GOD EATER カスタマ   作:GREATWHITE

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久しぶりの日常編です。今回もよろしくお願いします。

内容については・・ノーコメントで。


カスタマ 短編集 6

1.

「・・リッカ・・本当に大丈夫?」

 

「うん。大丈夫・・」

 

「そんなに無理しなくても・・焦っても仕方がないことだし」

 

「いいの!・・私から誘ってこんなんになっちゃったんだから。責任持たないと・・」

 

「・・解った。でも・・初めてなんだろ?無理・・・しないでね」

 

「うん・・じゃあ・・入れるよ。覚悟は・・いい?」

 

「・・・ああ。いいよ」

 

「・・・ふぅっ。・・よしっ!・・えい!!」

 

「・・うっ!!くっ・・・」

 

「・・・!?・・・!?」

 

「・・・!・・・!・・・!!!!」

 

「・・・っ!?・・・!?・・・・!」

 

「・・!」

 

 

「こ、これ!なっ、なんかホントす、すごい❤エノハ❤素敵❤・・・!?」

 

「り、リッカ・・!・・・!?・・!」

 

 

―十分前

 

アナグラ―エントランス

 

エノハは本日オフである。特にやる事も無く昼食を終え、着替えて日用品の買い出しにでも行こうかと一旦自室に戻ろうとした時であった。

「あ・・エノハ!!いたいた」

「・・ん?あぁ・・リッカ?」

いつものラフな作業着に身を包んだリッカがトタトタと歩いてくる。

「今日確か・・エノハはオフだよね。今から何か予定ある?」

「いや特に。でも洗濯洗剤切らしちゃってさ。これから買い出しにでも行こうかと」

「うわっ!丁度良かった。私この前洗剤買い過ぎちゃってさ・・少し貰ってくれると嬉しいんだけどね」

「ホント?助かる。・・ふ~む。結局予定空いちゃったな・・あ。良かったらリッカ。一緒に買い物でも行かない?少々の荷物持ちなら出来るよ」

「いいね!ありがと。・・あ、でもさその前に・・今日私・・エノハにちょ~っと付き合ってほしい事が一つあるんだけど・・いいかな?」

少し思案するような、言いにくい事でもあるような表情で口元を愛用のグローブで隠し、リッカはちょっとエノハの目を覗き込むように上目遣いで見る。

「・・珍しい。どうぞ?どうせ暇人です」

「有難う。じゃあ・・。ふふっ」

「・・?」

「・・ついてきて?エノハ・・」

 

 

 

「・・ここ?」

「・・・うん」

エノハがリッカに連れられてきた場所。そこはなんと―リッカの部屋

・・などではなく射撃訓練場であった。

周りを強力な隔壁によってコーティングされた暗い空間に申し訳程度の照明、的、そしてオラクルの弾頭の威力、射程を数字化する機器が傍らに用意されている。

そこにリッカ、そして神機を既に持たされたエノハが佇んでいた。

 

「ごっめんね?結局何か仕事みたいな事になっちゃって」

「いいよ。別に。で・・、俺は何をすればいいの?」

「・・。実はさ。・・これ」

リッカはごそごそと携行したバッグの中から四つの色別にカラーリングされた物体を取り出し、掌の上に乗せてエノハに見せる。

「・・?これは・・」

「新しく私がカスタマイズしたブラスト用の弾頭だよ。名付けて・・『りっかすぺしゃる』」

「・・・」

「そんな顔で見るな!」

 

「そういうわけで・・試射を頼みたいの。任務前に試射して神機に異常がでたら困るし、かといって任務後の疲弊した神機で試射じゃあちゃんとしたデータが出せないかもしれないからさ?エノハとエノハの神機がオフのこの日に是非ともお願いしたいワケです」

「成程ね。了解!通常弾頭の威力の底上げは色々と助かるし喜んでやらせてもらうよ」

エノハは快諾し、リッカから手渡された弾薬を手慣れた手つきで装填。神機をブラストの形態に変え、早速構えて照準を的に会わせる。

「・・・っと!ちょっ・・ちょっと待ってね!?色々用意するから」

「りょうか~い」

エノハは的を見据えたままリッカに振り返らず、そう言葉を返す。

 

『・・いいよ。エノハ。準備完了。何時でも撃っちゃって』

 

「OK!」

エノハはトリガーを引く。

 

ドガン!!

