妹の配信に入り込んだらVTuber扱いされた件   作:江波界司

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あけおめ!(明けてから既に20時間経過)

久々の更新ですが読んで貰いたい。
あー、俺の会社バルスしないかなー。


#俺の知り合いとオタク友達が修羅場すぎる

 社会人の醍醐味と言えば、飲み会。

 俺も先輩として新人を連れていく立場になった。

 まぁ、主催も主導も主役も倉元ではあるが。

 

「先輩、飲まないんですか?」

「帰り車だ。気にしなくていい」

「そーそー!こいつは、こういう時もクールなんだよー!」

「お前は飲み過ぎだけどな」

「しかしなー、毎日毎日苦労しながら仕事してりゃ、飲みたくなるってよー」

「そうですね。楽しみながら仕事したいです」

「いっそYouTuberとかなりゃよかったですわ〜」

「今、VTuberとか流行ってますしね」

「YouTuberなー!」

 

 倉元にこの話振ると長くなるぞ。

 ある意味地雷踏んだな、新人。

 社会の闇の洗礼を受けとけ。

 

「まぁ、案外悩みの多い仕事だとは思うけどな」

「そうですか?」

「ゲームしながら稼げるとか最高だと思いますけど〜!」

「毎回企画とか考えないといかんし、1時間喋り続けるって普通に重労働だろ」

「あ〜、確かに」

「それに人気依存の仕事だからな。干されたり飽きられたら詰むとか、考えんのがもうきちぃ」

「それは、いやですね〜」

「先輩、詳しいんですね」

「あ?いや、まぁ、詳しい奴が近くにいるからな」

「お、珍しいなー!止めないのか」

「止めても無駄なのを俺は知っている」

 

 ここからは倉元のターン。

 暇だからつまみ頼もう。

 酒は飲まんけど。

 さて、あと1枠分は続くかな。

 ……それできるならこいつ、VTuber適正があるのでは?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただまー」

「おかえりなさい、兄者くん」

「遅かったですね」

「すみません間違えました」

 

 自宅の扉を閉めた。

 酔ってんのかな。

 一滴もアルコール入れてないけど。

 帰る家を間違えちまった。

 表札も住所も間違いなく俺ん家だけど。

 なんか幻覚まで見えた気がする。

 にしてはリアルなんだけど。

 前にもこんなことあったな〜。

 なんで増えんだよ。

 スミレさんと八重咲が玄関にいた。

 今日は愚妹をゲームでボコればいい気楽な配信のはずだったのだが、それどころではないな。

 酒瓶持った酒豪と仁王立ちのオタクとか、ホラーに分類するまである。

 

 

 

 

 

 

【緊急オフコラボ】酒のつまみはクソマロです【春風桜、吹雪菫、八重咲紅葉、兄者】

 

「おはる〜」

「おはるーじゃねぇよ。なんだこれ」

「なんかね〜、パイセンと紅葉ちゃんがやりたいことあるって言ってたからコラボした〜」

「急すぎないかおい」

「別に良くない〜」

「百歩譲るとして、何この地獄」

「コラボ相手が二人、来るぞ遊馬!」

「やかましいわエセアストラル」

「最初はね〜、パイセンから連絡来たんだよね〜」

「兄者くんは絶対に晩酌配信から逃げるから!」

「そりゃ逃げますけど。てか、ダメでしょこれは。ライン超えてるでしょ」

「強引に行かないと、絶対に来てくれないでしょう?」

「だからやり過ぎですって」

「その後に紅葉ちゃんも今日やりたいって来たからね〜混ぜた〜」

「禁忌の融合もいいとこだなおい」

「わたしとしては、早めにやらないとあやふやにされて逃げられるかと思ったので」

「約束は守るし、あとお前の俺の評価低すぎるだろ」

「兄者くん、私との約束は?」

「晩酌するとは言ってないんですよ」

 

