至らない点が多々あると思います。生温かい目で見てくれると嬉しいです。
また小説の勉強なども一切していませんのでありえない文章、意味わからない文章など多々あると思います。が、徐々に慣れていき、修正をしたいと思います。
どうかよろしくお願いいします。
さて本編に関してはGEバースト、GE2(予定)の原作をなぞっていきます。
しかし、一から十まですべて描くつもりはなく、ストーリーの大筋にオリジナル主人公が何を考え、行動していたかを基本にしていきます。ですので読まれる方はゲームの原作のストーリーを知っている方だと分かりやすいかと思います。
ちなみに主人公は男性です。
では、始めます。ここまで読んでくれた方に感謝します。
プロローグ
「・・迷った」
ここまでこの施設がでかいとは思わなかった。武骨でいかめしいエレベーターに載って各階に周り、会った人に片っ端から自己紹介を繰り返したのは良いのだが一向にエントランスフロアに戻れない。
こんな事ならコウタを連れてくるんだった。迷った時の一人の心細さも二人なら・・いや、多分二人しておろおろしながら
「今さっきこの道通ったよな?」「いや・・わかんネ・・」
「ってか今何処だよココ!」「わかんネ・・」という大差ない展開になっているだろう。
それでも一人で彷徨うよりはあの底抜けに明るい、そして人懐っこい彼が居れば幾分気は楽になっていただろう。
「とりあえず戻らんと・・えっと・・ここはさっき通った・・よな?」
虚空に話しかける。当然誰も答えてくれない。シンと静まりかえった廊下に大げさにため息をついた。
極東支部アナグラ。人類最後の砦に入所早々に迷子とは・・悲しすぎる。
しかし、それにしてもおかしい。それは何か?このフロア全体だ。静かすぎる。一体何の為の階なんだ?
ここに来るまでにいくつものフロアを行き来してきた。
自室のあるフロア、娯楽、食事のためのラウンジ、ラボラトリ、医局、そしてあの支部長のいる役員フロア。それぞれの階にいる人間は面白おかしい程個性的に異なっていたが共通してちゃんと人はいた。
しかしこのフロアだけは・・本当に静かだ。
まるで眠っている何かを起こさないようにしているかのような静けさの中で、響くのは普段は聞こえない施設を維持する空調の機器の低く唸る音と歩く自分のやたらと高く響く足音だけだった。
人はいない。
しかし、「何かいる」
エレベータから降りた瞬間、そう感じた。そのせいでこのフロアに深入りし、結果帰り道が分からないというのが間抜けな話だが。
それでも・・この場所に迷い込んだ事はやはり偶然ではなかったように思う。
「誘い込まれた」とでも言えばいいだろうか。
「彼ら」に。
そのフロアにあるいくつものドアの中で一つを無意識に選び取り開けた。その瞬間に自分をこのフロアに呼び、彷徨わせたものの正体が判明する。
厳密にいえばそれが果たして「物」なのか「者」なのかは判然としないが。
「・・ああ。ここが・・」
神機保管庫。
冷気の煙が開いたドアの前に立つ自分の足を浚っていく。
そして浮かび上がったのはついさっき自分に適合したばかりの「神機」の姿。
そして今日幾人かに挨拶した同僚や上司達の使用する神機が続々と晴れた煙の中から躍り出る。
ここには現時点での適合者あり、適合者なしに関係なく全ての神機が保存され、出撃の時を待っている。いや、彼らにとっては「食事」と言うべきだろうか。
こんな武骨で嵩張りそうな原始的な長物が極東のここ数百キロ圏内に狭められた人類の生息地域を守っているのである。
「・・・で、呼んでくれたのは嬉しいんだけど・・こっから帰る方法知ってる?」
そう語りかける。しかし彼らはその質問には当然応えてくれなかった。
替わりに
「誰!?」
意識に語りかけるような「彼ら」の言葉ではなくハッキリとした人の声が背後より響いた。
振り返ると昼間にしては薄暗い照明の廊下に小さなシルエットが立っていた。
