妹の配信に入り込んだらVTuber扱いされた件   作:江波界司

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お久しぶりです。

もうタイトル通りですよ。


#酒豪の錬金術師

「兄者くんも!飲もーう!」

「いえ〜い飲も〜!」

「飲むな未成年」

 

 他人の家で酒を開ける清楚の皮を被った酒豪め。

 罰ゲームから解放されてすぐこれかよ。

 愚妹はコーラだが。

 

「てか、明らかに三人分の酒がありますよねこれ」

「うん!兄者くんの分も買ってきたよ」

「話通じてます?」

 

 あんた二人前飲む気かよ。

 酒に人を誘うのはまぁわかる。

 しかし、なぁ。

 八重咲とか愚妹は未成年。

 夜斗は飲めんからあれだとしても、この人友達少ないのか?

 頼むからもう少し倫理観もって飲んでくれよ。

 

「はぁ……記憶飛ぶほど飲んだら追い出しますからね」

「酷くないかな!?大丈夫、私強いから」

「それなんて五条」

「へ?」

「あ、あれでしょ〜目無い人」

「無くはねぇ」

「じゃあ、かんぱーい!」

「はいはい」

「兄者くんも飲むんだよ!」

「分かりましたよ。ってビール多くないか」

「あ、ごめんね。兄者くん私といるといつも飲まないから、好み分かんなくて」

「いや、まぁそれは謝ることじゃないですよ。俺、基本チューハイしか飲まないだけなんで」

「今日はビールにも挑戦しようよ。美味しいよ!」

「これがシラフなのかよ」

「ちなみにオススメは日本酒」

「この人、潰しに来てるだろ」

「パイセン〜、ポテチ開けてい〜?」

「お前はお前で自由だな」

 

 酒は嗜む程度なんだよな俺。

 許容量は把握してるが、本当に普通。強くもないし弱くもない。

 普通に同じペースで飲んでたらこんな酒呑童子みたいな人とためは張れん。

 ちびちび飲ませて貰おう。

 

 ……んで、2時間くらい経ったか。

 だいぶ俺も酔ってる気がする。

 意識はそれなりにしっかりしてるし、倒れそうではないから問題はないな。

 

「そうそう、私ねぇ、もうすぐ誕生日なんだよぉ」

「それは、おめでとうございます」

「うんうん。でねぇ、配信もするからねぇ、凸してねぇ」

「まぁ愚妹がする時にでも適当に混ざりますよ」

「あ、兄者もするんだ。珍し〜断ると思ってた〜」

「いや、一応八重咲の時は出たしな。そこで断るのは違うだろ」

「兄者くん、実は優しいのぉ?」

「知らなかったんですか」

「兄者はクソドSやろうだけどね〜」

「そうかそうか。それならお前の理想の兄者に今すぐなってやろう」

「わ〜い、兄者やさし〜」

「なんだっけな、クソドS鬼DV兄者だっけ?」

「話聞いてねぇ〜!」

「あはははっ!二人とも、仲良いねぇ」

「普通ですよ」

「だね〜。あでもいつもみたいにパンチないだけやさしい」

「俺がいつも人を殴ってるみてぇに言うな」

 

 誰がDV男だっての。

 俺は正当な理由がない限り人に危害を加える気は無い。

 そもそも身内でもなけりゃ手も上げねぇし。

 ただ愚妹が、痛みを伴わない教訓では学ばないだけで。

 

「でもぉ、今日の兄者くんはさぁ、いつもより優しい気がするぅ」

「俺はいつでも優しいですって」

「あ、お兄ちゃんだからぁ?」

「その表現はなんか嫌ですけど」

「でもほらぁ、兄者くんって、泣いてる子がいたらちゃんと慰めてくれそうだよねぇ」

「いや、そもそも泣いてる子を追撃しようと思いませんて」

「は?嘘つけクソ兄者〜」

「思い出してみろ。俺がやるのは泣かすとこまでだったろ?」

「十分最低だかんねそれ〜!」

 

 いや、泣かされる理由があるからなお前。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【凸待ち】誕生日は人望が試される日【吹雪菫】

 

 

 トークデッキ:誕生日の思い出、吹雪菫の第一印象、得意料理

 

「はい、夜分遅くにこんばんは。P.S一期生の吹雪菫です。えっと、はい、誕生日です!」

 

 コメント:おめでとう

 コメント:おめでとう

 コメント:1000円 おめでとう

 コメント:2000円 おめでとう

 コメント:500円 おめでとさん

 コメント:1300円 乗るしかないこのビッグウェーブに

 コメント:3000円 おめでとう

 コメント:13000円 グェグェクェェェ!!!

