ーヴァルターー
この俺ヴァルター、無事に転生して20歳になった。現在無事に『変化の紋章』『八鬼の紋章』『からくりの紋章』の3つを宿し、『天槍グングニル』も入手済み。…転生してから20年、何をしていたかだって? …別に気にしなくてもいいんじゃない? 普通に生まれて生活していただけだぜ? …まぁ身体を鍛えたりモノを作ったりしたけれどね。そこらは語らずともいいだろう、面倒だし…。
ただ俺は生まれながらに『八鬼の紋章』と『からくりの紋章』を宿しており、両親以外からは不気味がられていたっけ。幼き頃からぼっち、故に鍛えることとモノ作りしかしていないんだよね! …で20年経ち、たまたま見付けた洞窟で『天槍グングニル』を入手した。そして続け様に『変化の紋章』を宿し、これにより全ての転生特典を入手したわけなのだがね。…洞窟から戻ってみれば、両親が死んでいた。…というかみんな死んでいた、…何が起きたのか?
…結局簡単に語って冒頭へ戻るわけで、無事に転生して20歳になった俺はこれからどうしようかね?
考えた結果、この場所から旅立つことにした。両親を含めてみんな死んでいるし、留まる必要もないだろう。旅の準備を整えて早々に旅立とう、…と言っても破壊され尽くされているから準備も何もないような気がするけれど。まぁ…両親の墓は当然として、ほぼ関わりがなかったけれど他のみんなの墓も一緒に建てよう。…祟られたら嫌だし、…俺ってば優しいじゃない。
瓦礫となった家々の廃材を使い墓を建てる、『からくりの紋章』の力もあるが俺の才能も発揮されて立派なモノに。中心の一番大きな墓は両親のモノ、その周囲の小さな墓はみんなのモノ。…安らかに眠ってくれよ?
使えるモノは全て奪われており、残っているのは廃材のみ。俺はその廃材を使い簡易的なからくり三輪車を製作、動力源に隠しておいた五行の紋章を使用。これ等は大きな木の下に埋めておいたんだけれど、…見付からなくて本当に良かった。
俺の知識と『からくりの紋章』の恩恵で作られたこの三輪車、前世で言うところのバギー。今の俺が作れる最高のからくり、紋章の力で動く乗り物だ。『火の紋章』の爆発力が心臓部、その力を利用して『水の紋章』からの力を蒸気に変えて走行。『土の紋章』の力で大地の走行を補助、『風の紋章』の力で風の抵抗を無くす。そして『雷の紋章』の力がからくり全体を巡り、三輪車を動かすよう五行の紋章を連動させる。これによりこのからくり三輪車は馬よりも速く走る、地上限定でね。
…いずれは五行の紋章を上位のモノに変え、更に良い素材を使ってからくり三輪車を完璧なモノに仕上げたい。そうすればきっといつかは水上走行も、…流石に空は無理だと思うけれど。
数日でからくり三輪車を作った俺、試乗も兼ねて旅立とうと思ったんだけれどもね。何か馬に乗ったヒャッハーな奴等に襲われたよ、100人以上の大規模な集団みたい。…コイツ等が俺の両親を殺したんか? そんな感じのことを聞いてみたら、
「生き残ったテメェもあの世へ送ってやるぜ!!」
と言われたから返り討ちにしてやった。所謂敵討ちってヤツ、当然みな殺しですわ。命乞いは無視、無慈悲に駆逐するのみ。因果応報、あの世で両親に詫びろ!!
全ての賊を屠った後、敵討ちの完了を両親の墓前に報告。そして旅立つことを告げ、俺を愛し育ててくれたことに感謝した。両親の…二人の分まで生きると宣言し、その墓前から俺は去る。
さて、何処へ行こうか? …と言っても何処に何があるのか分からん。よってどの方向へ行くかは自由、…運試しってヤツだな。……………ふむ、どうしようか?
考えに考えた結果、『天槍グングニル』を立てて倒れた方角へ行くことに決めた。特に理由はないけれど、あえて言うなら特典武器だしご利益があるかなぁ~…って感じ。目標もなければ行く場所の宛もない、なら自由気ままに行き当たりばったりで行動するしかないじゃん?
一応原作知識はあるが、今がどの時代…年代か分からんのだ。だから行動するしかない、そして情報を入手してから考えるしかないのだ。…それに俺の原作知識が役に立つかも分からんし、…俺というイレギュラーがどんな存在になるかも未知数。分からんことだらけだが自重はしない、せっかくの転生なんだから楽しませて貰う予定。…まぁとにかく、先ずは行動ってわけさね。
俺はからくり三輪車に跨がり起動させ、颯爽と未知の世界へと旅立った。
からくり三輪車にツッコミはなしで。