妹の配信に入り込んだらVTuber扱いされた件   作:江波界司

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祝総アクセス数120万件突破!
祝お気に入り件数16000件突破!
ありがとう。
それ以外に言う言葉が見つからない。

さぁ全国16000人の姫虐ファンの皆様お待たせしました。
いっぺん死んでみるくらいに虐待してやりますよ(危険思想)
イヤホンで聞いてたら即死だった。鼓膜が。



#地獄美少女

「珍しいですね!兄者さんがわたしに相談って」

「すまんな。お前くらいしかまともに頼れそうなやつがいなかった」

「嬉しいこと言ってくれるじゃないですか。貸しにしときますね」

「どうした急に」

「うまぴょい!」

「やかましいわ。あと関係ないだろ」

 

 八重咲と通話を繋ぎながら、PCを弄る。

 サムネをつくるなんざ初だし、それなりに知識があるやつを愚妹以外で探さなきゃならなかった。

 ちなみに夜斗はサムネが結構適当だから除外。

 スミレさんは、連絡先知らんから論外。

 ディスコードだといつ連絡くるか分からんし。

 

「サムネの作り方を教えて欲しいんだが、頼めるか?」

「任せて下さいよ。それはもう、見た人全員が開いちゃうくらいどデカい釣り針のサムネ作りましょう!」

「いや、詐欺までしなくていいから」

「詐欺はしませんよ。とりあえず兄者さんの立ち絵貼っとけば大丈夫です」

「お前は俺をパンダか何かと思ってんのか」

「最終的に勝てばよかろうなのだ!」

「腐りきってやがる方法を提示すんな柱の女」

「けど実際問題、兄者さんの影響力凄いですよ?」

「本人の知らんところで有名になってんの怖ぇな」

「兄者さんの出てる配信の再生数は軒並み高いですし、なんなら桜ちゃんのチャンネル、ほとんどコンビチャンネルですよ」

「大丈夫なのかそれ」

「兄者さんが個人チャンネル出せば解決ですね」

「新たな問題が大量にできてんだろうが」

 

 素材に使えそうな画像は予め愚妹から貰っている。

 つか、なんでこんな兄者の立ち絵あるんだよ。

 あのイカレ絵師さん、仕事しすぎだろ。

 にしても多い。

 ……見直してみたが、俺の出た配信にはちゃんと兄者の立ち絵入ってんだな。

 こうして見ると種類の多さに驚くわ。

 ここまでレパートリーに富むと、どんな内容でも作り放題だ。

 兄者はフリー素材か何かだろうか。

 

「今までのサムネを参考にするのもありですよ」

「それもそうだが、ほら、一応記念のやつだしな」

「確実にアーカイブ残りますね」

「となると、それなりにちゃんとしたもん作らんとな。これのせいで登録者減ったとか言われたら流石に反論できん」

「兄者さん、変なとこで真面目ですよね」

「これくらいは普通だと思うが」

「いやいや、明らかに春ちゃんを潰しに来てるじゃないですか」

 

 朗らかでハッピーな雰囲気を強調させた黄色ベースの背景に。

 いつも通りの優しい笑みを浮かべる兄者の立ち絵。

 隣には感情を失ったかのような真顔の春風桜のイラストを載せ。

 その上にデカデカと黒字で『黒歴史晒します』の文字。

 我ながら、傑作だ。

 

「いい仕事したな」

「隠しきれないドSってこんな感じなんですね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【もうすぐ100万人!】記念すべき瞬間を見守る会【春風桜、兄者】

 

 コメント:サムネ草

 コメント:黒歴史w

 コメント:姫虐が見れると聞いて

 コメント:姫の黒歴史はヤバそうw

 

「すぅ…………………………」

「おい、はよ始めろ」

「いや……あのさ、ねぇ、これなに?」

「サムネ」

「兄者が作るって言ってたけどさ〜……うん、聞いてない」

「まぁ、言ってないし」

「え本気でやんの!?マジ?ねぇまじ!?」

「おん」

 

 コメント:まさかのドッキリ

 コメント:言ってないは草

 コメント:300円 身代金

 コメント:500円 身代金

 

「つーわけで、兄者です。なんか記念日になりそうらしいんで、俺が企画持ってきましたー」

「来ましたーじゃないから!ふつ〜に雑談でいいじゃん!」

「せっかくの機会だし、もっとお前のことを知ってもらおうぜ」

「そんな知られ方したくないって〜!」

「ってことで、もうすぐ100万人いくらしいんだわ。ちなみにあとどんくらい?」

「え、あ〜……あと1万5千人くらいかな〜」

「だそうだ。まぁさっさと100万人いけば配信も終わるし、それまで愚妹の黒歴史晒してこうと思う」

「なんで〜!!!」

 

 コメント:はよ

 コメント:時間稼ぎ定期

 コメント:逃がすな

 コメント:永遠に100万人いかないでほしい

 コメント:無限の黒歴史

 