 コメント:修羅場で草

 コメント:告知きてビビった

 コメント:混ぜるな危険

 コメント:晩酌配信で半分未成年なの草

 コメント:地獄配信助かる

 コメント:また地獄じゃねぇか

 コメント:いいぞもっとやれ

 

 ふざけんなと。

 皆様、これはオフコラボです。

 つまり、隣にこの人らがいるんです。

 しかも約一名、酒瓶を所持した状態で。

 帰りたいよ。ここ俺ん家だけど。

 もしこれをハーレムだとか言うやつがいるなら、今すぐ正義の鉄拳か怒りの鉄槌を食らわせたい。

 オタクと酒豪に絡まれるキツさを知らん無知共が──と。

 

「文句言ってたら多分配信終わるから諦めるが」

「そんなにあるんですか」

「それはそうと、八重咲のやりたいことってなんだ?スミレさんは分かる、ってかもうおっ(ぱじ)めてるけど」

「あ!兄者くんも飲む?」

「遠慮しときます」

「わたしがしたいのは、これですよ」

「マシュマロか。……多くね?」

「多いんですよ!めちゃくちゃ増えてるんですよ!」

「やば〜。アタシの、これ何倍〜?」

「3倍はあるな」

「どうしてこんなに増えたの?」

「分からないです。というか、増えたのはマシュマロって言うよりクソマロなんですよ!」

「クソマロ?なんだそれ」

「見た方はやいと思う〜。ちょっと待ってね〜」

 

 マシュマロ

『クソマロ失礼します。サーモンとマグロは違います。マグロは赤身のお魚に分類されますがサーモンは白身のお魚に分類されます。クソマロ失礼しました』

 

「なにこれ、Yah〇o知恵袋?」

「普通応援とかリクエストが来るじゃないですか。そうじゃないのがもうクソマロです」

「こういうのが、いっぱい来てるんだぁ」

「そうなんですよ。今のはクソマロって自覚がまだ送り主にあるじゃないですか」

「普通、そうだろ」

 

 マシュマロ

『湿気ったブルドッグ』

 

「意味がわかんないんですよ!」

「うん、分かんねぇわ」

「紅葉ちゃん、なんかしたの〜?」

「いや、これはもう兄者さんのせいですよ」

「なんでも俺のせいにすな」

「兄者さんと絡み出してから増えてるんですよ!だからですね、ここで責任を持って食してもらおうと思ったわけです」

「冤罪なのに実刑が重すぎる」

 

 コメント:草

 コメント:わからんw

 コメント:クソマロ職人求む

 コメント:サキサキのマシュマロ雑談すこ

 コメント:これつまみに酒飲むのw

 

「ほら兄者さん、読んで下さいよ」

「俺が何したってんだよ……」

 

 マシュマロ

『ラーメン

 つけ麺

 国士無双』

 

「せめてメンであれよ」

「こんなのが無限に届くんですよ。分かりますか兄者さん」

「分からんし、分かりたくもねぇ」

「パイセン、こくしむそ〜って何〜?」

「ごめん、私もよく分からない……」

「麻雀の用語、と理解してもらえればいいです」

「さぁもう、どんどん行きましょう兄者さん!」

「めんどくさい酒飲みが霞む位にはダルいんだが」

「……もしかして私のことかな!?」

 

 マシュマロ

『ある日、森の中、熊さんに、であ』

 

「食われたな」

「遺言でしたね」

「兄者くん、ちゃんと歌うんだぁ」

「ま、一応?」

「冷静に考えたら、森で熊に会うってこういうことですよね」

「え、死んだん〜?」

 

 マシュマロ

『このはしわたるべからずって書かれたら坊主以外も不便だよな

 俺動きます』

 

