妹の配信に入り込んだらVTuber扱いされた件 作:江波界司
本当にありがとうございます!
タイトルから推測できたら舎弟検定3級を差し上げます。
今回のコラボ相手はあの人。
バレンタイン。
かの聖人バレンチヌスが結婚禁止へ反旗を翻し、その命を落としたことをキッカケに始まった一種の祭り。
現代日本においては某チョコレート企業の策略として利用され、愛を茶色い固形物に変換して送り合う行事へと変化した。
しかして、そうしたイベントは需要があるからこそ続くものであり、起源がどうのリア充がどうの言うのはお門違いだろう。
チョコが欲しいなら貰える努力を惜しむな。
強がりでも言い訳でもないが、俺は欲しいとは思ってない。
何せ受け取ったが最後、問答無用で倍返しをホワイトに要求してくるんだぞ。
やってらんねぇよ。
陸戦型白い悪魔に乗る隊長でもあるまいし。
そして今年はちぎれた腕ではなく頭を抱える事態になった。
「兄者〜、これどうすんの?」
「いや、俺が聞きたいんだが」
バレンタインデーから約一週間が過ぎた。
俺の目の前には大量の配信機材が置かれている。
「マイク〜めっちゃ高いやつじゃない?あ、カメラ〜。最近調子悪かったから替えたかったんだよね〜。……え、すご!バイリンガルマイクじゃん〜!」
「バイノーラルだろ。つか、なんだこれ」
「バレンタインじゃない?ファンから〜」
「配信をしろと?これを使って?そもそもバレンタインはチョコ贈るんじゃねぇのかよ」
「うち、食べもの系のプレゼントはうけとれないんだよね〜。危ないとか言ってさ〜」
「あぁ、まぁそうか。いや、それにしてもだな」
例のごとく呼ばれて行った事務所から渡されたのはマイク、ヘッドホン、カメラ、その他諸々。
何をどう返せというのか。
ただでさえ今年は三人分のホワイトデーで予約されてると言うのに。
タレント業だし、こういうのには敏感だよなあの人ら。
クリスマスをド忘れするようなポンコツもいるけど。
愚妹からはチロルチョコを貰ったが、ホワイトデーにそのまま送り付けるから数には入らん。
あと多分気付かん。
【雑談】ただまったりお喋りするだけの枠【吹雪菫、春風桜、兄者】
「夜分遅くにこんばんは、吹雪菫です」
「桜で〜す」
「兄者でーす」
「二人ともやる気ないのかな!?」
「だってね〜パイセン〜、設定とかなんか訳わかんなくて大変だったの〜」
「設定?」
「大量に届いた新品のマイクやらカメラを今使ってるんですよ」
「あ、バレンタインに届いたっていう?」
「はい。んで、とりあえず替えてみたんですけど」
「なんかわけわかんないやつめっちゃあったの〜」
「機能とか設定が安物のやつより大量にあったんですよ」
「あ、確かに音周りとかの調整って大変だったりするね」
「で、説明書を開封と同時に無くせる特技を披露されまして」
「それは特技なのかな」
「結局ググりながらなんとか間に合わせたんですよ」
コメント:お疲れ様兄者
コメント:夫婦配信待ってた
コメント:仕事の愚痴を言う旦那の図
コメント:姫が通常運転すぎるw
コメント:ホワイトデー待ってるぜ兄者
「ホワイトデー?ふざけんな。返すもんは何もねぇ」
「あ、バレンタインで思い出したんだけどね」
「なに〜?」
「バレンタインボイスがすごく売れてるんだって」
「それは、良かったですね」
「兄者くんのおかげだね、ってボスは言ってたよ」
「それは、良くないですね」
「良くないんだ」
「なんで〜?兄者なんかしたん?」
「八重咲と甘鳥の作品を本人の前で聞いたくらいしか関わってねぇが」
「えっぐ〜……」
「それは……かなり、恥ずかしいよね、かなり」
「まぁ、だからやったんですが」
「鬼じゃん!」
コメント:あれはよかった
コメント:三回は楽しめるボイス作品
コメント:ボイス聞く時兄者視点にする楽しみが増えた
コメント:鬼は基本装備
コメント:通常運転
相も変わらず人聞き悪いな。
あと勝手に変な要素追加して聞くなよ。
本人の自由ってのは分かるが、巻き込まれた側の気持ちになれ。
「そういえば、今回はなんの記念ですか?」
「え?特に何もないよ?」
「ただ雑談するだけでコラボとかってあるんですね」
「それは兄者くんが晩酌に来ないからだよ」
「晩酌するだけのコラボ配信も普通はねぇだろ」
「アタシは別にど〜でもいいからね〜そういうやつ〜」
「雑談どころかタイトルすら適当に決めてゲリラ配信し出すやつは例外だ」
「コラボってなんかする〜って決まりないじゃん〜」
「まぁ、言われてみればそうだが」
「兄者くんが呼ばれる時って、ゲームか兄者くん関連の企画がある時だけだもんね」
「日常的に配信は見ないんで、そこら辺のルールはよく分かりませんし」
コメント:これだけ出てて見ないの嘘だろ
コメント:既に一般人とは呼べないぞ兄者
コメント:この平和な会話すこ
コメント:ファミリービデオ見てる気分なる
なるなよ。
分類上、義兄妹みたいな感じだし。
というか絵師の設定持ち出すと、スミレさんって姉になんの?