 

「あ、赤スパありがとうございます。えっと、え、え?あ、んん?」 

 

 コメント:エヴァネタ草

 コメント:ペンペンおるやんけ

 コメント:おめでとう

 コメント:最終回

 コメント:ペンペンw

 コメント:効果はいまひとつのようだ

 コメント:パイセンにアニメネタ効くの

 

「エヴァ……あ、知ってるよ!前にね、八重ちゃんがやってた。兄者くんが凄い受けててびっくりしたよ」

 

 コメント:やってたw

 コメント:何やってんだ八重咲w

 コメント:草

 コメント:やるってなんだよw

 コメント:一人で全員分おめでとう言ってたんかw

 コメント:ペンペンやる八重咲w

 コメント:ペンペン八重咲

 コメント:ペン咲

 コメント:略されて別物やんけ

 コメント:ペンギンも広い意味じゃビーストよ

 

「鳥ってビーストなの?……あ、来た、ね!えっと八重ちゃんだ!」

 

 コメント:噂をすれば

 コメント:配信見られてる説

 コメント:タイミングw

 コメント:こりゃ見てんな

 コメント:本家見れるぞ

 コメント:本家はエヴァなんよw

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 コメント:マジでやるとは思わなかった

 コメント:ペン咲草

 コメント:ペン咲www

 コメント:やってって言ったパイセンナイスぅ

 コメント:これだから八重咲は

 コメント:パイセンが毒されていくw

 

「あははっ!勢いが凄かったね、八重ちゃん。今度DVD借りてこようかな」

 

 コメント:やめとけ

 

「え、やめた方がいいの?どうして?」

 

 コメント:センシティブ

 コメント:俺って最低だ

 コメント:グロいよ

 

「あ、そうなんだ。ちょっとそれは、怖いかな」

 

 コメント:夫と見れば?

 コメント:というか旦那まだ?

 コメント:兄者はよこい

 コメント:兄者なのに旦那とは

 コメント:兄者のダンナ

 

「まだ結婚してないよー。あ、でも兄者くんは多分来てくれると思う。この前にね、してねーって頼んだから」

 

 コメント:まだしてない定期

 コメント:「まだ」

 コメント:まだ←ここ重要

 コメント:夫婦いじりに慣れ始めてんの草

 コメント:はよせい

 コメント:まだか兄者の旦那

 コメント:兄者の旦那ってなんかやべぇw

 コメント:兄者の旦那じゃなくて旦那の兄者

 コメント:それもちがうだろw

 

「旦那の兄者だと、旦那さんのお兄ちゃんみたいになるね。あ、来た来た!春ちゃんってことは、多分兄者くんもいる!」

 

 コメント:待ってた

 

「はい、えっと立ち絵だして、もしもし?」

『あ、パイセン?おめでと〜』

「春ちゃん!ありがとう!」

『ほら、兄者も。ほら』

『おめでとうございます。兄者です』

「うん。ありがとう、兄者くん」

『じゃあ、失礼します』

「うんうん……え、えぇ!?どうして!?まだ何も話してないよ!?」

『適当に混ざるだけですし』

「トークデッキもあるから!ね、話そ!」

 

 コメント:パイセン必死w

 コメント:兄者冷たいw

 コメント:熟年夫婦

 コメント:距離感よき

 コメント:むしろ仲良い

 

『何の話する〜?』

「えっとね、第一印象……は、なんだろう。前にも話した気がするね」

『マシュマロかなんかでやりましたね』

「じゃあ、得意料理は?」

『プリン!クリーム乗ってるやつ〜』

『それクリーム乗せただけだろ』

『普通のやつも作れるから〜』

「春ちゃん本当にプリン好きだね。今度分けてあげよっか?」

『え、マジで〜?やった〜』

『スミレさん、贈り物を返却するのはどうなんですかね?』

「私はそろそろ兄者くんからの嫌がらせだと思ってたよ?」

『まぁ嫌がらせですね。愚妹への』

『え、どゆこと?』

「兄者くんの得意料理は?多分上手だよね」

『いや、あんまし作らないですよ。チャーハンとカルボナーラくらいで』

「簡単なやつってことかな……え、カルボナーラって簡単なの?」

『牛乳と卵あればできるんで意外と楽なんですよ』

「へぇ、そうなんだ」

 

 コメント:今度作ってもろて

 コメント:兄者の料理配信くるか

 コメント:いつ旦那に出しても恥ずかしくない

 コメント:夫婦で料理配信して

 コメント:パイセンがやらかしてまう

 