「何する気なんですかね!?」

「橋を作るか、看板を壊すかだろうな」

「一休さんって、そういう話じゃないと思うんだけどぉ……」

「あ、これ知ってる〜。一休さんが真ん中あるくやつでしょ〜。……でも橋わたってるよねこれ〜?」

「未だに理解できてないことに驚きを隠せないんですが」

「俺は愚妹から一休の名前が出るだけで驚いてる」

「二人ともぉ……」

 

 コメント:熊前にしてクソマロ書くファンの鑑

 コメント:命懸けのクソマロ

 コメント:一休さん知ってたのえらい

 コメント:姫ェ……

 コメント:知ってた

 コメント:トンチ効かないもん

 コメント:橋ってあったらマジレスだから

 コメント:漢字で書けばはマジでそう

 

 

 マシュマロ

『「あ!あんなところにプリンが!」

「ぷりんぷりーん!」

「よーし、よしよしプリンは今日もおいしそうだなぁ!」

「ぷりぷりーん!」

「うーん、今日はどうしようか?そうだ!プリンを食べよう!」

「ぷりン!」

「そうだ!今日は凍らせてから食べよう!うん!そうしよう!そっちの方がいいだろ!なぁ!プリン!」

「ぷりぷり!ぷりりん!」

「え!冷凍はいやだ?溶かした方がいい?そうかそうか!じゃあ凍らせて食べような!」

「ぷり!ん!」

「んじゃ!また後でね!プリン!」

「ぷりり!ぷ

 

 Two hours later

 

「おー、よ──く固まってるなぁ!」

「[認識不能な音]」

「いやー、ここまで硬くなるとはなぁ!」

「[認識不nな音]」

「よーし、じゃあ食べるか!」

「[認p不nな音]」

「いただきまー、あ!フォーク持ってこないと!」

「[認p不rnな]」

「よーし!今度こそ!いただ

 

 [Unknown Date]』

 

「もう何なんですか!」

「ssを読ますな。というかこれは本当になんだ」

「……ねぇ、パイセン、そのビン緑だったっけ……?」

「?これは、雫だから、緑だよぉ?」

「いや、さっきまで……おい、空けたのか?まさか、この速度で?」

「あ、ご、ごめんなさい……兄者くんも飲みたかったよねぇ……」

「そうじゃねぇよ」

 

 まだ30分も経ってないぞ。

 それで、瓶を?

 ……鬼か。

 

 コメント:はやw

 コメント:マシュマロは酒がすすむ

 コメント:いつもより速い

 コメント:まだ缶ビール半分なんだけどw

 コメント:ペース早いですよお客さん

 コメント:流石お酒の妖怪

 コメント:酒女

 コメント:雪溶けたら酒になってて草

 

「でもねぇ!私もお鍋食べたかったんだからねぇ?」

「鍋?」

「ああ、闇鍋のやつですか!」

「あ〜。でもあれメッチャ不味かったよ〜?肉以外」

「いや、汁のせいでもう肉すら食う気失せてたぞ普通に」

「私も皆でお鍋したかったんだよぉ」

「はいはい、また今度しましょう」

「言ったからねぇ!」

「ちなみに、スミレ先輩。闇鍋に出てたら、何持って来てました?」

「闇鍋って、ビックリするようなものがいいんだよねぇ?」

「そ〜そ〜、なんか面白いやついいよね〜」

「うーん、さきいかとかぁ?」

「つまみかよ」

「先輩、酔ってますね……」

「んん、まだまだ飲めるよぉ」

「酔ってんだよな」

「パイセンお酒すきだね〜」

 

 コメント:いつものパイセンで草

 コメント:予想通り

 コメント:つまみだらけの鍋なる

 コメント:酔うの早いな

 コメント:今日の酒そんな多くないはずでは

 コメント:ペースだんち

 

「つか、この人そんな早く酔うもんだったか?」

「パイセン、兄者帰ってくる前から飲んでたよ〜」

「なんでだよ」

「なんかめっちゃデカいの持っててね〜」

「おん」

「兄者と飲む〜とか言ってたけどね〜」

「おう」

「絶対断るよ〜って言ったら、飲んだ」

「飲んじゃったかー」

「それはもう、すごい勢いで飲んでましたよ」

「じゃあ何か?この人既に瓶2本空けてんの?妖怪か?」

「まぁ、妖怪ですね」

 