「じゃあ、マシュマロとか見ていこっか」
「トークテーマとかマジで決めてませんでしたねそういえば」
マシュマロ
『そろそろユニット名欲しくない?』
「なんだこれは」
「あ〜、夜桜ゲームズみたいなやつ〜?」
「それは番組名だと思うけど」
「そもそもユニットって何か分からないんですが」
「何って言われると難しいな……。でもほら、このメンバーで一つの配信をしますっていう感じだよ」
「誰もまともに理解できてねぇのかよ」
「あ、桜ちゃんと紅葉ちゃんのユニットが『
「八重咲の趣味全開だな」
コメント:銀〇
コメント:〇魂 紅桜篇
コメント:名前決める配信クソ笑ったやつ
コメント:SMってつけようとした姫さすがやわ
「お前、なんて名前付けようとしてたんだよ」
「こういうのって、インフル?から取るって聞いた〜夜斗くんに〜」
「イニシャルな。ウイルスのどこにユニット名要素あんだよ」
「あはは。ユニットっていうのは、この三人のってことかな?」
「俺をカウントしたらダメだろ色々と」
「公式にしないなら大丈夫、なのかな」
「ここで決める時点で公式になるんですが」
「はい!SSA〜でよくない?」
「よくイニシャルが分かったな」
「ローマ字入力したときに、最初に出るやつって聞いたから知ってるんだよ〜」
「情報元リスナーだな」
「三人だと、夜桜とか紅桜みたいにはできないね」
「だから俺を混ぜなくていいって言ってるんですがね」
コメント:春風一家
コメント:春風家
コメント:P.S三兄弟
コメント:三バカ
コメント:バカは一人だろ!
コメント:我が家
コメント:草
ラインギリギリを攻めてる名前が大量に流れてるな。
あと一般人を混ぜてユニットを組ませんな。
それはもう配信者の身内が混ざって出てるの枠超えるだろ。
「コメントが爆速で流れてんだが」
「何か気になったのはあるかな?」
「PPPってなに〜?」
「なんかの略称だとは思うが」
「えっと……ポンコツ、パイセン、パワー、かな?」
「それユニットじゃなくてスミレさん単独では」
「私、ポンコツだと思われてるのかな!?」
「はい」
「即答なんだ」
「とにかく、ユニットとして定義されると俺が迷惑なんで、無視して次行きましょう」
「全然無視できてない気もするけど……」
マシュマロ
『貴方の目の前に右隣のメンバーが天井から吊るされています。その時の貴方の行動は?
