GOD EATER カスタマ   作:GREATWHITE

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ゲーム上では雑魚敵であるオウガの恐怖を表現できればなと思います。
今回はRー18かも知んないですね。
よろしければ今回もお付き合い下さい。
新章スタートです。


襲撃

男には家族がいた。

妻と三歳になる娘。辛く貧しい生活のなかで男は妻をめとり子宝に恵まれた。

人並みの幸福を享受しつつも物に恵まれない時代だ。妻と子は飢えていく。

男は自分の不甲斐なさに歯がゆさを覚えずに要られなかった。

そして、何かが狂っていった。

 

「何時もお世話になっています」

アナグラ地下、食糧物資搬入のトラックが何時ものように燃費の悪そうなエンジン音でゲートの警備員の前に止まる。

「ご苦労。ん?見ない顔だな」

「...ああ。私は代役です。担当の者が仕事中の事故で運転が出来なくなったので」

「そうか。宜しく頼む。では何時も通り積み荷を確認させて貰うぞ」

「どうぞ」

しかし怪我人の代役だと言うのに病人みたいな顔をしているなこいつ、と警備員の男は訝しげに思った。

蒼白の顔面に弱々しい語り口調。正直に言うとどこか薄気味悪さを覚えるような印象だ。

こいつも体調が悪いのかもしれん。さっさと済ませて帰してやろうと車体後部のドアを開く。

「ん?真っ暗じゃないか電気をー」

警備員がそう声をかけた瞬間パチンと音がしたかと思うとしゅるしゅると縄がほどけるような音。次に耳障りな肉から強引に何かを引き抜くようなみちみちという音が響く。異常性に疑いの余地なく警備員は手にしている銃を構え、見回り用のライトで照らし出そうと胸ポケットに手を入れた時だった。

爛々と光る目が冷気が漏れる暗闇のなかで警備員の男を捉える。人間のものではない。巨大すぎる。

遅ればせながらライトで照らされた車内の惨状に警備員はまともに声も出なかった。

「ーーーーーー!!!!?」

そこには無惨に転がる。明らかに人体の一部位が転がり、冷気によって乾いた夥しい血痕の上で血の気の失せた青黒い色をしていた。

そして遺された遺品。小さなウサギの人形がー持ち主の血を吸ったのだろう。赤黒い点々とした血痕で汚れ、空虚に宙を見上げている。

汽笛のような悲鳴が警備員から漏れた声が空洞でこだまする。

その空洞とはオウガテイルの口内であった。

 

座席の男は呟く。

「信心なき哀れなものたちに神の祝福を...」

男の下腹部ーそこには致命傷とおぼしき大穴が空き、足元には血の池ができていた。

 

男は神無き時代に神にすがった。生きづらい現世に対する不満、憤りをかかえた彼を支えたのは皮肉にも家族ではなかった。

狂信的、妄信的とも言える絶対強者ーアラガミへの信奉であった。そして彼は生け贄を捧げた。自分が最も愛するものたちを囮にして車内に彼が言う「神」を招き入れた。

中から響く悲鳴。何時も聞いていた声が耳を覆いたくなるほどのヒステリックな声を挙げたかと思うと徐々にか細く弱々しい声に変わっていく。それを聞き届けながら男は

扉を閉めた。

閉まる直前、オウガの尾から放たれた針を横っ腹に受けて悶絶しながらもたどたどしい哀れな動作で扉を閉じる。

閉めた直後、扉に額を預け、男は痛みをこらえた。扉の向こうからかすかにきこえた。

ーパパ。

そんな声が。

 

「...ママと先にいって待っていてくれ。パパもすぐそこにいくからな?」

 

そんな最低最悪の言葉を吐いて男は運転席へ重い体を運んだ。

 

 

警備員を蹂躙したオウガテイルが歩みを続ける。

非常に神経質なこの種は回りの状況の察知にたけている。

彼は結論を出した。

 

ここは敵。敵だらけだ。敵意に満ちている。しかし同時にエサだらけだ。容易く仕留められる連中の巣だ。

 

敵陣のど真ん中で同時にこれ以上ないエサ場ー逃げ場のない危機感と同時に自分の食欲を存分に満たせる。ここは地獄でありまた天国だ。

この状況がオウガをかなり危険な精神状態に変える。

目につくもの全てを喰らい、破壊するー

オウガの絶叫が地下に鳴り響く。開き直りの獣ーこれ程怖いものはない。

フロントガラスを横切り、アナグラ内部へゆっくりと歩いていくオウガを見送り、男は

 

ー幸福と平和を甘受するやつらを全員...殺せ。

内心本音を吐露した。

男に薄い笑いが込み上げる。醜く歪んだ顔に最早愛する妻子への慕情等は欠片もなかった。

 

オウガの歩みが止まる。

くるりと振り返り、トラックのフロントガラス一杯に巨大な口がぐわっと拡がったかと思うと男の上半身ごとオウガは運転席を「削り」とった。

 

 

「.....!!」

アナグラ全体にけたたましい警報が鳴ると同時にエノハは目覚める。

掛けていた上着を羽織ってヒバリのもとへ向かう。

 

神機を繋ぐ腕輪は現在ギブスによって固定されている。そこには彼の仲間達からの激励のメッセージと落書きが所狭しと描かれていた。

 

 

 

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