『じゃあさ〜パイセンの得意料理ってなに〜?』

「私はね、からあげなら誰にも負けない自信あるよ」

『つまみか』

『おつまみだね〜』

「……八重ちゃんもそうだったんだけどさ、私のイメージってもうお酒しかないの?」

『まぁ、そうですね』

 

 むしろ清楚枠だった頃が懐かしい。

 今じゃ愚妹と八重咲に引けを取らん位にはヤベー奴だと思ってるし。

 

『この前も兄者と飲んでたしね〜』

「あ、そう!あの時はありがとね。初めて兄者くんが付き合ってくれたから」

『俺が飲むまで居座りそうだったんで』

 

 コメント:旦那だから

 コメント:そりゃわかるw

 コメント:酒豪

 コメント:付き合った?

 コメント:ほう

 コメント:てぇてぇ

 コメント:ついに認めたか

 

「あ、違うくてね、お酒ねお酒」

『あの時は兄者もけっこ〜酔っ払ってたよね〜』

『まぁ、それなりに飲んだな』

『めっちゃ優しかったもんね〜』

『どういう意味だ』

「私も思ったよ。なんだろう、兄者くんって酔うと優しくなるの?」

『俺はデフォルトで優しいですが』

『兄者ね〜、酔うとめっちゃ甘やかしてくれる』

『は?』

 

 待ておい。

 甘やかした覚えはないし、そも普段から厳しくしてねぇっての。

 つか、俺ほど寛容なやつそうはいねぇぞ。

 

『だって〜なんかパイセンが愚痴ってたのめっちゃ聞いてたじゃん』

「え、あ……ちょっと待って春ちゃん?」

『お酒付き合ってくれない〜ってパイセン言ってさ〜。兄者もいつでも付き合いますよ〜ってさ〜』

「ねぇ待って!春ちゃんホントに待って!!!」

『あと、なんだっけ。お酒飲んでたらマネージャーに止められる〜って』

「いやぁぁぁ」

『したら、兄者は好きなだけ飲んでいいですよ〜みたいなさ〜』

「いやぁぁぁぁぁぁ」

『おいやめろ。つかそんなこと言ってねぇ』

『言ってたじゃん〜』

『潰れなければ止めませんよっては言ったがな』

『ほら〜』

『そんなキザなセリフじゃなかったろっての』

 

 妄想つか脚色しすぎだろ。

 あとなんでスミレさんはそんなダメージ受けてんの?

 今更酒豪イメージは消せないと思うが。

 

 コメント:パイセンw

 コメント:甘えるパイセンいいな

 コメント:これはてぇてぇ

 コメント:甘スミレ

 コメント:甘えてもろて

 コメント:5800円 夫婦で晩酌配信

 コメント:10000円 ちょっと酒買ってこようか

 コメント:20000円 飲め

 

「もうやだ……ディスコード切っていい?」

『スミレさんが瀕死なんだが』

『え、なんで〜?』

『お前が余計なこと言ったせいだろ』

『だってあれ、パイセンめっちゃ可愛かったじゃん』

「もうやめて……春ちゃんストップ……」

『あー、もうスミレさんのライフはゼロだわ』

「うぅ……」

『んじゃそろそろ失礼します』

「うん……今日はありがとね……」

 

 コメント:暴露祭り草

 コメント:姫爆弾投げてきやがった

 コメント:昇天

 コメント:可愛ええ

 コメント:3000円 もっと聞きたい

 コメント:2500円 夫婦晩酌配信待ってる

 

「なんでこうなるの!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういや、お前100万人もうすぐ行きそうとか言ってたよな」

「ん〜?そだよ〜。だからね〜、見届け配信みたいなのやるんだよね〜」

「俺も出るわ」

「えなんで?」

「いや、ちょっと面白いこと思いついただけだ」

 

 両親に、『愚妹の黒歴史募集』とだけメールした。

 

 

 

 




最近パイセンを虐めたくなってしまう自分がいる。
次回は愚妹をボコすつもりです。

Q.パイセンは夫婦いじりに慣れてますか?
A.歯を食いしばりながら受け流しています。

Q.兄者は酔うと優しい?
A.秘めたるお兄ちゃんスキルが解放されます


感想、高評価、誤字報告、マシュマロ、ファンアートありがとうございます!
やっぱモチベーションって大事。

マシュマロ募集↓
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=253518&uid=229168

ファンアート募集↓
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=253648&uid=229168

第三回 あなたの推しは?

  • 春風桜
  • 八重咲紅葉
  • 吹雪菫
  • サイサリス・夜斗・グランツ
  • 甘鳥椿
  • 音無杏
  • 紅上桃

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