重厚な発射音とともに的が一気に爆裂。元々ブラストの弾頭の為、威力や爆風は想像がつく。であるからしてエノハも的からかなり距離を離した上での試射であった。

が、この新型弾は弾着は発射とほぼ同時。威力は高いものの他の銃身に向くレーザー、弾丸などに比べると射程、着弾までの時間に課題のある破砕弾の問題を解消したこの弾頭はとても頼りになりそうだ。

おまけに端末に叩きだされた破壊力の単純数値も今までの通常破砕弾の約2倍と文句なしである。流石はリッカだとエノハは感心した。

 

 

「おー!すっげぇ威力!!」

 

『・・でしょ』

 

「で」

 

『・・・』

 

「すっげぇ・・反動」

さっきまで立っていた立ち位置にすでにエノハはいなかった。

強烈な反動によって吹き飛ばされたエノハと神機は後方の壁にぽっかりとクレーターを作って唖然とその威力と反動に「アハハ」と感心とも呆れともとれない微妙な顔をしていた。

エノハはその体勢のまま横を見る。

リッカがいた「はず」の場所。そこには音すら通さない超強化ガラスを構え、目には防護グラス、耳には鼓膜を守る為のヘッドフォン、そこから伸びるマイクを通して

 

『・・やっぱり』

 

と呟く完全防備のリッカの姿があった。

 

―・・ひどくない?

流石にエノハは泣きそうになった。

 

 

「む~っ。やっぱり威力は申し分ないんだけど。この反動はやっぱり如何ともしがたいな~」

弾頭の叩きだした数値、熱量、範囲などを見ながらリッカは唸る。

「確かにね。いくら威力に優れても体勢が撃つたびにこんなに過剰に崩れたら流石に危ないな。乱戦時にはとても使えない・・誤射も怖いし」

「・・だよね。はぁ~・・中々いい出来だと思ったのに」

「ま。仕方ないね」

「・・エノハが扱えないとなると・・ああ~~っ」

リッカは頭を抱え、さらに唸った。

「もったいないけどね。廃棄かな」

「・・・実はさ。既に買い手が・・引き取りたいって子が既に・・」

「何だ?そうなの?よか・・・っ・・た・・・」

 

―否。よくねぇ。

 

極東のブラスト使い―エノハが☓(ダメ)

 

=(つまり)・・書くのも恐ろしいアレ。

 

 

「あはっあはははあはははははは!!!???」

幻聴が聞こえる。エノハ、リッカの二人の耳に「彼女」の高笑いが木霊する。そして名前の頭に「ブ」がつく人と「タ」がつく人の悲鳴も一緒に聞こえてくる気がした。

 

 

「あっ!あ~っ!?俺なーんかこの弾頭欲しくなっちゃったな~!?欲しい!今欲しい!すぐ欲しい!!ってかくれ!!」

「・・本っ当にゴメンね・・エノハ」

手袋をした両手を顔の前で合わせて心底すまなそうにリッカは謝る。

「・・。まぁ俺が預かっとくよ。・・・ひょっとしたら何かに使えるかもしれないし」

エノハは座り込んだまま数値をもう一度覗く。確かに叩きだされた破壊力だけを見れば充分魅力的な弾頭だ。目に見えた強烈な課題、欠点はあっても工夫次第で化ける可能性はある。

 

「・・毎度。・・・えっと・・四つで8000fcになります。今撃った弾頭はオマケしとくよ」

「あ・・金とるんだ?」

「開発費タダじゃないの・・科学、技術の発展、成長は夢だけじゃあ駄目なんです・・育たないんです・・・」

 

「・・・了解。財布は・・あ。部屋だ。・・よっ・・・ん・・・?」

エノハが立ち上がろうとした時、怪訝な声を上げた。

「ん・・?どした~?」

「・・・ヤバイ。腕・・・外れてるわ。両方とも」

ぷらーんと不自然にエノハの手は垂れさがっていた。

「・・・ええ!!??」

 

 

 

―現在

 

「・・リッカ・・本当に大丈夫?」

 

「うん。大丈夫・・」

 

「そんなに無理しなくても・・焦っても仕方がないことだし」

 

「いいの。・・私から誘ってこんなんになっちゃったんだから。責任持たないと・・」

 

「・・解った。でも・・初めてなんだろ?無理・・・しないでね」

 

