怪獣娘×令和ウルトラマン クロスオーバーユニバース   作:特撮恐竜

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今回も原作とは違う怪獣が出ます‼︎

変異昆虫『シルドロン』登場


新型エネルギーを守れ‼︎(前編)

ここは九州の新たな新エネルギーである『液化ティーテリウム』の九州生産工場である。微量ながらも水がある限り無限に取り出せ、加工すればクリーンで安全な次世代エネルギー源として注目されているこの液化ティーテリウムの生産工場は今は深夜であるのもあり、夜勤帯の人々を除けば工場で働く勤務員は帰宅している状態であった。この夜も特に異常は無く、特にトラブルや事故も起きずに朝まで働く事になると誰もが思っていた。

その思惑は突然破られる事となる。突然地底から虫を思わせる姿の怪獣が出現して工場を襲撃したのだ。突然出現した怪獣の姿に工場で働いていた夜勤の従業員達は逃げ惑う。

 

「ギシイイイイイイイイイ‼︎」

「うわあああああああああああああ‼︎」

「だ、誰か・・・助けて・・・助けてくれええええええええええ‼︎」

「イヤアアアアアアアアア‼︎」

「ギシイイイイイイイイイ‼︎」

 

深夜で突然の襲撃というのもあってGIRLSからの支援が誰も来ていないいま、従業員達は誰もが阿鼻叫喚を上げてパニックになりながら逃げ惑う。従業員達が逃げ惑う中、怪獣はエネルギーの貯蔵タンクを両腕を振り回して破壊し、破壊痕に口をつけてエネルギー源を啜り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

その日の翌日、トモミはモニター越しにGGFに所属する軍人服を着た男性と話をしていた。彼女はこれまでの後輩怪獣娘達に決して見せた事のないような険しい表情を浮かべている。それは2人の会話を聞いていたランとクララも同様だった。

 

「どうしてあの時、私達GIRLSに黙って勝手にハングラーに攻撃を仕掛けたんですか⁉︎」

『君達GIRLSに所属する怪獣娘では怪獣に勝てない・・・だから我々が圧倒的な火力を持って怪獣を撃滅しようと考えたまでだ。』

「結果的に艦隊の全てが沈められたじゃないですか⁉︎しかも貴方達が無闇に攻撃したせいであの怪獣は陸上に上がってきたんですよ‼︎」

『あれはとんだアクシデントだったが我々のこれからの活動において何の支障はない。』

「戦闘機部隊も全てハングラーに食べられたのに・・・よくそんな事言えるわね。」

『これから先も怪獣が現れるようなら調査の方は君達に任せる。その後は我々に任せろ。圧倒的な火力で怪獣を撃滅する。』

「それで怪獣を倒せなかったらどうするんですか⁉︎過去には攻撃を吸収して自身のエネルギーに変える力を持つ怪獣だっていたんですよ‼︎・・・兎に角、無闇に怪獣を攻撃するのは止めてください‼︎」

『我々が伝えたい事は以上だ。通信を切る。』

「え⁉︎ちょっ、ちょっと‼︎」

 

トモミがストップを掛けるも伝えたい事を伝えたGGFの男はすぐに通信を切り、モニターに砂嵐が流れる。暫く沈黙が続くとランが呟いた。

 

「駄目ね・・・火力のみで怪獣を殲滅出来ると思っている・・・。頭が単純な人達だらけだわ。」

「過去の記録を見れば火力押しだけでは怪獣には勝てない事くらい分かる筈なのに・・・。」

「かつて本物の怪獣が立て続けに出現していた第一次大怪獣時代から長い時が経ってイマスからね・・・。過去の怪獣の記録に触れても時間の無駄だと感じても無理はないデス・・・。」

「やはり怪獣対策も私達GIRLSが考えなきゃいけなさそうですね・・・。怪獣娘が本物の怪獣に戦える力を身に付ける方法を考えなくては・・・。」

 

トモミは先程のGGFとの通信を経て考えた結論を出すと机の上に置いた資料に手を付けて席を立つ。そして会議室を出ようとした時、ドアの前で立ち止まるとクララに向き合って口を開く。

 

「そういえばジュンジュンはどうしてますか?」

「問題ありマセン。アギラちゃん達が見てマスよ。何でもワタシ達怪獣娘の特訓に必死に食らいついているらしいデス。」

「あら、少しはやるのね。すぐに根を上げると思っていたわ。」

「やはり、池袋でバザンガが暴れる中、ミクラスちゃん達を助けるのを手伝ってくれた事もあって根性は中々のものデスよ。」

「そうですか・・・それは良かったです。・・・けど・・・。」

「どうしたの?」

「ゴモゴモ達から少し話を聞いたのですが・・・彼、3年前に何かの事故に巻き込まれたらしくて・・・その経験からミクミク達の救助を手伝ったりしてくれたんでしょうけど・・・少し無茶をしないか心配で・・・。」