それが華奢な少女だと言う事が解る。そしてその顔には既視感があった。
「・・・?キミは確か・・」
どうやら彼女も同様らしい。当然だ。ついさっき会ったばかりなのだから。この短時間で忘れられたとしたら流石に悲しい。
「あ・・さっきの」
―えっとこの人の名前は確か・・
「榎葉(えのは)・・やまめ君だっけ?新人の」
彼女は自分が彼女の名前を思い出す前に先に思い出してくれた。
「・・・。そうです。確か・・楠(くすのき)さんでしたよね・・?」
「そ。楠リッカ。整備士の。・・さっき言ったでしょ?リッカでいいって」
―ああ。地獄に仏。これで今日も無事に生きて帰れそうです。
「・・・。でも・・こんな所で泥棒まがいにコソコソしている人には「楠」でいいかな?やまめ君?」
「・・ゴメンナサイ」
自分より二十センチ位背の低そうな少女に深々と彼―榎葉 山女(エノハ ヤマメ)は頭を下げた。
「あ!・・・あの」
「何?」
「顔に汚れが付いてますよ」
「どこ?」
何処かと聞かれても返答に困った。内心
―そこかしこに。
と言いたかった。
「・・・。あーそっかさっき空調ファンの整備で顔突っ込んだ時かな・・」
彼女はおもむろに白いタオルを取り出して顔を拭う。
すると拭った部分の化粧気のない顔の地肌が驚くほど白い事に気付く。
汗と油の奥には無垢な白い肌が隠れていた。
「どう?とれた?」
「ええ」
「そう、よかった」
そう言って彼女はあろうことか分厚い手袋で顔を拭った。手袋は当然汚れている。折角拭った左頬に黒いオイル汚れがまた付いた。
「あ・・・」
―・・・あ~あ。
「ん・・?」
「いや、何でもないです」
「そう?で、結局ここで何してるの?」
三分後、詳しく事情を説明したのち、少女―楠リッカはうんうんと頷きながら
「・・成程ね。事情は解ったよ。まぁ迷うかもしれないよねココ。あんまり風景が変わり映えしないし」
少女―楠リッカは少し嫌味を含んだ言い方を最初こそはしたものの、第一印象の通り人間の出来た気のいい人の様だった。
「丁度私も仕事終わってエントランスに戻るとこだったしさ?一緒に戻ろうか」
神機保管庫のデバイスの画面を開き、キーボードを叩きながらリッカはそう言った。
「助かる・・ります」
「ん・・?おっと・・・でもちょっと待ってね・・キミがこのドアを開けて室温が変わったせいでこの子達びっくりして起きちゃったみたいだね・・」
リッカはぐるりと保管庫を見回してぐしぐしと頭をかいた。確かに心なしか彼らの「声」がさわがしくなってるような気がする。
―呼んだの君らじゃん!俺の!?俺のせいなのか!?
「すいません・・」
「いいよ。私もちゃんと鍵をかけとくべきだったし。うーんと・・少し待ってて?もう一回この子達を寝かしつけてあげないと・・相変わらずリンドウさんの神機は寝つきが悪いなぁ・・持ち主と似てヤンチャなんだから・・よしよし・・」
「ん・・?」
まるで子供の昼寝を世話する母親の様にリッカは手元のキーボードを入力する。不思議とさっきまでエノハに聞こえていた「声」が心なし小さくなった気がした。
「よし・・イイ子だね・・。・・おやすみ」
この一連のやり取りだけで少女が一流の技術者だという事が解る。あれほど聞こえていた「声」がぱったりとやみ、神機を取り囲む機器の駆動音が彼らの寝息に感じた。
エントランスで会った初対面の時も随分と若い子が技術者をしているものだなと思い、てっきり自分と同じ配属されたばかりの新人の技術者かとも思ったがどうやら違う。
「ここ・・楠さんが管理してるんですか?」
「そーだよ」
「全部?」
「だいたい」
リッカは作業がてら素っ気なくそう答えた。どうやら技術者の助手とかでも無く、彼女自身が先頭に立ってここを仕切っている事を確信させる軽さだった。
「あ。・・ごめん。ひょっとして自慢に聞こえた?」
「いや。そんなことないです。こっちこそ偉そうに聞こえるかもしれないけど・・実際凄いと思いますし」