「うん・・じゃあ・・入れるよ。覚悟は・・いい?」

 

「・・・ああ。いいよ」

 

「・・・ふぅっ。・・よしっ!・・えい!!」

 

「・・うっ!!くっ・・・」

 

「どう!?入った!?」

 

「・・・!?な、なんか変な痛みが・・・!違う痛みが!!!!」

 

「あれっ!?お、おかしいな!?もう一度・・!」

 

「うっぎゃああああああああ!!ななななな!?手、手が・・なんか変な方向に」

 

「あれ!?な、なんで?両腕とも右腕になってる!?」

 

 

 

「こ、これ!ん、なんかすっ、すごい❤エノハ❤素敵❤ちょっちょっと待ってて!?カ、カメラ持ってきていいかなぁ!?記念に一枚・・・」

 

「り、リッカ・・!君結構テンパッてるね!?頼むからこの状態のまま俺を置いていかないでくれ!」

 

※大した医療知識も無く、怪我人に無責任な処置を施しては絶対にいけません。

 

 

 

「本当に・・すいませんでした」

 

「関節は適切にはめないと下手をすれば癖になりますから・・・」

看護師に静かにキレられながらリッカはこっぴどく叱られた。

 

 

 

2.

 

「エノハ」

「ん」

「相談したい事が」

「・・もう新型弾頭は勘弁だぞ」

「違うよ!また別の事」

「何?」

「最近さ・・私にこんなメールが・・」

アナグラの情報端末―ノルンにリッカのIDでログインされたメール画面をエノハは覗きこむ。

そこには数件の新着のメッセージがあった。送り主の名前ではなくアドレスが記載されているとこからリッカはその送り主を登録していないことが解る。

そのうちの一件を開いてエノハに文面を見せる。

「・・・。ふむ・・。ん?・・・えっ?」

「これ・・その・・プロポーズ?少なくとも『結婚前提でお付き合いして下さい』的レベル・・だよね?」

「だな・・」

「それもさ・・一通だけじゃないの。昨日だけで八通も・・これ以外も開いてみたけど・・ほぼ同じような内容でさ。当然全部知らないアドレスだし」

「心当たりは」

「あるわけない。怖い」

そうあっさりと言い切った後、少し落ち込んだ仕草をリッカは見せた。―ええ、ええ、そんなに私がもてるわけがないでしょうが畜生め。と、顔に書いてある。

―ひょっとしたら君がいつも整備してる神機達からのメールじゃないの?

と、エノハは言いかけたが止めた。事実だとしても到底慰めにもならない。冗談にもならない。

「・・・メールアドレスはどんなの?ちょっと見せて」

「えっと・・こんな感じ」

「ふむ・・。・・・。ん?Matunaga@・・?」

「へ?」

「・・マ、マツナガさん!?」

「知ってるの!?」

「この前お世話になった治安維持部隊の隊長さんだよ。恐らく間違いない。他のも治安維持部隊のカノン親衛隊の人達とみた。―つまり彼らの狙いはカノンさんだ。リッカじゃない」

―解ってはいたけどなんかムカつく!!

パチン!

「あいた。な、何で俺なぐんの!?」

「あ。ご、ゴメンつい。で、で?結局どういうこと?」

「考えられる可能性としては・・カノンさんが間違ったアドレス・・つまりリッカのアドレスを彼らに教えたとしか考えられない」

「そ、そんなことがあり得るの!?」

「わからん。しかし相も変わらず俺に送られてくるカノンさんのお母さんへの誤射メールを考えると・・カノンさんならやりかねない」

「まだ続いてたんだ!?アレ?」

「おかげで今や台場家の家族構成、趣味、最近カノンさんのお母さんが2kg太った事も知ってるぞ。恐らく今カノンさん家に遊びに行ったら話題に事欠かん。謀らずも俺は台場家のストーカー並みの知識を持っている」

「・・。で、どうしようこれ」

「う~ん。リッカがゴーストライターになるとか?・・振るも断るも綺麗にね?後腐れない様に・・。これからの極東支部と治安維持部隊の関係がかかってるんだから」

「ダメでしょ色んな意味でそれ!?ってぇか楽しんでない?何気にエノハ!?」

 

 

 




お疲れさまでした。今回も読了有難うございます!



やっぱりノーコメントで。
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