※手元には包丁、ハサミ、猫じゃらし、プリンがあります』
「心理テストか何かか?」
「凶器があるのが怖いけど……」
「順番に答えればいい〜?」
「まぁ、そうするか」
配信画面では右から、俺・スミレさん・愚妹となっている。
俺の右隣は空白なので一周まわって愚妹想定で話を進めることになった。
「じゃあ、スミレさんからどうぞ」
「兄者くんが吊るされてるんだよね。ハサミでロープを切れば助けられるのかな?」
「多分そうなんじゃないですかね」
「包丁って、何に使うんだろう?これもロープを切るため?」
「兄者を刺すんじゃない〜?」
「お前よくそんな危ない発想できるな」
「なんで兄者引いてんの〜!?兄者の方がめっちゃやって来そうじゃん」
「しねぇよ」
「桜ちゃんはどうする?」
「パイセンがいるんでしょ〜?あ、まずね〜プリンあるからはんぶんこして食べさせてあげる〜」
「どんな拷問だそれ」
「まず助けて欲しいな……」
コメント:真っ先にすることじゃないw
コメント:はんぶんこなの草
コメント:姫らしいわ
コメント:無理矢理プリンを食わせる図
コメント:想像するとおもしろい絵面
コメント:スプーンないぞ
「え、スプーンないの〜?じゃあ食べらんないじゃん」
「そっか、スプーンはあるって言われてないもんね」
「あ!パイセンわかった〜。だから包丁あるんだ〜。横にすればすくえるじゃん〜」
「危なくないかな!?」
「でも猫じゃらしじゃすくえないからしょうがなくない〜?」
「サバイバルでもしてんのか」
「じゃあ兄者だったらどうやってプリン食べんの〜!」
「主題が変わってるだろ。プリン食べるのが目的じゃねぇ」
「兄者くんは、桜ちゃんが捕まってたら、だね」
「普通にハサミでロープ切って帰りますよ」
「そうじゃん〜。プリン持って帰れば食べれるじゃん」
「だからプリンの話はしてねぇが」
「でも、兄者くんなら猫じゃらしとか使うのかなって思ったよ」
「ヘェーソウデスカーソンナ風ニ思ッテタンデスネー傷ツクナー」
「ち、違うよ。失礼な意味じゃなくてね、こう、いつもならそうするかなって!」
「どう足掻いても失礼だろ」
コメント:包丁でプリン食べさせるのマジの拷問で草
コメント:姫が包丁持ったらあかんw
コメント:パイセン逃げて!
コメント:逃げらんねぇw
コメント:兄者は何もしなければ何もしないから
コメント:お仕置システムだから
コメント:なんかやらかしてたら猫じゃらしじゃ済まなそう
コメント:目の前でプリンを地面にプッチンしそう
コメント:ロープ切らずに帰りそう
コメント:目の前にプリン置いてそのまま帰る
コメント:プリンに罪はないだろ!
俺のイメージ、そろそろドSとかの範疇超えてね?
ただのやべぇやつじゃんこれ。
雑談枠と言うだけあって、本当に雑談を垂れ流す一時間だった。
俺がドラムを打てるみたいな話題になり、スミレさんがピアノで全国大会に出たとかいう話を聞いた。
この人、本当によくわからん。
あと、ピアノ弾けるからキーボードも弾けるというわけではないらしい。
詳しくは俺もわからんが、機能とかコードの概念が全然わからないとか。
俺もコードはよく分からんし、そういうのは音ゲーの感覚がたまにズレるのと同じだろうか。
音ゲー始めたての頃はその辺苦労した覚えがある。
そこで叩くのかよ、みたいな。
まぁ、慣れればなんてことなかったけど、曲によってはたまにあるんだよな。
確か夜斗がギター弾けるらしいし、もしかしたらバンド企画をさせられられたりな。
まぁ、楽器いじれるメンバーがそう簡単に集まるとは思えんが。
【切り抜き】兄スミの子供になりたいつばきち【甘鳥椿/P.S】
『すみすみパイセンがママで、兄者先輩がパパじゃないッスか。んで、桜先輩が義妹とか、家族構成完璧じゃないッスかね!』
『あ、ユニット名?春風家でいいッスよね!これからはもう春風椿を名乗るまである!』
LIME
俺『おい』
甘鳥『どうしたんですか?』
俺『お前春風桜チャンネル出禁な』
甘鳥『なんでですか!』
甘鳥『ちょっと!?』
甘鳥『兄者さん?』
甘鳥『既読つかないんですが!?』
たまにはほのぼのとしたただの日常もよい。
まぁ、つば虐はするんですが(笑)
Q.バレンタインに兄者は誰に何を貰ったの?
A.愚妹→チロルチョコ 毎年これ
八重咲→手作りのチョコクッキー 料理得意
パイセン→G〇DIVA 手作り失敗したので
つばきち→市販の高めのチョコ 料理無理
感想、高評価、誤字報告、マシュマロ、ファンアートありがとうございます!
クソマロめっちゃ増えてて草
マシュマロ読むだけの回もそのうちできそう。
マシュマロ募集↓
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=253518&uid=229168
ファンアート募集↓
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第三回 あなたの推しは?
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春風桜
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八重咲紅葉
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吹雪菫
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サイサリス・夜斗・グランツ
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甘鳥椿
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音無杏
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紅上桃