「大丈夫よ。いざとなれば彼を止めれそうなアギラもいるわ。」

「それにワタシ達もいざ彼が無茶をしそうになったら、止めに入りマス。心配しないで下サイ。」

「そ、そうですね・・・ありがとうございます、2人とも!」

 

クララとランの答えにトモミも笑みを浮かべる。そして3人は会議室を後にして元の仕事に戻っていった。

 

 

 

 

 

その頃、GIRLSのトレーニングルームではジュンがランニングマシーンを走っている。怪獣娘専用に調整されていて普通の人間にはキツい筈のランニングマシーンにジュンは必死で食らいついていた。

 

「うおおおおおおおおお‼︎」

「じゅ・・・ジュン、大丈夫⁉︎あんまり無茶しちゃ駄目だよ‼︎」

「無理なんか・・・してないって‼︎・・・お前達に付いて行けるように俺も・・・強くならなくっちゃ‼︎」

 

アギラは明らかに普通の人間には過度を超えた特訓に励む姿を見ていられなくなり、これを見守っていた親友であるミクラス、ウインダムと顔を合わせると強制的にランニングマシーンを停止させる。そしてアギラとミクラスが強制的にランニングマシーンから引き摺り出した。

 

「おい‼︎何で止めんだよ‼︎」

「これ以上はジュンの体が持たないからだよ‼︎特訓もいいけど、適量を超えた運動は駄目‼︎これ以上は禁止だよ‼︎」

「・・・分かったよ。」

 

アギラからストップをかけられたジュンは渋々納得するとクーラーボックスに冷やしてあったスポーツドリンクに口を付ける。あっという間に飲み干すとため息をついて座り込んだ。そんなジュンの隣にアギラが座り込む。

 

「全く・・・何でここまで特訓したの?」

「・・・こうしてGIRLSの一員になったからには・・・また再び現れた怪獣から多くの人達の命を救いたい。そのために体力を付けて強く」

「それで体を壊したら元も子もないよ‼︎・・・確かにシャドウとか本物の怪獣の対処はボク達GIRLSが引き受けた役目だけどそれはボク達怪獣娘がやるものなの‼︎」

「けど、もし万が一に宇宙人が現れたら俺だって戦う事に」

「それもボク達が引き受けるよ。幾らGIRLSに入ったからってジュンはボク達怪獣娘じゃなくて普通の人間である事には変わりないんだよ。だから戦闘とか無茶な事はさせられないよ‼︎分かって・・・ジュン。」

 

アギラの言葉にジュンは少し考えるように黙り込む。そして数秒後、ジュンは観念したように口を開いた。

 

「・・・・・・分かったよ。」

「ジュン‼︎」

「でも、民間人や仲間がかなりヤバい状況になっててすぐに助けが欲しい時とか、宇宙人を俺しか止められない時とか、そういう時は無茶をやる事になると思う。それでもいいか?」

「うーん・・・本当は止めて欲しいんだけど・・・・・・でも人命が危かったり、ジュンしか戦えないようなその時はその時で仕方ないね・・・でも、極力無茶は避けるんだよ‼︎分かったね⁉︎」

「分かった分かった分かったから‼︎」

 

念を押してくるアギラにジュンは思わず顔をしかめながら頷いた。そして4人はもう少しトレーニングを続けて、その日の特訓を終える。

特訓を終えてジュンは軽くシャワーを浴び、普段着に着替えている。するとズボンのポケットからブレーザーストーンを取り出した。

 

「・・・・・・ブレーザー、何で君は俺を選んだ?そもそも君は何者なんだ?」

 

ジュンはストーンに思わず問い掛けた。しかし、ストーンから返事が帰ってくる事などあるはずもなくそのまま沈黙が続いた。どう問い掛けても答えが返ってくる訳がないと考えたジュンはストーンを再びポケットにしまう。そして先程の幼馴染との会話を思い出しながら三年前の事を思い起こす。

 

『ジュン君、ここから逃げるんだ‼︎レスキューが間もなく来る筈だから合流出来たらその人の指示に従ってくれ‼︎』

『は、はい‼︎』

 

ジュンは自身に呼び掛けた男性の言葉に頷いてその場から走り出す。そして曲がり角に曲がった時、ジュンの目に摩訶不思議な物が写った。何とジュンの目の前に宇宙空間を思わせる黒い穴が開いたのだ。ジュンは思わず驚いて後ずさった。

 

『な、何これ⁉︎』

 

ジュンは思わず緊急事態という事を忘れて穴に恐る恐る近付いていく。その時、穴の奥から光り輝く人影が見えてきた。ジュンは人影がこちらに近づいてくるのを見て、更に穴に近付いていく。そしてジュンは思わずその穴からやってくる光る人影に手を伸ばした。

 

 

 

 

 

 

そして現在、あの事故の事を思い出しながら先程のアギラの事を思い出していたジュンは誰もいない男子更衣室でアギラに対して小さく謝った。

 

