・・私達が今、こうしてここに無事でGIRLSに来られるのはジュンさんのお陰ですから・・・私も特に反対はしませんよ。」
ジュンは2人の答えを深く噛み締める。その言葉を聞いてある程度踏ん張りが付いたのか拳を握り締めていた。その時、アキのソウルライザーに連絡が入る。
「はい、こちらアギラ・・・え⁉︎怪獣がまた現れたかもしれない⁉︎」
ミクとレイカはアキの言葉を聞くとお互い顔を見合わせて驚く。その一方でジュンはアキの言葉を真剣な眼差しで聞いていた。
ハングラーが海にいる点ですが、オーブクロニクルによるとハングラー、ある海域で船や飛行機を襲って食べていたようなんですよね。船を襲っていた事もあるし、そもそもモチーフがアンコウですから私は水中でも活動出来ると思いました。