「ぶっちゃけると耐久するほど数はないからな。さっさと100万人いってくれ」

「早く〜!どうか早く〜!」

「んじゃ一個目行くぞー」

「ね〜、もうちょっと待ってみない?ほら〜どわって増えるかもしんないじゃん」

「えーっと、『知的キャラに憧れて中学デビューするも、入学してすぐの確認テストでバカが露呈した』」

「うぐっ……」

「へぇ」

「待って兄者、違う、それは違う。春ママの思い込み入ってる」

「あぁ、あっそ。興味はないが」

「なんか酷くない!?勝手にヒトの過去晒してその扱いってどうなん!?」

「え、じゃあ、掘る?」

「やだ、やめて」

「おん。ちなみに憧れてたん?」

「やめてって言ったじゃん!」

 

 コメント:もっとやれ

 コメント:可哀想なのすこ

 コメント:姫の悲鳴よき

 コメント:300円 身代金

 コメント:4000円 マスターおかわりを頼む

 

「コメの加速がえげつねぇな」

「今日ずっとこんな感じなの〜!?」

「次を頼む、はよ次、姫を泣かせてくれ。お前嫌われてんの?」

「ちっが!ねぇそれはないから〜。……ないよね?なんか付き人さんたちのノリがやばいんだけど」

「まぁ、嫌いならこんな奴に金かけねぇよな」

「兄者よりひどい人ってそんないないと思う〜」

「じゃあ次行くぞ」

「ペース早くない!?」

「えー、『中学時代。兄者の服を勝手に借りたまま友達と遊んだ際、ファッションを褒められ、以後借りパク。しばらく気に入って着ていたが、「それ男物だよね?」と聞かれ、「兄者の」と答えた。それからしばらくクラスメイトにブラコン疑惑をかけられた』」

「…………」

「はっ、きっつ」

「アタシがねェ〜!!!」

「なんでそうなるのか。あと流れるように借りパクすんなよ」

「いいじゃん!てゆか、なんで春ママは知ってんの!?」

「ママ友にでも聞いたんじゃねぇの。知らんけど」

「なぁァァァ〜!うぁァァァ〜!!!」

 

 コメント:ごちそうさまです

 コメント:春ママ強い

 コメント:ドSのDNA

 コメント:母親譲りのサド

 コメント:兄者の原点

 コメント:ドSの継承

 コメント:次は君だ

 

 というか、ほんとにおふくろがえげつない。

 的確に嫌なとこを突いてくる感じ。

 伊達に親じゃないってことか。

 にしてもえげつない。

 我が親ながら、性格悪いな。

 

「何回も言ってるけど、ブラコンとかありえんだろ」

「あ〜まぁね〜。普通にお下がりとかするし〜」

「なんなら部屋着とか、ほぼ俺のお古のジャージだろ」

「いや〜そこまでじゃないけど〜」

「つか、同接がとんでもない事になってないか?」

「千〜、万〜、十万〜……十万!?」

「とんでもねぇ。さいたまスーパーアリーナ5個分も見に来てんのかよ」

「兄者〜例えがわかんない」

「ググれ」

「え〜」

 

 たしか収容人数が4万弱だった気がする。

 同接18万人。

 規模がデカすぎて訳が分からん。

 暇なのか。

 

「あとスパチャの流れが、もう引くな」

「みんなありがと〜。……兄者、前から思ってたんだけどさ〜」

「あん?」

「これなんて読むの?」

「全国の身代金納付者に謝れよ」

 

 コメント:引くな!

 コメント:シャー〇ット?

 コメント:600円 身代金

 コメント:読めてなかったw

 コメント:400円 身代金(みのしろきん)

 コメント:3000円 身代金(みのしろきん)

 コメント:ふりがな無いからしゃーなし

 コメント:難しい言葉使ってごめんね

 コメント:もはや煽りw

 コメント:これ自体が黒歴史やろw

 

「え、あ、みのしろきんって読むの!?」

「なんだと思ってたんだよ」

「中国語?」

「ここ日本だぞ」

 

 ヤベーよこの子。

 本気で言ってそうなのが特にヤベー。

 身内ながら、せめてネタだと思いたい。

 

「んじゃそろそろ次行くか」

「もうちょっと待たない〜?あとさっきから内容がいちいちキツイんだけど」

「名誉のために言っとくけども」

「なに〜?」

「これでも笑えるものを選んでるからな」

「アタシの黒歴史見て笑うないっ!」

「いや、俺でも読むのキツイレベルのやつあるし」

「え、どういう……?」

「まぁ読まんが」

「というかね、なんで春ママの中でアタシがブラコンになってるの?」

「知らん。あとここからだいぶ破壊力高いから覚悟しとけ」

「既に死にそ〜なんだけど!?」

 

「『愚妹がプリンを好きな理由。

 小学校に入る前から、愚妹は甘いものが好きだった。

 当時、親と買い物に行くと100円だけ好きなものを買ってもらえることがある。

 愚妹はいつもチョコを選んでいたが、ある時ゼリー類のコーナーでプリンを見つけた。クリームの乗ったワンカップのプリン。値段は160円で、買うことはできない。渋々いつものチョコをカゴに入れた。