「御免、アキ・・・多分俺は無茶をしないという約束を守れない。あの事故を見てる以上、俺に救える命があると思うと黙って見ていられなくなると思う・・・。頻繁に無茶をする事を許してくれ・・・アキ・・・。」

 

ジュンは鏡の前で呟くと完全に着替え終える。そして男子更衣室を後にして去って行った。

 

 

 

 

その夜、大阪にある液化ティーテリウムを管理、生産している工場で緊急事態が起こっていた。何と九州の液化ティーテリウムの工場を襲った怪獣と同じ怪獣が現れ、この場所を襲撃してきたのだ。警備員達の誘導で職員達が工場から逃げていく。

 

「こっちや‼︎こっちに逃げるんや‼︎」

 

警備員達の誘導で職員達が避難する中、怪獣のシルエットが灯りに照らされる。それは典型的な二足歩行型でありながら虫を思わせる頭部をしており、額には緑色の水晶体が付いている。そして腕に如何にも硬そうな鋏を備えたその怪獣の名は変異昆虫『シルドロン』。その名の通り、種類は不明だが昆虫が突然変異を起こして誕生した怪獣である。シルドロンは固い鋏状の腕でエネルギー貯蔵タンクの上側の一部を破壊する。

 

「ギシイイイイイイイイイイ‼︎」

 

エネルギータンクの上側を破損させたシルドロンは破損した箇所から見える液化ティーテリウムに口を付ける。実はシルドロンは高純度エネルギーを餌としている。そのため、新たに開発された液化ティーテリウムに目をつけ、工場を襲撃したのだ。九州の液化ティーテリウムの工場が襲撃されたのもこのためである。シルドロンはそのまま自身が満足するまで液化ティーテリウムを啜り続けていた。

 

 

 

 

 

「皆さん、おはようございま〜す‼︎」

「ピグモンさん、大変です‼︎大阪支部から緊急の連絡が入っています‼︎」

 

その日の翌日、GIRLS東京支部に出勤してきたトモミに職員の1人が慌てて駆け寄ってくる。トモミはただならぬ空気を感じて女性に問い掛ける。

 

「大阪支部から・・・ですか?一体何の連絡が・・・?」

「それが・・・大阪に怪獣が現れたらしくて・・・。」

「怪獣が⁉︎」

「それで東京支部にも一応、緊急事態に備えて欲しいと・・・。」

「分かりました‼︎電話、変わります‼︎・・・もしもし、GIRLS大阪支部ですか?私、東京支部の岡田トモミことピグモンです‼︎・・・はい・・・はい・・・。」

 

それから数時間後、1日の授業が終わった学生である大半のメンバーがGIRLS東京支部に集まった瞬間、全員に呼び出しが掛かる。呼び出された東京支部の主力メンバーは講義室に集まっていた。

 

「皆さん、集まっていただきありがとうございます。実は・・・大阪支部より重要な連絡が入りました。」

「大阪支部から?それってどんな?」

「それが・・・またまた本物の怪獣が出現したとの報告で・・・。」

 

ミカヅキの疑問に答えたトモミの回答で全員が目を見開く。すかさずアキが立ち上がって疑問を投げた。

 

「また怪獣が出現したんですか⁉︎」

「ええ・・・報告によれば昨日大阪に現れた怪獣は一昨日、九州の方にも現れたらしく・・・同一個体が北上しているとか・・・。」

「怪獣の種類の特定は済んでいるのデスか⁉︎」

「それがまだ・・・ただ怪獣がティーテリウムを狙って工場を襲撃している事は分かっています‼︎」

「ティーテリウムって何?」

 

ミカヅキの疑問にトモミはモニターに映像を起動する。映像にはティーテリウムについてまとめたプレゼンが写し出された。

 

「水の中に微量に含まれており、水がある限り無限に取り出せると最新の研究で分かったエネルギーです。非可燃性で爆発する恐れがなく、加工すればクリーンで安全な新エネルギーになるかもしれないと世界中で注目されています。日本では九州、大阪、東京に生産工場及び貯蔵施設が建てられています。」

「成る程・・・そのエネルギー施設の内、九州、大阪が襲撃されたって事か。」

「待って‼︎そのエネルギー施設は九州、大阪、東京にあるんだよね⁉︎って事は次に狙われるのは・・・。」

「はい、この東京に存在する生産工場及び貯蔵施設だと思われます‼︎そこでこのGIRLS東京支部にも声が掛かりました‼︎よって皆さん、出動して下さい‼︎」

『了解‼︎』

 

全員がトモミの声で気を引き締める。そして全員で講義室を後にして、有事に備えて外に飛び出していった。




実はシルドロン、設定によれば昆虫が突然変異して生まれた怪獣だそうです。
生物が突然変異した怪獣であれば地球怪獣でも怪獣娘世界に遠慮なく出せる事に加えてタガヌラーと同じ昆虫怪獣であり液状のエネルギーを食らうという共通点から丁度いいと考え、今回の登場怪獣にシルドロンを選びました。
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