「ありがと。でも・・何だかんだ言って五年目だしね?これくらいできないと・・」
「五年・・?」
「私12の頃からここでお世話になってるの。元々お父さんがここで技術者として働いていて、ちょくちょくそれを手伝ってたら榊博士に誘われて正式に配属されたのが二年前・・今じゃここにいる技術者の中じゃ誰よりも古株でお局さんだぁ?私」
やや自虐気味にそう言って彼女は笑った。
「成程・・凄いワケだ。ってことは今17歳・・?」
「うんにゃ。今年で18」
「・・あ。俺と同い年なんだ?」
「ああ、同期なんだ?キミてっきりコウタ君と同じかちょっと上ぐらいだと思ってた。結構上なんだね?二人共気さくそうに話してたからてっきり・・」
「うん。詳しい歳言ったら『敬語で話そうか?』って言われたけど断りました。・・結構ちゃんとした奴みたいで」
「そっか。私もかたっ苦しいの嫌いだし敬語は無しで。改めてよろしく」
「・・。わかった。よろしく」
十分後・・
「よ~し終了!」
「お疲れ様。仕事増やしてゴメン・・」
「い~のい~の。あんまりここ見に来る新人の子って少ないし、元々あんまり人が来ない所だしね。今日はいい話相手になってくれてありがと」
「ならいいんだけど」
「・・神機は自分の命を預ける相棒なんだから仕事以外にも会いに来てあげて欲しいと思うんだけどね。機械も人もおんなじ・・ちゃんと一生懸命見て挙げればちゃんと応えてくれるんだから。その「中間」であるこの子達も一緒。・・ちゃんと心を開いてあげれば力をもっと貸してくれる・・それならもっと・・。・・。」
神妙そうに彼女は呟いた。しかし手は止まっていない。仕事人だ。
「でもまぁ、気持ちは解るんだけどね。フェンリルの適合試験に通ったら嫌でも召集だし。生死のかかった仕事以外の時に仕事の道具のことなんて考えたくもない気持ちはわかるけど・・あ、ごめんね辛気臭くて。よし終わり!戻ろうか」
リッカは話を打ち切る様にキーボードを閉じて接続プラグを抜いた。
「・・・解った。俺はちょくちょく見にくるよ。コイツに会いに来る際は君に声をかけたらいいのかな?」
「ホント?嬉しいよ」
「それに・・ここの機械に興味あるしね。ホントスゴイのだらけだよな・・コレ見てるだけで面白いし」
「でしょ?何せ生体科学技術と機械技術の最先端よ。フェンリル傘下の大手企業が鎬を削って技術競争した先端技術の中でも選ばれた物がここに来るんだから」
リッカはそう言って得意げにふんぞり返ったがすぐに後悔した。
―うわ。やっちゃった。引かれるよね。こんな嬉々と機械の事語る女・・。
が、内心落ち込んだ彼女を尻目にエノハは・・
「あ。これクルタ製作所のマーク!?へーあの会社こんなの作ってたのか・・。知らなかったな・・この前光学開発部門が買収されたって話だったけど・・コレだけ技術あったら買収したくなるわな~うんうん」
「え?」
なおもリッカの反応を無視し、エノハは機械を愛でつづける。
「ちょっと失礼・・。・・。おー!さすが。技術もさることながらデザインがコンパクトで嫌味ねー。これが権威やメンツにこだわる大手にはできない所だよな」
「・・・」
無言のリッカをさらに無視し、次の備品にエノハは手にかける。
「こ、これは・・?神機を洗う培養液・・な・・に?牙王製!?赤ちゃんから女性のスキンケア商品まで一手に引き受けるコスメブランド?あの女社長・・旦那のギャンブルで会社が傾いて株主総会であれ程責められていると言うのにあの余裕の態度はこういうことだったのか!」
「あのあの・・やまめ君?」
「はっ!あ、ごめん。つい夢中になっちまった・・迷惑だよな」
「・・ラウンジで話そうか」
ラウンジにて
そのとある席には絶対領域が敷かれていた。そこに座っているのは二人。
少年と少女。しかし、その光景に色気を覚える人間は一人もいなかった。
・・なんだあの二人?
・・俺に聞くなよ。
何語しゃべってんだ?