 家に帰り、親からおやつを受け取りに行く。そこで、欲しがっていたプリンを手渡された。

 何が起きたか分からずにいると、兄者がチロルチョコをポケットに入れて部屋を出る。「兄者にありがとうって言っておきなさい」そう言われて、兄者がプリンを買ってくれたことに気がついた』」

 

「うァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」

 

「うるせぇ……」

「違う!ねぇこれは違う!ほんっとに!」

「あー、へぇ」

「めっちゃ美味しかったけど!プリンめっちゃ美味かったけど!だから好きなもの!兄者は関係ないって〜!」

「おん。いや、というか」

「ううん?」

「こんなことあったか?」

「がァァァ!!!」

 

 コメント:絶叫助かる

 コメント:どっから声出してんだよw

 コメント:あれ?音消えた?

 コメント:ええ話やん

 コメント:なんだこれ

 コメント:てぇてぇ、なのか?

 コメント:仲良き

 コメント:いつもはツンデレ?

 コメント:墓穴ほっとるw

 コメント:あったんだな

 

 マジで記憶にない。

 まぁ愚妹の反応的にあったのは事実みたいだが。

 いやー俺優しいなー。覚えてないけど。

 あと暴力的なのに時々優しいのがDV男の特徴とか聞いたことある。

 俺は違うけど。

 

「あぁ……配信、切りたい……」

「死にそうだな」

「もう終わんない〜?」

「まだ100万人行ってないだろ」

「みんなお願い!助けて〜……っておおおう!?」

「むしろ減ったな」

「なんで!?200人くらい減ったんだけど!?」

「付き人の団結力すげぇな」

「こんなとこで団結しないで〜!むしろ助けて〜!」

「これ、ネタ持つかな」

「そこの心配はしなくていいから!」

「長引くとリスナーも共感性羞恥で死にかねないんだが」

「そんなヤバい話あんの……?」

「あるあるゾーンにはいったらどうしようもない」

「そういうの読も!」

「読んでいいのか」

「読まないでって言っても兄者読むじゃん」

「まぁな」

「はいクソ〜クソ兄者〜」

「希望通り、あるある的なやついくか」

「こうなったらもうリスナーさんも道連れにするし〜」

「道連れって言葉よく知ってたな」

「うっさ!」

「じゃあ次行くぞ。えっと、『実はお兄ちゃん子』」

「違うからァァァ!」

「ここまでのエピソード的に、無理あるだろ」

「てか兄者もやでしょ!?」

「わー実の妹がブラコンとか引くわー」

「クソ兄者ァァァァァァァァァァァァ!!!」

 

 コメント:知ってる

 コメント:だろうね

 コメント:本当は兄者大好きなんだな

 コメント:ブラコン姫

 コメント:ブラコンはいいぞ

 コメント:どけ!俺は兄者だぞ!

 コメント:全力で兄者を遂行する

 コメント:付き人から兄者に転職したい

 

 結局、登録者の増減を繰り返し一時間の配信になった。

 まぁ実際問題、愚妹がブラコンってことはないだろ。

 ガキの頃はよく遊んだ気もするが、それも普通の兄妹レベルだし。

 あくまでネタというか、プロレス芸ってことだ。

 反撃されないのにプロレスって呼ぶのかは疑問だが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺が愚妹の黒歴史を募集した時の話だが。

 

 LIME

 

 おふくろ『黒歴史ってどういう話?』

 俺『本人は恥ずかしいけど周りは笑えるやつ』

 おふくろ『あんたのゲームのコントローラー階段から落としてスティック壊した話とか?』

 

 ああ、アレ寿命かと思ってたわ。

 

 俺『めっちゃ面白い画像見っけた』

 愚妹『見たい』

 

 とりあえずホラー画像送り付けた。




ご愛読ありがとうございます。
この作品の原点はやっぱりこれ姫虐。
一方的にぶん殴るプロレス芸って最高ですわ。

追記
マシュマロでもらった案を一部改竄して使わせて頂きました。
アイデアありがとうございます。
改竄しといてなんですが笑

Q.姫はブラコンですか?
A.いいえ、兄と仲のいい愚妹です。

Q.姫の一番の黒歴史は?
A.メインヒロインだと思ってたら男性キャラにすら負けたこと


感想、高評価、誤字報告、マシュマロ、ファンアートありがとうございます!
作者は嬉しくなるとついヤっちゃうんだ。(更新を)(古のネタ)(今令和)

マシュマロ募集↓
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=253518&uid=229168

ファンアート募集↓
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=253648&uid=229168

第三回 あなたの推しは?

  • 春風桜
  • 八重咲紅葉
  • 吹雪菫
  • サイサリス・夜斗・グランツ
  • 甘鳥椿
  • 音無杏
  • 紅上桃

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