 妖怪だったわ。

 そろそろ雪女とかいう設定だけの称号は返上したらどうだよ。

 そういやリスナーとかからその辺弄られてるとかあったんだっけか。

 酒女とかも言われてたな。

 いいのか、P.Sの清楚枠(笑)。

 

「だって、兄者くんが飲まないからぁ」

「なんで俺が悪いことになる」

「いやいや、今回の企画に関しては兄者さんの責任ですから」

「晩酌はちゃんと断ってるから逆上だろってのは分かるが、お前のは完全に言いがかりだぞ」

「兄者さんが八重虐とかいうジャンルを作ったのが悪いです!」

「そのジャンル作ったの、ほぼ落ち葉だろ」

「ん〜、落ち葉さんっていうより舎弟〜?」

「やめろ推すな。んで俺のせいじゃねぇ」

「いやいやいやいや、親分のせいですって」

「誰が親分だ」

 

 コメント:付いてきやすぜ親分

 コメント:任せてくだせぇダンナ

 コメント:イエッサー

 コメント:覚悟はできてる

 コメント:リーダー

 コメント:大統領

 コメント:イエスボス

 コメント:魔王様

 

 俺が扇動してないから。

 あと最終的に魔王呼びになるの通常運転すぎるだろコメント欄。

 それはつまり魔王であることが通常ということでは?

 んなわけあるかい。

 

「大丈夫!兄者くんの分、私が飲むからぁ!」

「何も大丈夫じゃないんだが?」

「ほら、男として責任取ってください」

「命知らずなのかお前は。焼かれても知らんぞ」

「兄者〜、二人に何したの」

「何もしてないのに地獄配信してんの、お前のせいだからな?」

「待って兄者〜!今回は二人のせい〜!」

「このドS、コラボ相手放置して妹とイチャつき始めましたよ」

「兄者くぅん……」

「絡みがクソめんどくせぇ」

 

 コメント:二人のダル絡みスコ

 コメント:さすが嫁

 コメント:うざ咲ええわ〜

 コメント:カ・オ・ス

 コメント:いつもの光景

 コメント:日常。

 コメント:。←ここ重要

 コメント:ジョージョーユージョー

 

 だから、酔っ払いと厄介オタクはダルい。

 そして愚妹とかいう混沌の錬金術師がいる。

 全員まとめて人体錬成陣の中にぶち込んでやろうか。

 その後もダル絡みを覚えたオタクと完全わがまま形態の一応清楚、アホとの地獄のような配信は続いた。

 てぇてぇわけねぇんだわ。

 ったく、こうなるから晩酌配信したくねぇんだよ。

 あと俺は二度とマシュマロ読まん。

 読んだ時間がマジで無駄だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 オチというか、今回の折檻。

 酒豪には切り抜きを。

 オタクにはクソマロを。

 アホにはホラゲー枠を差し上げた。

 

 つか、上二つはリスナーが勝手にやったんだよな。

 ホラゲー枠は社長に電話しといたら通った。




クソマロくれた皆さん、ありがとうございます!

兄者が劣勢に見えますか?
そりゃ周りも進化しますからねー。
そして兄者もまた。


ネタ切れ気味なので番外編で遊ぼうかなと思います。

LIME

甘鳥『面白いシナリオ考えたんッスよ』
八重咲『詳しく聞こう』


感想、高評価、誤字報告、マシュマロ、ファンアートありがとうございます!


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第三回 あなたの推しは?

  • 春風桜
  • 八重咲紅葉
  • 吹雪菫
  • サイサリス・夜斗・グランツ
  • 甘鳥椿
  • 音無杏
  • 紅上桃

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