・・しらねって。
「あ~ないない。確かに世間のイメージでは超優良の技術会社に見えるけど実体は無名の下請けの超技術を安く買い取って自分の会社のブランドイメージだけをとってつけて売り出してる様な会社よ。フェンリルは全く信用してないって」
リッカは首と手を振って大げさにそう言った。
「・・マジで。道理であの会社の製品が無いワケだ」
「その代わり・・その下請けの××って会社は無名だけど本当に凄いよ。技術管理が徹底してる」
「ああ・・それは聞いたことある。でもあそこって△△が□□じゃなかった?」
「表向きはね。でも実は○○で○×こそ□□なの」
「え、でもそこはこの前は△×だって・・」
「マスコミ操作ってやつだよ」
「汚いな・・それ・・」
※記号の所は決して卑猥な意味ではありません。
十分後、二人は一定の応酬ののち、おおげさにぷはぁと一息ついた。
「エノハ・・・話せるね」
「いや・・楠・・俺に合わせてくれてるだろ」
「いや凄いと思うよ。ま、欲を言えばもう少し表向きだけの情報に惑わされない最低限の知識は必要かな?」
「なんて説得力のあるダメ出しだ・・」
「ふふふ。私も何気にこの業界長い女ですから」
少し得意げにリッカは幼く笑った。
「でも・・エノハ本当によく知ってるね・・でも、確かキミはここに来る前は・・」
「うん。無職」
このアラガミ隆盛のご時世、仕事にありつける人間自体が珍しい。
「だよね」
「はは」
「でも・・その知識はどこで・・?」
ちょっと顔を曇らせて言いづらそうに
「・・。さっき楠のお父さんが技術者だって言ってたよね」
そう続けた。
「ええ・・それが何?」
「俺の親父も技術者なんだ。それも・・まぁまぁの。それで俺も色々教えてもらってたってわけ」
「・・へぇ・・そうなんだ」
少し空気が変わったように言いづらそうにしているエノハの態度を見てリッカは少し考え込んだ。
「技術者の息子」「エノハ」その二つのワードを頼りに少し考えてみる。
―技術者の息子で・・。榎葉 山女・・エノハ・・ヤマメ。・・・。エノハ?・・まさか・・。
「・・・」
リッカが一瞬考え込む姿を確認し、エノハも同時に押し黙った。
これほどの技術関連の知識を持つ少女である。彼女は自分のことを理解した―エノハはそう判断した。
「・・・。おっと時間だ。コウタに呼ばれてるからそろそろ失礼するよ」
「あ・・。うん!また今度話そうよ。色々お話出来て楽しかったよ。ヤマメ君」
「・・今度はもう少し勉強しておくよ」
「うん。またね。ヤマメく・・ヤマメでいい?私もリッカでいいから」
「わかった」
「うん」
エノハは席を立ち、踵をかえすと少し歩きだしたところで・・
「・・・」
ぴたりと歩みを止めた。
「・・?どうかした?」
「・・。悪い。やっぱり・・エノハって呼んでくれないか?」
「え・・?」
リッカは不思議そうに目を丸くした。
おかしい。どちらかと言えば「エノハ」というファミリーネームよりファーストネームで呼んでもらった方が彼の「事情」を鑑みると「都合がいい」はずなのだ。それはさっきまでのこの少年の態度からリッカにはハッキリと感じ取れた。なのに・・
「・・どうして?」
「いや・・何か」
「・・・?」
「「ヤマメ」って響きがさ・・その、何か女の子っぽくないか?昔からそう呼ばれるのが嫌でいつも家族以外は名字で呼ばせてたんだ」
照れくさそうにエノハはそう言って笑った。くだらない理由。でも不思議とリッカは嬉しかった。
「・・。ぷっ・・そうなんだ」
「・・」
「可愛い名前だと思うけどな~「ヤマメ」ちゃん・・」
「・・ちゃんづけに合いすぎるだろ?その名前」
だから嫌なんだよ、と、心底いやそうな顔をエノハは崩さなかった。
「ごめん。了解したよ。じゃあね。・・エノハ。また何か困ったことがあったら言ってね。いろいろ工面できると思うから。迷子以外にも色々と手伝えると思うよ」
「・・ありがとよ。じゃまた。リッカ」
榎葉 山女
後に極東最強の戦力である第一部隊の最強のゴッドイーターになる少年である。
そしてそれ以前にフェンリル傘下、食物プラント部門で絶大な権力と発言力、そして確かな技術力を持つ「エノハプラント」代表の息子でもある。
極東、そして周辺支部の食物生産を一手に引き受ける技術者の親族―
本来なら例え神機に適合していたとしてもフェンリルの招集の拒否権すら行使できる程の技術者の息子である。
その少年が何故ここに居るのか?今はまだリッカは知る由もない。
以上・・こんな感じです。
「ゴッドイーター関係ねぇ!」と思うかもしれませんが、これからちゃんと「ゴッドイーター」する(つもりな)ので良かったらまた続き読んでください。
ちょっと我ながら長いな~と思うのでコンパクトにしたいなぁ。
よろしければまたお付き合いください。それでは。
読んでくれた方本当にありがとうございます!